あらすじ
第1巻
食が細く太れない体質の細川みゆきは、貧相なスタイルの自分に自信が持てずにいる。さらに彼氏の永瀬ひろきが、自分に対してどう思っているのかもわからず、モヤモヤとした日々を過ごしていた。ある日、みゆきと太田ゆたかの会社に、関西支店からやり手の東堂巧が異動してくる。「女は見た目が大切」と考えている東堂は、痩せすぎのみゆきとぽっちゃりしたゆたかの体型を否定し、ゆたかは強い怒りを覚える。そんな中、会社の飲み会に参加したゆたかは、容姿端麗な佐藤正美が、東堂の後頭部の髪が薄いと仲間内でバカにしている場面に遭遇。咄嗟に東堂をかばったゆたかに対して、偶然その場に居合わせた東堂はゆたかに好意を抱くようになり、積極的なアプローチを開始する。一方、ひろきに好意を寄せる山川千花の登場に動揺したみゆきは、田口からの助言を受け、ひろきを嫉妬させることにする。だが、田口の知り合いが経営するバーのパーティーに参加したみゆきは、初対面の男性から細すぎて魅力がないと、辛辣な指摘を受けてしまう。
第2巻
永瀬ひろきに好意を抱く山川千花、東堂巧に好意を抱く佐藤正美と、二人の女性はそれぞれ略奪に向けて動き出す。これに危機感を抱いた細川みゆきは、運動をして食べる量を増やし、少しでも健康的な体型になろうと努力を重ねる。一方の太田ゆたかは、今の体型で東堂に愛されているのだから、余計な努力は必要ないと何もせずに過ごしていた。そんなゆたかを見た正美は、ますます自分の方が東堂に相応しいと自信を持ち、積極的なアプローチを繰り返す。そんな中、世間はクリスマスシーズンに突入する。クリスマスイブに新幹線での出張になったひろきに対して、千花は巧みに同行の約束を取りつけ、当日はみゆきとデートさせない計画を立てる。また、正美のアプローチの甲斐もあって、社内ではゆたかと東堂の交際はデマで、正美と東堂が付き合っているとの噂が流れる。さらに周囲も正美と東堂はお似合いのカップルだと賞賛し、二人の姿を偶然目撃したゆたかも、その通りだとショックを受ける。そしてゆたかはクリスマスまでに、少しでも東堂と釣り合う女性になろうと、みゆきと共に運動を開始する。
登場人物・キャラクター
細川 みゆき (ほそかわ みゆき)
太田ゆたかと同じインテリア会社で事務員をしている女性。年齢は25歳。幼い頃から小食で食べるスピードも遅く、太れないことを悩んでいる。細く不健康なスタイルをコンプレックスに感じており、もう少し太ろうとするものの、なかなか食べる量を増やすことができず苦悩している。引っ込み思案なおとなしい性格で、体型のコンプレックスもあり、自分に自信が持てずにいる。また、他人の些細な言動を気にしてしまう傾向がある。自分とは真逆のぽっちゃり体型で、いつも明るく前向きな性格の同僚、太田ゆたかにあこがれている。永瀬ひろきと約2年間交際しており、そろそろ結婚の話が出てもいいのではないかと期待している。
太田 ゆたか (おおた ゆたか)
細川みゆきと同じインテリア会社で事務員をしている女性。年齢は25歳。食べることが大好きで、みゆきとランチをする際には、彼女が残した分も食べることが多い。小柄なぽっちゃりとした体型で、いつも明るく前向きな性格の持ち主。関西支店から異動してきた東堂巧からは、太っているとたびたびバカにされており、よい印象を抱いていなかった。しかし、佐藤正美が東堂の後頭部の髪の毛が薄いと仲間内で笑っている場面に遭遇し、とっさに東堂をかばう。そのことをきっかけに、東堂から好意を抱かれるようになり、交際をスタートさせる。
永瀬 ひろき (ながせ ひろき)
会社員の若い男性。細川みゆきと約2年間交際している。容姿は整っているものの非常にクールな性格で、何を考えているのかわからないタイプ。みゆきとデートをする際も、必要以上のことを話そうとしない。ただしみゆきのことを心から愛しており、両親と何度か会わせている。同じ会社の山川千花から好意を寄せられていることには気づいているが、トラブルに発展しないよう、あえて知らないふりをしている。
東堂 巧 (とうどう たくみ)
細川みゆきと太田ゆたかが働くインテリア会社に、関西支店から主任として異動してきた男性。会社内ではやり手社員として有名で、将来を有望視されている。見た目も整っているが、よく見ると後頭部の髪の毛がやや薄くなっている。自分に厳しい性格で、他人にも厳しく接する。初対面のみゆきに対して魅力がないから太れといったり、ぽっちゃり体型のゆたかをバカにしたりと、本当のことなら何を言っても構わないと考えている節があり、デリカシーに欠ける一面がある。女性は容姿が大切だと考えており、これまでの彼女は全員モデル級の美女だったため、異動してからも社内一の美女である佐藤正美にアプローチを開始する。しかし、正美が東堂巧自身の髪の薄さを指摘して仲間と笑っている場面に遭遇し、その際に自分をかばってくれたゆたかに好意を抱くようになる。その後に告白をして、社内でも公認のカップルとして交際をスタートする。
佐藤 正美 (さとう まさみ)
細川みゆきと太田ゆたかが働くインテリア会社の経理部に所属している女性。年齢は27歳。容姿端麗で、モテるが故に少々高飛車な性格の持ち主。ファッションやメイク、体型の維持など人一倍の努力を日々重ねており、完璧なビジュアルを保っている。それにもかかわらず、周囲からはやっかみを受けることが多い。関西支社から異動してきたばかりの東堂巧から、食事に誘われるなどアプローチを受けていたが、東堂の後頭部の髪が薄くなっていることを仲間内でバカにしており、偶然その場に遭遇したゆたかから、失礼だと抗議を受ける。その出来事をきっかけに、人を見た目でしか判断していない自分に気づき、改めて東堂に興味を抱く。そして、佐藤正美自身から東堂へのアプローチを開始し、ゆたかに強いライバル心を燃やすようになる。
山川 千花 (やまかわ ちか)
永瀬ひろきと同じ会社に勤務している女性。年齢は24歳。ひろきに好意を抱いており、待ち伏せをして毎日いっしょに帰宅をするなど、細川みゆきから略奪しようとしている。女性らしい健康的なスタイルながら、あざとい性格で自分をかわいらしく見せることに余念がない、しかし、山川千花自身はあざとい言動をしているつもりはないものの、周囲の女性からぶりっ子だと悪口をいわれることが多く、孤立しがちだった。そのため現在は開き直り、女性からいくら嫌われようと、男性から好かれればいいと考えるようになった。
田口 (たぐち)
細川みゆきと太田ゆたかが働くインテリア会社で事務員をしている20代の女性。みゆきとゆたかといっしょにランチをすることが多く、二人の恋愛に関する悩みを聞き、アドバイスを送っている。メイクや美容、ファッションなどに気を配っており、みゆきとゆたかからは「女子力高めOL」として尊敬されている。
間宮 (まみや)
細川みゆきと太田ゆたかが働くインテリア会社の営業部に所属している20代の男性。さわやかなルックスと人当たりのよい性格から、ゆたかをはじめ女子社員から人気がある。まるでモデルのような美しい容姿の彼女がいる。コミュニケーションスキルが高いため、社内のイベントでは幹事役を務めることが多い。