藤本タツキ短編集 22-26

藤本タツキ短編集 22-26

『チェンソーマン』他で人気の藤本タツキ初期短編集。『人魚ラプソディ』(2014年12月19日発売「ジャンプSQ.19」Vol.17掲載)、『目が覚めたら女の子になっていた病』(「少年ジャンプ+」2017年4月24日)、『予言のナユタ』(「ジャンプSQ.」2015年8月号掲載)、『妹の姉』(「ジャンプSQ.」2018年6月号掲載)を収録。

正式名称
藤本タツキ短編集 22-26
ふりがな
ふじもとたつきたんぺんしゅう にじゅうに にじゅうろく
作者
ジャンル
その他
レーベル
ジャンプコミックス(集英社)
巻数
既刊2巻
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あらすじ

人魚ラプソディ

海辺の街に住む中学生男子のトシヒデは、海中にある人魚が作ったピアノを弾くのが好きだった。母が人魚だったことから、トシヒデは長く海中で演奏ができる。トシヒデには母の記憶はないが、ピアノを弾いているときだけ母を思い出せるような気がするのだ。ある日、いつものようにピアノを弾いていたトシヒデは、つい時間を過ごして溺れそうになる。そこに人魚が現れ、トシヒデを救う。彼女の名はシジュ。美しい少女だった。助けてくれたお礼に、トシヒデはピアノを教えることになった。それから毎日、トシヒデとシジュは会うようになり、お互い好意を寄せるようになる。

目が覚めたら女の子になっていた病

ある日の朝、目を覚ましたトシヒデは、自分が女の子になっていることに気づく。慌てて病院に駆け込むが、「目が覚めたら女の子になっていた病」だと診断され、治ることはないという。登校したトシヒデは、クラスメートの好奇の目にさらされ、中には「セックスさせろ」とまで言うやつもいた。クラス中から陰湿ないじめにあっていたところ、上級生のアキラが現れる。アキラはいじめを行う男子をぶん殴り、トシヒデを救う。アキラのことを異性としてカッコイイと感じたトシヒデは困ってしまう。アキラは、トシヒデの彼女、リエの兄なのだ。

予言のナユタ

両親を亡くしたケンジは、学校へもいかず、働きながら妹のナユタと二人暮らしをしていた。10年前、ツノを持つナユタが母体を貫いて生まれたとき、世界中の魔法使いが、世界を滅ぼす悪魔の子だと予言した。予言を信じる者たちは、ナユタを殺すように迫ったが、ケンジは彼女を守り抜くことを誓う。しかし、ナユタは動物を食い殺し、意味不明の漢字を羅列した言葉しか話さない。どう接すればよいのかケンジが悩んでいるうちに、ナユタの行動はますますエスカレート。近所の家畜を大量虐殺し、やがて世界滅亡を予感させるほどの魔法を繰り出した。

妹の姉

美術学校3年生の江原光子は憂鬱だった。それは自分の裸が描かれた絵が、学校主催のコンクールで金賞を受賞。学校の玄関に1年間も飾られることになったからだ。作者は妹の江原杏子で、想像で姉の裸を描いたのだ。学校中の生徒に自分の裸をさらされた光子は、リベンジを画策。妹の裸を描いて金賞を狙おうとする。自宅で杏子をモデルに、絵を描き始めた光子は、久しぶりに彼女と話をする。杏子が光子の後を追い、特待生として美術学校に入学したことをきっかけに、姉妹の会話はなくなっていたのだ。

登場人物・キャラクター

トシヒデ

『人魚ラプソディ』の主人公。人魚の母と人間の父の間に生まれた男子中学生。海中のピアノを弾くことを楽しみにしている。ある日、溺れそうになったところを人魚のシジュに救われる。美しいシジュに好意を抱き、彼女にピアノを教えるようになる。

トシヒデ

『目が覚めたら女の子になっていた病』の主人公。ある日突然、女の子になってしまった少年。優しく気弱な性格で、昔からいじめられては泣いていた。リエという彼女がいる。

ケンジ

『予言のナユタ』の主人公。両親を亡くし、学校も行かずに働きながら妹のナユタを養う少年。動物を食い殺し、意思疎通もできない妹のナユタとの接し方が分からず困惑する。恐れを抱きながらも、「妹だから守らなければいけない」と頑張っていた。

ナユタ

『予言のナユタ』の主人公。ケンジの妹で、ツノが生えた魔法使いの少女。意味不明の漢字を羅列した言葉しか話さない。動物を食い殺したり、近所の家畜を惨殺したりする。世界中の魔法使いから「悪魔の子」だと言われ、やがて世界を滅ぼすだろうと予言されている。

江原 光子 (えはら みつこ)

『妹の姉』の主人公。仁賀美術学校3年生の女子。中学1年生のときから油絵の勉強を始め、美術学校に進学する。特待生で自分と同じ学校に入学した妹の江原杏子にコンプレックスを抱く。

シジュ

『人魚ラプソディ』の登場人物。人魚の少女。セーラー服のようなものを着ている。トシヒデが弾く海中のピアノを、いつも隠れて聴いていた。「人間は無能な動物であり、食べることもあるが、トシヒデの奏でるピアノの音色は底抜けて綺麗(きれい)」という理由から、溺れそうになったトシヒデを助ける。その御礼として、トシヒデにピアノを教えてもらう。

江原 杏子 (えはら きょうこ)

『妹の姉』の登場人物。姉の江原光子のことが大好きで、いつも彼女の背中を追いかけている。デッサンすらやったことがなかったが、姉と同じ高校に入りたいという理由で美術を始める。その結果、特待生で仁賀美術学校に入学。姉の裸を描き、1年生にして学校主催のコンクールで金賞を受賞する。

関連

藤本タツキ短編集 17-21 (ふじもとたつきたんぺんしゅう じゅうなな にじゅういち)

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書誌情報

藤本タツキ短編集 2巻 集英社〈ジャンプコミックス〉

第1巻

(2021-10-04発行、 978-4088828039)

第2巻

(2021-11-04発行、 978-4088828220)

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