概要・あらすじ
周囲の国を滅ぼし、父母を殺して王座に就いた螺魏は人間的感情が乏しい人物。彼は即位後に姉梛魏の存在を知り、彼女が幽閉されていた北の塔へ赴く。その頃魔術師は、姉姫・梛魏に知恵の実を与え、弟王・螺魏と同等の能力を与えていた。姉・梛魏を目障りに感じた弟王・螺魏は彼女を殺そうとする。
窮地を脱した梛魏は国の惨状を知り、弟からすべてを奪うことを誓うのだった。
登場人物・キャラクター
梛魏 (なぎ)
『赤い実』の主人公の一人。王家に産まれた双子の姉で髪の長いスレンダーな体型の女性。双子は不吉と疎まれ、長い間城の北の塔に幽閉されていた。産まれてすぐ幽閉され、世話も教育も受けていなかったため、歩くことも会話もできなかったが、ある日訪ねてきた魔術師から知恵の実を与えられ、本来の知性を授けられた。弟・螺魏や民を思いやることのできるやさしい性格の持ち主。
螺魏 (らぎ)
『赤い実』の主人公の一人。王家に産まれた双子の弟で髪の長い無表情な男性。周囲の国を攻め滅ぼして広大な王国を築き、父母を殺して王座に就いた。即位してから北の塔に幽閉された姉・梛魏の存在を知った。国を征服する才能には恵まれていたが国を統治する才能には乏しく、国内には不満が渦巻いていた。他人を思いやるような人間的な感情に乏しい人物。
魔術師 (まじゅつし)
幽閉されていた王家の双子の姉・梛魏のもとに突然訪れた男性。梛魏に知恵の実を与え、知性を授けた。国の興亡よりも人間の愛憎や心の中の光と闇の部分に興味を持ち、人間を深く知りたいという欲求を持っている。
その他キーワード
知恵の実 (ちえのみ)
『赤い実』に登場する不思議な果実。魔術師の持ち物で、会話すらできない梛魏に知性を与える効果を持つ。外見は林檎に似ている。梛魏はこの実を食べただけで、知性や知識を得ることができた。ただし効果は一定の時間が経つと消えてしまう。