里を追われたうずまきボルト
前作『BORUTO-ボルト- -NARUTO NEXT GENERATIONS-』で、うずまきボルトとカワキは世界を滅ぼそうとする組織「殻」の企みを阻止し、大筒木ジゲンを倒すことに成功した。しかしカワキはすべての大筒木を滅しようと考えており、大筒木モモシキをその身に宿すボルトも殺そうと考えていた。だが、殻によって生み出された改造人間のエイダの持つ「全能」の力によって、ボルトとカワキの立場は入れ替わってしまう。カワキはこれを好機と考え、ボルトに7代目火影暗殺の濡れ衣(ぎぬ)を着せ、彼を罪人として裁こうとする。絶体絶命の危機に陥ったボルトだったが、うちはサスケの助けもあり、木ノ葉隠れの里の脱出に成功する。そして世界を巡り、事態を解決するための戦いに身を投じていく。
前作から3年後の世界が舞台
大筒木ジゲンは死してなおその野望は潰(つい)えておらず、改造人間の一人、コードにその遺志を託していた。コードは世界を滅ぼす「神樹」を欲していたが、それには神樹の苗木ともいえる「十尾」に大筒木一族の血肉を捧げる必要があった。コードはその身に大筒木を宿すうずまきボルトとカワキを十尾に食わせようと考えており、自らの持つ力で十尾を改造し、虎視眈々(たんたん)とそのチャンスをうかがっていたのである。そして3年後、コードは木ノ葉隠れの里を襲撃。コードの奇襲によって混乱に陥る木ノ葉隠れの里であったが、そこにうずまきボルトが3年ぶりに里に現れ、コードを打ち倒して木ノ葉隠れの里を窮地から救う。しかし立場が入れ替わったボルトは、木ノ葉隠れの里にとって敵であり、彼の前にかつての仲間たちが立ちふさがる。
新たなる敵の出現
うずまきボルトはコードを打ち倒し、その企みを阻止するが、十尾にはコードですら想像していなかった変化が訪れていた。それに気づいたボルトは、放っておけば手遅れになると感じ、コードをわざと逃がして追跡を開始する。その後、ボルトは十尾のねぐらにたどり着くが、すでにそこはもぬけの殻だった。そしてそこに現れたのが、自らを「進化した十尾」と名乗る集団で、コードによる改造によって分裂した十尾は、自我と知性、個性を手に入れていたのだ。彼らはコードの思惑すら超えて行動を開始し、世界に新たな混乱をもたらすこととなる。
登場人物・キャラクター
うずまき ボルト
木ノ葉隠れの里を追放された抜け忍の青年。父親は7代目火影を務めるうずまきナルト。年齢は15歳。金髪碧眼(へきがん)で、右目に深い傷を負って隻眼となる。うちはサスケが愛用していたマントを身にまとい、刀を武器に戦う。かつて大筒木モモシキを倒すが、死の間際のモモシキに楔(カーマ)を打ち込まれてしまう。楔によってモモシキが復活するための依(よ)り代となったが、一度死んだことで復活が中途半端となり、モモシキ復活を阻止した。しかしその身は楔によってすでに作り変えられており、大筒木一族とほぼ同じ特性を持つ。3年間にさまざまな経験を積んで、歴戦の強者(つわもの)の雰囲気を漂わせている。木ノ葉隠れの里を離れているあいだに透明な螺旋丸をさらに強化した「螺旋丸 渦彦(らせんがん うずひこ)」を開発。これは螺旋丸の回転に、星の自転運動のチャクラを組み合わせたという驚異的な必殺技で、渦彦に触れただけで相手は星の回転によるダメージを半永久的に受け続ける。木ノ葉隠れの里を抜けたあとは事態を解決すべく、うちはサスケと共に世界を巡っていたが、サスケが十尾に喰(く)われてしまう。十尾の進化にいち早く気づいたうずまきボルトは、手遅れになる前にコードを倒して十尾を倒そうと考えている。
カワキ
大筒木一族を敵視する青年。家族に金で「殻」に売られ、そこで大筒木ジゲンに新たな器として徹底的な教育と改造を施された過去を持つ。そのためつねに孤独を抱えており、殻を脱走後も当初は誰も信用していなかった。しかし7代目火影を務めるうずまきナルトが、親身になって世話をしてくれたことから彼には心を開くようになる。ナルトを父親のように慕っており、一時期うずまきボルトともいっしょに暮らしていたため、彼とは兄弟のような良好な関係を築いている。ボルトやナルトと協力してジゲンを打ち倒し、その宿命に終止符を打ったかに思えたが、ジゲンの打ち込んだ楔はすでにその身を大筒木と同じものに作り変えており、大筒木の驚異を身に染みて感じている。孤独を埋めてくれたからこそナルトたちを失うのを極度に恐れており、恨まれるのを承知でボルトを含むすべての大筒木を滅ぼし、最後には自らの存在を滅する決意を固める。改造人間であるエイダに好意を抱かれており、彼女が無意識にカワキの葛藤に同調した結果、エイダ自身が気づかずに持っていた「全能」の力で、カワキとボルトの立場を入れ替えてしまう。この結果、カワキは7代目火影の息子として木ノ葉隠れの里では認識されている。ナルトとその妻・ヒナタの安全を守るため、神術によって彼らを人目のつかない場所に封印し、二人を死んだものとしてその罪をボルトに着せている。
クレジット
- 原作
ベース
NARUTO-ナルト- (なると)
おちこぼれ忍者だったうずまきナルトが、戦いの中で仲間との絆を深め、英雄へと成長していく姿を描く。集英社「週刊少年ジャンプ」1999年43号から2014年50号まで連載。海外での人気も高く、主人公のうず... 関連ページ:NARUTO-ナルト-
前作
BORUTO-ボルト- -NARUTO NEXT GENERATIONS- (ぼると なると ねくすと じぇねれーしょんず)
岸本斉史の『NARUTO』の未来を描いたスピンオフ作品。『NARUTO』の主人公であるうずまきナルトの息子のうずまきボルトを主役に据え、ほかにも『NARUTO』の登場人物の子供達が多数登場する忍者アク... 関連ページ:BORUTO-ボルト- -NARUTO NEXT GENERATIONS-
関連
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書誌情報
BORUTO―ボルト― ―TWO BLUE VORTEX― 3巻 集英社〈ジャンプコミックス〉
第1巻
(2024-02-02発行、 978-4088838243)
第2巻
(2024-05-02発行、 978-4088840734)
第3巻
(2024-09-04発行、 978-4088841786)