概要・あらすじ
事故をきっかけに「モノ」の壊れやすい線が見える異能力に目覚めた遠野志貴は、ツギハギだらけの世界に絶望しかけていたが、魔法使いを自称する女性の教えと、彼女に託された能力を抑える眼鏡によって生きる希望を取り戻す。8年後、高校生となった志貴は、父の訃報を機に預けられていた親戚の家を離れ、妹の遠野秋葉が待つ実家へと転居することに。
しかし、その道中で偶然出会った金髪の少女に耐え難い殺人衝動を覚え、自身の能力とナイフで彼女をバラバラに解体してしまう。自身の狂気に錯乱する志貴だったが、翌日、少女は平然と彼に再会する。吸血鬼を自称する少女アルクェイド・ブリュンスタッドは、「私を殺した責任をとってもらう」と言い、街を騒がす連続猟奇殺人事件の黒幕である吸血鬼退治のサポートを志貴へと持ちかける。
登場人物・キャラクター
遠野 志貴 (とおの しき)
学ランに黒髪の地味な風貌の男子高校生だが、あらゆる物質の“死”が視える“直死の魔眼”を持つ異能力者で、普段は能力を抑える“魔眼殺しの眼鏡”をかけて生活している。眼鏡は事故によって能力に覚醒した幼少期に、自称“魔法使い”の女性から譲り受けたもので、志貴は自身を絶望から救ってくれた彼女を師として慕っている。 また、飛び出し式のナイフを形見として常に携帯しているが、性格は温厚で、誰にでも優しく接する好青年。事故後は8年間親戚の家で育てられたが、父の訃報を機に遠野本家に呼び戻され、現在は巨大な屋敷で妹の遠野秋葉や使用人たちと暮らしている。吸血鬼の美少女アルクェイド・ブリュンスタッドとの数奇な出会いから吸血鬼退治に協力するが、戦いに身を投じるうちに、自身の過去に隠された秘密を知ることとなる。
アルクェイド・ブリュンスタッド (あるくぇいどぶりゅんすたっど)
ショートヘアの金髪と赤い目が特徴の美少女で、白のハイネックと紫のロングスカートを普段着にしている。天真爛漫で猫のような性格だが、吸血鬼の頂点に立つ真祖であり、超常的な身体能力を持つ不老不死の存在である。過去の因縁からとある吸血鬼の退治を生業にしているが、追跡中に遠野志貴と遭遇し、惨殺されてしまう。 真祖の能力ですぐに復活したものの、力の大半を失ってしまったアルクェイドは、「殺した責任」として志貴に吸血鬼退治の協力を要請する。戦いを通して志貴に想いを寄せていくが、同時に真祖の欠点である“吸血衝動”も強まり、その葛藤に悩まされていく。
シエル
遠野志貴と同じ高校に通う先輩で、短い青髪と眼鏡が特徴の女生徒。知的で優しく、学校では頼りにされているが、その正体はある世界的宗教にとっての“異端”を排除する裏組織“埋葬機関”の代行者であり、吸血鬼討伐のため学校に潜入している。常人離れした体術と多彩な魔術にくわえ、不死の力を備えており、人間でありながら吸血鬼たちと互角に渡り合う。 また、“黒鍵”と呼ばれる剣を投擲する戦法から“弓”という異名も持つ。アルクェイド・ブリュンスタッドとは因縁があり敵視しているが、彼女と共闘する志貴に対しては共感する部分があり、先輩としておせっかいを焼きながら好意を寄せていく。
遠野 秋葉 (とおの あきは)
地元の名士である遠野家の長女で、遠野志貴の妹にあたる。父が逝去したことにより十代で遠野家の当主となる。長い黒髪がトレードマークの清楚な少女で、性格も品行方正だが、厳格で気が強く、融通がきかない一面もある。また、志貴に対しては兄弟の関係を超えた愛情を秘めており、アルクェイド・ブリュンスタッドやシエルに対しては、志貴を事件に巻き込む厄介者や恋敵として強い敵意を向けている。 遠野家が鬼と人間の混血であることから、“紅赤朱”という異能力を持ち、目視した相手から瞬時に熱を奪い、気化させることができる。
翡翠 (ひすい)
遠野家に仕える使用人の1人で、琥珀の双子の妹にあたる赤紫髪の少女。遠野志貴や主人である遠野秋葉と同年代だが、学校には通っていない。常にメイド服を着用し、家事と志貴の世話を完璧にこなす反面、極度の味覚オンチのため料理だけは苦手で、琥珀に禁じられている。寡黙で冷徹な印象だが、表に出さないだけで感情の起伏は人並みにあり、周囲に対しても並々ならぬ親愛を秘めている。 また、自身の生命力を他者に分け与える特殊能力を持つ一族の末裔という一面もある。
琥珀 (こはく)
翡翠の双子の姉で、姉妹で遠野家の使用人として仕えている。遠野志貴や遠野秋葉と同年代の少女で、赤紫の髪をまとめるリボンと割烹着がトレードマークとなっている。秋葉の世話役として従事し、庭園の手入れや料理、遠野家の財政管理なども取り仕切るが、物をすぐ壊すため邸内の家事は翡翠に代わってもらっている。 いつも笑顔で快活に見えるが、過去の経験から笑顔以外の表現ができず、志貴や秋葉に対して裏で暗い感情を秘める一面もある。翡翠同様に、特殊能力を持つ一族の末裔であり、自身の生命力を他人に分け与えることができる。
ネロ・カオス (ねろかおす)
白髪の大柄な男性で、死従に属する吸血鬼。死従たちを統べる“死従二十七祖”の1人として真祖討伐に加担しており、アルクェイド・ブリュンスタッドと遠野志貴の前に敵として立ちはだかる。自身の体内に取り込んだ666匹の獣を使い魔として放出する能力を持っており、戦闘や“吸血衝動”を満たすための殺人はすべて使い魔によって行う。
その他キーワード
直死の魔眼 (ちょくしのまがん)
『真月譚月姫』に登場する用語。遠野志貴が幼少期の事故で死に近づいたことをきっかけに手に入れた能力。無機物、有機物に関わらず、貫くことであらゆる物質が崩壊し、“死ぬ”点を認識することが可能となる。また、点から伸びた線をなぞることで、対象を簡単に切断することができる。その代償として、脳や精神には極度の負荷がかかってしまうが、志貴は自称“魔法使い”から授かった“魔眼殺しの眼鏡”を身につけることで能力を抑制し、日常生活を送っている。
真祖 (しんそ)
『真月譚月姫』に登場する用語。人間を律する存在として生まれ、高い身体能力と、自身の周囲を思うがままに変質させる“空想具現化”の能力を備えているが、弱点として人間の血を欲する“吸血衝動”に苛まれる。また、真祖に吸血された人間は死従と化してしまう。このことから、真祖は吸血鬼の一種として定義されているが、本質的には精霊に近い存在となっている。
死徒 (しと)
『真月譚月姫』に登場する用語。真祖やほかの死徒に吸血された人間が死後に変異した姿。人間の血を吸うことで寿命を伸ばすことが可能で、いずれの死徒も長い年月をかけて常人離れした能力を得ている。元は真祖が“吸血衝動”を抑えるためのはけ口として生みだしたが、配下を増やして力をつけたことで真祖の支配から逃れている。最初に独立した27人の死徒は特に強大な力を持ち、“死徒二十七祖”と格付けされている。
クレジット
- 原作
-
『真月譚月姫』製作委員会
書誌情報
真月譚 月姫 6巻 KADOKAWA〈電撃コミックス〉
第1巻
(2004-05-27発行、 978-4048690652)
第1巻
(2004-05-27発行、 978-4840227179)
第2巻
(2005-01-27発行、 978-4048676724)
第2巻
(2005-01-27発行、 978-4840229586)
第3巻
(2005-11-26発行、 978-4048676731)
第3巻
(2005-11-26発行、 978-4840232555)
第4巻
(2006-08-26発行、 978-4048676748)
第4巻
(2006-08-26発行、 978-4840235754)
第5巻
(2007-07-27発行、 978-4048676755)
第5巻
(2007-07-27発行、 978-4840239653)
第6巻
(2008-03-27発行、 978-4048676786)
第6巻
(2008-03-27発行、 978-4840242523)