概要・あらすじ
尋常ではない性格の人物ばかりが集まるM市近郊の町で、非日常的な出来事ばかりが起こっていた。ギャンブラー伊藤開司は居候のニート生活をして周囲からはダメ人間扱いされているが、なかなか更生する事ができないでいた。そんな中、赤木しげる(13)、赤木しげる(19)、赤木しげる(神域)はアカギけとして生活し、周囲を巻き込んでトラブルを起こしていた。
さらに兵藤和尊や鷲巣巌をはじめとする悪役の老人達は老人ホーム・エスポワールで怪しい行事を楽しんでいた。ほかにも町内会長である平井銀二が金儲けを企んだり、天才・宇海零がゲームセンターで標と対決したりと、毎日至るところでドタバタ劇が繰り広げられるのだった。
登場人物・キャラクター
伊藤 開司 (いとう かいじ)
黒髪のロングヘアで、左頰と左耳に傷跡がある青年。坂崎孝太郎の家に居候しており、仕事もせずに坂崎美心から、小遣いをもらってはギャンブルに興じている。孝太郎からは疎ましく思われているが、伊藤開司自身は、それを自覚しながらもだらけた生活を続けている。ギャンブルで追い込まれた時は無類の勝負強さを発揮するが、ふだんはそうでもなく、赤木しげる(19)や一条聖也に勝負を挑んでは惨敗している。 美心に好意を寄せられているが、開司にはその気はなく、小遣いをもらうために機嫌を取っている。のちにコンビニでアルバイトを始めるが、金融業者の遠藤勇次に借金を返済するため、給料をほとんど没収されている。福本伸行の『賭博黙示録カイジ』の主人公。
赤木 しげる(19) (あかぎ しげる)
白髪で、右手にだけ黒い手袋をしている青年。つねにタバコを吸っている。アカギけの長男で、クールな性格をしている。ギャンブルでは神がかり的な能力を発揮し、ギャンブルの内容には関係なく全力で挑む。周囲に対しては冷たく接しているが、弟の赤木しげる(13)の事を何かと気にかけており、玩具工場に勤めて彼のための学費を稼いだりと、世話をしている。 赤木しげる(神域)には、弟に向けるほどの愛情は見せずに冷たく接しているが、嫌っているわけではない。伊藤開司とは家がとなり同士でよく話す事もあるが、彼の事はあまり尊敬はしていない。福本伸行の『アカギ ~闇に降り立った天才~』の主人公である、赤木しげるの19歳の頃の姿。
赤木 しげる(13) (あかぎ しげる)
13歳の男子中学生。白髪で学生服の夏服を着用している。アカギけの次男で達観した性格をしており、つねに拳銃を持ち歩いている。何事もギャンブルにつなげる思考の持ち主で、周囲の人に突発的に命がけのギャンブルを持ちかけては、南郷や伊藤開司に制止されている。赤木しげる(神域)の事は鬱陶しく感じており、不満があると赤木しげる(神域)の墓石を削って破壊している。 福本伸行の『アカギ ~闇に降り立った天才~』の主人公である、赤木しげるの13歳の頃の姿。
天 貴史 (てん たかし)
黒髪を逆立てた髪型で、恰幅がよく顔に傷がある青年。明るく快活な性格で、他人とすぐなかよくなる事ができる。時おり突拍子もない発言や行動をして周囲を驚かせる。赤木しげる(神域)は生前から親愛の情を示しており、よく墓参りをして偲んでいる。赤木しげる(神域)の幽霊が見えるようになった時は、井川ひろゆきと共に涙を流して再会を喜んだ。 福本伸行の『天 ~天和通りの快男児~』の主人公。
宇海 零 (うかい ぜろ)
容姿端麗な青年で、冷静沈着な性格をしている。ふだんはさわやかに振る舞っているが、兵藤和也や城山小太郎など悪人相手には皮肉を言ってやり込める腹黒な一面もある。標の事をライバル視しており、ゲームセンターで勝手にスコア勝負を持ちかけ、対決したりしている。福本伸行の『賭博覇王伝 零』の主人公。
森田 鉄雄 (もりた てつお)
黒髪の長髪を一つ結びにしている青年。M市にある町の青年会長を務め、平井銀二と共に町内会を統轄している。銀二が金集め目的で行うイベントにはあまり乗り気ではないが、人として銀二を尊敬しており、よきパートナーとして付き合っている。福本伸行の『銀と金』の主人公。
黒沢 (くろさわ)
四角い顔に無精ひげを生やした中年の男性。穴平建設で働き、友人も恋人もいないため、交通整理用の人形を友人に見立てて生活している。友人や恋人を作ろうと努力しているが、一生懸命さが裏目に出て失敗する事が多い。福本伸行の『最強伝説 黒沢』の主人公。
工藤 涯 (くどう がい)
黒髪のショートヘアで、顔に大きなアザがある少年。他人に頼らず孤立して生きる事を目標としており、自給自足の生活をしている。しかしまだ少年であるために、宇海零や城山小太郎からは心配されている。伊藤開司と出会った時、借金まみれで首が回らなくなっていたにもかかわらず、開司が工藤涯に金を貸そうとした姿を見て、開司の事を慕うようになる。 福本伸行の『無頼伝 涯』の主人公。
坂崎 孝太郎 (さかざき こうたろう)
パンチパーマの髪型で、口ひげを生やした強面の中年男性。伊藤開司を自宅に居候させているが、娘の坂崎美心との関係を疑っているうえ、開司がダメ人間あるため早く追い出したいと思っている。
坂崎 美心 (さかざき みここ)
坂崎孝太郎の娘。優しい性格ながら思い込みが激しく、妄想で勘違いする事が多い。伊藤開司に好意を寄せており、お小遣いを与える代わりにデートやプレゼントをねだっている。しかし孝太郎に顔がそっくりなため、開司からは若干距離を置かれている。
一条 聖也 (いちじょう せいや)
長髪で整った顔立ちをしている男性。M市にあるパチンコ店「沼」の店長を務めている。自身の容姿の美しさを自負しており、ナルシスティックな一面もある。兵藤和尊には頭が上がらずストレスを溜め込んでおり、部下や伊藤開司をいじめる事で発散している。夜は居酒屋の店長も務めている。
村上 (むらかみ)
黒髪のショートヘアで長身の男性。M市にあるパチンコ店「沼」の従業員で、一条聖也の行き過ぎた発言などをたしなめる事が多い。
佐原 (さはら)
短い金髪で、摑みどころのない性格の男性。コンビニ「GMVM」で主任を務めている。伊藤開司とは友人関係にあるが、仕事上では上下関係をはっきりさせている。
兵藤 和尊 (ひょうどう かずたか)
白髪に長い白ひげを生やした老人で、つねに杖をついて歩いている。エスポワールで生活しており、身の回りの事は黒服に世話してもらっている。「帝愛グループ」の会長を務めており、パチンコ店「沼」をはじめとする店の経営者として手腕を発揮している。その裏では経済的弱者を集めて命を賭したギャンブルを開催している。鷲巣巌とはライバル関係でなにかと張り合っている。 気性が荒く黒服をはじめとする周囲の人間を虐げている。
兵藤 和也 (ひょうどう かずや)
兵藤和尊の息子。茶髪でサングラスをかけている。サディスティックな一面を持ち、他人の愛を信じる事ができずにいる。一方で小説家として活動しているが、その作品を宇海零に添削された事がショックで零を苦手にしている。伊藤開司にちょっかいを出す事が趣味で、たびたび現れてはからかっている。
遠藤 勇次 (えんどう ゆうじ)
無精ひげを生やし、サングラスをかけた中年の男性。高利貸しの金融会社で働いており、伊藤開司に多額の借金を背負わせている。
利根川 幸雄 (とねがわ ゆきお)
白髪をオールバックにして、つねにスーツを着ている中年の男性。兵藤和尊に仕える一方で、コンビニを経営している。
赤木 しげる(神域) (あかぎ しげる)
初老の男性。すでに死去しており、幽霊となって浮遊している。アカギけの父親的な存在で、基本的には赤木しげる(19)や赤木しげる(13)の背後に守護霊として存在しているが、一人で自由に行動する事もできる。生前は「神域」と評された伝説的な博徒で、建てられた墓石はギャンブラーがお守りとして削っているためいびつな形になっている。 その能力は死してなお健在で、人の背後に取り憑き、不思議な力を用いてギャンブルに大勝させる事もできる。当初はアカギけの兄弟と平井銀二のみに認識されていたが、途中からほかの人物にも姿が確認できるようになる。赤木しげるが、福本伸行の『天 ~天和通りの快男児~』に登場した時の姿。
南郷 (なんごう)
黒髪を逆立てた髪型で、目の下に薄く影がある男性。気が優しく常識人であるため、みんなのツッコミ役を担う事が多い。酒屋で働いており、アカギけに酒の配達によく訪れる。個人的にも交友があり、特に赤木しげる(13)を気にかけており、食事を作ったりして父親代わりになる事もある。
鷲巣 巌 (わしず いわお)
白髪を長く伸ばした老人で、エスポワールで生活している。強気な性格でわがままを言う事もあり、身の回りの世話を担う白服をよく困らせている。高齢であるが血気盛んであり、若者に対する挑戦心が強い。特に赤木しげる(19)をライバル視しており、事あるごとに挑戦している。兵藤和尊ともライバル関係にあり、つねに自分が優位に立とうとしている。 白服に対しては厳しく当たるが、ちゃんと全員の名前を覚えており、体をねぎらってやる優しい一面もある。
市川 (いちかわ)
白髪を長く伸ばし、サングラスをかけた盲目の老人。エスポワールで生活しており、ふだんは物静かにしている。
平山 幸雄 (ひらやま ゆきお)
白髪を逆立てた髪型で、サングラスをかけている青年。赤木しげる(19)のいとこで、風貌が似ているため、時おり間違われる事もある。とはいえ、周囲の人物のキャラクター性があまりにも濃いため、相対的に影の薄い存在となっている。
井川 ひろゆき (いがわ ひろゆき)
天貴史の麻雀仲間の青年。生前の赤木しげる(神域)の知り合いで、赤木しげる(神域)亡きあとは大学受験のため勉学に勤しむようになった。のちに赤木しげる(神域)の幽霊が見えるようになり、天と共に涙を流して彼との再会を喜んだ。
金光 修蔵 (かなみつ しゅうぞう)
清寛寺の和尚を務める中年の男性。赤木しげる(神域)とは旧知の仲で、彼の墓を清寛寺に建てて供養をしている。抜け目のない性格で、墓石をギャンブルのお守りとして削って売りさばいている。
標 (しるべ)
長い前髪で片目を隠した少年。宇海零と並ぶ秀才で、物静かな性格でクールな雰囲気を漂わせている。ゲームセンターでは、すべてのゲームスコアで1位を獲得している。零からはライバル視されているが、標自身は特に気にしていない。
城山 小太郎 (しろやま こたろう)
「城」の字をかたどった独特の髪型をした男性。ゲームセンターの店長を務めており、宇海零や標がハイスコアを狙ったり、景品をすべて持っていく事を恨んでいる。親しい友人はいなかったが、工藤涯から髪型を褒められた事で好意を抱いた。ゲームの景品を増やしたりして親睦を深めようと試みるものの、涯は孤独を望んでいるため仲は進展していない。
末崎 さくら (すえざき さくら)
パンチパーマの髪型で、口ひげを生やした中年の男性。宇海零の友人で行動を共にする事が多い。零が腹黒い一面を見せた時には、ツッコミを入れる役回りを担う。
在全 無量 (ざいぜん むりょう)
頰の垂れ下がった老人。エスポワールで生活をしており、時おりイベント事に顔を出して楽しんでいる。
エリザベス・ジュンコ (えりざべすじゅんこ)
ふだんは女性のような格好をしている、年齢不詳の男性。宇海零の事が好きで、ストーカーのようにつきまとっている。
平井 銀二 (ひらい ぎんじ)
白髪を逆立てた髪型で、派手なスーツを着ている中年の男性。M市の町内会長を務めている。町内会で金銭が絡むギャンブルのイベントを開催して金儲けを企み、いずれは町の企業を掌握しようと考えている。しかし、金儲け目的のイベントを発案しては森田鉄雄に却下されている。人生経験が豊富で知略に長け、一般人とは一線を画した存在。そのため、幽霊状態である赤木しげる(神域)ともふつうに会話する事ができる。
神威 秀峰 (かむい ひでみね)
白髪で長い口ひげを生やし、着物を身につけた老人。エスポワールで生活している。血の気の多い性格で、エスポワール内でのイベントでは日本刀を携え、周囲をおびえさせる。
蔵前 仁 (くらまえ ひとし)
白髪で長い眉毛を生やしている老人。エスポワールで生活しており、バスローブをよく着用している。
浅井 純一 (あさい じゅんいち)
金髪で頰に渦巻きのマークがある青年。黒沢と同じ穴平建設で働いており、時おり行動を共にする事もあるが、関係としてはあくまで知り合いレベル。
仲根 秀平 (なかね しゅうへい)
金髪で厚い唇をした男子中学生。異性を含めた交友関係が広く、勉強やスポーツにも長けている。元不良で、かつて黒沢と決闘して負けた事がある。以降、黒沢と交遊を持つようになったが、一方で彼のような大人にはなりたくないと考えており、友人と呼べるほどの関係ではない。
集団・組織
アカギけ
赤木しげる(13)、赤木しげる(19)、赤木しげる(神域)の一家を指す。母親はそもそも存在しないものとされている。赤木しげる(19)がアルバイトやギャンブルで稼いだ金を生活費にあてており、料理や家事は南郷が行う事が多い。
黒服 (くろふく)
黒いスーツにサングラス姿の男性集団。全員が同じ外見をしており、個人の見分けがつかない。兵藤和尊の世話をしているが、和尊の気性の荒さに振り回されており、名前すら覚えられていない。そのため、白服が鷲巣巌にねぎらわれている姿を見るたびに、白服への転換を希望する者が続出する。
白服 (しろふく)
白いスーツにサングラス姿の男性集団。全員が同じ外見をしており、個人の見分けがつかない。鷲巣巌に服従し、仕えている。鷲巣のわがままに振り回される事もあるが彼の事は尊敬しており、黒服とは違って不満の声もなく良好な主従関係を築いている。
場所
エスポワール
M市にある超高級老人ホーム。選ばれた人物だけしか入居する事ができない施設で、金と時間を持て余した老人が集まる。施設職員は黒服や白服で構成されている。
クレジット
- 原案
- デザイン
-
ゆーぽん(ニトロプラス)