闇狩人Δ

闇狩人Δ

坂口いくが原作を務める「闇狩人」シリーズの一作。法で裁けぬ恨みを晴らす闇狩人たちの戦いと活躍を描くサスペンスアクション。社会の闇に潜む悪人たちへの制裁を行う闇狩人たちの多彩な殺しの技術が個性的に描かれるかたわら、市井の人々の抱えるさまざまな思いも語られている。「Z」で2017年9月から連載の作品。

正式名称
闇狩人Δ
ふりがな
やみかりうどでるた
原作者
坂口 いく
作画
ジャンル
アクション
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あらすじ

第1巻

警察官の松田は、犯罪者を追い込んで殺すことを楽しみとしていた。その松田に殺された少年の母親は、松田が意図的に息子を殺した証拠をつかむため調査している中で、士堂瑠璃と出会う。瑠璃は、法律で裁くことのできない悪を始末する復讐の代理人・闇狩人だった。(ACT1「ワタシハ正義」。ほか、3エピソード収録)

第2巻

修学旅行で北海道を訪れた士堂瑠璃は、そこで旧知の間柄でもある工藤大介と出会う。実は工藤もまた闇狩人であり、出張専門の闇狩人として北海道へやって来ていたのだ。工藤は暴力団の殺し屋・白神直也を狙っていたが、その白神は瑠璃と同じ高校に通う望月美緒の生き別れた父親だった。白神と工藤が対峙する中、白神の目の前で美緒が、かつて白神が殺害した中国マフィアの部下たちに拉致されてしまう。その後、無事にマフィアの手から美緒を救い出した白神は、彼女に別れを告げて工藤と再び対峙する。(ACT5~9「北に果てる」)

第3巻

闇狩人駿河修は、巧妙な犯罪を繰り返す半グレ集団を始末するよう依頼される。しかし、駿河の目の前で標的の一人が、元闇狩人だと名乗る石動巌に殺害されてしまう。石動は、「仕事」として報酬をもらって悪人の始末をすることをやめ、無償で悪人を裁くようになっていた。石動は駿河を利用して半グレ集団を追い詰めていくが、駿河は最後の最後で石動を出し抜くことに成功する。(ACT10~13「許さざる者」)

登場人物・キャラクター

士堂 瑠璃 (しどう るり)

南町高校に通う女子高校生で、闇狩人の一人。一家でサーカス団を経営していたことから、軽快でアクロバティックな身のこなしを得意としている。ふだんは冴えない女子高校生を装っているが、闇狩人の「仕事」の際には悪人に対して無慈悲で容赦がない。漫画家を志望しており、間武士に漫画家になるための相談をすることも多い。漫画の道具である「カラス口」を標的の延髄に突き立て、首の骨を折る技で悪人を裁いている。相手の口の動きで、なにをしゃべっているかを理解する読唇術に優れている。

秋月 (あきづき)

弁護士を務める男性で、闇狩人に仕事の依頼をする仲介屋としての役割を担う。弁護士という職業を活かした情報収集や、闇狩人の仕事の後始末などで士堂瑠璃たちのサポートを行っている。闇狩人としての殺しのテクニックは持っていないが、間武士からも信頼されている優秀な人物。

間 武士 (はざま たけし)

「あいだたけし」というペンネームで、過去に何度か雑誌連載をしていたこともある漫画家の男性。漫画家志望の士堂瑠璃から相談を受けることも多い。高校生の頃から闇狩人として活動しており、漫画の道具であるGペンや定規を武器とした殺しのテクニックを持つ。悪人だけでなく同業の闇狩人に対してもドライに接し、間武士自身がの「仕事」の邪魔をする相手には、仲間であっても容赦はしない。

駿河 修 (するが しゅう)

フリーターとして新聞配達で生計を立てている男性で、闇狩人の一人。ボクサー志望だったがプロテストには合格することができず、一時期ホームレスとして生活をしていた。ボクシングで培った優れた動体視力に加えて、T型のマイナスドライバーを標的のこめかみに打ち込む殺しのテクニックを持つ。まだ闇狩人になって日が浅いことから感情に流されやすく、間武士からその危うさを指摘されている。

工藤 大介 (くどう だいすけ)

出張専門の闇狩人として活動する男性。ふだんは釣り師として全国を巡業している。殺しのテクニックは釣り竿を利用したもので、人間を釣り上げられるほどの特殊な釣り竿と腕力を誇る。士堂瑠璃とは彼女が幼い頃から顔なじみだったが、瑠璃が自分と同じ闇狩人だということは知らなかった。

石動 巌 (いするぎ いわお)

かつては闇狩人だった男性。以前は士堂瑠璃や間武士たちと同じように金で依頼を請け負っていたが、その依頼を待っているあいだに犠牲者が増えることに虚しさを感じ、無償で悪人を裁くようになった。石動巌自身も、自分のやっていることは正義ではなくただの人殺しであることを自覚しているが、自分の殺人によって少しでも救われる人がいればいいと割り切っている。

美崎 ユキエ (みさき ゆきえ)

士堂瑠璃の通う高校で教師を務める女性。間武士が暮らすマンションの大家の娘で、武士とは高校時代からの知り合い。格闘技に精通しており、高校の不良生徒たちからも一目置かれている。武士とは互いに憎からず思っている関係で、一度は付き合ったこともあったが現在はよき友人として接している。武士が闇狩人であることは知らない。

松田 (まつだ)

警察官の男性。巡査部長として後輩の指導にもあたっており、市民からも信頼されている。しかしその裏では、犯罪者を追いつめて殺害することを楽しみとする歪んだ正義感の持ち主で、追跡中の事故を装って何人もの犯罪者を手にかけていた。

二宮 清貴 (にのみや きよたか)

出版社で副編集長を務める男性。間武士の担当編集者で、間の持ち込んだ漫画の連載を持ちかける。母親を強盗に殺害され、その復讐を闇狩人に依頼するが、実際にはその強盗と共謀していた。

向井 雄一郎 (むかい ゆういちろう)

気の弱そうな男子高校生。同じ高校に通う生徒たちから毎日のように金をせびられたり、日常的に殴られるといったいじめを受けていた。その復讐のために通学に使っている列車ごと爆破する計画を企て実行に移す。

白神 直也 (しらがみ なおや)

暴力団の殺し屋を生業とする男性。望月美緒の父親だが、白神直也自身の仕事のために娘とは距離を置いていた。北海道に修学旅行で訪れた美緒と再会するが、自分を殺すように依頼を受けていた工藤大介との戦いに臨む。

望月 美緒 (もちづき みお)

士堂瑠璃と同じ高校に通う女子高校生で、修学旅行では瑠璃たちと同じ班になったことでなかよくなる。父親の白神直也が暴力団の関係者であることから周囲に疎まれており、つねに孤独感を抱いていた。父親が殺し屋であることを知りながら、それでもなお父親のことを深く愛している。

その他キーワード

闇狩人 (やみかりうど)

法律で裁くことができない悪を、報酬を受け取って鉄槌を下す殺しの請負人。世間一般には都市伝説のような存在として認知されており、殺しの依頼は秋月のような仲介役に相談が持ち込まれることで行なわれる。依頼の報酬額は決まっておらず、金額の多寡に関係なく闇狩人が裁くべきと判断すれば仕事を引き受ける。

クレジット

原作

坂口 いく

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