虎視眈々 ~藤堂高虎伝~

虎視眈々 ~藤堂高虎伝~

戦国時代を舞台に、浅井長政の家臣の家に生まれた武将・藤堂高虎の半生を描く時代活劇。登場人物の多くは実在の武将であるが、史実で語られる藤堂高虎の生涯とはかなり異なる内容となっている。

正式名称
虎視眈々 ~藤堂高虎伝~
ふりがな
こしたんたん とうどうたかとらでん
作画
原作
ジャンル
戦国
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概要・あらすじ

幼名「与吉」を名乗る藤堂高虎は、元服前から腕っぷしが強い規格外の少年であった。盗賊退治などで手柄を立てた高虎は、やがて主君である浅井長政に目をかけられるようになるものの、浅井家が滅亡。その後、高虎は長く浪人として各地を放浪し、その間に多くの人々と出会う。その中で高虎は織田信長徳川家康ら大物に立て続けに仕官の誘いを受けるが、これを辞退。

高虎が長政の次の主君として選んだのは、羽柴秀吉であった。

登場人物・キャラクター

藤堂 高虎 (とうどう たかとら)

近江の下級武士出身の男性で、幼名は「与吉」。巨漢で剛腕だが、武器の発明にも凝っており、「鳥頭」という独自の武器を創り出すなど手先も器用。何かとくノ一といい仲になることが多く、藤堂高虎自身もそれを不思議に思っている。実在の人物、藤堂高虎がモデル。

藤堂 虎高 (とうどう とらたか)

浅井長政に仕える近江の下級武士で、藤堂高虎の父親。高虎からは「おとう」と呼ばれている。幼少期の高虎が盗賊退治などで手柄を立てたことに感心し、自らの名の虎高を逆にして与え、「高虎」と名付けた。金ヶ崎の戦いに際して高虎と今生の別れをしたのを最後に、消息は不明となっている。実在の人物、藤堂虎高がモデル。

飛内裏 (とびだいり)

足利義昭の配下である京忍者のくノ一。まだ義昭が織田信長と協力関係にあった頃、浅井長政の動向を探るために近江に配属されており、そこで偶然に藤堂高虎と知り合い、恋に落ちた。高虎の婚姻の初夜に花嫁とすり替わって床に入り、高虎に抱かれる。その後、任務失敗の責任を取らされ、同じ京忍者の仲間に討たれた。仲間からは「飛女」と呼ばれていた。

浅井 長政 (あさい ながまさ)

近江国の戦国大名の男性で、藤堂高虎の最初の主君。少年時代から高虎に目をかけており、高虎からも「殿さま」と呼ばれ慕われていた。浅井家が織田信長に攻め滅ぼされることを早くに予測し、お市の方を織田方に落ち延びさせよと高虎に密命を下す。信長との戦いに敗れ、29歳で命を落とした。実在の人物、浅井長政がモデル。

お市の方 (おいちのかた)

織田信長の妹であり、浅井長政の正室。藤堂高虎とは、高虎の少年時代から面識があった。浅井家の滅亡に際し、子供たちは逃がすものの自分は長政とともに死ぬと主張したが、高虎はお市の方を気絶させ、強引に織田方に引き渡した。のちに、信長の知遇を得た高虎と再会する。実在の人物、お市の方がモデル。

織田 信長 (おだ のぶなが)

戦国大名の男性。藤堂高虎の主君であった浅井長政を討ったが、その後、お忍びで城下に出ているところで偶然に浪人時代の高虎と遭遇、高虎を気に入って城へ招き、織田家への仕官を勧めた。高虎とはその後も何度か会う機会があり、そのたび仕官を勧めて断られているが、「高虎は鎖でつなげるような男ではない」と評価しており、あまり気分を害する様子もない。 実在の人物、織田信長がモデル。

森 蘭丸 (もり らんまる)

織田信長が身辺に置いている小姓。信長には「お蘭」と呼ばれ、忍び歩きの同行を任せられるほどの信任を置かれているが、実は女性。藤堂高虎に恋愛感情を抱いており、自分を抱けと迫ったこともあったが、高虎からは相手にされなかった。実在の人物、森蘭丸がモデル。

羽柴 秀吉 (はしば ひでよし)

織田信長に仕える重臣である戦国武将の男性。陰謀家であり、浅井家の滅亡に際してお市の方を密かに自分のものにしようと企んだことなどもあったが、これは成功しなかった。のちに藤堂高虎の主君となる。実在の人物、豊臣秀吉がモデル。

蜂須賀 小六 (はちすか ころく)

羽柴秀吉に仕える武将だが、それは表の顔であり、実は歳若いくノ一である。金ヶ崎の戦いの際に藤堂高虎と知り合い、高虎を恋い慕うようになる。実在の人物、蜂須賀正勝がモデル。

徳川 家康 (とくがわ いえやす)

織田信長の盟友である戦国大名の男性。配下の忍者である服部半蔵の紹介で藤堂高虎と知り合い、自分に仕えないかと誘いをかけたが、にべもなく断られた。実在の人物、徳川家康がモデル。

服部 半蔵 (はっとり はんぞう)

徳川家康に仕える男性の忍者。敵将・武田信玄の暗殺に成功した後、徳川家の陣に戻ろうとしていた途中で行き倒れになりそうなところを、たまたま遭遇した藤堂高虎に救われた。その恩義に報いるため、また徳川家のため、高虎を家康に仕えさせるべく奔走するが、高虎には迷惑がられている。実在の人物、服部正成がモデル。

安国寺 恵瓊 (あんこくじ えけい)

おかしな術を使う怪しげな僧形の男性。織田信長に仕官したいと願っており、そのために、偶然知り合いとなった浪人時代の藤堂高虎を利用してさまざまな小細工を弄する。だがことごとく失敗し、最後は高虎の怒りを買って木に逆さに吊るされてしまう。その際、高虎とはいずれまた戦う日が来るだろうと予言した。実在の人物、安国寺恵瓊がモデル。

足利 義昭 (あしかが よしあき)

一時、織田信長が主君として仕えていた室町幕府の将軍の男性。「京忍者」と呼ばれる配下を手足のように使っている。舞三位を解放するために、自分を殺しにやって来た藤堂高虎とまともに渡り合えるほどの剣技を持つ。名器である平蜘蛛の茶釜を欲しがっており、平蜘蛛を持って来れば舞三位と交換してやってもよいと高虎に持ちかける。 実在の人物、足利義昭がモデル。

舞三位 (まいさんみ)

足利義昭に仕える京忍者で、飛内裏の妹。浪人時代の藤堂高虎が偶然に出会い、かつての恋人の妹であるということで、せめてくノ一という自由にならない立場から解放してやろうと画策した。しかし、舞三位自身は義昭に心からの忠義を誓っており、大きなお世話だと思っている。義昭のことを、本来ならば天下人であったのに不遇の地位にある気の毒なお方、と考えている。

松永 久秀 (まつなが ひさひで)

戦国大名の男性。茶の湯に造詣が深く、平蜘蛛の茶釜を愛蔵している。柳生石舟斎と懇意にしており、石舟斎の紹介で藤堂高虎と知り合うが、高虎と舞三位に平蜘蛛を盗まれてしまう。実在の人物、松永久秀がモデル。

柳生 石舟斎 (やぎゅう せきしゅうさい)

剣の達人である老爺。偶然に藤堂高虎と出会い、平蜘蛛を盗み出す計画のために、そうとは知らぬまま高虎に利用される羽目になる。松永久秀に請われ、その前で高虎とともに剣技を披露するが、その技量は神がかったもので、武芸自慢である高虎でもまったく太刀打ちできなかった。実在の人物、柳生宗厳がモデル。

イベント・出来事

金ヶ崎の戦い (かねがさきのたたかい)

織田信長が朝倉家と戦争をしていた時、浅井長政が信長を裏切って織田軍を攻撃したことから起こった織田軍の敗走戦。羽柴秀吉や、織田家の同盟者の徳川家康もこの戦いに参加し、九死に一生を得ている。藤堂高虎はこの戦いにおいて、密かに織田軍の陣中に入って織田家の武将たち、特に蜂須賀小六との間に人脈を作ったが、それは「浅井家が滅ぶ時、お市の方を織田方に逃がせ」という長政からの密命を果たす、という目的のためであった。

その他キーワード

鳥頭 (とりあたま)

鎌に似ているが、主には投擲して用いる武器。藤堂高虎は浅井長政に仕えていた頃、長政に頼んで鍛冶師を借り、さまざまな独創的な武器を創作していたが、その中でも特に出来の良かったものがこの鳥頭である。以後も長く高虎が愛用することとなった。

平蜘蛛 (ひらぐも)

松永久秀が秘蔵している、非常に貴重な茶釜。蜘蛛の意匠が施されており、湯を立てるとその蜘蛛が苦しみ出すように見える。藤堂高虎は足利義昭の依頼を受けてこれを盗み出し、それと引き換えにかつての恋人の妹である舞三位を自由の身にしようとしたが、舞三位はそれを断り、平蜘蛛を持って高虎のもとを去り、義昭のもとへ戻った。

(さかずき)

浅井長政の頭蓋骨から織田信長が作らせた酒杯。信長は、長篠の戦いに臨むにあたって、景気づけにこの杯を酒宴で用いた。その事実を偶然知ってしまった藤堂高虎は、信長の所業に対して怒るとともに密かにこの酒杯を盗み出し、その前で長政を悼んで涙した。

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