鬼滅の刃

大正時代、日が暮れると現れる人喰い鬼に家族を殺された竈門炭治郎は、鬼の血を浴びて人喰い鬼と化した妹の竈門禰豆子を人間に戻す方法を模索する。やがて鬼殺隊の一員として、人々を守る活動に従事する事となった炭治郎が、鬼と対峙し、成長していく姿を描いたダークファンタジー漫画。吾峠呼世晴の初連載作品。

正式名称
鬼滅の刃
ふりがな
きめつのやいば
作者
ジャンル
ダークファンタジー
レーベル
ジャンプコミックス(集英社)
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あらすじ

禰豆子が鬼になった

炭を売る少年、竈門炭治郎は、母親と五人の弟妹と共に山中で慎ましく暮らしている。大家族のぬくもりの中で炭治郎は、貧しくても日々の生活に幸福を感じていた。雪の降るある日、炭治郎は山を下りて町に炭を売りに行く。持ち前の嗅覚の鋭さと気配りに長(た)けていることから、町の住人にもかわいがられて頼りにされている炭治郎は、その日も町民たちにいつものように雑用を頼まれ、あっという間に日が暮れてしまう。山の麓に住む三郎の家に泊めてもらうことにした炭治郎は、日が暮れるとが出て危ないと怯(おび)える三郎の言葉に半信半疑だった。翌朝、帰宅した炭治郎は惨殺された家族の姿に呆然(ぼうぜん)とする。妹の竈門禰豆子の身体がまだ温かいことに気づいた炭治郎は、禰豆子を背負って下山を試みる。医者に見せれば助かるかもしれないと急ぎ足になる炭治郎の背中で、目を覚ました禰豆子が炭治郎に牙をむく。なんと、禰豆子は人を喰う鬼になってしまったのだ。絶望する炭治郎の前に鬼殺隊の一人である冨岡義勇が現れる。鬼と互角に闘える力を持つ義勇は禰豆子を殺そうとするが、炭治郎が命懸けでそれを止める。義勇に暴行される炭治郎を守ろうと立ちはだかった禰豆子に、人の心が残っていると感じた義勇は禰豆子を生かすことを決める。 

修行の日々を経て鬼殺隊入隊へ

冨岡義勇は、竈門禰豆子は傷口にの血を浴びたことから鬼になったのだと語り、禰豆子を人間に戻す方法を知っているのは鬼だけしかいないという。禰豆子を人間に戻したいとの思いから竈門炭治郎は義勇を説き伏せ、彼の口利きで鬼殺隊入隊に向けて動き出す。鬼殺隊の剣士を育てる鱗滝左近次のもとで厳しい修行に身を投じることになった炭治郎は、空気の薄い山頂での修行に明け暮れる。そして1年後、炭治郎は左近次に自分の背丈よりも大きな岩を斬るという試験を課される。難題に苦しむ炭治郎だが、左近次に教わった呼吸法を完全に自分のものとし、岩を斬ることに成功する。鬼殺隊入隊の最終選別に参加する資格を得た炭治郎は、鬼殺隊の最終選別が行われる藤襲山に向かった。選抜試験の最中、炭治郎は左近次を目の敵にする大型の異形の鬼と出会う。かつて人間だったその鬼は、左近次に捕らわれたことをいまだに恨んでいる様子だった。左近次に教わった技で応戦する炭治郎は、苦戦するも、無事に大型の異形の鬼を倒す。藤襲山に入ってから7日後、合計8体の鬼を倒して最終選別を生き延びた炭治郎は、みごと鬼殺隊入隊の資格を得るが、挑戦者20人中、生き延びた者がたった四人であることに戸惑う。残りの挑戦者はすべて鬼に喰われたのだと知ると、炭治郎は改めて鬼への怒りをあらわにするのだった。その後、日輪刀と隊服を得た炭治郎は、鬼殺隊の一員として鬼が現れたという東京府に向かうことになった。 

鬼界の支配者・鬼舞辻無惨の手がかりを追って

 東京府にやって来た竈門炭治郎は、鬼界の中心的人物、鬼舞辻無惨の手がかりを得る。無惨はこの世に1体しかいない、人間をに変える血を持つ鬼で、竈門禰豆子を鬼にした炭治郎の仇(かたき)だった。持ち前の超嗅覚で無惨を見つけ出した炭治郎は、人間の家族を持ち、当たり前のように人間界で暮らしている無惨の姿に驚愕(きょうがく)する。無惨は殺気立つ炭治郎から逃れるために通りすがりの男性を鬼へと変えて炭治郎を襲わせ、自らは姿をくらます。苦戦する炭治郎だったが、鬼でありながら医者として人を助け、鬼を人間に戻す治療薬を研究している珠世に助けられる。禰豆子を人間に戻すために珠世の研究に協力することにした炭治郎は、無惨に特別に濃い血を与えられた直属の配下集団「十二鬼月」の鬼たちの血を採取してくるよう珠世に依頼される。ちょうどそこに、無惨に遣わされた十二鬼月の矢琶羽朱紗丸が現れる。二人と対峙(たいじ)した炭治郎は血を採取する好機を狙うが、苦戦の末に倒した矢琶羽と朱紗丸には眼球の彫りが確認できなかった。彼らは十二鬼月ではなかったのだ。深手を負った炭治郎はまだ見ぬ十二鬼月の強さを想像し、思いを巡らせつつも珠世に別れを告げて先へ進むことにする。 

善逸と伊之助

 鱗滝左近次に人を守るよう暗示をかけられた竈門禰豆子を連れた竈門炭治郎は、道中、鬼殺隊同期の我妻善逸と再会する。の強さに弱音を吐き続ける善逸の意気地なさを叱咤(しった)しつつ、炭治郎は、善逸と共に鼓を使った血鬼術で人々を襲う鬼、響凱の退治に向かうことになる。屋敷のすべてが響凱の術に支配されているうえに、先の闘いで深手を負っていた炭治郎は苦戦するが、恐怖と不安が頂点に達して失神した善逸の剣技が光り、みごと響凱を討ち果たすことに成功する。善逸はふだんは臆病なのだが、眠ることで本来の力を発揮することができる特殊体質の持ち主だった。だが、一息つく間もなく猪(いのしし)の皮をかぶった二刀流の剣士が攻撃を仕掛けてくる。その剣士の持つ刀が、鬼殺隊士の証(あかし)の日輪刀であることに気づいた炭治郎が詳しく事情を聞いたところ、猪の皮をかぶった剣士は炭治郎と同時期に最終選別を生き残った鬼殺隊の同期であることが判明。剣士は嘴平伊之助と名乗り、その喧嘩(けんか)っ早さから炭治郎と善逸に反発しながらも、指令で行動を共にすることになった。

那田蜘蛛山での闘い

那田蜘蛛山が出たため応援に向かうことになった竈門炭治郎たちは、そこで仲間同士で斬り合う鬼殺隊の面々を目撃する。彼らが鬼に蜘蛛の糸であやつられて殺し合いをさせられていることに気づいた炭治郎と嘴平伊之助は共闘し、女性型の鬼を倒す。一方、一人遅れて那田蜘蛛山に入山した我妻善逸は、人面蜘蛛に嚙まれて傷口から入った毒で蜘蛛にされようとしていた。体に異変を起こしてついに失神した善逸は、眠ったことで戦闘能力が解放されて周囲の鬼たちを蹴散らすことに成功する。そして、山の奥へと進む炭治郎と伊之助の前に男性型の鬼が現れた。男性型の鬼は驚異的な強さで炭治郎たちを追い詰め、炭治郎は遠くに放り投げられ、伊之助と離れ離れになってしまう。伊之助の身を案じる炭治郎は、落下した先で蜘蛛の糸をあやつる鬼、と出会い、彼が那田蜘蛛山に棲(す)む鬼たちの実質的な頭領であり、十二鬼月の一人であることを知る。炭治郎は襲って来た累に竈門禰豆子と共に立ち向かうが、さすがは十二鬼月だけあり一筋縄ではいかない。追い詰められた二人が殺害されようとしたところに冨岡義勇が応援に駆け付け、みごとに累を滅するのだった。 

 禰豆子、鬼殺隊公認の鬼となる

 冨岡義勇竈門炭治郎と引き離されたあとに、男性型のとの闘いに苦戦していた嘴平伊之助をも助けていた。義勇が鬼殺隊の実力者である柱の称号に値する強さを持つことを肌で感じる炭次郎だが、塵と化す前、人間だった頃を思い出して深い悲しみに包まれるに寄り添う炭治郎は、鬼に同情するなと言う義勇に反発する。そこへ、義勇と同じく鬼殺隊柱である胡蝶しのぶが乱入して来る。どんな事情があろうと鬼は滅されるべきだと主張するしのぶを前に、竈門禰豆子の身が危険にさらされることを予感した義勇は炭治郎と禰豆子をかばい、しのぶと対峙する。義勇としのぶが闘っているスキに逃げ出した炭治郎と禰豆子だが、追って来たしのぶの弟子、栗花落カナヲに捕らわれてしまう。鬼である禰豆子を断罪すべきだと主張する鬼殺隊柱たちの前に連れられた炭治郎は、鬼殺隊柱の面々と共に鬼殺隊当主の産屋敷輝哉と対面する。炭治郎は、輝哉に禰豆子が人喰い鬼に落ちたら、鱗滝左近次と義勇が切腹する覚悟であることを知らされて涙する。かくして左近次と義勇の命懸けの訴えにより、禰豆子は鬼殺隊公認の鬼として炭治郎と共に行動することを許されたのだった。 

無限列車での闘い

那田蜘蛛山でのとの戦闘で満身創痍(そうい)になった竈門炭治郎我妻善逸嘴平伊之助は、胡蝶しのぶに徹底した治療と鍛練を受けさせてもらう。鬼殺隊柱たちの強さの秘密が全集中の呼吸にあることを突き止めた炭治郎たちは、鍛練を重ねて全集中の呼吸を進化させることに成功。新たな力を身につけた炭治郎たちは、鬼殺隊柱の煉獄杏寿郎を追って町中を走る汽車、無限列車に乗り込むことになった。車内で合流した杏寿郎は、無限列車に乗った鬼殺隊の面々が次々と消息を絶っているため調査にきたのだと語る。警戒する一同だが、魘夢の術にはまり、まんまと眠らされてしまう。鬼舞辻無惨に血を分けられてパワーアップした眠り鬼、魘夢は、心の弱い人間たちに、甘美な夢を見せてやることと引き換えに、眠りに落ちた炭治郎たちの夢に入り込んで彼らの精神を破壊するように命じた。まだ家族がに殺されていない、平和だった過去を夢に見た炭治郎は永遠に夢の中に滞在したいとさえ思ったが、現実世界からの竈門禰豆子の呼びかけに気づき、後ろ髪をひかれながら現実に立ち戻る。魘夢と対峙した炭治郎だが、魘夢は炭治郎たちが眠っているうちに自らの肉体を捨て去り無限列車と融合していた。車内の人間200人余りを人質にした魘夢との闘いは熾烈を極めるが、炭治郎はついに先頭車両で魘夢の頸(くび)を見つけ、その頸を斬ることに成功する。  

煉獄杏寿郎の遺志を継いで

無限列車の暴走を止めた竈門炭治郎だが、突如現れた十二鬼月の一人、猗窩座に襲いかかられる。炭治郎たちの前に現れた猗窩座の狙いは、鬼殺隊柱として魘夢に人質にされた200人もの人間を完璧に守り抜いた煉獄杏寿郎にスカウトすることだった。鬼になり、さらに修行して自らの永遠にして最高の好敵手になって欲しいという猗窩座の誘いを断った杏寿郎は、猗窩座との死闘の末、致命傷を負い死去する。長いあいだ顔ぶれの変わらなかった鬼殺隊柱の訃報に動揺する炭治郎たちは、杏寿郎の遺言どおりに、いつか鬼殺隊柱になることを目標にこれまで以上に鍛練に励むのだった。ある日、炭治郎は杏寿郎の家族への遺言を伝えるために、代々鬼殺隊柱として人々を守って来た杏寿郎の実家を訪れることにした。炭治郎はそこで、元鬼殺隊柱である杏寿郎の父親から、自身の家系が全集中の呼吸の中ではじまりの呼吸とされる日の呼吸の使い手の家系であることを知らされる。半信半疑ながらも自らのルーツを知り、これまで以上のプレッシャーを感じるようになった炭治郎は、4か月後、修行拠点である蝶屋敷に現れた鬼殺隊柱の一人、宇髄天元に連れられ、鬼の棲(す)む吉原遊郭に潜入することとなった。  

吉原遊郭への潜入調査

宇髄天元吉原遊郭への潜入を決めた理由は、自らの三人の妻がそこで消息を絶ったからだった。それぞれ遊女になりすまして花街に溶け込む竈門炭治郎我妻善逸嘴平伊之助は、十二鬼月の一人、堕姫が花魁(おいらん)に扮して花街で人をさらっていることを突きとめる。炭治郎は、親切にしてくれた花魁、鯉夏が堕姫に襲われる現場に遭遇して堕姫と対峙するが、まるで歯が立たない。戦闘の中で、本能で水の呼吸よりもヒノカミ神楽の方が自身に合っていると悟った炭治郎は、体温をあげてヒノカミ神楽を扱いやすい状態に己を追い込んでいく。一方、堕姫がだと見破ったために自身の妻たちがさらわれたことを知った天元は、彼女たちを助けるべく地中深くにある堕姫の食糧貯蔵庫に突撃する。偶然食糧貯蔵庫にたどり着き、その場所の番人、蚯蚓帯と闘っていた伊之助、妻のまきを須磨と合流を果たした天元は蚯蚓帯と対峙するが、蚯蚓帯は堕姫の危機を察知して彼女の加勢をすべくその場から去っていった。地上に戻った天元は炭治郎と合流を果たすが、傷ついた炭治郎に代わって堕姫と闘う竈門禰豆子の迫力ある姿に目を見張る。禰豆子は十二鬼月並みの回復力と戦闘能力を発揮し、堕姫を追い詰めていたのだった。

吉原遊郭での闘い

凄(すさ)まじい怒気のままに猛攻を続ける竈門禰豆子は、ついに堕姫を地に沈めた。宇髄天元が頸を落として堕姫にとどめを刺すが、満身創痍の禰豆子は闘いの興奮冷めやらぬまま付近の人間に襲いかかる。十二鬼月並みの戦闘能力と引き換えに人の心を失った禰豆子が人を喰うのを防止し、眠りに落ちるまで戦線離脱して見届けた竈門炭治郎は、頸が落ちても死ななかった堕姫の中から現れた妓夫太郎の姿におののく。妓夫太郎は堕姫よりも強力な邪気を持つで、毒を使って天元を追い詰めていく。闘いの最中、妓夫太郎と堕姫を倒すには2体同時に頸を斬らねばならないことに気づいた天元だが、人間であった頃から絆(きずな)の深い兄妹である妓夫太郎と堕姫の連携した戦闘力に苦戦を強いられる。やがて、なんとか堕姫の頸を斬ることに成功した嘴平伊之助だが、追って来た妓夫太郎に致命傷を負わされる。瀕死の伊之助から堕姫の頸を取り戻した妓夫太郎だが、藤の花の毒を使ったクナイで闘う天元の妻・雛鶴の機転により、再生能力を一時的に奪われて炭治郎に頸を落とされた。頸だけの状態になった妓夫太郎と堕姫は力を失い、朝陽を浴びて共に朽ちていった。今回の死闘で深手を負った天元は鬼殺隊柱を引退することになったが、十二鬼月を倒した炭治郎、我妻善逸、伊之助は鬼殺隊柱と産屋敷輝哉の注目を浴び、悲願である鬼舞辻無惨討伐の期待を一身に背負うこととなった。

刀鍛冶の里で得た能力

吉原遊郭での堕姫妓夫太郎との死闘で瀕死(ひんし)状態に陥り意識不明となっていた竈門炭治郎は、闘いから2か月経(た)ちようやく目を覚ました。本調子に戻るまでのあいだ、炭治郎は刀鍛冶の里にいる鋼鐵塚蛍に会いに行くことにした。先の闘いでは蛍に打ってもらった日輪刀を刃毀(はこぼ)れさせてしまったため、彼を立腹させてしまう。そのため、直接訪ねて新しく日輪刀を打ってもらおうと考えたのだ。そして刀鍛冶の里に到着した炭治郎は、里の長である鉄地河原鉄珍に蛍は行方不明だと告げられる。里の者たちが蛍を探すあいだ、里内にある温泉で休むよう言われた炭治郎は、偶然にも鬼殺隊柱甘露寺蜜璃と遭遇。蜜璃は炭治郎に、里内に隠された、強くなるための秘密の武器を探してみるよう助言して去って行く。炭治郎が秘密の武器を探している最中、鬼殺隊柱の時透無一郎が里の刀鍛冶見習いの子供、小鉄から戦闘用絡繰人形、縁壱零式の鍵を奪い、勝手に訓練を開始する場面に遭遇。老朽化の進んでいた縁壱零式は壊れながらも、なんとか持ち直し、小鉄の計らいで炭治郎への過酷な戦闘訓練が開始されることになった。三途(さんず)の川を渡りかけた炭治郎だが、厳しい訓練の結果に動作予知能力を習得し、匂いで相手が次に狙って来る場所がわかるようになった。

襲われた刀鍛冶の里

縁壱零式との戦闘訓練のおかげで新たな能力に目覚めた竈門炭治郎は、小鉄と共に縁壱零式の中から出てきた刀に注目する。刀は錆(さ)びていたが、そこへ山籠もり修行から帰還した鋼鐵塚蛍が現れ、特別な研磨術で刀を生き返らせてくれるという。研磨に合わせて刀鍛冶の里への滞在期間を延ばした炭治郎だが、里が十二鬼月の玉壺と半狗天の襲撃を受ける。半天狗と闘っていた炭治郎と竈門禰豆子時透無一郎は、分断した半天狗の中から現れた新たな4体の分身体、積怒、可楽、哀絶、空喜に苦戦する。偶然居合わせた炭治郎の同期の不死川玄弥も参戦し、闘いは鍛冶職人たちをも巻き込み激化していく。やがて翼を持ち、空を自在に飛ぶことができる空喜の攻撃により窮地に立たされた炭治郎は、禰豆子の血鬼術が自身の日輪刀を焼き、炎をまとった爆血刀へと変化したことに驚愕する。爆血刀のおかげでヒノカミ神楽をうまく使いこなし、炭治郎は空喜の動きを止めることができたのだった。一方、可楽の扇で遠くへ吹き飛ばされた無一郎は、に襲われていた小鉄と鉄穴森鋼蔵を助けた。あばら家に籠って炭治郎たちの日輪刀の研磨に集中する蛍を守るべく、無一郎は襲いかかって来た玉壺と闘うことを決める。

刀鍛冶の里での闘い

玉壺と闘う時透無一郎は、小鉄と鉄穴森鋼蔵をかばい毒を食らってしまう。全身に痺(しび)れが回り、ついに玉壺の術で水獄鉢に閉じ込められた無一郎は死を覚悟したが、非力な小鉄に命懸けで助け出されたことで奮起する。鋼蔵に打ってもらった新しい刀で闘い抜き、みごと玉壺の頸を斬り落とした。半天狗の分身たちの攻撃に苦戦する竈門炭治郎だが、竈門禰豆子と不死川玄弥との共闘により徐々に半天狗を追い詰めていく。追い詰められた半天狗はさらに強力な分身体である憎珀天を生み出してくるが、刀鍛冶の里が十二鬼月に襲撃されていることに気づいた甘露寺蜜璃が、応援に駆けつけてくれたことで闘いは優勢に転じる。攻撃力の高い憎珀天の相手を蜜璃に任せて、半天狗の本体を倒そうと試みる炭治郎だが、野ねずみほどの大きさに縮んで逃げ回る半天狗を捕まえるのは至難の業だった。やっと半天狗の本体を捕まえた炭治郎はその頸を斬ることに成功するが、うっかり闘いに夢中になり日差しを遮るもののない平原で朝を迎えてしまう。は太陽の光に弱く、朝日を浴びた禰豆子は骨も残さず焼け消えてしまうと思われたが、なんと禰豆子は平然と立ち尽くし、炭治郎に微笑みかけたのだった。

産屋敷輝哉の命懸けの計略

竈門禰豆子でありながら、日中も外を出歩けるようになった。禰豆子が人間に戻りかけているのか、鬼として進化しているのかが明らかになっていないため竈門炭治郎は思い悩むが、鬼舞辻無惨が太陽を克服した禰豆子を放っておくわけがない。今後激化するはずの鬼との闘いに備えて鬼殺隊は強化訓練を開始し、鬼殺隊柱の面々に稽古をつけてもらう柱稽古も行い、隊士一人一人の能力向上に努めるようになった。その強化訓練で、炭治郎は着実に鬼殺隊柱たちの強さの極意を吸収していく。炭治郎たち鬼殺隊の面々が稽古に励む中、病床に就き余命いくばくもない産屋敷輝哉の前に無惨が姿を現す。無惨の目的は鬼殺隊の当主を務めている、憎い輝哉を亡き者にすることだった。輝哉は放っておいても病で死ぬが、無惨は自らの手で殺すことを願い輝哉のもとを訪れたのだ。輝哉は無惨のその思考を読み、あらかじめ協力を依頼していた珠世悲鳴嶼行冥に無惨討伐の悲願を託し自爆する。爆発の余波で負傷した無惨に珠世や行冥と共に、爆発を見て駆けつけた鬼殺隊柱の面々と炭治郎たちが一斉に襲いかかる。

三人で挙げた白星

竈門炭治郎鬼殺隊柱に集中攻撃を受けた鬼舞辻無惨は、一行を自らの根城、無限城に移動させる。無限城の中はからくり屋敷のように複雑な造りで、かつ天地がごちゃまぜになったような不思議な空間になっていた。散り散りになった炭治郎たちは、各自無惨の気配を探して屋敷内を駆け回る。偶然にも姉の胡蝶カナエを殺した仇である十二鬼月の童磨と出会った胡蝶しのぶは童磨に闘いを挑むが、殺され喰われてしまう。しのぶを追ってきた弟子の栗花落カナヲが続いて童磨と対峙するが、広範囲に攻撃する技を多数持つ童磨相手には防御するのが精一杯で、攻撃に転じるスキがない。そんな中、嘴平伊之助が乱入して来る。世話になったしのぶが殺され、さらには母親の琴葉も童磨に殺されていたことを知り、伊之助も怒りをあらわにして、カナヲと共に童磨を倒すべく奮闘する。十二鬼月の中でも2番目の実力者である童磨を倒すのは一筋縄ではいかなかったが、時間が経つにつれて生前しのぶが全身に巡らせていた藤の花の毒が、しのぶを喰った童磨にも効き始め、童磨は徐々に体力を奪われていく。そして、伊之助とカナヲ二人がかりで童磨の頸を落とし、みごと童磨を打ち破るのだった。

黒死牟との闘い

黒死牟と遭遇した時透無一郎は、自らが人間だった時の黒死牟の末裔(まつえい)だと知り動揺する。になる前の黒死牟は、なんと継国縁壱の双子の兄だったのだ。十二鬼月のリーダーとして破格の強さを持つ黒死牟は、人間だった時に習得した月の呼吸を使った攻撃で、無一郎は手も足も出ない。無一郎が刀で刺されて身動きできなくなったところで不死川実弥と不死川玄弥が応援に駆けつける。実弥の稀血で黒死牟を酔わせたがそれでも歯が立たず、鬼殺隊柱のメンバーの中で最強の悲鳴嶼行冥も参戦。行冥と実弥で黒死牟とやり合い、闘いは拮抗(きっこう)する。その間、深手を負わされた玄弥は床に落ちていた黒死牟の髪の毛と、黒死牟の愛刀の折れた刃先を食べることでパワーアップを試みる。鬼舞辻無惨の濃い血を与えられていた黒死牟の一部を吸収したことで、一時的に血鬼術を扱えるようになった玄弥が黒死牟を追い詰め、闘いは一気に優勢に転じた。四人で総攻撃をかけて黒死牟を倒すことに成功。追い詰められた黒死牟の最後の一撃で無一郎と玄弥が死亡してしまうが、行冥と実弥は涙をこらえて先へ進む。その頃、無惨は鬼殺隊柱の到着を待たずに闘いを挑んできた鬼殺隊士たちを食い、体力回復し瀕死の珠世にとどめを刺した。

炭治郎の成長

無限城で、我妻善逸となったかつての兄弟子、獪岳と対峙する。祖父のように慕っていた元鬼殺隊柱の一人である桑島慈悟郎を裏切って鬼になった獪岳を改心させようと試みる善逸だが、自分を高く評価してくれた鬼界に染まってしまった獪岳は説得に応じなかった。壱の型しか使えず、それを極めて今日まで生き延びてきた善逸だが、獪岳の本意を知って袂(たもと)を分かつ決意をし、自らの編み出した漆の型を発動して獪岳を打ち破る。一方、煉獄杏寿郎を殺した憎き仇、猗窩座と遭遇した竈門炭治郎は、緻密に技を練り上げて応戦し、猗窩座と完璧に渡り合う。その闘いを見た冨岡義勇は、炭治郎が鬼殺隊柱に匹敵する実力を持つことに気づくのだった。猗窩座と炭治郎・義勇の闘いは拮抗していたが、やがて炭治郎の人間としての清々しさに触れた猗窩座は、自らが人間だった頃に世話になった慶蔵と恋雪を思い出す。人間だった頃の良心を取り戻した猗窩座は、自身の弱さを認めて朽ち果てるのだった。そして、猗窩座を打ち破り先へ進む炭治郎と義勇は、ついに鬼舞辻無惨のもとに到達する。そこには無限城に攻め込んで来た鬼殺隊の面々を喰らい、完全復活どころかパワーアップした無惨がいた。

総攻撃で無惨を倒せ

鬼舞辻無惨と対峙した竈門炭治郎冨岡義勇は、無惨の圧倒的な強さに苦戦していた。そんな中、半天狗に代わって十二鬼月入りした鳴女と闘っていたはずの甘露寺蜜璃伊黒小芭内が助太刀に現れる。珠世が殺されて奮起した愈史郎が、鳴女の視覚を乗っ取って蜜璃と小芭内の動向を無惨に知られないように情報操作してくれたのだった。愈史郎の能力で無惨に気づかれることなく生き残った鬼殺隊柱全員で総攻撃をかけようと作戦を立てたが、無惨は手ごわく、闘いが熾烈(しれつ)を極める中、結局無限城が瓦解し全員地上へと吹き飛ばされてしまう。闘いの場が市街地に移り困惑する炭治郎たちだが、夜明けまであと1時間半のあいだ、絶対に無惨を地上から逃してはならない。激しい攻防戦の最中、無惨の攻撃を受けた炭治郎に異変が起こる。なんと炭治郎は無惨に攻撃を受けた際、同時に無惨の血を大量に注入されていたのだ。瀕死の状態に陥った炭治郎は、混濁する意識下で継国縁壱の姿を見る。それは自らの祖先の竈門炭吉の記憶だった。

ヒノカミ神楽を正しく知る

記憶の中の竈門炭吉を通して、竈門炭治郎は継国縁壱と鬼舞辻無惨の因縁を知る。幼少期から剣技に秀でた縁壱は、臨月の妻とおなかの中の子供をに殺されたことをきっかけに鬼狩りとなって無惨と巡り会い、死闘を繰り広げることになったのだ。炭治郎が倒れたあとも、無惨と鬼殺隊柱の激しい攻防戦は続いていた。無限城での闘いを生き抜いた悲鳴嶼行冥甘露寺蜜璃伊黒小芭内冨岡義勇は無惨の攻撃を受け、同時に注入された無惨の血で弱り始めたが、珠世が生前完成させていた血清のおかげで無惨による身体の内側からの細胞破壊を一時的に食い止めることに成功。さらに嘴平伊之助我妻善逸栗花落カナヲも応援に駆けつけて事態は好転し始める。無惨の攻撃に倒れていた炭治郎も愈史郎の懸命な看護のおかげで一命を取り留め、無事に意識を取り戻した。目覚めた炭治郎は、かつて無惨を窮地に追いやったヒノカミ神楽の13個目の型を始動しようと試みる。炭治郎は、記憶の中の炭吉が縁壱から学んだ呼吸を見ていたため、ある法則に気づいたのだ。

鬼舞辻無惨との最後の闘い

竈門炭治郎は身体を自在に変化させながら襲って来る鬼舞辻無惨の攻撃をかわしながら、ヒノカミ神楽の型を順番に舞い始める。壱の型から順に舞い、12番目の型まで舞い終わることで技が円環を成して13個目の型になるのだ。炭治郎の技に翻弄されながら、無惨は自身の再生能力が衰え始めたことに気づく。珠世を喰った無惨の細胞には、珠世と胡蝶しのぶが共同で開発した薬が複数巡り始めており、一つ目は無惨を人間に戻す薬で、二つ目はそれが叶(かな)わないのならば無惨を老いさせる効力を持つ薬だった。老いていく自身を呪いつつ、夜明けまで間がないと悟った無惨は陽を遮れる場所への逃亡を図る。しかし無惨は、珠世を喰らったせいで身体を分裂することもできず、さらに細胞破壊の効果を持つ薬が効き始める。夜が明け始めて、焦った無惨は近くにいた炭治郎を自分の思いのすべてを託してへと変貌させる。

スピンオフ

漫画

本作『鬼滅の刃』のスピンオフ作品に平野稜二の『鬼滅の刃外伝』がある。『鬼滅の刃外伝』には鬼殺隊柱冨岡義勇煉獄杏寿郎をそれぞれ主人公にした二つの物語が収録されている。義勇のエピソードは、竈門炭治郎の家族が鬼舞辻無惨に惨殺され、義勇はになった竈門禰豆子が人間を襲わないことを信じて見逃した直後の物語。杏寿郎のエピソードは、杏寿郎がまだ父親の鬼殺隊柱の地位を継ぐ前の物語となっている。

メディア化

テレビアニメ

本作『鬼滅の刃』のテレビアニメ版第1期『鬼滅の刃立志編』が2019年4月から9月にかけて、第2期『鬼滅の刃無限列車編』が2021年10月から11月にかけて、それぞれ全国フジテレビ系列、TOKYOMX、BS11、群馬テレビ、とちぎテレビにて放送された。第3期『鬼滅の刃遊郭編』が2021年12月から放送開始している。『鬼滅の刃無限列車編』は、劇場版アニメ『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の爆発的人気を受けて『鬼滅の刃遊郭編』の放送開始前に急遽(きゅうきょ)劇場版アニメをテレビシリーズとして再構成したものである。制作会社とシリーズ構成はユーフォ―テーブル有限会社が担当し、監督は外崎春雄が務めている。キャストは、竈門炭治郎を花江夏樹、竈門禰豆子を鬼頭明里、我妻善逸を下野紘、嘴平伊之助を松岡禎丞がシリーズを通して演じている。

劇場版アニメ

2020年10月16日から、本作『鬼滅の刃』を原作とした劇場版アニメ『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が公開された。TVアニメ『鬼滅の刃立志編』の続編に位置付けられており、原作コミックス第7巻から第8巻までの物語を映像化している。制作会社と脚本はTVアニメと同じくユーフォ―テーブル有限会社が担当し、監督は外崎春雄が務めている。キャストはTVアニメ同様、竈門炭治郎を花江夏樹、竈門禰豆子を鬼頭明里、我妻善逸を下野紘、嘴平伊之助を松岡禎丞が演じている。

オーケストラコンサート

TVアニメ版『鬼滅の刃』のオーケストラコンサートの第1弾が2020年11月に東京国際フォーラムで開催された。サブタイトルは「鬼滅の奏(かなで)」で、第2弾の無限列車編は2021年9月にパシフィコ横浜国立大ホールにて開催された。第1弾、第2弾共に指揮を務めたのは栗田博文で、演奏は東京フィルハーモニー交響楽団が行った。第1弾のボーカルは中川奈美、片桐舞子が担当し、笛は坂本圭、ピアノはCHIAKi、ドラムは長谷部徹、ベースは酒井太、ギターは宍倉聖悟、キーボードは安部潤が担当した。第2弾のボーカルは中川奈美が担当し、笛は坂本圭、ドラムは坂本暁良、ベースは酒井太、ギターは塚田剛、ピアノは野間美希、キーボードは村松充昭、合唱はVoces Tokyoが担当した。本コンサートは、TVアニメ版「鬼滅の刃」の物語をオーケストラによる生演奏とスクリーンに映し出されるアニメ映像と共に追体験できるスペシャルコンサートであり、コンサートと並行して第1弾では2020年11月15日夜公演の内容が動画で生配信され、第2弾では2021年9月5日夜公演の内容が全国各地の映画館でライブビューイングも行われた。 

登場人物・キャラクター

竈門 炭治郎 (かまど たんじろう)

炭売りの家系の家に生まれた少年。嗅覚が非常に優れており、人と鬼の匂いの違いをも感知する。またその優れた嗅覚で、人の匂いを嗅ぎ分けて追跡したり、人の手で仕掛けられた罠(わな)を察知することもできる。長男のためにしっかりしており、次男の竹雄と共に力仕事をはじめ家の手伝いをよくしていた。兄弟はほかに、長女の竈門禰豆子、次女の花子、三男の茂、四男の六太がおり、父親の死後は弟妹たちの面倒を見て父親代わりとなった。生真面目ながら頭の固い頑固者で、別の意味での石頭は敵を倒すこともできるほどの強靭さを誇る。鬼に家族を殺されたうえに、一人生き残った禰豆子が鬼となったことに絶望するものの、禰豆子の中に残る人の心に気づき、彼女を救うべく鱗滝左近次のもとで修業して鬼殺隊に入隊した。水の呼吸を得意とするが、のちに竈門炭治郎自身が日の呼吸の家系であることを知り、二つの呼吸を融合した戦法を編み出していく。所持する日輪刀の刀身は黒色だったが、禰豆子の血鬼術の炎で赤い本来の色を取り戻した。鬼舞辻無惨との最終決戦ではヒノカミ神楽を使いこなして無惨を追い詰め、鬼殺隊の面々とついに無惨討伐の悲願を遂げる。平和な世の中が訪れたあとは、栗花落カナヲと結婚して子孫を残す。

竈門 禰豆子 (かまど ねずこ)

竈門炭治郎の妹。いつも弟の六太を背負って母親の手伝いをしている心優しい娘。激しく吹雪く夜に鬼舞辻無惨に襲われて瀕死の状態であるところを炭治郎に発見された。傷口から無惨の血が入ったために鬼となった。鬼になった当初、炭治郎を襲った際に冨岡義勇にとどめを刺されそうになるが、残っていた人の心で炭治郎をかばったため、義勇に断罪するのを躊躇(ちゅうちょ)させて生き延びることができた。鬼と化したあとは、人を襲わないように口に竹筒を猿ぐつわ代わりに嚙まされている。また鬼の特性で太陽を恐れ、たとえ洞窟の中でも少しでも日差しが入って来たら穴を掘り、中に隠れてしまう。炭治郎が鬼殺隊に入隊したあとは、日中は非常に軽い霧雲杉の木箱に入れられ背負われて移動するようになる。鬼だが、人の血肉を摂取する代わりに睡眠で体力を回復している。やがて鱗滝左近次の暗示で人間が家族に見えるようになり、彼らを守るために鬼と闘うようになる。炎を発する血鬼術を扱い、その炎は体内の毒を浄化したり、炭治郎の刀を黒色から本来の赤色へと変化させることができる。

三郎 (さぶろう)

竈門炭治郎の棲む山の麓に住んでいる、年老いた男性。家族を亡くして以来独り暮らしをしており、日が暮れると鬼が出るといって怯えるが、一方で鬼殺隊が鬼を斬ってやっつけてくれるという話を熱心に信じている。炭治郎の家族が惨殺された日、三郎が炭治郎を家に泊めたおかげで、炭治郎は生き延びた。

冨岡 義勇 (とみおか ぎゆう)

鬼殺隊に所属している男性。鬼殺隊柱の一人で、通り名は「水柱」。家族を鬼に殺されて13歳で天涯孤独の身となった。殺された家族の中には翌日祝言を挙げる予定だった姉もおり、鬼への激しい憎悪を抱いている。鬼殺隊入隊を志願し、同じく鬼に身内を殺された同い年の錆兎となかよくなり、共に藤襲山での最終選別に挑んだ。その際、鬼に重傷を負わされ命の危機に瀕したが、優秀な錆兎に守られ助けられたおかげで7日間生き延び、鬼を斬ることなく鬼殺隊に入隊することが叶った。同期の受験者を守って一人犠牲になった錆兎への罪悪感から自分を責め続けており、自分に鬼殺隊柱を名乗る資格はないと思っている。竈門炭治郎との初対面時、鬼を斬るのが冨岡義勇自身の仕事だと語り、鬼と化した竈門禰豆子の首をはねようとしたが、禰豆子と炭治郎の絆を知り禰豆子を生かすことを決める。禰豆子が殺されそうになった際に丸腰で挑んできた炭治郎の度胸を買い、鬼殺隊の剣士を育てる役割を担う鱗滝左近次に紹介文をしたため、炭治郎が鬼殺隊に所属するきっかけを作った。さらには左近次と連名で、禰豆子が人喰い鬼に落ちた時に切腹する意思を示し、鬼殺隊柱の面々と産屋敷輝哉に禰豆子を炭治郎と共に行動させることを納得させた。水の呼吸を得意としており、その技術の高さは義勇自身で独自の技を編み出せるほどである。羽織の着方が独特のため、嘴平伊之助に「半半羽織」と呼ばれている。好きな食べ物は鮭大根である。

鱗滝 左近次 (うろこだき さこんじ)

狭霧山の麓に住んでいる老齢の男性。かつて鬼殺隊柱の一人だった。水の呼吸の使い手で、鬼殺隊を引退したあとも育手として剣士を育て続けている。竈門炭治郎同様、非常に鼻が利くが、物理的な意味以外にも嗅覚で相手の感情の機微までをも感じ取る細やかな神経の持ち主。つね日頃から天狗(てんぐ)の面で顔を隠しており、足音を立てずに高速で駆ける。炭治郎の最大の弱点は、鬼にすら同情する優しさを持つために、判断力が欠けるところだと考えている。もう子供が死ぬのを見たくないと、炭治郎が鬼殺隊の入隊試験に向かうことに難色を示すが、鱗滝左近次自らが課した、大岩を斬る試験をクリアした炭治郎の覚悟を前に観念し、狐(きつね)を模した厄除(やくよけ)の面を渡して最終選別へと送り出した。炭治郎が鬼殺隊士になったあとも、重大な局面で竈門禰豆子を預かるなど陰ながらサポートしている。

錆兎 (さびと)

右頰に傷のある狐の面をかぶった少年。享年13歳。宍(しし)色の髪で、面の下の素顔にも面と同じ位置に同じ傷がある。身内を鬼に殺されて天涯孤独の身となり、鬼殺隊入隊を志して鱗滝左近次のもとから藤襲山での最終選別に臨んだ。試験に共に挑んだ冨岡義勇とは同年齢、同じ境遇ということもあり特になかよくしていた。正義感が強く、剣技も群を抜いて秀でていたために、同期の受験者を守って独り鬼に喰われて命を落とした。非常に男気にあふれ、「男ならば弱音を吐くな」が口癖だった。竈門炭治郎が左近次に大岩を斬る試練を与えられて試行錯誤して半年経った頃に、突然炭治郎の前に現れた。左近次の試験である大岩を斬る課題を達成しており、真剣を構える炭治郎を木刀で完膚なきまで叩(たた)きのめした実力者。錆兎自身を育ててくれた左近次の実力を讃え、非常に尊敬している。その正体は鬼殺隊の最終選別で大型の異形の鬼に喰われて亡くなった子供であり、炭治郎が大岩を斬れるようになると消えてしまった。

真菰 (まこも)

右頰に二つの花が描かれた狐の面をかぶった少女。花柄が好きで、面は顔から外して斜めにかぶっている事も多い。錆兎といつもいっしょにおり、非力だが非常にすばしっこい。錆兎に打ちのめされたあと意識を取り戻した竈門炭治郎に、無駄な動きや闘い方の癖などを教え、炭治郎の成長を助けた。錆兎と共に孤児だったところを鱗滝左近次に拾われて育てられたため、左近次に非常に感謝しており、大好きであると公言している。 その正体は、鬼殺隊の最終選別で大型の異形の鬼に喰われて亡くなった子供であり、炭治郎が大岩を斬れるようになると消えてしまった。

大型の異形の鬼 (おおがたのいぎょうのおに)

鬼殺隊の入隊資格を得るために藤襲山を訪れた竈門炭治郎の前に現れた鬼。人型ではなく、長く太い腕を何本も生やしている。明治時代から存在している大型の鬼で、炭治郎に指摘されるまで、大正時代になった事を知らなかった。鱗滝左近次に47年前に捕らえられた事から、左近次を非常に憎んでいる。そのため、左近次が最終選別に向かわせる者に贈る狐の面をつけた鬼殺隊入隊志願者を目の敵にしており、彼らを喰っては、殺した人数を数えている。 これまでに、左近次の弟子を13人喰っており、最終選別に訪れた子供は50人ほど食べたと豪語する。非常に再生能力が高く、腕を斬ってもすぐに生えてきてしまう。頸の守りが非常に強固で、錆兎の刃が折れるほどだが、全集中の呼吸を駆使した炭治郎により、滅された。 かつては人間だったが、鬼となり、大事な兄を咬み殺した事で完全に人の心を忘れ去り、人喰い鬼となった。

鋼鐵塚 蛍 (はがねづか ほたる)

鬼殺隊に所属する男性。入隊者の刀を打つ鍛冶職人をしている。ふだんは刀鍛冶の里に住んでおり、鉄地河原鉄珍が名付け親である。年齢は37歳で、つねにひょっとこの面をかぶっている。目深にかぶった笠からは多くの風鈴をぶら下げており、人の話をまったく聞かずに対面した相手を置いてけぼりにして一方的に話し続ける悪癖がある。竈門炭治郎の日輪刀を打ち、それを届けに来た際、炭治郎の髪と目が赤味がかっているのを見て、火仕事をするうえで縁起がいいと言って喜んだ。年の割に言動が幼く、口より先に手が出る。自分自身の作った刀に非常に愛着を持っているため、渡した人間が刀を傷つけたり失くしたりすると、刃物を持って襲いかかるなど激しい怒りをあらわにする。その行いが仇(あだ)となり、鍛冶の依頼が減っているが、今日に至るまで変わらず依頼し続けてくれる炭治郎には感謝しており、彼のためになりたいと山籠もりして修行し、筋骨隆々の身体と高い鍛冶技術を手に入れた。弱点は脇で、くすぐられると笑いが止まらなくなって何もできなくなる。好物はみたらし団子で、毎日食べても飽きないほど。

和巳 (かずみ)

北西の町に住む男性。婚約者の里子がさらわれてしまい、やつれるほど心配していたところを竈門炭治郎に声を掛けられた。炭治郎と共に異能の鬼と対峙するが、里子が絶命している事を知り、呆然自失状態となった。里子を失って生きる希望もなくしたが、同じように大事な者を殺された炭治郎に励まされ、立ち直った。

里子 (さとこ)

北西の町に住む女性。和巳の婚約者で、年齢は16歳。町に現れた異能の鬼にさらわれ、食われた。

鬼舞辻 無惨 (きぶつじ むざん)

この世で唯一、人間を鬼に変えられる血を持つ鬼。体内に心臓を七つ、脳を五つ持つために単純に頸を斬られても死なない。1000年以上前に人間だった頃、20歳を迎える前に病で命を落とすといわれるほど体が弱かった。病床での苦しみから主治医を殺害したが、その後飲まされた試薬で鬼へと変貌したことを知った。この世で初めて鬼になった存在であるため、鬼を人間に戻す方法を知っていると思われる。鬼を統率し、また裏切りを防ぐために、配下の鬼の体内に鬼舞辻無惨自身の細胞を入れ、秘密を漏らすなどの裏切り行為に及びそうになった鬼は、体の内側から自身の細胞を使って肉体を破壊して抹殺する。また、血を分けた者の思考が読め、その位置も把握できる。ただし無惨のその呪いを外す方法も存在し、呪いから逃れて無惨自身に敵対する珠世を目の敵にして追い続けている。太陽の下で生きられない鬼の弱点を克服するために鬼を増やし、太陽を克服する特殊体質の鬼が現れるのを待っていた。東京府で人間のふりをして暮らしており、人間の妻、麗と人間の娘がいる。人間としての名は「月彦」と名乗り、「俊國」という裕福な家の少年の姿を借りていることもある。

珠世 (たまよ)

東京府で医師として暮らす女型の鬼。愈史郎を従者のように引き連れて、愈史郎の目隠しの術で住処(すみか)を隠し鬼舞辻無惨の追手から逃れている。人を鬼にすることができるが、むやみに鬼を増やしたいという意思はなく、手を下すのは不治の病などで余命いくばくもない人間に限る。その際、鬼にしようとしている者に対して、鬼になっても生き延びたいかと尋ねるようにしている。病で命を落としかけたところを無惨に救われ鬼になったが、鬼になったせいで家族を殺してしまったことで苦しんでいる。無惨を抹殺するために鬼殺隊として鬼と対峙する竈門炭治郎に加担することを決めた。いずれは鬼を人に戻す治療法を確立したいと考えており、鬼になりながら人間を襲わずに守っている竈門禰豆子に非常に注目している。禰豆子の同意を得たうえで、本人の血液を研究のために提供させた。禰豆子に限らず多くの鬼の血を調べようと考えており、炭治郎に敵対した鬼、特に無惨の血を多く分けられている十二鬼月の血液を採って来るよう依頼する。輸血用として集めた人の血を飲むことで人を喰うことなく暮らしている。人喰いをしないため、鬼特有の異臭はしない。昔、継国縁壱の攻撃で無惨が弱った時に一時的に無惨の支配から逃れ、以来無惨の支配から逃れ続ける術を身につけたため、十二鬼月たちから逃れ者と呼ばれて、つねに命を狙われている。

愈史郎 (ゆしろう)

珠世の付き人をしている男型の鬼。口が悪く、出会い頭に竈門禰豆子を醜女呼ばわりし、竈門炭治郎の反感を買った。珠世に鬼にされた過去があり、珠世よりも少量の血で生きることができる特別な体を持つ。本来、鬼を増やすことができるのは鬼舞辻無惨のみに限られた中、珠世の力で鬼となった唯一の元人間である。人喰いをしないため、鬼特有の異臭はしない。珠世に熱烈な好意を寄せており、彼女の言うことはなんでも聞いてしまう。目隠しの血鬼術を常用し、視覚をあやつる能力に非常に長けているため、朱紗丸に襲われた際は、炭治郎に愈史郎自身の視覚を符を通して貸して活路を開いた。無惨との決戦では、炭治郎たちのサポートをするべく、鬼殺隊の隊服を着用して鬼殺隊に紛れ込み、隊士たちの救護をして活躍した。無惨に珠世が殺されてからは、珠世の遺志を汲み、敵の視覚を乗っ取って情報操作をするなど鬼殺隊柱たちを積極的にサポートし、無惨討伐に貢献した。特殊な経緯で鬼になったため、無惨が滅びて世界から鬼が消えても生き延びており、思い出の中の珠世の絵画を描き続ける画家となり、永遠に生き続ける道を選ぶ。

矢琶羽 (やはば)

鬼舞辻無惨の配下に就く、少年の姿をした鬼。朱紗丸と共に行動する事が多く、手のひらの目玉を開眼して敵の居場所を探る。矢印の使い手で、矢印をあやつり、風を起こしたりして仕掛けられた攻撃の向きを変える事ができる。非常に神経質で、戦闘で着物が汚れるのを嫌がるが、無駄な殺生は好まない、比較的紳士的な性格をしている。

朱紗丸 (すさまる)

鬼舞辻無惨の配下に就く、少女の姿をした鬼。矢琶羽と共に行動する事が多い。自在にあやつれる鞠を投げつけて攻撃する。非常に好戦的な性格をしている。

我妻 善逸 (あがつま ぜんいつ)

鬼殺隊の一人で、竈門炭治郎の同期にあたる少年。もともとは黒髪だったが、修行中に隠れていた木に雷が落ち、金髪に変わってしまった。非常に結婚にあこがれを持ち、結婚できないまま死んだらどうしようといつも怯えている。また自らの弱さを自覚しており、鬼殺隊入隊後も事あるごとに死が近づいていると怯えて、炭治郎に叱咤されている。過去、女性に騙(だま)されて借金をした際、借金の肩代わりになってくれたのが鬼殺隊柱を務める桑島慈悟郎だった。借金の肩代わりをする代わりに血の滲(にじ)むような鍛練を強いられた我妻善逸は、気づけば鬼殺隊に入隊することになってしまう。連絡用に行動を共にする鳥は鴉(からす)ではなく雀(すずめ)で、善逸は意思疎通できないが、炭治郎にはなぜか雀の言葉が理解できるようで、たまに通訳してもらうことがある。聴覚が異常に発達しているため、人の心の機微までをも音で察することができる。雷の呼吸を得意としており、恐怖のあまり失神すると、意識のないまま剣技に秀でた状態になって立ち回るという特異体質の持ち主。寝ているうちに敵を倒すため、善逸は自らの剣の腕に気づいていない。修行を重ねたが、壱の型しか使えるようにならなかった。だがその壱の型は、使い慣れているため研ぎ澄まされた強力な一撃として敵を打ち倒す。のちに鬼となった兄弟子の獪岳との戦闘で自らが編み出した漆の型で勝利する。竈門禰豆子に一目惚れしてしまい、事あるごとにアプローチを試みている。平和な世の中が訪れたあと、禰豆子と結婚して子孫を残す。

(きよし)

稀血を持つ少年。響凱に襲われたところを竈門炭治郎に助けられた。てる子という妹と、正一という弟がいる。炭治郎と別れ際、炭治郎の連れている鴉に藤の花の香り袋をもらい、鬼除けとして使用する事となり、安全が確保された。

嘴平 伊之助 (はしびら いのすけ)

鬼殺隊の一人で、竈門炭治郎の同期にあたる少年。ふだんから猪の皮をかぶって顔を隠しているが、素顔は美少女然としており、筋骨隆々の肉体と非常にミスマッチ。二刀流の使い手で、両手に日輪刀を持っている。愛刀の刀身は、なぜか石をぶつけてぼろぼろに刃毀れしてから使いたがる。刀の色は藍鼠(あいねず)色で、我流で身につけた獣の呼吸を得意としており、非常に戦闘能力は高い。猪のように正面から敵にぶつかっていくスタイルを崩さず、つねに好戦的である。また最終選別の時は誰よりも早く藤襲山に入山し、誰よりも早く下山して、せっかちを絵に描いたような性格を披露した。鬼殺隊の一人と力比べをした末に刀を奪い、最終選別の存在を知り、最終選別の会場である藤襲山にたどり着いたという変わり種。赤ん坊の時に童磨の魔の手から逃れるために海に流されて荒山に流れ着き、野生の猪に育てられた。そのために触覚が異常に優れている。鬼殺隊入隊前は親や兄妹の存在を知らず、ほかの生き物との力比べだけを唯一の楽しみとして生きていた。非常に負けず嫌いな性格で、炭治郎や我妻善逸よりも多くの戦闘をこなそうといつも躍起になっているが、素直じゃないだけで、とても仲間思いの優しさを持つ。仲間が負傷した際は怒りをあらわにし、何度でも立ち上がって全力で敵に立ち向かう。自在に関節を外したり入れたりできる特技を活かして、新技を次々と考案するのがライフワークとなっている。非常に食いしん坊だが、つまみ食いを容認して受け入れてくれたアオイに惹かれて最終的に結婚する。

響凱 (きょうがい)

かつて十二鬼月だった鬼。瞳には下陸という文字が刻まれている。体から生えた鼓を自在にあやつる血鬼術を使う。人けのない無人の小屋に棲みつき、鼓を打つたびに部屋を回転させて竈門炭治郎に苦戦を強いた。体から生えた複数の鼓は、鼓の位置により、部屋の回転する向きが変わる。稀血の人間を探し出して喰らい、力を蓄えて十二鬼月に返り咲くことを願っていたが、炭治郎に敗れたためその夢は絶たれた。より強大な力を得るために人間を喰い続けることができなくなり、鬼舞辻無惨に呆(あき)れられて十二鬼月の資格をはく奪された過去を持つ。人間だった時は売れない物書きをしており、書くことと鼓が趣味だった。人間だった時から誰かに認められたいという思いが強く、倒され朽ちる間際に炭治郎に優しい言葉をかけられたことを心底喜び感謝した。

珠世の使い猫 (たまよのつかいねこ)

竈門炭治郎が鬼から採取した血を、珠世に届ける役目を負う猫。愈史郎の目隠しの術により、鳴き声をあげるまで姿が見えなくなっている。炭治郎が採血を終えると現れ、血を受け取ると再び鳴いて姿を消し、珠世のもとへと戻っていく。

胡蝶 しのぶ (こちょう しのぶ)

鬼殺隊に所属している女性。鬼殺隊柱の一人で、通り名は「蟲柱」。愛刀は鉄地河原鉄珍に打ってもらっている。蝶のように軽やかに舞い、蟲の呼吸を得意とする。小柄で腕力がないため鬼の頸を斬ることができないが、代わりに毒を使って敵を滅するスタイルで闘う。また、刀を振るう筋力は弱いが押す力と突く力はずば抜けており、その威力は岩をも貫通するほどである。小柄な体型を活かした俊敏な動きは、水の呼吸の雫波紋突きより速いといわれている。鬼の嫌う藤の花の毒を応用して鬼を殺せる毒を生成するなど、薬学にも精通している。無限城では最愛の姉、胡蝶カナエを惨殺した十二鬼月の童磨と対峙することが叶った。童磨が女性を好んで食べることを知っていたため、童磨に食われることを前提として1年以上の月日をかけて藤の花の毒を全身に取り込み、胡蝶しのぶを喰わせることで童磨を藤の花の毒で確実に仕留めようと画策。無限城でみごとに本懐を遂げた。死の間際まで鬼に同情し続けていたカナエと竈門炭治郎を重ね合わせており、炭治郎に鬼を斬らずになかよくする方法を見つけ出して欲しいと、姉の遺志を託したこともある。

(るい)

那田蜘蛛山に棲む鬼で、十二鬼月の一人。左目に「下伍」と数字が入っている。少年の姿をしており、蜘蛛の糸を自在にあやつって闘う。非情に冷たい性格をしており、母親役の鬼が父親役の鬼に虐げられるのを見て見ぬふりしたあげく、母親役の鬼に那田蜘蛛山に侵入した鬼殺隊員らを早急に殺すように強いた。那田蜘蛛山では両親と二人の兄妹と共に棲んでいるが、それは人間だった頃に家族の絆にあこがれた影響下で作った偽りの家族関係で、実際には彼らと血縁関係はない。 人間だった頃は、生まれつき体が弱く、歩くのも不自由するほどだったが、鬼舞辻無惨に丈夫さと引き換えに鬼にされてから、人喰いになった息子に嘆いた両親に無理心中を図られ、結果、両親を返り討ちにして生き延びた。 冨岡義勇により滅される刹那、生前両親を殺した事を悔い、清らかな心を思い出しながら逝った。

母親役の鬼 (ははおややくのおに)

那田蜘蛛山に棲む鬼。女性の姿をしており、蜘蛛の糸を自在にあやつって闘う。同じ蜘蛛の糸をあやつる鬼である夫と、二人の息子と一人娘と共に那田蜘蛛山に暮らしているが、実際は家族ごっこにすぎず、家族と呼ぶ鬼達と血縁関係はない。すべて累を中心に役割分担されただけの、偽りの家族である。那田蜘蛛山では、侵入して来た鬼殺隊員らを殺す役目を担っていたが、累や夫に暴力を振るわれる毎日に怯え、楽になりたい一心で、闘いを挑んで来た竈門炭治郎に自ら頸を差し出した。

煉獄 杏寿郎 (れんごく きょうじゅろう)

鬼殺隊に所属している男性で、鬼殺隊柱を務めている。通り名は「炎柱」で、代々鬼殺隊柱を輩出している一族の出身である。炎の呼吸を得意としており、体育会系の雰囲気を持ち、つねにはつらつとしている。母親は杏寿郎が子供の頃に病死し、もと鬼殺隊柱だった父親に鍛えられて育つ。弟の煉獄千寿郎も父親に認められるべく、鬼殺隊柱になる事を目標に修行に励んでいる。 無限列車で魘夢に人質にされた200人の人間を守り切ったあとに現れた十二鬼月の一人・猗窩座と死闘の末、致命傷を負わされて死亡した。

煉獄 千寿郎 (れんごく せんじゅろう)

煉獄杏寿郎の弟。実家は代々炎柱として鬼殺隊の活動に貢献しており、父親は元鬼殺隊柱の一人で、兄は現役の鬼殺隊柱という豪華な家庭環境に身を置いている。父親に認められたくて、兄に続いて鬼殺隊柱になることを目標に修行に励んでいたが、煉獄千寿郎自身の日輪刀の色がどれだけ修行しても変わらないことから、自分には鬼殺隊に入る素質がないのだと思い悩んでいた。鬼舞辻無惨率いる鬼の強さに心が折れた父親が、強さを求めて修行することに消極的になっていくのを見るのがつらく、塞ぎこんだ際に杏寿郎の訃報を受けた。杏寿郎の遺言を届けてくれた竈門炭治郎との出会いをきっかけに潔く剣士の道をあきらめ、鬼殺隊をサポートするべく、父親が破いた歴代炎柱の書の修復に努めるようになった。妻を亡くしてから酒浸りだった父親の世話を甲斐甲斐(かいがい)しく続けて、最終的に産屋敷邸の護衛に戻るまでに立ち直らせるなど、忍耐強い性格の持ち主。炭治郎とは文通で近況のやりとりをしており、併せて歴代炎柱の書に書かれている無惨討伐の手がかりになりそうな箇所を伝えている。この書物の解読により、炭治郎にヒノカミ神楽を正しく使いこなす方法を教えた。

宇髄 天元 (うずい てんげん)

鬼殺隊に所属している男性。鬼殺隊柱の一人で、通り名は「音柱」。派手好きな性格で、その性格は日々の言動に表れている。元忍で、その界隈では名を馳(は)せている忍の家系に生まれる。修行の成果で毒にはある程度の耐性を持っているため、毒を使う敵との闘いでは特に重宝される。八人いた姉弟が、忍になるために課せられた厳しい修行で、15歳になるまでに七人が死んでしまう壮絶な過去を持つ。須磨、まきを、雛鶴という名の優秀な三人のくノ一を妻にしている。生きていることこそが勝利であり、生き延びるために逃げることは恥ではないという考えを持っているが、それは何より大事な三人の妻を死なせたくないという思いからである。二刀流の使い手で、両手に「悪鬼滅殺」と彫られた太刀を持って闘う。堕姫と妓夫太郎との死闘の末に、左目と左手を失い鬼殺隊柱を引退することになった。鬼殺隊柱は引退したが、元鬼殺隊柱として鬼殺隊の隊士たちの強化訓練の師範をしたり、産屋敷邸の護衛を務めるなどして鬼殺隊の一員として日々活躍している。

甘露寺 蜜璃 (かんろじ みつり)

鬼殺隊に所属している女性。鬼殺隊柱の一人で、年齢は19歳。通り名は「恋柱」。筋肉の密度が常人の8倍という特殊体質の持ち主で、女性ながら力が強いことにコンプレックスを抱いて生きてきた。鬼殺隊には、一生添い遂げられる男性と出会うために入隊したと公言しているが、実際は力の強いありのままの自分を受け入れてくれる最適な居場所として鬼殺隊を選んだ。そして、甘露寺蜜璃自身の力を活かして鬼殺隊柱の地位まで登りつめた。性別を問わずあらゆる対象に恋するなど、非常に前向きな性格をしている。仲のいい四人の姉弟がおり、楽しい子供時代を過ごしたためか、殺伐とした事情を抱える鬼殺隊柱メンバーの中で一際明るい存在として目立っている。人懐っこい性格で、刀鍛冶の里にも頻繁に足を運び、鬼殺隊メンバーとひそかにコミュニケーションを図っている。刀鍛冶の里の里長(さとおさ)である鉄地河原鉄珍に刀を打ってもらっており、その刀は非常に薄くて柔らかく、刀身が長く波打つように曲がって見える。小柄ながら大食漢で、一度の食事で丼を何十杯も平らげる。好物の桜餅を食べ過ぎて、本来緑である髪色が毛先だけ桜色になってしまい、いまだに直っていない。大の猫好きで、実家では猫を4匹も飼っている。伊黒小芭内と惹かれ合っており、鬼舞辻無惨との最後の闘いで小芭内と共に命を落とした。

悲鳴嶼 行冥 (ひめじま ぎょうめい)

鬼殺隊に所属している男性。鬼殺隊柱の一人で、年齢は27歳のおとめ座。通り名は「岩柱」。全盲だが非常に体格に恵まれた大男で、鬼殺隊の制服の上には僧侶のような袈裟(けさ)を羽織っている。慈悲深い発言をするが、死がすべての解放だと考えており、救済のための殺害は厭(いと)わないとしている。かつて寺で身寄りのない子供たちを教え育てていたが、子供の我欲で鬼に襲われ、鬼の殺人の濡れ衣を着せられたことで非常に疑り深い性格になった。竈門炭治郎が鬼である竈門禰豆子を連れ歩くことに難色を示していた一人だが、炭治郎が刀鍛冶の里で禰豆子よりも里の人間の命を優先させたため、炭治郎を認めるようになる。口数が少なく鬼殺隊柱のメンバーの中で目立つ存在ではないが、若干19歳で鬼殺隊柱になった実力者。炭治郎と嘴平伊之助には、鬼殺隊の中で最強の力を持つ者と認識されている。先端に斧(おの)の付いた鎖鎌を扱う戦闘の達人で、十二鬼月のリーダーである黒死牟にもその腕前は高く評価されており、対峙した際は300年ぶりの逸材だと言わしめた。扱う鎖鎌の鎖は太陽光を多く吸収しており、鬼の作った刀では断ち切ることは不可能である。趣味は尺八を吹くことで、熱中して長い時間吹き過ぎてしまうのが悩み。鬼舞辻無惨との最後の闘いで命を落とした。

時透 無一郎 (ときとう むいちろう)

鬼殺隊に所属している少年。年齢は14歳で、竈門炭治郎より小柄で年下ながら鬼殺隊柱を務めている実力者。通り名は「霞柱」。杣人(そまびと)だった父親と母親、双子の兄、時透有一郎との四人暮らしだったが、10歳の時に母親が肺炎で亡くなり、父親は崖から転落死してしまう。両親の死後、有一郎との二人暮らしを開始するが、その夏に鬼に襲われて有一郎も亡くなり、天涯孤独の身となった。有一郎を殺した鬼を殲滅(せんめつ)した際に鬼狩りの力に目覚めて、それ以来産屋敷輝哉のもとで世話になっている。ふだんから冷静沈着であまり表情が変わらず、悪気なくデリカシーに欠けた発言をするところは兄の有一郎そっくりである。徹底した能力至上主義者で、弱い者を容赦なく見捨てる傾向にあったが、炭治郎から人のためにすることは巡り巡って自分のためになると言われて以来、それまで優先順位の低かった弱者も積極的に守り助けるようになった。はじまりの呼吸と言われる日の呼吸の使い手の子孫だが、無一郎自身は日の呼吸の使い手ではない。黒死牟との闘いで善戦するものの、死亡した。

伊黒 小芭内 (いぐろ おばない)

鬼殺隊に所属している男性。鬼殺隊柱の一人で、通り名は「蛇柱」。その名のとおり、つねに首に巻くなどして蛇の鏑丸を従えている。右目は弱視で、生まれつきほとんど見えていない。鉄地河原鉄珍の息子の願鉄に刀を打ってもらっている。蛇のようにねちっこい性格をしており、陰湿な言動でしつこいが甘露寺蜜璃のことは気に入っている。蜜璃には縞々(しましま)柄の靴下をプレゼントしたり、文通する仲である。蜜璃にかわいがられているという理由で、竈門炭治郎に嫉妬し冷たく当たったこともあったが、下肢が蛇のような女の鬼が支配する複雑な一族のもとに生まれたため、種族が違うとして蜜璃への恋情を伝えることをあきらめている。いつも包帯で口元を隠しているが、それは口が蛇のように裂けているからで、これは昔、下肢が蛇のような女の鬼に命じられた一族の者たちに傷つけられたものである。なお、伊黒小芭内が下肢が蛇のような女の鬼に食われる前に一族から脱出したことで、一族はその鬼に喰い殺され壊滅状態になった。以来、炎柱の庇護のもとで修行し、鬼を憎み鬼狩りとして生きるようになった。そのような経緯から、炭治郎が鬼である竈門禰豆子を連れて歩くことを非常に嫌悪している。蜜璃と惹かれ合っており、鬼舞辻無惨との最後の闘いで蜜璃と共に命を落とした。

不死川 実弥 (しなずがわ さねみ)

鬼殺隊に所属している男性。鬼殺隊柱の一人で、通り名は「風柱」。七人兄弟の長男で、非常に好戦的な性格をしている。働かずに暴力ばかりを振るう父親の支配する劣悪な家庭で育った。やがて父親が人に恨まれ刺されて死んだあと、いつも不死川実弥自身と弟妹たちを守ってくれていた小柄な母親が鬼となり、弟妹たちを殺害。弟の不死川玄弥を守るために、鬼となった母親を自らの手で下した。鬼に尋常でない憎しみを抱いているため、竈門炭治郎が連れている竈門禰豆子が人間を襲わないと言われても納得できず、確かめるべく無抵抗の禰豆子を容赦なく刺し続けたことがあり、炭治郎に嫌われている。玄弥は炭治郎と同時期に鬼殺隊に入隊したが、大事な玄弥を危険な目に遭わせたくない一心で玄弥に冷たく接し、鬼殺隊を抜けさせようと働きかける。鬼を狩るようになってすぐに、実弥自身の血が鬼に特別な影響を与える稀血であることを知った。母親殺害後、鬼殺隊の存在を知らずに独自の方法で鬼を捕まえ、陽の光に当てて退治してきたが、鬼殺隊の粂野匡近と知り合い、鬼殺隊入隊のための修行をするようになった。凶暴な性格に似合わずおはぎが大好物で、それに触れられると恥ずかしがって激怒する。鬼舞辻無惨との最後の闘いで命を落としかけたが、なんとか生還を果たす。

産屋敷 輝哉 (うぶやしき かがや)

鬼殺隊の当主を務めている男性。鬼殺隊の隊士たちからは「お館様」と呼ばれている。年齢は23歳。顔の上半分に傷があり、そのせいで失明状態になってしまった。そしてその傷は今や体中に広がり、近いうちに自らの命を奪うことを、産屋敷輝哉本人は気づいている。輝哉の声音、動作の律動は相手を心地よくさせるため、非常に高いカリスマ性を持つ。産屋敷あまねという名の美しい妻と五人の子供がおり、唯一の男児の産屋敷輝利哉をいずれ跡取りにするつもりでいる。鬼である珠世を見知っており、人間でありながら鬼の竈門禰豆子を連れていたり珠世と接触する竈門炭治郎を興味深く観察している。病症が悪化して歩けなくなるまで、鬼との闘いで殉死した隊士たちの墓参りを一日たりとも欠かしたことはなかった。鬼殺隊や鬼殺隊柱の敬愛を一心に受けていたが、鬼舞辻無惨を倒すべく輝哉自身の命を囮(おとり)にして爆死した。

栗花落 カナヲ (つゆり かなを)

鬼殺隊の一員で、竈門炭治郎の同期にあたる少女。胡蝶しのぶの継子として蝶屋敷に住んでいる。鬼殺隊柱に近い実力を誇り、厳しい鍛練の末に、寝ている時にも全集中の呼吸ができるようになった。いつもニコニコしているが、ほとんど口を利くことはない。何事も自分で決めようとせず、どうしても決めなくてはならない時はコインを投げて、その裏表でどのように行動するかを決めている。幼い頃に親に売られて以来、心が何も感じなくなってしまったが、人買いから助けてくれたしのぶと胡蝶カナエを実の姉のように大事に思っている。無限城での童磨との闘いで、動体視力を極限まで上げる技を使い、右目を失明した。蝶屋敷で長くいっしょの時間を共有するうちに炭治郎の温かい人柄に心を開くようになり、鬼舞辻無惨を倒したあと、炭治郎と結婚した。

アオイ

胡蝶しのぶの屋敷の侍女を務める少女。きびきびとした仕事ぶりで、戦闘でぼろぼろになった竈門禰豆子の箱を修理するなど、器用な一面を見せる。しのぶの屋敷の侍女の中でリーダー的な存在である。かつて鬼殺隊の最終選別で生き残ったが、その後は死への恐怖から戦闘へ赴けなくなった。そのため、戦闘員ではなく鬼殺隊士たちを補佐する役回りを進んで担っている。鬼に親を殺されたため、鬼への憎悪が深い。しょっちゅうつまみ食いにやって来る嘴平伊之助が憎めない存在となり、鬼舞辻無惨を倒したあと、伊之助と結婚した。

鉄穴森 鋼蔵 (かなもり こうぞう)

刀鍛冶の里に住んでいる刀鍛冶を生業とする男性。年齢は26歳で、嘴平伊之助と時透無一郎の刀を打っている。つねにひょっとこの面を身につけている。鋼鐵塚蛍とは旧知の仲で、付き合いが長いため蛍の長所も弱点もよく知っている。人付き合いが苦手で口下手なうえに癇癪持ちの蛍をいつも見守っている。2歳下の妻がおり、非常に仲がいいせいか最近だんだん顔が似てきた。

魘夢 (えんむ)

鬼舞辻無惨の配下の鬼で、十二鬼月の一人。無惨に非常に心酔しており、左目に下壱の数字が刻まれている。無限列車に集めた精神的に弱っている人間を利用し、竈門炭治郎や煉獄杏寿郎を罠にかけて殺そうとした。敵を眠らせる能力を持ち、作った縄は、縄でつながった者の夢の中に侵入できる特別な力を持つ。ただし、魘夢の見せる夢は無限には続いておらず、夢を見ている者を中心に円形になっている。 夢の外側には無意識の領域があり、そこには精神の核が存在しており、これを破壊されると持ち主は廃人となる仕組みである。魘夢の術中にはまると、人間は意識と肉体を完全に切り離された状態で夢に閉じ込められるため、動く事ができなくなる。夢から覚める方法は、現実世界で魘夢の遠隔術を媒介する切符を燃やすか、夢の中で己を殺して現実に立ち戻るしかない。

猗窩座 (あかざ)

鬼舞辻無惨の配下の鬼。十二鬼月の一人で、位は上弦の参で右目に上弦、左目に参の数字が刻まれている。十二鬼月として100年以上生き続けている鬼で、拳を駆使した接近戦を得意としている。強い者が大好きで、鬼殺隊柱が鬼になれば至高の領域に近づけるとして、鬼殺隊柱を見つけては鬼になるよう説得して回っている。鬼殺隊柱を鬼にしたい最大の理由は、永遠に自らを楽しませてくれる好敵手が欲しいからである。同じ十二鬼月の童磨に猛烈な敵対心を燃やしているが、それは彼が自分よりあとに鬼になったにもかかわらず、自分よりも上位の鬼として活躍し、無惨に気に入られているからである。人間だった時の名前は「狛治」で、貧しい家に生まれて、病気の父親に栄養のある食べ物と薬を手に入れるために盗みを繰り返していた。だが盗人として何度も捕まるうちに、父親が息子の罪を嘆いて自殺。一人残された狛治は行き場をなくして暴れていたところを慶蔵に拾われた。道場の師範をしていた慶蔵に武術を習い、慶蔵の娘の恋雪と恋に落ち、道場を継いでまっとうに生きていけるかと思われたが、結婚前に慶蔵と恋雪を毒殺され、復讐のために何十人もの人間を惨殺して鬼となり、またもや暗い裏道人生を送ることになった。無限城で闘った竈門炭治郎に慶蔵の面影を見て、人間だった時の人の優しさを思い出し、納得したうえで自ら滅びる道を選んだ。

須磨 (すま)

宇髄天元の嫁で、優秀なくノ一。花街のときと屋に潜入中に消息を絶った。ときと屋の花魁として活躍していたが、突如姿を消して日記には足抜けするとした記載が残されていた。実際は堕姫の帯の中に捕らわれていたが、堕姫の帯の中の世界に侵入して来た嘴平伊之助と共に、蚯蚓帯と果敢に闘った。泣き虫でか弱く、戦闘能力も低いが、女性らしくかわいい憎めない性格をしている。

まきを

宇髄天元の嫁で、優秀なくノ一。花街の荻本屋に潜入中に消息を絶った。勝ち気な性格をしており、すぐに弱音を吐く須磨をよく叱咤している。

雛鶴 (ひなつる)

宇髄天元の嫁で、優秀なくノ一。花街の京極屋に潜入中に、花魁・蕨姫の正体が鬼の堕姫であると気づいたが、歯が立たずに、毒を飲み病気になった振りをして切見世に避難した。毒を塗ったクナイを一斉噴射する戦法で闘う。

鯉夏 (こいなつ)

吉原遊郭の花魁の一人。ときと屋に所属しており、優しい性格からつい周りの遊女達を甘やかしすぎては、女将に怒られている。身請け先が決まり、花街を出て行く直前に堕姫に襲われ、捕らわれたが、竈門炭治郎に助けられた。

堕姫 (だき)

十二鬼月の一人で、左目に上弦、右目に陸の数字が刻まれている。これまでに鬼殺隊柱を七人葬っており、その残酷性を誉めてくれる鬼舞辻無惨に恋している。つねに身にまとっている帯が武器であり、人間を帯の中に取り込み、食糧保存庫の代わりとする事もある。人としての仮の姿は、吉原遊郭の花魁の一人・蕨姫。京極屋に所属し、非常に横暴な振る舞いをする彼女のせいで、けが人や足抜けする者があとを絶たない。 いじめ抜いて自殺させた子もいる始末で、その度を越えた横暴ぶりを注意して来た女将・お三津を返り討ちにし、転落死に見せかけて殺害した。気に入らない事があると、首をかしげて下からにらみつける独特の仕草をする。また、汚い年寄りと不細工は食べないという人喰いとしてのこだわりを持つ。 体の中に兄である妓夫太郎が棲んでいる。人間だった頃の名は「梅」。13歳の時に侍の目を簪で突いて失明させた報復で、生きたまま焼かれたが、一命を取り留めて妓夫太郎と共に鬼となった。

忍獣 (にんじゅう)

宇髄天元の使いのねずみの総称。ねずみながら筋骨隆々で、力が非常に強く、一匹で刀一本を持ち上げる事ができる。特別な訓練を受けており、極めて知能も高く、天元の指示があればたいていの事には対応できる能力を持つ。

蚯蚓帯 (みみずおび)

堕姫の帯の中の世界の番人。堕姫が捕らえた人間を帯の中に取り込んだ先は地中の空洞部分とつながっており、そこを食糧貯蔵庫として管理している。堕姫と意識がつながっており、堕姫の思うままに動く。人間を喰う事で強化される体質で、必要があれば堕姫に再び取り込まれ、彼女の体の一部となって闘う。

妓夫太郎 (ぎゅうたろう)

堕姫の兄。妓夫の役職をそのまま名前として付けられた過去を持つ。鬼になってからは、武器として猛毒を宿す血鎌を使用し、鬼殺隊柱を15人葬って来た。人にされて嫌だったり苦しかった事は、人にやり返して取り立てる事を信条にしている。堕姫同様、十二鬼月の一人で、左目に上弦、右目に陸の数字が刻まれている。堕姫の意識を借りて話す事ができ、また堕姫と一心同体のため、二人同時に頸を切り落とさない限り死なない。 醜く生まれた自分と比べて、非常に容姿端麗に生まれた堕姫をとても大切に思っているが、同時に自身と同じ汚い道を歩ませていいものかつねに悩んで来た。

集団・組織

鬼殺隊 (きさつたい)

政府非公認の鬼を狩る組織。隊士は数百人にのぼり、産屋敷輝哉が率いている。位の低い隊士には、隊の実情の詳細は伏せられている。驚異の回復力を誇る鬼に対して生身の体で立ち向かう鬼殺隊は、人を守ることに命を懸けている。すべての隊士は、そろいの隊服に身を包み、隊服には10段階の階級が刻まれている。また隊服は特別な素材でできており、通気性がよくて燃えにくく濡れにくい利点がある。また、少しの攻撃では裂けない丈夫さを持っている。また、隊士は連絡用に鎹鴉(かすがいがらす)を1羽ずつ連れ歩く。隊には規律があり、隊士同士での喧嘩や決闘、殺し合いが禁じられている。全国に大勢いる育手に見初められた剣士見習いは、藤襲山で行われる最終選別で生き残ることで、晴れて鬼殺隊に入隊する資格を得る。最終選別では、藤襲山で鬼殺隊が生け捕って閉じ込めた鬼を相手に、7日間生き延びることが合格条件である。鬼舞辻無惨を中心とした鬼たちには「鬼狩り」と呼ばれて嫌悪されている。

十二鬼月 (じゅうにきづき)

鬼舞辻無惨直属の配下で構成された鬼の組織。能力別に上弦と下弦に分かれており、それぞれ六人ずつ計12人で構成されている。上弦の鬼は非常に強く、数字は両目に刻まれているが、下弦の鬼は片目にしか数字が刻まれていない。無惨に与えられた血が非常に濃いため、どの鬼も戦闘能力が高い点が特徴であり、鬼殺隊柱とも互角に闘える腕を持つ。

(かくし)

鬼殺隊の後方支援部隊のうちの一組織。鬼殺隊と鬼が闘ったあと、遺体処理などの後始末をするのが主な仕事である。構成員は、もっぱら剣技の才に恵まれなかった者達である。

場所

藤襲山 (ふじかさねやま)

鬼殺隊に入隊を希望する者が、最終選別を受けるために訪れる場所。季節を問わず藤の花が咲き乱れる、非常に幻想的な山で、鬼殺隊の面々が選別試験のために生け捕りにした鬼が閉じ込められている。山の麓から中腹にかけて、鬼の嫌う藤の花が狂い咲いているため、生け捕りにされた鬼は山を下りる事ができない仕組みになっている。また、捕らわれた鬼達は人間を2~3人食らった程度の、共食い前の比較的弱いもの達が集められている。

陽光山 (ようこうざん)

太陽に一番近いとされる山。一年中陽が射しており、曇る事も雨が降る事もない。日輪刀を作るために欠かせない、猩々緋砂鉄と猩々緋鉱石がとれる。

東京府 (とうきょうふ)

夜間も明るく、背の高い建物の立ち並ぶ、非常に発展した都市。多くの鬼が人間に紛れて住まっている。

那田蜘蛛山 (なたぐもやま)

蜘蛛の糸をあやつる鬼の一族が棲む山。うっそうと木が茂っており、木々のあいだには蜘蛛の巣が張っている。那田蜘蛛山に棲む鬼は五人家族で、入って来た人間をあやつって殺し合わせるが、その本意は家族だけの静かな暮らしを守ろうというものだった。那田蜘蛛山に棲む蜘蛛は毒を持ち、嚙まれたら人間も蜘蛛に変化してしまう。

蝶屋敷 (ちょうやしき)

胡蝶しのぶの実家。竈門炭治郎達が負傷した際、手当てなどの世話をしてくれる場所。鍛練場も併設されており、栗花落カナヲやアオイが修行に付き合ってくれる。

吉原遊郭 (よしわらゆうかく)

男と女の見栄と欲、そして愛憎の渦巻く夜の町。吉原遊郭に住まう遊女達は貧しさや借金などで売られて来た者がほとんどである。遊郭にいる限り衣食住は保障され、遊女として出世すれば、裕福な家に身請けされる事もある。遊女の最高位である花魁は、美貌や教養、芸事すべてを身につけている完璧で特別な女性を指す。花魁には簡単に会う事はできないため、逢瀬を果たすために男達は競うように足繁く花街に通う。 花魁が客を迎えに行く花魁道中は、見物客も多く遊郭の一種の名物である。

切見世 (きりみせ)

吉原遊郭にある最下級の女郎屋。客がつかなくなったり、病気になった遊女が送られる場所で非常に質素なたたずまい。

その他キーワード

(おに)

日が暮れると現れる、人を主食として喰う生き物。「人喰い鬼」とも呼ばれる。傷口に鬼の血を浴びた人間も鬼となり、人喰い鬼はこのようにして繁殖していく。飢餓状態の鬼は栄養を求めて、親でも兄弟でも殺して食べる。鬼の血が体内に入り込んだ人間は、鬼に変わる時にかなりの体力を消耗するため、重度の飢餓状態に陥りやすい。弱点は太陽光であり、日にあたると燃えて消滅してしまう。 人間の言葉をあやつる事ができ、身体の大きさを自由に変えられ、異常な身体能力と回復力で傷を負ってもすぐに傷口がふさがりケガをした痕跡すら残らなくなる。また生命力にあふれ、たとえ首がもげても動く事ができる鬼もいる。首から手を生やして闘う事も可能だが、胴体が死んでしまうと動きが鈍くなる。 太陽の光にあてるか、鬼殺隊の持つ特別な刀・日輪刀で頸を切り落とさない限り殺す事ができない。藤の花を嫌っており、近づく事すらできない。鬼の強さは、基本的に人間を喰った数に比例し、鬼は人間を喰えば喰うほど力が増し、肉体を変化させて怪しい術を使えるようになる。

日輪刀 (にちりんとう)

鬼殺隊の持つ刀の総称。鬼の弱点である頸を切り落とせる唯一の刀で、特別な鋼で作られている。この刀で頸を斬られると、斬られた鬼は骨も残らず砕け散る。別名・色変わりの刀といわれ、持ち主によって刀身の色が変わる。色ごとに特性があり、得意とする呼吸の判別材料になる。原料である猩々緋砂鉄と猩々緋鉱石は、陽光山で採れて太陽の光を吸収する特徴を持つ。

花札の耳飾り (はなふだのみみかざり)

かつて鬼舞辻無惨に刃を向けて窮地に追い込んだ継国縁壱が身につけていた耳飾り。花札のような模様が彫られている。7歳になるまで口を利かなかったことが原因で、縁壱が耳が聞こえていないと思われていた時に、彼の母親が作ってくれた。竈門炭治郎の家系が代々受け継いでおり、現在は亡くなった父親から譲り受けて炭治郎が身につけている。無惨には、かつて自分を追い詰めた非常に憎きものと認知され、耳飾りを付けていたことで炭治郎は無惨に執拗(しつよう)に命を狙われることとなった。

稀血 (まれち)

人間の持つ非常に珍しい血の呼称。稀血自体にもランクがあるが、鬼にとっては人間一人分の稀血はふつうの人間を50人~100人喰ったのと同じくらいの栄養がある。そのため、稀血を持つ人間は非常に鬼に狙われやすい。一方で、稀血は鬼を酔わせて酩酊(めいてい)状態にしてしまうことから、闘いの最中に稀血のにおいを嗅いだ鬼は動きが鈍くなり戦闘において不利になってしまう。

藤の花の家紋の家 (ふじのはなのかもんのいえ)

鬼殺隊に命を救われた一族の住む家。藤の花の家紋のある家の家人は、鬼に襲われたところを鬼殺隊士に助けられた過去を持ち、鬼殺隊の誰に対しても無償で尽くすことを約束している。鬼殺隊士が訪れると、無償で食事や寝床の世話をしてくれる。隊士の去り際には、お見送りと切り火をして、今後の任務の遂行と隊士たちの無事を祈ってくれる。どの家も実戦には赴かないが鬼殺隊とは深い絆で結ばれており、鬼舞辻無惨が滅んで世界が平和になった時は、鬼殺隊の面々が藤の花の家紋の家に勝利報告をして回った。

鬼殺隊柱 (きさつたいばしら)

鬼殺隊の中でも最も位の高い九人の剣士を指した呼称。彼らは鬼殺隊を実質的に支えている。実力次第ではメンバーが入れ替わることもある。鬼との闘いで鬼殺隊柱が死亡した場合は、能力を見定めて早急に欠員補充される。その高い戦闘能力を伝承していくために継子に稽古をつけ、能力の高い鬼殺隊士に育てる使命を負っている。鬼討伐の任務のほかに、半年に一度、産屋敷輝哉のもとに集まり柱合会議を執り行う。柱になるのに要する年月は、早い人で2年、一般的には5年ほどかかるとされている。自らの刀に悪鬼滅殺と彫ることができるのは柱のメンバーのみである。十二鬼月との戦闘が活発化してからは、鬼舞辻無惨に打ち勝つべく痣の発現を急務としている。

継子 (つぐこ)

鬼殺隊柱が育てる弟子の呼称。相当才能があって優秀でなければ、まず選ばれる事はない。柱が自身の継子として鬼殺隊員をスカウトするほか、自ら志願して継子になる鬼殺隊員もいる。基本的に柱は自分と同じ呼吸を持つ者を継子に選ぶ傾向にあるが、呼吸は必ずしも一致していなくてもいい。

無限列車 (むげんれっしゃ)

魘夢が用意した、東京府の街中を走る汽車。乗り込んだ鬼殺隊員が次々と消息を絶ったので、原因を探るために煉獄杏寿郎が乗り込み実地調査した。車掌が切符を切りに来るが、車掌に切符を切られると切符の持ち主は眠りに落ちてしまう。これは魘夢の遠隔術で、インクに自身の血を混ぜた切符に鋏痕がつく事で発動する仕組みである。 最終的に、魘夢は自身の肉体を捨て、無限列車と融合した。

足抜け (あしぬけ)

吉原遊郭で遊女が借金を返さずに花街から逃げ出す事を指す。多くの場合、遊女が惚れた男と駆け落ち同然に逃げる事になるが、失敗したらひどい仕打ちが待っている。

譜面 (ふめん)

宇髄天元独自の戦闘計算式。分析に時間がかかるものの、敵の攻撃動作の律動を読み、音に変換する。それにより、癖や死角もわかる。唄に合いの手を入れるように、音の隙間を攻撃すれば敵に打撃を与える事ができる。

血鬼術 (けっきじゅつ)

異能の鬼が使う特殊な術の総称。十二鬼月をはじめ、能力の高い鬼はそれぞれの個性に見合った血鬼術を会得している。

全集中の呼吸 (ぜんしゅうちゅうのこきゅう)

鱗滝左近次の教える呼吸術の総称。体中の血の巡りと心臓の鼓動を速める事により、使いこなすと体温を上昇させて鬼のように強くなる事ができる。肺を大きくし、血の中にたくさんの空気を取り込む事が会得する近道である。なかなか習得できずに焦る竈門炭治郎に、死ぬほど鍛える以外に習得方法はないと真菰が告げるほど、厳しい鍛練が必要となる。 炭治郎が左近次に大岩を斬る課題を与えられてから、試行錯誤し、1年経つ頃にやっと習得できた難易度の高い技。基本の呼吸は炎、水、風、岩、雷であり、霞は風から派生した。蟲は花から派生し、花と蛇は水から、音は雷から派生した。それぞれの呼吸に色があり、自身がどの系統の呼吸が得意なのかの判断は、日輪刀を持った時の刀身の色の変化を参考にする。

隙の糸 (すきのいと)

竈門炭治郎の勝利を手引きする感覚の呼称。優れた嗅覚を持つ炭治郎ならではの必勝法で、誰かと闘っている時に、匂いに気づく事で見える糸が、炭治郎の刃から相手の隙につながっており、見えた瞬間にピンと張り詰める。糸が張ると、炭治郎の刃は強く糸に引かれて隙を斬り込む事ができる。

惑血 視覚夢幻の香 (わくち しかくむげんのこう)

珠世の使う血鬼術の一つ。幻想的な紋様の幻覚を付近一帯に起こし、視界をさえぎる効果がある。珠世が自らの腕を切り裂き、己の血を使って使用する。

白日の魔香 (はくじつのまこう)

珠世の使う血鬼術の一つ。自白剤のようなもので、この香を嗅いだ鬼は、脳の機能が低下することから、虚偽を述べたり秘密を守ることができなくなってしまう。人間には毒となるので、吸い込まないように気を付けなければならない。

爆血 (ばっけつ)

竈門禰豆子の使う血鬼術の一つ。辺り一帯に飛び散った自らの血を燃やすことで、敵に飛び火攻撃を食らわせることができる。禰豆子は人間だった時に火の仕事を担う家系に生まれたことから、炎を発生させる術を編み出した。爆血を応用すれば、人間の体内に入り込んだ鬼の毒を昇華させることもできる。また、竈門炭治郎の日輪刀を爆血により爆血刀に変化させた。

強制昏倒催眠の囁き (きょうせいこんとうさいみんのささやき)

魘夢の使う血鬼術の一つ。強制的に相手を眠りに就かせることができ、見る夢の内容まで決めることができる。眠りに落ちた者たちは、それが夢だと自覚し、夢の中の自分を殺して目覚める以外に現実に立ち戻る術がない。

藤花彫り (とうかぼり)

鬼殺隊員の持つ特殊技術の一つ。「階級を示せ」という言葉と共に、拳を握るなど筋肉を膨張させる行為をすると、自身の階級が印として体に浮き上がって来る。

ヒノカミ神楽 (ひのかみかぐら)

はじまりの呼吸とされる、日の呼吸の使い手の使える技の呼称。全部で13の型があり、12までの型を繰り返すことにより円環を成して13個目の型になる。選ばれた使い手には、生まれつき赤い痣(あざ)が額に現れる。炭売りの家系である竈門炭治郎の家は代々日の呼吸の使い手として生活しており、炭治郎は、最初に鱗滝左近次から教わった柔軟な行動を助ける水の呼吸と力強い日の呼吸を合わせて、より攻撃力の高い戦法を生み出していくようになった。

関連

鬼滅の刃 外伝 (きめつのやいば がいでん)

吾峠呼世晴による『鬼滅の刃』の公式スピンオフ漫画。水柱の冨岡義勇を主人公に、北の雪山での鬼狩りを描いた『鬼滅の刃 冨岡義勇外伝』(「週刊少年ジャンプ」2019年18号、19号掲載)、煉獄杏寿郎が炎柱に... 関連ページ:鬼滅の刃 外伝

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