概要・あらすじ
スットン共和国陸軍水島一純中尉は「死神」と呼ばれ恐れられている最強の軍人。彼は最も死に近いとされている地獄の最強部隊パッパラ隊に配属される。その実態は美少女隊員後光院ランコや謎の忍者とびかげ、筋肉ダルマだが乙女趣味の早乙女隊長など、ひとくせもふたくせもある連中がひしめくおバカの巣窟であった。
軍人とは思えない小学生のようなノリで年中悪ふざけをして遊んでばかりのパッパラ隊。水島は無軌道な彼らに翻弄されっぱなし。類は友を呼ぶのか、パッパラ隊の前に現われる敵たちも輪をかけて異常なくせものばかり。爆炎と笑いのうずまく狂乱の日々が続いてゆく。
登場人物・キャラクター
水島 一純 (みずしま いずみ)
スットン共和国陸軍中尉の青年。幼少の頃から史上最強の戦士となるため父親から訓練され、銃も戦車も効かない驚異的な肉体を持つ。「死神」との異名で恐れられているが、おばけや怖い話は苦手。最前線の軍隊パッパラ隊に配属され、異常な隊員たちに振り回される毎日を送ることに。 優しく正義漢で、本作に登場する数少ない常識人。奇行を繰り返す隊員たちへのツッコミ&フォロー役を強いられている。「いずみ」という女性っぽい名前なのを気にしているが、顔立ちは整っているので、女装するととても可愛い女の子になる。最初はランコや江口大尉によって無理やり女装させられていたが、そのうち本人もまんざらでもなくなる。 クリスマスが誕生日。
後光院 ランコ (ごこういん らんこ)
パッパラ隊所属の軍人。階級は少尉。金髪に青い瞳の少女。実家はスットン共和国の黒幕でもある名家。過保護な父親がいるお嬢様。本名は後光院・アリスン・ブランディ・メルセデス・ローズマリー・フォン・ランコ。名家のお嬢様らしく、気まぐれでわがまま。武器や爆弾を使うのも大好きで、無邪気に過激な行動をとる。 不死身の肉体を持つ水島中尉を格好のおもちゃにしている。からかっているのかと思えばそれなりに水島に惚れているようで、彼が他の女性と親しくしていると嫉妬する。料理は大の苦手。
とびかげ
パッパラ隊所属の軍人にして忍者。本名・年齢・性別・出身地など全て不明。青い忍者の道着に、「かげ」と書かれた仮面を着けている。仮面の下の素顔を見た者はいない。本作を代表するギャグキャラ。物理法則を無視してどこにでも現われる神出鬼没ぶり。爆発に巻き込まれ五体バラバラになっても次の瞬間には元に戻るなど、存在自体がデタラメ。 自分がおもしろければ何でもいいようで、気の合うランコと共に過激な行動を繰り返し、物語をひっかきまわす。
白鳥沢 愛 (しらとりざわ あい)
パッパラ隊の隊長。階級は大佐。筋骨隆々のたくましい体つきにスキンヘッドで常にサングラス着用、頭から左頬にかけて大きな古傷を持つ恐ろしい外見。しかし実は少女漫画が大好きな乙女趣味の持ち主。少女漫画家になることを夢見て密かに漫画を描き、投稿している。学生の頃はひ弱だったが、初恋の女性を守れなかったことに絶望し、山ごもりしてたくましい体格へと変貌した。
轟天号 (ごうてんごう)
忍者とびかげが育て上げたオスの忍犬。左目にキズがある。主人とびかげと同じくメチャクチャな行動を繰り返す。軍医牧野マイのひざの上でひなたぼっこするのが好き。好物は柿。
牧野 マイ (まきの まい)
パッパラ隊所属のナース。長い黒髪が特徴的な女性。先祖代々医療関係の家系らしい。落ち着いて控えめな性格。毎日悪ふざけをしてケガの絶えない隊員たちを淡々と治療するが、肝が据わっていると言うよりやや天然ボケ気味。
江口 夏美 (えぐち なつみ)
スットン共和国の特殊部隊S・A・S(戦略機甲兵団)所属の軍人。階級は大尉だが年若き女性。テレポーテーションできる特殊能力を持つ。この能力は使用すると体力をとても消耗するので、一日一度が限度。女装した水島中尉に恋をしているという倒錯的な一面を持つ。
桜花 (おうか)
旧スットン帝国陸軍が50年前の戦争中に極秘開発していたロボット。外見は可憐な少女だが、すさまじい戦闘能力を持つ人型兵器。開発者は芹沢英次博士。外国との最終決戦のため造られたので、外国語を使った者を無条件で攻撃する。生みの親の芹沢博士と偶然瓜二つな水島中尉のことを慕い、忠誠を誓っている。 梅花(ばいか)・菊花(きっか)という二人の妹がいる。この二人は製作時に芹沢博士から「平和のために働くように」と言われていたので、人間を守るために活動する。
宮本 幸弘 (みやもと ゆきひろ)
パッパラ隊の隊員。階級は伍長。剃り込みが入った丸刈りの男。他の隊員同様、軍人とは思えない中学生男子並の思考と行動をする。特にお調子者でスケベ。酒癖も悪い。水島中尉が女装した姿であると知らず、「いずみちゃん」に恋焦がれている。いちゃいちゃしている男女を見ると嫉妬心がわきあがり、マスクをかぶって「しっとマスク」という怪人に変身し、そのカップルを粉砕する。
牧野 レイ (まきの れい)
軍医牧野マイの母親。実年齢は不明だが、外見は娘と同じくらいの若さ。天才的な外科医。医学生時代からのライバルであるDr.シュシュニコワと大暴れしたせいで学会を追放され、パッパラ隊の軍医となった。
ミラルカ・ボーダー
軍事帝国シュバルツ・ラントの国王のひとり娘。王位を継ぐのがいやで家出していたが、偶然出会った水島中尉に一目ぼれをする。戦争が終わったら軍人以外に生き方を知らない自分はどうすればいいのか、という水島の悩みを聞き、彼が軍人として活動し続けられるために、王位を継承し、国を挙げてスットン共和国に宣戦布告した。
フォン=マーテル
軍事帝国シュバルツ・ラントの戦闘家老。君主となった王女ミラルカのお守り役もつとめる。国王と部下という間柄を超えて密かにミラルカを慕っているが、彼女が水島中尉に惚れていることを知り、水島を憎悪し付け狙う。その嫉妬の激しさを怪人しっとマスクに見込まれ、「しっとマスク2号」に任命された。
シルヴァーナ=ダーゼンシュタイン
23歳独身の女性。稀代の天才可学者。「可学」とは、「すべての学問に精通しすべての事象を可能たらしめる者に対する称号」とのこと。お腹がすいて倒れていたところを軍事帝国シュバルツ・ラントの戦闘家老フォン=マーテルに助けてもらい、彼に協力することになった。パッパラ隊所属の少女型ロボット兵器桜花たちに対抗するため、同じく少女型ロボット兵器の桃花(とうか)と蓮花(れんか)を開発した。
集団・組織
パッパラ隊 (ぱっぱらたい)
『突撃!パッパラ隊』に登場する組織。スットン共和国の最前線に駐屯する軍隊。地獄の最強部隊と呼ばれ恐れられているが、その実態は、悪ふざけを繰り返すろくでなしと異常者の集まり。軍隊とは思えぬお気楽なノリで、海水浴やスキー、夏合宿など、一年中遊んでばかり。しかし敵が襲ってきても、ランコ少尉や忍者とびかげが水島中尉とドタバタを繰り広げるうちに退治されてしまうので、結果的にはスットン共和国の国防を立派に果たしていると言える。