概要・あらすじ
外見も麻雀も派手な麻雀打ちの堂嶋は、麻雀界では「ライオン」の名で知られている。高レート麻雀にしか興味のない堂嶋は、ある時負けなしと恐れられる伝説の打ち手、別名「狼」と呼ばれる黒田勝と7億円を賭けた麻雀勝負に挑むことになる。相手を狩ろうと、ライオンと狼が互いに牙を剥く。
登場人物・キャラクター
堂嶋 (どうじま)
金髪に白のスーツを身に着けた、ホストのような容姿の男性。高レート麻雀で「狩り」を楽しむ伝説の打ち手。その派手な打ち筋と容赦ない強さから「ライオン」と呼ばれるが、財布と間違えてテレビのリモコンを持って外出するなど抜けた一面もある。少年の頃に憧れた麻雀打ちである「堂嶋」の名前を名乗っているが、本名は不明。
黒田 勝 (くろだ まさる)
関東で一番強いと噂されている麻雀打ち。外見は40代で、黒髪をオールバックにし、黒いスーツを身に着けた落ちついた雰囲気の男性。あまりの強さから「狼」と呼ばれている。今までに少なくとも4人を麻雀がもとで殺し、2人の身内を麻雀がもとで殺されている。
石原 (いしはら)
親からの仕送りで生活する普通の男子学生。仲間内の麻雀では強いが、高レートのフリー麻雀ではまったく歯が立たず、途方に暮れている時に出会った堂嶋の麻雀に魅せられる。それ以来、堂嶋の麻雀にすっかり惚れ込んで応援するようになり、時には無一文になった堂嶋を自分のアパートに住まわせたりもする。
真田 (さなだ)
やや太っただらしない容姿の麻雀打ちの男性。「ライオン」と呼ばれる堂嶋を倒すことで名を上げようと考えて勝負に挑むも、そのレートの高さに委縮してしまう。かなりの自信家だが、一定のレートを超えると冷静に打てなくなるという弱点を、そのだらしない服装から堂嶋に見抜かれていた。
斎藤 (さいとう)
眼鏡をかけたがっしりした体格のやくざ風の男性で、堂嶋の友人。堂嶋に場を紹介したり、堂嶋と打ちたい人間を引き合わせるなどのマネージメントをしている。人間島麻雀大会の会場には行けなかったものの、石原と一緒に有料チャンネルで堂嶋の戦いを観戦し、彼の勝ちに賭ける。
ハゲ
髪がなく目も落ちくぼみ、上半身裸の体にはあばら骨が浮くミイラのような男性。2年前の人間島麻雀大会に参加した結果、「骸」となった。敗者復活を賭けて、今大会の予選である100時間耐久麻雀に臨み、堂嶋の対戦相手となる。時間や点数をわざと誤申告し、堂嶋を撹乱する。
長谷川 (はせがわ)
人間島麻雀大会本選1回戦の「コンビ麻雀」で、堂嶋とコンビを組むことになった若い学生風の男性。コンビの堂嶋が自分の牌を見逃してくれると思ってあえて危険牌を打つが、その牌で堂嶋が上がったためピンチに陥ってしまう。その後は堂島が自分に協力しないと見切りをつけ、自分を守るためだけの麻雀を打つ。
戸村 (とむら)
人間島麻雀大会本選1回戦の「コンビ麻雀」で、堂嶋の対戦相手となった若い男性。元々デイトレーダーで、人間島麻雀大会には現金20億を持って参加している。肩までの長髪に切れ長の目の、いかにも頭脳派といった容姿。浅野とコンビを組み、負けないことを重視した無駄のない麻雀を打つ。仲間に重要な牌を回す「おヒキ」を得意とする浅野を上手く使って、流れを掴む。
浅野 (あさの)
人間島麻雀大会本選1回戦の「コンビ麻雀」で、堂嶋の対戦相手となったサラリーマン風の壮年男性。一見地味だが、仲間に重要な牌を回す「おヒキ」として30年麻雀を打ってきたため、コンビ打ちには絶対の自信を持つ。コンビである戸村から上がらないよう、ツモ狙いで手を作る。
川本 (かわもと)
人間島麻雀大会本選2回戦の「ビッグ・マウス」で、堂嶋の対戦相手となった男性。兄と義姉を後部座席に乗せて車を運転した際に事故を起こし、自分は助かるも、兄と義姉を死亡させてしまう。両親に先立たれて1人になってしまった甥の川本政和に償いをするために大会に参加しており、確固たる信念のもと冷静な麻雀を打つ。
池田 (いけだ)
人間島麻雀大会本選2回戦の「ビッグ・マウス」で、堂嶋の対戦相手となった男性。サメの恐怖に呑まれて騒ぎ立てた結果、逆にサメを興奮させてしまい片足を食われてパニックを起こす。
村瀬 (むらせ)
人間島麻雀大会本選2回戦の「ビッグ・マウス」で、堂嶋の対戦相手となった男性。サメの恐怖に負けて、サメの水槽に沈められないようベタ下りするなど、身の安全だけを考えた守りの麻雀を打つ。
川本 政和 (かわもと まさかず)
川本の甥。両親が事故で亡くなった後に荒れて、ヤクザの舎弟になった青年。その後、大きな失敗をして行方不明になったという噂が立っていたが、人間島で「骸」となっていたところを川本に発見される。
飯田 (いいだ)
人間島麻雀大会決勝戦で、堂嶋の対戦相手となった男性。大会本選2回戦の「ビッグ・マウス」で、勝てる手役を拒否してツモ上がりし、自分以外の3人全員をサメに食わせて殺すという、冷酷な勝ち上がり方を見せる。恐ろしいほどの強運と常軌を逸した性格の持ち主で、堂嶋の友人である斎藤をして、堂嶋がいなければこの男に賭けたと言わしめた。
二木 (にき)
人間島麻雀大会決勝戦で、堂嶋の対戦相手となった男性。黒いスーツに撫でつけた黒髪の物静かな人物。派手な動きは見せないのに、何故か勝ち残っている不気味さを持つ。捨て牌などから相手の手を読み、欲している牌を正確に予測することができる。また、自分の欲しい牌があれば何手も前から流れをコントロールし、その牌が自然に場に出るように仕向ける。 対戦相手が牌を切る順番まで正確にコントロールするため、「パペットマスター」と呼ばれる。
所長 (しょちょう)
人間島の所長。人間島が危機にさらされた際、堂嶋を自分の身代りにして逃げ出そうと考えた。最終的には己の全財産8億を賭け、所長が勝てば堂嶋が人間島の責任者として内外からの責を負うという条件で、堂嶋に勝負を挑む。
場所
人間島 (にんげんじま)
世界で唯一、野性化した人間を観察できるテーマパークで、人間島麻雀大会が開催される場所でもある。麻雀勝負で負けた人間は「骸」と称され、島の屋外で見世物として死ぬまで飼育されることとなる。非合法な場所であり、大会参加者も参加費を支払った後は薬で眠らされてから連れて来られるため、この島が日本のどこにあるのかまったく不明。
イベント・出来事
人間島麻雀大会 (にんげんじままーじゃんたいかい)
参加費2千万円、優勝賞金3億円の闇の麻雀大会。試合の様子は有料のネットチャンネルでリアルタイム中継される。予選「100時間耐久麻雀」、本選1回戦「コンビ麻雀」、本選2回戦「ビッグ・マウス」と3回戦が異なるルールで行なわれ、最後に決勝戦として通常ルールの麻雀が行われる。途中で敗北した挑戦者は人間島の「骸」とされる。 逆に優勝すれば、「骸」を1人だけ持ち帰ることもできる。一般的には臓器移植用や奴隷といった使い方が示唆されるが、自分の身内を救うために参加する者もいる。
その他キーワード
骸 (むくろ)
人間島麻雀大会に参加し、敗れた者の末路。身ひとつで屋外へ出され、周囲は海という環境のなか、建物に入れない野外生活を行うことになる。島は岩だらけで、森はおろか草花などもない。食料はドッグフードのようなドライフードと、栄養剤のようなカプセルのみ。そのため「骸」となった者はだんだん自我を失い、自分が何者かも解らなくなる。
100時間耐久麻雀 (ひゃくじかんたいきゅうまーじゃん)
人間島麻雀大会の予選試合。上家の打牌から30秒以内に打牌しないと失格。ルールは半荘ごとに出親が順に移動する回り親で、100時間が経過するまで永遠に東場を繰り返す。持ち点100万点。トイレ休憩は可能だが、その間は代行によりゲームが続行され、10分以内に戻らなければ失格となる。飲食は自由だが水とサンドイッチのみ。
コンビ麻雀 (こんびまーじゃん)
人間島麻雀大会の本選1回戦。互いに対面同士がコンビとしてチームを組み、チームの合計得点で競う。コンビ同士の通しなどのサインプレイは禁止。ルールはアリアリの赤3枚、25000点持ちの30000点超えでトップに20000点のオカがつく。勝負は2人の合計点で決まるが、片方が飛んだ場合はその場で敗退。特別ルールとしてノーテン罰府は15000点、チョンボは倍満払い。
ビッグ・マウス (びっぐまうす)
人間島麻雀大会の本選2回戦。「ビッグ・マウス」とはサメの巨大な口のことでもあり、失った点数に応じ一定時間サメの水槽に沈められるという追加ルールのもとで行われる。沈められる時間は1000点ごとに10秒。麻雀自体のルールはトビなしの半荘1回勝負。選手が溺れるなどして死亡した場合はそこで試合終了となる。過去の「ビッグ・マウス」では180秒以上沈められた人間が9人いるが、これまで生存した者はいない。
負け日 (まけび)
ミスもなく、きちんと打っているのになぜか勝てないという日。堂嶋にとって負け日は存在しないと思われていたが、人間島麻雀大会本選2回戦の「ビッグ・マウス」はまさにその日にあたってしまったようだと、ネット観戦していた斎藤が石原に語った。
七対子 (ちーといつ)
堂嶋が「俺式オカルト」として使う役。2枚ずつ同じ牌を揃える役だが、堂嶋の場合「負け日」などどうしてもツキに見放された時に、自分のツキの状態を見極める方法として使う。ずっと七対子を作り続け1枚も捨て牌がかぶらないか、テンパイできるか、上がれるか、もし上がった場合はその点数などさまざまな視点から、ツキがどのくらい来ているかを判断する。
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