煙と蜜

煙と蜜

大正5年の名古屋を舞台に、良家のお嬢様である12歳の花塚姫子と、姫子の許嫁であり30歳の帝国陸軍少佐でもある土屋文治の二人が、歳の差を超えて愛を育んでいく姿を描いた純愛譚。KADOKAWA「ハルタ」volume59から掲載の作品。「全国書店員が選んだおすすめコミック2021」で第7位に選出。

正式名称
煙と蜜
ふりがな
けむりとみつ
作者
ジャンル
恋愛
レーベル
ハルタコミックス(KADOKAWA)
巻数
既刊4巻
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あらすじ

大正5年、名古屋の尋常小学校に通う6年生の花塚姫子は、東京から名古屋へ引っ越し、祖父の花塚敬次郎、病気を患う母親の花塚瑞子、そして姉のように慕う四人の女中たちとにぎやかな毎日を送っていた。そんな姫子には、18も年が離れた許嫁の土屋文治がいた。帝国陸軍の少佐である文治は、よく屋敷を訪れては姫子と他愛もない会話をしていた。姫子はそんな文治が大好きで、文治のことをもっとよく知りたいと思いつつ、文治に見つめられるだけで赤面してしまい、うまくしゃべれない。いつも「文治さま」「許婚殿」と呼び合う二人だが、姫子は文治に名前で呼んでほしいと思っていた。姫子がその思いを伝えると、文治は「姫子さん」と呼んでくれるようになる。日々の暮らしの中で、二人は18の歳の差を超えて、ゆっくりとお互いへの理解を深めていく。

登場人物・キャラクター

花塚 姫子 (はなづか ひめこ)

名古屋の尋常小学校に通う6年生の女子。年齢は12歳。良家のお嬢様で、いつもきれいな着物を着て身ぎれいにしている。かわいらしい顔立ちで、頭には大きな赤いリボンをつけている。東京から名古屋の屋敷に引っ越してきて、祖父の花塚敬次郎と胃潰瘍療養中の母親の花塚瑞子、そして姫子が姉のように慕う四人の女中、龍子、月子、星子、こま子と暮らしている。天真爛漫な明るい性格ながら、許嫁である土屋文治の前では緊張のあまり思うように振る舞えないでいる。文治のことが大好きで、花塚姫子が15歳になったら文治と籍を入れる予定となっている。

土屋 文治 (つちや ぶんじ)

名古屋帝国陸軍第三師団歩兵第六連隊大隊の少佐で、花塚姫子の許嫁。年齢は30歳。薄い眉毛で目の下に隈があり目つきも悪く、人からはよく顔が怖いといわれている。坊主頭にすると、その人相の悪さがさらに際立つため、少し髪を伸ばしてオールバックにしている。姫子のことは非常に大切にしており、優しく接している。花塚家を訪れる際は両国屋のお菓子「なまらんめぇ」を手土産を持っていくなど、気配り上手で、女中の月子や星子からも好感を持たれている。しかし、姫子を溺愛している女中の龍子からはなぜか敵視されている。

花塚 敬次郎 (はなづか けいじろう)

花塚姫子の祖父で、花塚瑞子の父親。療養のため、実家に戻ってきた瑞子たちと大きな屋敷で暮らしている。土屋文治の父親と面識があり、文治のことも、昔から知っていた。将棋が趣味で、現在は文治をよく誘っていっしょに楽しんでいる。

花塚 瑞子 (はなづか みずこ)

花塚姫子の母親で、花塚敬次郎の娘。大正5年では完治しないといわれる胃潰瘍を患っており、いつも床に伏している。いつも笑みを浮かべた優しい性格で、女中たちや土屋文治にも親切に接している。

龍子 (りゅうこ)

花塚敬次郎の屋敷で女中として住み込みで働く女性。静岡出身。花塚姫子が5歳の時から面倒を見ており、東京から名古屋へ引っ越してくるにあたっていっしょについてきた。四人の女中の中ではリーダー的な存在で、月子や星子からは「龍姐(りゅうねい)」と呼ばれ、信頼されている。姫子のことを非常にかわいがっており、許嫁の土屋文治を警戒して目を光らせている。姫子からは、なんでもできる美人なお姉さんとして尊敬されている。喫煙家ながら姫子の前で吸うことはない。

月子 (つきこ)

花塚敬次郎の屋敷で女中として住み込みで働く女性。同じ女中の星子と容姿が似ている。明るい性格で、花塚姫子からは姉のように慕われている。

星子 (ほしこ)

花塚敬次郎の屋敷で女中として住み込みで働く女性。同じ女中の月子と容姿が似ている。明るい性格で、花塚姫子からは姉のように慕われている。

こま子 (こまこ)

花塚敬次郎の屋敷で女中として住み込みで働く女性。新潟出身で訛りがある。女中の中では一番大柄で力仕事を得意としている。一人称は「おら」。

六藤 (むとう)

帝国陸軍の軍人で、階級は大尉。名古屋帝国陸軍第三師団歩兵第六連隊大隊に所属している。大柄な体型の髭面で、朝に髭を剃っても夜にはもう生えているほど髭が濃い。土屋文治の部下ながら、文治とは友人のように仲がいい。

三ヶ尻 (みかじり)

帝国陸軍の軍人で、階級は中尉。名古屋帝国陸軍第三師団歩兵第六連隊大隊に所属している。土屋文治の部下で、文治のことを慕っている。文治のほつれた軍服を縫うなど身の回りの世話を率先して行っている。一人称は「アタシ」で、オネエ言葉を使う。

天道 (てんどう)

帝国陸軍の軍人で、階級は少尉。名古屋帝国陸軍第三師団歩兵第六連隊大隊に所属している。規律に厳しい生まじめな性格で、部下からも堅物呼ばわりされている。土屋文治のことを軍人として尊敬している。男尊女卑の思想を持つ。

書誌情報

煙と蜜 4巻 KADOKAWA〈ハルタコミックス〉

第1巻

(2019-12-13発行、 978-4047357891)

第2巻

(2020-07-15発行、 978-4047361027)

第3巻

(2021-06-15発行、 978-4047366169)

第4巻

(2022-12-15発行、 978-4047371699)

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