概要・あらすじ
時は現代。湧太と真魚は、60年前に湧太が世話になったという女性・苗の墓参りのため、かつて御咲村と呼ばれていた土地にやってきた。湧太と別れ、あたりを散歩する真魚は、屋敷から逃げ出そうとした女に出会う。女は、女を連れ戻そうとした男を平気な顔で殺してしまった。真魚を探す湧太は、60年前に苗の下働きをしていた草吉と再会する。
草吉は湧太に、苗を連れて行かなかったのかと尋ねた。苗は、湧太が村を去ったその日から姿を消した。そして、苗は60年前と同じ姿で、かつての婚約者・英二郎の屋敷に帰ってきたという。
登場人物・キャラクター
苗 (なえ)
60年前、家に伝わる人魚の灰の伝説を通じて、人足として雇われていた湧太と惹かれ合った。谷の花畑に人魚の灰を撒き、一年中花が咲き乱れる赤い谷にした。湧太が村を去ったその日を境に、神隠しにあったかのように姿を消した。60年前と同じ姿で帰ってきたが、まるで魂の抜けたように虚ろな性格になり、平然と殺人をするようになっている。
英二郎 (えいじろう)
苗の婚約者。苗の失踪後、財閥の婿養子に入り、長年かけて苗の屋敷周辺の土地を買収した。目的のためには手段を選ばない利己的な性格をしている。
草吉 (そうきち)
60年前、下働きの子供として苗の世話をしていた。現在は村のあった場所に建ったマンションの管理人をしている。消息を絶った苗が60年前の姿で生きていることを知り、湧太との再会を機に、真相を追い求める。
場所
赤い谷
苗が湧太との駆け落ちで待ち合わせに選んだ約束の場所。人魚の灰により、冬でも枯れることなく赤い花が咲き乱れるようになった。
関連
人魚シリーズ (にんぎょしりーず)
高橋留美子がその肉を食べると不老不死になれるという人魚を題材にした伝奇ホラー漫画シリーズ。 関連ページ:人魚シリーズ