概要・あらすじ
元アイドル歌手だった「翼マミ」こと真美がマネージャだった姉に連れられて、下関市の遠い親戚にあたる高校生の登の家にやってきた。アイドルだったせいか我儘な真美だったが、真美は失明寸前にあり、生きる希望を失っていた。そんな真美は何かに誘われるように神宮へ足を踏み入れ、そこで耳無し芳一が琵琶で奏でる歌を聴く。
その神宮の先には、平家一門の没した壇の浦があった。理由のわからぬまま真美の行動を心配する登だったが、僅かに残った視力で真美に見えるのは平家の亡霊たちだった。
登場人物・キャラクター
登 (みのる)
山口県下関市に住む高校三年生。遠い親戚ということで面倒を見ることになった我儘な真美に手をやきながらも、失明という障害にぶつかって生きる気力を失っている真美を放っておけない。長身でしっかりした優しい青年。
真美 (まみ)
「翼マミ」という芸名でアイドル歌手をしていたが、目を患い引退し、遠い親戚である登の家族に世話になることになった。和服におかっぱ頭の日本人形のような美少女。姉に見捨てられ、失明の現実に生きる希望をなくしている。
多美 (たみ)
真美の姉。アイドル歌手だった真美のマネージャーをしていた。真美が目を患って芸能活動を続けられなくなると、自身は結婚して、真美を遠い親戚である登の家族に預けて去ってしまう。
場所
登の住む街 (みのるのすむまち)
平家一門が没した壇の浦がある。耳無し芳一が平家一門の怨霊に遭遇したという言い伝えのある神宮が建っており、目を患った真美は引き寄せられるようにこの神宮に迷い込む。そこで琵琶で奏でられた耳無し芳一の歌を聴き、平家の亡霊と出会うようになる。