裸のお百

裸のお百

裸を描くことが禁じられていた明治時代の洋画塾・天真道場を舞台に、日本初の職業モデルとなったお百の活躍や、塾頭の黒田清輝や久米桂一郎、塾生のらくだが表現規制と戦い苦悩する姿を描く。

正式名称
裸のお百
ふりがな
はだかのおひゃく
作者
ジャンル
時代劇
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概要・あらすじ

明治時代の洋画の洋画塾・天真道場では、洋画に必要不可欠な裸体のモデルに次々と逃げられ苦心していた。そこへ叔父に売られて来たお百は、その日本人離れしたスタイルで黒田清輝久米桂一郎、塾生のらくだなど様々な洋画家たちのモデルとなっていく。しかし裸を描くことが禁じられていた時代のため、画家たちは表現規制と戦い苦悩しながらも近代洋画の道を切り開いて行く。

登場人物・キャラクター

宮下 百 (ひゃく)

10年前に両親が病死し、叔父に預けられたが天真道場へヌードモデルとして売られ、日本で最初の職業モデルとなる。気が強く酒を飲んで酔って仕事をするなどもしていたが、日本人離れしたスタイルで黒田清輝、藤島武二、岡鹿之助、和田英作をはじめ様々な画家のモデルとなった。 ペストによる敗血症でモデルを引退し、モデルクラブ・月曜倶楽部を立ち上げる。

弥平

『裸のお百』の登場人物で、天真道場の使い走りや雑役をしている男。もともと乞食同然のところを黒田清輝に拾われたが、黒田の1本何十円もするらくだの画筆を盗んで売り飛ばしたことかららくだと呼ばれるようになった。絵の成績は極めて優秀で、お百が久米桂一郎から買い与えられた家に転がり込む。 白馬会の展覧会にお百をモデルにした大作を発表するが、黒田の反対でそれ以後、絵を発表できないでいる。お百がモデルを辞め、日本に戻って来ないことを条件に、彼女の全財産を譲り受け単身渡欧する。

黒田 清輝 (くろだき せいき)

久米桂一郎とともに洋画塾・天真道場の塾頭で、『メートル(師匠)』と慕われている親分肌の洋画家。明治28年、第四回内国勧業博覧会で全裸で立つ女性を描いた「朝妝」を出展し、「朝妝事件」として論争を呼ぶ。また、第六回白馬会展に全裸の裸婦像「裸体夫人」を展示して、警察に絵の下半分が布で覆われる「腰巻事件」が起きる。 明治時代の実在人物、黒田清輝がモデルとなっている。

久米 桂一郎 (くめ けいいちろう)

黒田清輝とともに洋画塾・天真道場の塾頭で、理論家肌の洋画家。後に美術評論家として活躍する。明治時代の実在人物、久米桂一郎がモデルとなっている。

場所

天真道場 (てんしんどうじょう)

『裸のお百』に登場する洋画塾で、黒田清輝、久米桂一郎が塾頭を務めた。お百が来るまでは次々に逃げるヌードモデル探しに苦心していた。その後黒田、久米は東京美術学校西洋画科教授に任命され天真道場は終了するが、黒田、久米を中心に洋画団体白馬会を設立するなど、今日の洋画界の方向を指し示したとされる。 実在の画塾・天真道場がモデルとなっている。

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