概要・あらすじ
銀座の寿司店・柳寿司は二代続く名店だったが、ある日二代目の柳葉鱒之介が病に倒れてしまう。息子である柳葉旬は体に無理をして働く父のためにも、三代目として一人前になるため、日々職人として鍛錬に励む。また寿司を通じて様々な人々の心を開いていく。
登場人物・キャラクター
柳葉 旬 (やなぎば しゅん)
銀座で二代続く寿司店・柳寿司の三代目で、初登場時20歳。父である柳葉鱒之介が病に伏したことで、高校を卒業してすぐに寿司職人になることを決意する。寿司の技術や目利きのセンスは並の寿司屋とは比べ物にならないが、職人としての道は果てが無く、柳葉鱒之介からは、まだまだ半人前とされている。 寿司に関することならなんでも詳しく、よく客に知識を披露している。寿司を通じて人の心を開くことが多い。
柳葉 鱒之介 (やなぎば ますのすけ)
『江戸前の旬』の人物。柳葉旬の父親で、銀座で二代続く寿司屋・柳寿司の二代目であり、店主をしている。柳葉旬が高校生三年生の時に病に伏し、以来、右半身が不自由であり、忙しい日に酷使し続けると右手が震え始めてしまう。江戸前の心を重んじ、客の前では江戸弁で話し、江戸前以外の寿司を握らない。 頑固な性格だが、客に応じて柳葉旬が江戸前以外の寿司を握っていても黙認するなど、融通が利かないわけではない。客の人生によく口を挟む旬を度々叱っている。
柳葉 真子 (やなぎば まこ)
柳葉旬の姉で柳葉鱒之介の長女。料理雑誌の編集者をしており、寿司関連で柳葉旬の意見を聞きに実家である柳寿司によく来る。柳葉真子が柳寿司に来るときは大抵なにかしらの厄介ごとを抱えており、柳葉旬にはトラブルメーカー扱いされている節がある。
柳葉 鱚一郎 (やなぎば きいちろう)
柳葉旬の兄で、柳葉鱒之介の長男。旭東物産食品開発部に勤務しているサラリーマンであり、寿司屋は継いでいない。運動会を見に来ず、母の看病もしなかった父に対して反発していたが、運動会で食べていた巻きずしを、母ではなく父が作っていたことを柳葉旬を通じて知り、柳葉鱒之介と打ち解けるようになる。
柳葉 誠 (やなぎば まこと)
柳葉鱚一郎の長男であり、柳葉鱒之介の孫、柳葉旬からみれば甥にあたる。約束にもかかわらず運動会を見に来てくれない父に失望していたが、柳葉旬に諭されて考えを変える。柳葉旬のことは兄のように慕っている。
海渡 謙介 (かいと けんすけ)
築地市場で高級魚専門の仲卸「海渡」を営んでいる。嘉志寿司と懇意にしており、初めは柳葉旬、ひいては柳寿司を二流の職人と店として、バカにして相手にしていなかったが、状態の悪いオニオコゼを見事絶品の寿司にしてみせたことをきっかけに柳葉旬を見直し、彼の良きビジネスパートナーとなる。
吉沢 大吾 (よしざわ だいご)
高級江戸前寿司店・嘉志寿司の三代目(登場当初の表記。後に四代目と表記される)で、柳葉旬を目の敵にしていた。自分よりもキャリアが浅い柳葉旬を見下していたが、東堂主催の全国握り寿司コンクールで柳葉旬に勝てなかったことをきっかけに自らの驕りに気づき、京都へ修行に出ることとなる。
磯村 慎治 (いそむら しんじ)
神田で江戸前寿司店「勘兵衛」を構えている。見栄っ張りで本マグロ以外のマグロを認めようとしなかった大学教授の父に反発し、寿司屋に就職。その後、独自の技術で本来ヅケには向かないキハダマグロのヅケを完成させる。全国握り寿司コンクールでは、キハダマグロのヅケで柳葉旬や吉沢大吾を抑えて優勝した。
平 政 (たいら まさ)
柳寿司の常連客の一人で、柳葉旬が握る寿司の解説をしたり、寿司で行き詰っている柳葉旬にアドバイスを与えることの多い老人。銀座でタイラ靴店を経営しており、柳葉旬からは「じっちゃん」と呼ばれ親しまれている。
東堂 (とうどう)
柳寿司の常連客の一人。銀座にある東都デパートの会長で、全国握り寿司コンクールを主催した。若い頃は戦後で何もない所から納豆売りとして生計を立て、大デパートの会長にまで成り上がった。したがって納豆に対して思い入れがあり、柳葉旬の握った納豆巻きを食べて感動してからは、柳寿司の常連となる。
金子 (かねこ)
柳寿司の常連客の一人。サラリーマン。柳寿司を銀座一の寿司屋と信じて疑わない。よく問題のある部下を押しつけられており、部下を柳寿司に連れてきては、説教をしている。
新井 雅彦 (あらい まさひこ)
柳寿司の常連客の一人。金子の部下であり、金子と共に営業部のサラリーマンとして働く。筋の通らないことをそのままにしておけない性格をしており、よく取引先ともめる。また体育会系のノリで宴会で暴れてしまうこともあり、何か問題を起こしては、金子と共に柳寿司に来て相談に乗ってもらっている。
場所
柳寿司 (やなぎずし)
『江戸前の旬』に登場する寿司店。銀座で二代続いた寿司店であり、店構えは決して派手ではなく、寿司の価格帯も高くはないが、寿司のネタに必ずひと手間加え江戸前の名に恥じぬ絶品の寿司を提供する。二代目の柳葉鱒之介が病に伏してからは、柳葉旬が三代目として働いている。
嘉志寿司 (よしずし)
『江戸前の旬』に登場する寿司店。吉沢大吾が三代目を務める。銀座に店を構える高級寿司店であり、一流芸能人や政治家がお忍びで利用することも多い。高級魚を用いて店構えに負けぬ一級の寿司を握るが、驕りが強く他の店を見下している。二階にはVIP席がある。
クレジット
- 原作
関連
寿司魂 江戸前の旬 特別編 (すしこん えどまえのしゅん とくべつへん)
戦後の銀座を舞台に、若き寿司職人・柳葉鱒之介の成長を描くグルメと人情の漫画。時代背景ゆえに、現代と異なる寿司ネタの使い方などが描かれることもある。同じ執筆陣による『江戸前の旬』の前日譚であり、鱒之介は... 関連ページ:寿司魂 江戸前の旬 特別編
北の寿司姫 江戸前の旬 特別編 (きたのすしひめ えどまえのしゅん とくべつへん)
北海道を舞台に、寿司職人を目指す姫野さくらの奮闘を描くグルメ漫画。同じ執筆陣による『江戸前の旬』のスピンオフ作品である。 関連ページ:北の寿司姫 江戸前の旬 特別編
ウオバカ!!! (うおばか)
さとう輝の『江戸前の旬』のスピンオフ作品。魚をこよなく愛する「ウオバカ」の田ノ上蒼が、寿司職人や料理人といった顧客に最高の魚を届けるため、腕を振るう姿を描いた人間ドラマ。「漫画ゴラクスペシャル」で20... 関連ページ:ウオバカ!!!
書誌情報
江戸前の旬 125巻 日本文芸社〈ニチブンコミックス〉
第85巻
(2016-10-08発行、 978-4537134919)
第91巻
(2017-12-18発行、 978-4537136692)
第113巻
(2022-05-27発行、 978-4537145076)
第114巻
(2022-08-29発行、 978-4537145380)
第115巻
(2022-10-28発行、 978-4537145618)
第116巻
(2022-12-27発行、 978-4537145854)
第117巻
(2023-03-17発行、 978-4537146202)
第118巻
(2023-05-18発行、 978-4537146417)
第119巻
(2023-07-28発行、 978-4537146745)
第120巻
(2023-10-10発行、 978-4537147094)
第121巻
(2023-12-27発行、 978-4537147476)
第122巻
(2024-03-18発行、 978-4537147889)
第123巻
(2024-05-17発行、 978-4537148213)
第124巻
(2024-07-18発行、 978-4537148534)
第125巻
(2024-10-19発行、 978-4537149067)