若草物語

若草物語

アメリカで勃発した南北戦争の時代、父親が戦地に出向き家に残された四姉妹が、慈悲深い母親とともに暮らしながら成長する様子を描く物語。オルコットの小説『リトル・ウィメン』(原題)を原作としている。高河ゆんによれば、自身が高校3年生の時に学習研究社から執筆の打診を受けていたとのこと。構成は恋塚稔。

正式名称
若草物語
ふりがな
わかくさものがたり
原作者
オルコット
作者
ジャンル
兄弟・姉妹・双子
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概要・あらすじ

1861年、南北戦争真っ只中のアメリカに住んでいるマーチ家では、父親が戦争に駆り出され、残された4人の姉妹とマーチ夫人が慎ましやかに生活を送っていた。長女のメグ・マーチ、次女のジョー・マーチ、三女のベス・マーチ、四女のエミー・マーチは、時にケンカをしながらも楽しい日々を過ごしていた。ある日ジョーは、隣の家に住んでいるセルジオ・ロレンス(ローリー)と出会い、親しくなる。

そしてメグは、ローリーの家庭教師であるブルック先生と恋を育むようになる。しかしベスとジェームス・ロレンスとの交流やエミーの事故など、マーチ家でさまざまな出来事が起こるなか、父親が戦地で重体になったとの知らせが入る。

登場人物・キャラクター

ジョー・マーチ (じょーまーち)

マーチ家の次女。小説を書くのが好きで、いつか小説家になって金持ちになることを夢見ている。おてんばな性格で、髪を結うと一人前のレディーとして認められるというメグ・マーチに対し、自分は90歳まで髪を結わないと放言している。ある日、メグの友人に招待されたパーティーでセルジオ・ロレンスと出会い、親交を深める。メグがブルック先生と親しくなるのを反対したり、エミー・マーチとケンカして口を聞かなくなるなど、気性の激しい一面があり、ジョー・マーチ自身もそのことを自覚して悩んでいる。 一方で、ロレンス家にあるグランドピアノをベス・マーチに弾かせてもらえるように後押しするなど、妹想いな優しいところもある。

メグ・マーチ (めぐまーち)

マーチ家の長女。おしゃれが大好きで、容姿を褒められるとすぐに機嫌が良くなる、乗せられやすい性格。レディーとして認められたいが、まだレディーになり切れないところがある。ジョー・マーチやエミー・マーチと一緒にセルジオ・ロレンスの家に遊びに行った時にブルック先生と出会い、想いを寄せるようになる。ジョーには交際を反対されつつも、順調にブルック先生との仲を育んでいる。

ベス・マーチ (べすまーち)

マーチ家の三女。控えめで内気な性格なことから、家で過ごすことが多い。ピアノを弾くのが好きで、時折歌うこともあり、その歌声をセルジオ・ロレンスも聴いたことがある。ジョー・マーチに、ロレンス家にあるグランドピアノを弾くように勧められたが、その内気な性格から一度は断った。しかし勇気を出してロレンス家を訪れてピアノを弾かせてもらい、そのお礼にジェームス・ロレンスに上履きを作ってプレゼントする。

エミー・マーチ (えみーまーち)

マーチ家の四女。中学校に通っているが、まともに授業は聞いておらず、落書きばかりしている。メグ・マーチやジョー・マーチの大人の女性としての行動に憧れを持っており、メグとジョーがブルック先生の誘いでお芝居を見に行く際にも、連れて行ってほしいと頼み込んだ。それをジョーに断られ、ジョーが書き溜めていた小説の原稿を捨てたことで、ジョーと大ゲンカになってしまう。 ジョーに謝るために彼女の後をついて行くが、そこで池に落ちる事故に遭ってしまう。

セルジオ・ロレンス (せるじおろれんす)

マーチ家の隣に住んでいる青年。窓から時折四姉妹のことを見ており、彼女たちのことは以前から意識している。外国暮らしが長く、母親もいないため、祖父のジェームス・ロレンスと一緒に暮らしている。メグ・マーチの友人のパーティーでジョー・マーチと出会い、親しくなる。クリスマスの日にマーチ家が困っている人の家に朝食を配る姿を見て心を打たれ、自分もマーチ家に食事を届ける心優しい性格の持ち主。

ブルック先生 (ぶるっくせんせい)

セルジオ・ロレンスの家庭教師。メグ・マーチ、ジョー・マーチ、エミー・マーチがロレンス家に遊びに行った際に出会い、メグに一目惚れをする。それ以来、メグをお芝居に誘うなどして距離を縮めるが、ジョーにはメグとの交際を反対されている。しかしそれにもめげず、メグと順調に仲を育んでいる。

ジェームス・ロレンス (じぇーむすろれんす)

セルジオ・ロレンスの祖父。マーチ家の四姉妹の祖父とは知人である。一見気難しそうな風貌をしているが、実際は優しく心の広い男性。亡くなった孫娘が弾いていたグランドピアノを今も所有しており、ベス・マーチにグランドピアノを弾かせてあげることをジョー・マーチに提案する。

マーチ夫人 (まーちふじん)

マーチ家の四姉妹の母親。夫が戦地に出向いてからは、家と四姉妹を見守りながら暮らしている。クリスマスの日、貧しい人の家にプレゼントを送るなど、慈悲深い女性。四姉妹には優しく正直に育ってほしいと願っており、本当に好きな人と一緒になることを望む優しい心の持ち主。

ハンナ

マーチ家で働くメイドの女性。メイドという立場ながら、気さくな性格でマーチ家の四姉妹とは友人のような関係を築いている。彼女たちの世話をかいがいしく焼いているが、四姉妹が夏休みに怠惰な生活を送ろうと決めた時には、そんなことをしても退屈だと四姉妹を諭すなどしっかりした一面も持っている。

おばさま

マーチ家の四姉妹の叔母。時折ジョー・マーチを家に呼び、自分の相手をさせている。クリスマスイブに自分の家に挨拶に来なかった四姉妹に対し「父親に似て礼儀知らず」だと言い放つなど身勝手な一面があり、特にジョーには快く思われていない。

クレジット

原作

オルコット

構成

恋塚稔

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