概要・あらすじ
廃線となることが決まった北海道の幌舞駅の駅長、佐藤乙松は勤続45年、ただただ実直に働いてきた。その実直さで、ひとり娘の雪子を幼くして亡くした日も、妻の静枝が亡くなった日も、駅に立って旗を振っていた。それが鉄道員というのものだという信念で乙松は生きてきたのだ。新年を迎えたばかりのその日、乙松の前に見かけない幼い女の子が現われる。
里帰りだろうと思いながら、その姿に乙松はなんとなく妻、静枝の面影を重ねるのだった。
登場人物・キャラクター
佐藤 乙松 (さとう おとまつ)
幌舞駅の駅長。勤続45年で、幌舞線の廃線と共に引退を控えている。鉄道員ひと筋の実直な性格のせいで幼い娘が死んだ時も、妻が亡くなった時も駅に立って旗を振っていた。鉄道員である間は泣いてはいけないという信念をもっている。
杉浦 仙次 (すぎうら せんじ)
佐藤乙松の親しい同僚。幌舞線のターミナル駅である美寄中央駅の駅長をしている。乙松のために嘆願書の署名運動までして幌舞線を守ろうとしたが、叶わず申し訳なく思っている。
佐藤 静枝 (さとう しずえ)
佐藤乙松の妻。娘の雪子を幼い頃に亡くし、その後、病死する。乙松の仕事をよく理解して連れ添った静枝だったが、雪子の亡き骸を抱いて駅に降りた時にも旗を振って迎えた乙松に対し、ただ一度だけ声を荒げた。
三人の少女
佐藤乙松のところへ最初に現われた幼い少女は人形を忘れていく。続いて、それを取りに来たという少女は12歳であり、正月休みで遊びに来たという。その後、高校生の姿の少女がやってくる。みんなそっくりなので乙松は近所の住職の孫の姉妹だと思い込む。
クレジット
- 原作