鬼滅の刃

大正時代、日が暮れると現れる人喰い鬼に家族を殺された竈門炭治郎は、鬼の血を浴びて人喰い鬼と化した妹の竈門禰豆子を人間に戻す方法を模索する。やがて鬼殺隊の一員として、人々を守る活動に従事する事となった炭治郎が、鬼と対峙し、成長していく姿を描いたダークファンタジー漫画。吾峠呼世晴の初連載作品。

あらすじ

第1巻

貧しくも大家族のぬくもりの中で育ち、その生活に幸福を感じていた竈門炭治郎は、ある日、家族をに惨殺される。さらに妹の竈門禰豆子が人喰い鬼となり、絶望する炭治郎だったが、禰豆子は鬼と化しても人の心を残していた。禰豆子を救いたいと考えた炭治郎は、禰豆子を殺そうとした鬼殺隊冨岡義勇を説き伏せ、彼の口利きで鬼殺隊への入隊に向けて動き出す。鬼殺隊の剣士を育てる鱗滝左近次のもとで厳しい修行に身を投じた炭治郎は、1年後、左近次に自分の背丈よりも大きな岩を斬るという最終試験を課される。なかなか岩を斬る事ができない炭治郎の前に、錆兎真菰という二人の子供が現れ、炭治郎の修行に付き合ってくれた。かつて左近次の弟子として岩を斬った事があるという錆兎はべらぼうに強く、炭治郎は何度も打ち負かされるが、1年が経つ頃には錆兎を打ち負かし、無事に岩を斬る事に成功。鬼殺隊の最終選別試験が行われる藤襲山に向かった炭治郎は、そこで左近次を目の敵にする大型の異形の鬼と出会う。彼は左近次に捕らわれた事を未だに恨み、弟子である錆兎と真菰を喰ってやった事を誇らしげに語り出した。

第2巻

かつて人間だった大型の異形の鬼は、竈門炭治郎に襲い掛かった。鱗滝左近次に教わった技で応戦する炭治郎は、無事に大型の異形の鬼を倒し、はかつて自身が人間だった頃を思い出しながら朽ちていく。藤襲山に入ってから7日後、合計8体の鬼を倒し、最終選別を生き延びた炭治郎は、見事に鬼殺隊入隊の資格を得るが、挑戦者20人中、生き延びた者がたった四人である事に戸惑う。残りの挑戦者はすべて鬼に喰われたと思うと、炭治郎は改めて鬼への怒りが湧いて来るのだった。その後、日輪刀と隊服を得た炭治郎は、鬼殺隊の一員として、鬼が現れたという東京府に向かう。東京府で鬼界の中の中心的人物・鬼舞辻無惨の手がかりを得た炭治郎は、鬼でありながら医者として人を助け、鬼を人に戻す治療薬を研究する珠世に出会う。珠世に、無惨に特別濃い血を与えられた十二鬼月の鬼達の血を採取して来てくれるよう依頼された炭治郎は、快諾するが、そこへ十二鬼月の矢琶羽朱紗丸が現れる。二人と対峙した炭治郎は、苦戦する中、血を採取する好機を狙う。

第3巻

鱗滝左近次により、人を守るよう暗示をかけられている竈門禰豆子朱紗丸の相手を任せた竈門炭治郎は、矢印使いの矢琶羽を相手に闘う。これまで出会った達よりもはるかに強い矢琶羽に苦戦する炭治郎だが、全集中の呼吸を駆使して辛くも勝利する。同じ頃、禰豆子と共闘していた珠世の働きで朱紗丸も倒され、安堵する一行だが、眼球に彫りがない事から、矢琶羽と朱紗丸は十二鬼月ではない事が判明。深手を負った炭治郎は、まだ見ぬ十二鬼月の強さを想像し、苦悩しつつ珠世と別れる。道中、鬼殺隊同期の我妻善逸と再会を果たした炭治郎は、善逸のあまりの意気地のなさを叱咤し、鼓を使った血気術で人々を襲う響凱退治に共に乗り込む事にする。屋敷内すべてが響凱の術に支配されているため、苦戦する炭治郎だが、弱い弱いと叫ぶ善逸が、恐怖のあまり失神すると、途端に剣技に強くなり、炭治郎に並ぶ強さを発揮。見事、響凱を討ち果たしたのだった。だが一息つく間もなく、猪の皮を被った二刀流の剣士が攻撃を仕掛けて来る。剣士の持つ刀が鬼殺隊員の証の日輪刀である事に、炭治郎は困惑する。

第4巻

猪の皮をかぶった剣士は、竈門炭治郎と同時期に最終選別を生き残った鬼殺隊同期である事が判明。剣士は嘴平伊之助と名乗り、その喧嘩っ早さから炭治郎と我妻善逸に反発しながらも、指令で共に行動する事になる。那田蜘蛛山が出たため捜査に向かった炭治郎達は、そこで、仲間同士で斬り合う鬼殺隊員らを目撃。彼らが那田蜘蛛山に棲む鬼に蜘蛛の糸であやつられている事を知った炭治郎と伊之助は、共闘し、女性型の鬼を倒す事に成功する。那田蜘蛛山には五人家族の鬼が棲んでいて、それぞれ蜘蛛の糸をあやつり、自分達の生活が人の手で脅かされるのを防ごうとしていた。しかし、あやつられた鬼殺隊員らの無残な殺され方を見て、炭治郎は不信感を抱く。一方、一人遅れて那田蜘蛛山に入山した善逸は、人面蜘蛛に嚙まれ、傷口から入った毒で蜘蛛にされようとしていた。体に異変が起き、ついに失神した善逸は眠った事で戦闘能力が解放され、周囲一帯の鬼を蹴散らす事に成功する。そんな中、炭治郎と伊之助の前に、非常に手強そうな男性型の鬼が現れた。鬼は、驚異的な強さで炭治郎達を追い詰める。

第5巻

突如現れたに追い詰められた竈門炭治郎は、遠くへ放り投げられ、嘴平伊之助と離れ離れになってしまう。伊之助の身を案じる炭治郎は、落下した先で蜘蛛の糸をあやつる鬼・と出会い、彼が那田蜘蛛山に棲む鬼達の実質的頭領であり、十二鬼月の一人である事を知る。炭治郎は、襲って来る累に竈門禰豆子と共に立ち向かうが、さすがは十二鬼月で一筋縄ではいかない。追い詰められた二人が、殺害されようとしたところに冨岡義勇が応戦。見事、累を滅してくれるのだった。義勇は、炭治郎と引き離されたあと苦戦していた伊之助をも助けており、鬼殺隊のトップに位置する実力者である鬼殺隊柱の称号に値する強さを持ち合わせている事を、炭治郎は肌で感じるのだった。だが、塵と化す前、人間だった頃を思い出して深い悲しみに包まれる累に寄り添う炭治郎は、鬼に同情するなと言う義勇に反発する。そこへ、義勇と同じく鬼殺隊柱である胡蝶しのぶが乱入して来る。どんな事情があろうと鬼は滅されるべきと主張するしのぶを前に、禰豆子の身が危険にさらされる事を予感した義勇は、炭治郎と禰豆子をかばい、しのぶと対峙する。

第6巻

冨岡義勇胡蝶しのぶが闘っている隙に逃げ出した竈門炭治郎竈門禰豆子だが、しのぶの弟子・栗花落カナヲに捕らわれてしまう。である禰豆子を断罪すべきだと主張する鬼殺隊柱達の前に連れていかれた炭治郎は、鬼殺隊柱の面々と共に、鬼殺隊当主である産屋敷輝哉に、禰豆子が人喰い鬼に落ちたら、鱗滝左近次と義勇が切腹する覚悟である事を知らされて涙する。かくして左近次と義勇の命懸けの訴えにより、禰豆子は鬼殺隊公認の鬼として、炭治郎と共に行動する事を許されたのだった。さて、那田蜘蛛山でのとの戦闘で満身創痍になった炭治郎、我妻善逸嘴平伊之助蝶屋敷に連れていかれ、そこで徹底した治療を受ける事となる。さらに、今後十二鬼月と闘う上での修行の一環として、カナヲと対峙した三人は、鬼殺隊に同時期に入隊した彼女の圧倒的強さの秘密が、全集中の呼吸にある事を突きとめる。鍛練を重ねて己の使える全集中の呼吸を進化させた炭治郎達は、確かな手ごたえを感じるのだった。

第7巻

新たな力を身につけて蝶屋敷を去った竈門炭治郎我妻善逸嘴平伊之助は、町中を走る汽車・無限列車に乗り込む。乗り合わせた鬼殺隊柱煉獄杏寿郎は、無限列車に乗った鬼殺隊員が次々と消息を絶っているため調査に来たと言い、警戒する一同だが、魘夢の術にはまり、眠らされてしまう。鬼舞辻無惨に血を分けられ、パワーアップした眠り鬼・魘夢は人間の心の弱い部分につけ込み、彼らに甘美な夢を見せてやる事と引き換えに、眠りに落ちた炭治郎達の夢に入り込み、精神を破壊するように命じた。まだ家族がに殺されていない、平和だった過去を夢に見た炭治郎は、永遠に夢の中に滞在したいとさえ思ったが、現実世界からの竈門禰豆子の呼びかけに気づき、後ろ髪を引かれながら現実に立ち戻る。魘夢と対峙した炭治郎だが、魘夢は炭治郎達が眠っているうちに自身の肉体を捨て去り、無限列車と融合していた。車内の人間200人余りを人質にした魘夢との闘いは熾烈を極めるが、先頭車両で、炭治郎はついに魘夢の頸を見つけ、勝利を確信する。

第8巻

見事、魘夢の頸を切り、無限列車の暴走をとめた竈門炭治郎だが、突如現れた十二鬼月の一人・猗窩座に襲い掛かられる。猗窩座の狙いは、鬼殺隊柱として、魘夢に人質にされた200人もの人間を完璧に守り抜いた煉獄杏寿郎にスカウトする事だった。鬼になり、さらに修行して自身の永遠にして最高の好敵手になってほしいという猗窩座の誘いを断った杏寿郎は、猗窩座との死闘の末、致命傷を負い、死去する。長い事顔ぶれの変わらなかった鬼殺隊柱の訃報に動揺する炭治郎達は、杏寿郎の遺言通り、いつか鬼殺隊柱になる事を目標にこれまで以上に鍛練に励むのだった。ある日、杏寿郎の家族への遺言を伝えるために、代々鬼殺隊柱として人々を守って来た杏寿郎の実家を訪れた炭治郎は、そこで自身の家系が全集中の呼吸の中ではじまりの呼吸とされる、日の呼吸の使い手の家系である事を知る。自身のルーツを知り、これまで以上のプレッシャーを背負うようになった炭治郎は、4か月後、修行拠点である蝶屋敷に現れた鬼殺隊柱の一人・宇髄天元に連れられ、鬼の棲む吉原遊郭に潜入する事となった。

第9巻

宇髄天元吉原遊郭に潜入を決めた理由は、自身の三人の妻がそこで消息を絶ったからだった。それぞれ遊女になりすまして花街に溶け込む竈門炭治郎我妻善逸嘴平伊之助は、十二鬼月の一人である堕姫が花魁に扮して花街で人をさらっている事を突きとめる。よくしてくれた花魁・鯉夏が堕姫に襲われる現場に遭遇した炭治郎は、堕姫と対峙するがまるで歯が立たない。戦闘の中で、本能で水の呼吸よりもヒノカミ神楽の方が自身に合っていると悟った炭治郎は、体温をあげ、ヒノカミ神楽を扱いやすい状態に己を追い込んでいく。一方、堕姫がだと見破ったために自身の妻達がさらわれた事を知った天元は、彼女達を助けるべく、地中深くにある堕姫の食糧貯蔵庫に突撃する。偶然、堕姫の食糧貯蔵庫にたどり着き、その場所の番人・蚯蚓帯と闘っていた伊之助、妻のまきを須磨と合流を果たした天元は、捕らわれた人々と共に地上へ脱出するための突破口を探る。

第10巻

蚯蚓帯と対峙した宇髄天元だが、蚯蚓帯は堕姫の危機を察知して彼女の加勢をすべく、その場から去っていった。我妻善逸嘴平伊之助と共に堕姫と闘う竈門炭治郎に合流した天元は、傷ついた炭治郎に代わり、竈門禰豆子が堕姫を追い詰める現場を目撃。堕姫を地に沈めた禰豆子は、十二鬼月並みの回復力と戦闘能力を見せるが、人の心を忘れ、傷ついた体を癒そうと付近の人間に襲い掛かってしまう。禰豆子が人を喰うのを防止し、眠りに落ちるまで見守るために戦闘離脱する事となった炭治郎は、頸が落ちても死なない堕姫の中から現れた妓夫太郎に驚愕する。妓夫太郎は堕姫よりも強力な邪気を持つで、毒を使って天元を追い詰めていった。そして、人間の頃から絆の深い兄妹である妓夫太郎と堕姫を倒す方法は、二体同時に頸を斬る事だと気づいた天元の指示により、堕姫を善逸と伊之助が、妓夫太郎を天元と炭治郎が狩る事となった。

第11巻

妓夫太郎は、離れていても堕姫を操作し、彼女の得た情報をも駆使して闘う事のできる非常に賢いだった。妓夫太郎との闘いに苦戦する竈門炭治郎宇髄天元を、堕姫は帯の攻撃で助けるが、彼女を追い詰めた嘴平伊之助は、なんとか堕姫の頸を斬る事に成功。あとは炭治郎と天元が妓夫太郎の頸を斬るまで、堕姫の頸を持って逃げ回る算段だったが、堕姫の危機をかぎつけた妓夫太郎が、堕姫の頸を取り返すべく、伊之助を背後から貫いた。伊之助は瀕死の状態に陥り、妓夫太郎は堕姫の頸を取り戻すが、藤の花の毒を使ったクナイで闘う雛鶴の機転で、妓夫太郎の再生能力を一時的に奪う事に成功した炭治郎達は、協力して妓夫太郎の頸を斬る。妓夫太郎と堕姫の頸が同時に斬れた状態になったため、二体は力を失い、朝陽を浴びて朽ちていった。今回の死闘で深手を負った天元は、鬼殺隊柱を引退する事になったが、十二鬼月を倒したあとも存命した炭治郎、我妻善逸、伊之助は鬼殺隊柱と産屋敷輝哉の注目を浴び、悲願である鬼舞辻無惨討伐の期待を一身に背負う事となった。

登場人物・キャラクター

竈門 炭治郎 (カマド タンジロウ)

炭売りの家系の家に生まれた少年。嗅覚が非常に優れており、人と鬼の匂いの違いをも感知する。また、優れた嗅覚は人の匂いを追跡したり、人の手で仕掛けられた罠を察知する事も可能。長男のため、非常にしっかりしており、次男の竹雄と共に力仕事を含む家の手伝いをよくしていた。兄弟はほかに、長女の竈門禰豆子、次女の花子、三男の茂、四男の六太がおり、父親の死後、弟妹達の父親代わりをしていた。 まじめな性格だが、頭の固い頑固者。一方で非常に情にもろく、襲って来た鬼にすら同情し、とどめを刺せない優しさも持つ。鬼に家族を殺されたあと、一人生き残った禰豆子が鬼となった事に絶望するも、禰豆子の中にある人の心に気づき、彼女を救うべく、鱗滝左近次のもとで修業を積み、鬼殺隊に入隊した。 石頭は、手がふさがっている際に非常に強力な武器になる。水の呼吸を得意とするが、のちに自身が日の呼吸の家系である事を知り、二つの呼吸を融合した戦法を編み出していく。

竈門 禰豆子 (カマド ネズコ)

竈門炭治郎の妹。いつも弟の六太を背負い、母親の手伝いをしていた優しい娘。激しく吹雪く夜に、鬼舞辻無惨に襲われて絶命した。傷口から無惨の血が入ったため、人喰い鬼に変化したが、意識のどこかで人間だった頃の優しい心を保っている。鬼になった当初、炭治郎を襲ってしまった際、冨岡義勇にとどめを刺されそうになるが、残った人の心で炭治郎をかばったため、義勇に断首するのを躊躇させて生き延びた。 鬼と化したあとは、人を襲わないように口に竹筒を猿ぐつわ代わりに嚙まされている。また鬼の特性で太陽を恐れ、たとえ洞窟の中でも、少しでも日差しが入って来る場所ならば、穴を掘って中に隠れてしまう。炭治郎が鬼殺隊に入隊したあとは、非常に軽い霧雲杉の木箱に入れられ、炭治郎と行動を共にする。 鬼だが、人の血肉を摂取する代わりに睡眠で体力回復している。鱗滝左近次により暗示をかけられ、人間を傷つける鬼に容赦しない。

三郎 (サブロウ)

竈門炭治郎の棲む山の麓に住んでいる、年老いた男性。家族を亡くして以来独り暮らしをしており、日が暮れると鬼が出るといって怯えるが、一方で鬼殺隊が鬼を斬ってやっつけてくれるという話を熱心に信じている。炭治郎の家族が惨殺された日、三郎が炭治郎を家に泊めたおかげで、炭治郎は生き延びた。

冨岡 義勇 (トミオカ ギユウ)

鬼殺隊に所属している男性で、鬼殺隊柱を務めている。通り名は「水柱」。愛用の刀には、悪鬼滅殺と彫られている。竈門炭治郎との初対面時、鬼を斬るのが自身の仕事だと言い、鬼と化した竈門禰豆子の首をはねようとしたが、禰豆子と炭治郎の絆を見て、禰豆子を生かす事に決める。禰豆子を殺されそうになった時、丸腰で挑んで来た炭治郎の度胸を買い、鬼殺隊の剣士を育てる役割を担う鱗滝左近次に紹介文をしたため、炭治郎が鬼殺隊に所属するきっかけを作った。 さらには左近次と連名で、禰豆子が人喰いに落ちた時に切腹する意思を示し、鬼殺隊柱の面々と産屋敷輝哉に、禰豆子を炭治郎と共に行動させる事を納得させた。炭治郎が左近次同様鼻が利く事から、左近次の技術を突破して受け継ぐ事ができるかもしれないと期待している。 水の呼吸を得意としており、その技術の高さは自身で独自の技を編み出せるほど。羽織の着方が独特のため、嘴平伊之助に半半羽織、と呼ばれる。好きな食べ物は鮭大根である。

鱗滝 左近次 (ウロコダキ サコンジ)

狭霧山の麓に住んでいる老齢な男性で、かつて鬼殺隊柱だった。鬼殺隊を引退したあとも、鬼殺しの剣士を育て続けている。竈門炭治郎同様、非常に鼻が利くが、物理的な意味以外にも、嗅覚で相手の感情の機微までをも感じ取る細やかな神経の持ち主。常日頃から、天狗の面で顔を隠しており、足音なく高速で駆ける事ができる。炭治郎の最大の弱点は、鬼にすら同情する優しさを持つために判断力に欠けるところだと考えている。 もう子供が死ぬのを見たくないと言い、炭治郎が鬼殺隊の入隊試験に向かう事に難色を示したが、大岩を斬る最終試験を越えた炭治郎の覚悟を前に観念し、狐を模した厄除の面を渡して最終選別へと送り出した。

錆兎 (サビト)

右頰に傷のある狐の面をかぶった少年。髪は宍色で、面の下の素顔も、面と同じ位置に同じ傷がある。非常に厳しい性格で、男ならば弱音を吐くな、が口癖。竈門炭治郎が鱗滝左近次に大岩を斬る試練を与えられて、試行錯誤して半年経った頃に突然現れた。左近次の最終試験である大岩を斬る事を達成しており、真剣を構える炭治郎を木刀で完膚なきまで叩きのめす実力者。 自身を育ててくれた左近次の実力を讃え、非常に尊敬しているが、その正体は、鬼殺隊の最終選別で大型の異形の鬼に喰われて亡くなった子供であり、炭治郎が大岩を斬れるようになると消えてしまった。

真菰 (マコモ)

右頰に二つの花が描かれた狐の面をかぶった少女。花柄が好きで、面は顔から外して斜めにかぶっている事も多い。錆兎といつもいっしょにおり、非力だが非常にすばしっこい。錆兎に打ちのめされたあと意識を取り戻した竈門炭治郎に、無駄な動きや闘い方の癖などを教え、炭治郎の成長を助けた。錆兎と共に孤児だったところを鱗滝左近次に拾われて育てられたため、左近次に非常に感謝しており、大好きであると公言している。 その正体は、鬼殺隊の最終選別で大型の異形の鬼に喰われて亡くなった子供であり、炭治郎が大岩を斬れるようになると消えてしまった。

大型の異形の鬼 (オオガタノイギョウノオニ)

鬼殺隊の入隊資格を得るために藤襲山を訪れた竈門炭治郎の前に現れた鬼。人型ではなく、長く太い腕を何本も生やしている。明治時代から存在している大型の鬼で、炭治郎に指摘されるまで、大正時代になった事を知らなかった。鱗滝左近次に47年前に捕らえられた事から、左近次を非常に憎んでいる。そのため、左近次が最終選別に向かわせる者に贈る狐の面をつけた鬼殺隊入隊志願者を目の敵にしており、彼らを喰っては、殺した人数を数えている。 これまでに、左近次の弟子を13人喰っており、最終選別に訪れた子供は50人ほど食べたと豪語する。非常に再生能力が高く、腕を斬ってもすぐに生えてきてしまう。頸の守りが非常に強固で、錆兎の刃が折れるほどだが、全集中の呼吸を駆使した炭治郎により、滅された。 かつては人間だったが、鬼となり、大事な兄を咬み殺した事で完全に人の心を忘れ去り、人喰い鬼となった。

鋼鐵塚 (ハガネヅカ)

鬼殺隊の一員で、入隊者の刀を打つ役を担っている男性。年齢は37歳で、つねにひょっとこの面をかぶっている。好物はみたらし団子で、毎日食べても飽きないほど好き。目深にかぶった笠からは、多くの風鈴をぶら下げており、人の話をまったく聞かずに対面した相手を置いてけぼりにして、一方的に話し続ける癖がある。竈門炭治郎の日輪刀を届けに来た際、炭治郎の髪と目が赤味がかっているのを見て、火仕事をするうえで縁起がいいと言って喜んだ。 年の割に言動が幼く、すぐに手が出る。自身の作った刀に非常に愛着を持っており、渡した人間が刀を傷つけたり失くしたりすると、刃物を持って襲い掛かって報復行動をする。

和巳 (カズミ)

北西の町に住む男性。婚約者の里子がさらわれてしまい、やつれるほど心配していたところを竈門炭治郎に声を掛けられた。炭治郎と共に異能の鬼と対峙するが、里子が絶命している事を知り、呆然自失状態となった。里子を失って生きる希望もなくしたが、同じように大事な者を殺された炭治郎に励まされ、立ち直った。

里子 (サトコ)

北西の町に住む女性。和巳の婚約者で、年齢は16歳。町に現れた異能の鬼にさらわれ、食われた。

鬼舞辻 無惨 (キブツジ ムザン)

この世で唯一、人間を鬼に変えられる血を持つ鬼。千年以上前に初めて鬼になった存在で、鬼を人間に戻す方法を知っていると思われる。鬼を統率し、呪いとして配下の鬼の体内に自身の細胞を入れており、秘密を話すなどの裏切り行為に及びそうになった場合は、体の内側から自身の細胞を使い、その鬼の肉体を破壊してしまう。さらに血を分けた者の思考が読め、位置を把握する事もできる。 ただし、その呪いを外す方法も存在する。東京府で人間のふりをして暮らしており、人間の妻・麗と人間の娘がいる。人間としての名は、「月彦」と名乗っている。

珠世 (タマヨ)

医者として東京府で暮らす、女型の鬼。人間の治療に従事しており、鬼舞辻無惨を抹殺したいと考えているため竈門炭治郎に加担する事を決めた。非常に慈悲深く、暴力を嫌う。愈史郎を従者のように引き連れ、愈史郎の目隠しの術で住処を隠し、無惨の追手から逃れている。人を鬼にする事ができるが、鬼を増やす意思はなく、手を下すのは不治の病などで余命いくばくもない人間に限る。 その際、鬼にしようとしている者に対して、鬼になっても生き延びたいか尋ねるようにしている。いずれは鬼を人に戻す治療法を確立したいと考えており、多くの鬼の血を調べようと思っている。輸血用として集めた人の血を飲む事で、無惨の呪いを外し、人を喰う事なく暮らしている。人喰いをしないため、鬼特有の異臭がない。 無惨の支配から逃れる術を身につけたため、十二鬼月達から逃れ者と呼ばれて、つねに命を狙われている。

愈史郎 (ユシロウ)

珠世の付き人をしている、男型の鬼。口が悪く、出会い頭の竈門禰豆子を醜女と呼び、竈門炭治郎の反感を買った。珠世に鬼にされた過去を持ち、珠世よりも少量の血で生きる事ができる体を持つ。人喰いをしないため、鬼特有の異臭がない。珠世に好意を寄せており、彼女の言う事は何でも聞くほど。目隠しの血気術を常用して視覚をあやつる能力に非常に長けているため、朱紗丸に襲われた際は、炭治郎に自身の視覚を符を通して貸し、活路を開いた。

矢琶羽 (ヤハバ)

鬼舞辻無惨の配下に就く、少年の姿をした鬼。朱紗丸と共に行動する事が多く、手のひらの目玉を開眼して敵の居場所を探る。矢印の使い手で、矢印をあやつり、風を起こしたりして仕掛けられた攻撃の向きを変える事ができる。非常に神経質で、戦闘で着物が汚れるのを嫌がるが、無駄な殺生は好まない、比較的紳士的な性格をしている。

朱紗丸 (スサマル)

鬼舞辻無惨の配下に就く、少女の姿をした鬼。矢琶羽と共に行動する事が多い。自在にあやつれる鞠を投げつけて攻撃する。非常に好戦的な性格をしている。

我妻 善逸 (アガツマ ゼンイツ)

鬼殺隊の一員で、竈門炭治郎の同期にあたる男性。もともとは黒髪だったが、修行中に隠れていた木に雷が落ち、以後は金髪になってしまった。非常に結婚にあこがれており、結婚できないまま死んだらどうしようといつも怯えている。また、自身の弱さを自覚しており、鬼殺隊入隊後も事あるごとに死が近づいていると怯え、炭治郎に叱咤されるのが通例。 結婚を焦るあまり、近づいた女性に見境なく求婚する。過去、女性に騙されて借金をした際、借金の肩代わりをしてくれた相手が鬼殺隊の人間だったため、血の滲むような鍛練を強いられ、気づけば鬼殺隊に所属する事になってしまった。連絡用に行動を共にする鳥は雀で、我妻善逸は意思疎通できないが、炭治郎にはなぜか雀の言葉がわかる。 聴覚が異常に発達しており、人の心の機微までをも音で察する事ができる。雷の呼吸を得意としており、恐怖のあまり失神すると、意識のないまま剣技に秀でた状態になり立ち回るという、特異体質の持ち主。寝ているうちに敵を倒すため、本人は自身の剣の腕に気づいていない。竈門禰豆子に一目惚れしてしまい、事あるごとにアプローチを試みる。

(キヨシ)

稀血を持つ少年。響凱に襲われたところを竈門炭治郎に助けられた。てる子という妹と、正一という弟がいる。炭治郎と別れ際、炭治郎の連れている鴉に藤の花の香り袋をもらい、鬼除けとして使用する事となり、安全が確保された。

嘴平 伊之助 (ハシビラ イノスケ)

鬼殺隊の一員で、竈門炭治郎の同期にあたる男性。普段から猪の皮をかぶって顔を隠しているが、素顔は美少女然としており、筋骨隆々の肉体と非常にミスマッチ。二刀流で、両手に日輪刀を持っている。刀の色は藍鼠色。我流で身につけた獣の呼吸を得意としており、非常に戦闘能力が高い。猪のように、正面から敵にぶつかっていくスタイルを崩さず、非常に好戦的。 また、最終選別の時は誰よりも早く藤襲山に入山し、誰よりも早く下山した、せっかちを絵に描いたような性格を披露した。鬼殺隊の一人と力比べをした末に刀を奪い、最終選別の存在を知り、最終選別の試験会場の藤襲山にたどり着いた変わり種。荒山育ちのため、触覚が異常に優れている。親も兄弟姉妹もおらず、ほかの生き物との力比べだけを唯一の楽しみとしている。 非常に負けず嫌いな性格をしており、炭治郎や我妻善逸よりも多くの戦闘をこなそうと躍起になる。

響凱 (キョウガイ)

かつて十二鬼月だった鬼。瞳には下陸という文字が刻まれている。体から生えた鼓をあやつる血気術を使う。人気のない無人の小屋に棲みつき、鼓を打つたびに部屋を回転させて竈門炭治郎に苦戦を強いた。体から生えた複数の鼓は、鼓の位置により、部屋の回転する向きが変わる。稀血の人間を探し出して喰い、力をつけて十二鬼月に返り咲く事を願っていたが、炭治郎に敗れたため、その夢は絶たれた。 より強大な力を得るために人間を喰い続ける事ができなくなり、鬼舞辻無惨に呆れられ、十二鬼月の資格をはく奪された過去を持つ。人間だった頃は売れない物書きをしており、書く事と鼓が趣味だった。

珠世の使い猫 (タマヨノツカイネコ)

竈門炭治郎が鬼から採取した血を、珠世に届ける役目を負う猫。愈史郎の目隠しの術により、鳴き声をあげるまで姿が見えなくなっている。炭治郎が採血を終えると現れ、血を受け取ると再び鳴いて姿を消し、珠世のもとへと戻っていく。

胡蝶 しのぶ (コチョウ シノブ)

鬼殺隊に所属している女性で、鬼殺隊柱を務めている。通り名は「蟲柱」。蝶のように軽やかに舞い、蟲の呼吸を得意とする。小柄で腕力がないため、鬼の頸を斬る事ができないが、代わりに毒を使って敵を滅する。鬼の嫌う藤の花の毒を応用し、鬼を殺せる毒を生成するなど、非常に薬学に精通している。鬼に最愛の姉を惨殺されて以来、鬼を憎み続けている。 死の間際まで鬼に同情し続けていた姉と竈門炭治郎を重ね、炭治郎に、鬼を斬らずになかよくする方法を見つけ出してほしいと姉の遺志を託した。

(ルイ)

那田蜘蛛山に棲む鬼で、十二鬼月の一人。左目に「下伍」と数字が入っている。少年の姿をしており、蜘蛛の糸を自在にあやつって闘う。非情に冷たい性格をしており、母親役の鬼が父親役の鬼に虐げられるのを見て見ぬふりしたあげく、母親役の鬼に那田蜘蛛山に侵入した鬼殺隊員らを早急に殺すように強いた。那田蜘蛛山では両親と二人の兄妹と共に棲んでいるが、それは人間だった頃に家族の絆にあこがれた影響下で作った偽りの家族関係で、実際には彼らと血縁関係はない。 人間だった頃は、生まれつき体が弱く、歩くのも不自由するほどだったが、鬼舞辻無惨に丈夫さと引き換えに鬼にされてから、人喰いになった息子に嘆いた両親に無理心中を図られ、結果、両親を返り討ちにして生き延びた。 冨岡義勇により滅される刹那、生前両親を殺した事を悔い、清らかな心を思い出しながら逝った。

母親役の鬼 (ハハオヤヤクノオニ)

那田蜘蛛山に棲む鬼。女性の姿をしており、蜘蛛の糸を自在にあやつって闘う。同じ蜘蛛の糸をあやつる鬼である夫と、二人の息子と一人娘と共に那田蜘蛛山に暮らしているが、実際は家族ごっこにすぎず、家族と呼ぶ鬼達と血縁関係はない。すべて累を中心に役割分担されただけの、偽りの家族である。那田蜘蛛山では、侵入して来た鬼殺隊員らを殺す役目を担っていたが、累や夫に暴力を振るわれる毎日に怯え、楽になりたい一心で、闘いを挑んで来た竈門炭治郎に自ら頸を差し出した。

煉獄 杏寿郎 (レンゴク アンジュロウ)

鬼殺隊に所属している男性で、鬼殺隊柱を務めている。通り名は「炎柱」で、代々鬼殺隊柱を輩出している一族の出身である。炎の呼吸を得意としており、体育会系の雰囲気を持ち、つねにはつらつとしている。母親は煉獄杏寿郎が子供の頃に病死し、もと鬼殺隊柱だった父親に鍛えられて育つ。弟の煉獄千寿郎も父親に認められるべく、鬼殺隊柱になる事を目標に修行に励んでいる。 無限列車で魘夢に人質にされた200人の人間を守り切ったあとに現れた十二鬼月の一人・猗窩座に死闘の末、致命傷を負わされて死亡した。

煉獄 千寿郎 (レンゴク センジュロウ)

煉獄杏寿郎の弟。父親に認められるべく、鬼殺隊柱になる事を目標に修行に励んでいるが、いつしか鬼舞辻無惨率いる鬼の強さに心が折れた父親が、強さを求めて修行する事に消極的な姿勢を見せ始めた事に寂しさを感じている。杏寿郎の訃報を受けて、また自身の日輪刀の色がどれだけ修行しても変わらない事から、自分には鬼殺隊になる素質がないのだと思い始め、剣士をあきらめる事とした。 剣士をあきらめたあとは、竈門炭治郎をサポートすべく、父親が破いた歴代炎柱の書の修復に努める。

宇髄 天元 (ウズイ テンゲン)

鬼殺隊に所属している男性で、鬼殺隊柱を務めている。通り名は「音柱」。派手好きな性格をしており、その性格は日々の言動に表れている。元忍で、その界隈では名を馳せている忍の家系に生まれる。修行の成果で、毒にはある程度の耐性を持っている。八人いた姉弟が、忍になるために課せられた厳しい修行で、15歳になるまでに七人死んだ壮絶な過去を持つ。 須磨、まきを、雛鶴という優秀な三人のくノ一を妻としている。生きている事こそが勝利であり、生き延びるために逃げる事は恥ではないという考えを持っているが、それは何より大事な三人の妻を死なせたくないからである。二刀流で、両手に「悪鬼滅殺」と彫られた太刀を持って闘う。のちに堕姫と妓夫太郎との死闘の末に左目と左手を失い、鬼殺隊柱を引退した。

甘露寺 蜜璃 (カンロジ ミツリ)

鬼殺隊に所属している女性で、鬼殺隊柱を務めている。通り名は「恋柱」。性別問わず、あらゆる対象に恋する一面を見つけてしまう、非常に前向きな性格。好物の桜餅の食べ過ぎで本来緑である髪色が、上のほうだけ桜色になってしまった。

悲鳴嶼 行冥 (ヒメジマ ギョウメイ)

鬼殺隊に所属している男性で、鬼殺隊柱を務めている。通り名は「岩柱」。僧侶のような恰好をしており、非常に慈悲深い発言をするが、死がすべての解放だと考えており、救済のための殺害は厭わないとする発言が目立つ。

時透 無一郎 (トキトウ ムイチロウ)

鬼殺隊に所属している男性で、鬼殺隊柱を務めている。通り名は「霞柱」。産屋敷輝哉を非常に尊敬している。つねに飄々としており、何事にも捕らわれないマイペースな雰囲気を持っている。

伊黒 小芭内 (イグロ オバナイ)

鬼殺隊に所属している男性で、鬼殺隊柱を務めている。通り名は「蛇柱」で、つねに蛇を従えている。非常にねちっこい性格をしており、言動もねちねちとしつこい。竈門炭治郎が鬼である竈門禰豆子を連れて歩く事を非常に嫌悪している。

不死川 実弥 (シナズガワ サネミ)

鬼殺隊に所属している男性で、鬼殺隊柱を務めている。通り名は「風柱」。非常に好戦的な性格をしている。

産屋敷 輝哉 (ウブヤシキ カガヤ)

鬼殺隊当主を務めている男性で、鬼殺隊員達にはお館様と呼ばれている。顔の上半分に傷があり、その傷は年々広がり、そのせいで盲目である。声音および動作の律動は相手を心地よくさせるものであり、その性質ゆえ非常に高いカリスマ性を持つ。子供が五人おり、唯一の男児をいずれあととりにするつもりである。珠世を見知っており、珠世と接触する竈門炭治郎を興味深く観察する。

栗花落 カナヲ (ツユリ カナヲ)

鬼殺隊の一員で、竈門炭治郎の同期にあたる女性。胡蝶しのぶの継子として、蝶屋敷に住んでいる。鬼殺隊柱に非常に近い実力を持ち合わせており、厳しい鍛練の結果、寝ている時にも全集中の呼吸ができるようになった。いつもにこにこしており、ほとんど口を利かない。何事も己で決めようとせず、どうしても決める必要がある時には、コインを投げて、その裏表でどのように行動するかを決定する。 幼い頃に親に売られて以来、心が何も感じなくなってしまったが、人買いから助けてくれたしのぶと、彼女の姉であるカナエを大事に思っている。

アオイ (アオイ)

胡蝶しのぶの屋敷の侍女を務める少女。非常にきびきびしており、戦闘でぼろぼろになった竈門禰豆子の箱を修理するなど、器用な一面を持つ。しのぶの屋敷の侍女の中で、リーダー的存在である。かつて鬼殺隊の最終選別で生き残ったが、そのあとは死への恐怖から戦闘へ赴けず、鬼殺隊員達を補佐する役回りを進んで担っている。

鉄穴森 (カナモリ)

伊之助の刀を打った男性。鋼鐵塚同様、ひょっとこの面を身につけている。

魘夢 (エンム)

鬼舞辻無惨の配下の鬼で、十二鬼月の一人。無惨に非常に心酔しており、左目に下壱の数字が刻まれている。無限列車に集めた精神的に弱っている人間を利用し、竈門炭治郎や煉獄杏寿郎を罠にかけて殺そうとした。敵を眠らせる能力を持ち、作った縄は、縄でつながった者の夢の中に侵入できる特別な力を持つ。ただし、魘夢の見せる夢は無限には続いておらず、夢を見ている者を中心に円形になっている。 夢の外側には無意識の領域があり、そこには精神の核が存在しており、これを破壊されると持ち主は廃人となる仕組みである。魘夢の術中にはまると、人間は意識と肉体を完全に切り離された状態で夢に閉じ込められるため、動く事ができなくなる。夢から覚める方法は、現実世界で魘夢の遠隔術を媒介する切符を燃やすか、夢の中で己を殺して現実に立ち戻るしかない。

猗窩座 (アカザ)

鬼舞辻無惨の配下の鬼で、十二鬼月の一人。右目に上弦、左目に参の数字が刻まれている。十二鬼月として100年以上生き続けている鬼で、こぶしでの戦闘が得意。強い者が大好きで、鬼殺隊柱が鬼になれば至高の領域に手が届くとし、鬼殺隊柱を見つけては鬼になるよう説得して回る。鬼殺隊柱を鬼にしたい最大の理由は、永遠に自身を楽しませてくれる好敵手がほしいからである。

須磨 (スマ)

宇髄天元の嫁で、優秀なくノ一。花街のときと屋に潜入中に消息を絶った。ときと屋の花魁として活躍していたが、突如姿を消して日記には足抜けするとした記載が残されていた。実際は堕姫の帯の中に捕らわれていたが、堕姫の帯の中の世界に侵入して来た嘴平伊之助と共に、蚯蚓帯と果敢に闘った。泣き虫でか弱く、戦闘能力も低いが、女性らしくかわいい憎めない性格をしている。

まきを (マキヲ)

宇髄天元の嫁で、優秀なくノ一。花街の荻本屋に潜入中に消息を絶った。勝ち気な性格をしており、すぐに弱音を吐く須磨をよく叱咤している。

雛鶴 (ヒナツル)

宇髄天元の嫁で、優秀なくノ一。花街の京極屋に潜入中に、花魁・蕨姫の正体が鬼の堕姫であると気づいたが、歯が立たずに、毒を飲み病気になった振りをして切見世に避難した。毒を塗ったクナイを一斉噴射する戦法で闘う。

鯉夏 (コイナツ)

吉原遊郭の花魁の一人。ときと屋に所属しており、優しい性格からつい周りの遊女達を甘やかしすぎては、女将に怒られている。身請け先が決まり、花街を出て行く直前に堕姫に襲われ、捕らわれたが、竈門炭治郎に助けられた。

堕姫 (ダキ)

十二鬼月の一人で、左目に上弦、右目に陸の数字が刻まれている。これまでに鬼殺隊柱を七人葬っており、その残酷性を誉めてくれる鬼舞辻無惨に恋している。つねに身にまとっている帯が武器であり、人間を帯の中に取り込み、食糧保存庫の代わりとする事もある。人としての仮の姿は、吉原遊郭の花魁の一人・蕨姫。京極屋に所属し、非常に横暴な振る舞いをする彼女のせいで、けが人や足抜けする者があとを絶たない。 いじめ抜いて自殺させた子もいる始末で、その度を越えた横暴ぶりを注意して来た女将・お三津を返り討ちにし、転落死に見せかけて殺害した。気に入らない事があると、首をかしげて下からにらみつける独特の仕草をする。また、汚い年寄りと不細工は食べないという人喰いとしてのこだわりを持つ。 体の中に兄である妓夫太郎が棲んでいる。人間だった頃の名は「梅」。13歳の時に侍の目を簪で突いて失明させた報復で、生きたまま焼かれたが、一命を取り留めて妓夫太郎と共に鬼となった。

忍獣 (ニンジュウ)

宇髄天元の使いのねずみの総称。ねずみながら筋骨隆々で、力が非常に強く、一匹で刀一本を持ち上げる事ができる。特別な訓練を受けており、極めて知能も高く、天元の指示があればたいていの事には対応できる能力を持つ。

蚯蚓帯 (ミミズオビ)

堕姫の帯の中の世界の番人。堕姫が捕らえた人間を帯の中に取り込んだ先は地中の空洞部分とつながっており、そこを食糧貯蔵庫として管理している。堕姫と意識がつながっており、堕姫の思うままに動く。人間を喰う事で強化される体質で、必要があれば堕姫に再び取り込まれ、彼女の体の一部となって闘う。

妓夫太郎 (ギュウタロウ)

堕姫の兄。妓夫の役職をそのまま名前として付けられた過去を持つ。鬼になってからは、武器として猛毒を宿す血鎌を使用し、鬼殺隊柱を15人葬って来た。人にされて嫌だったり苦しかった事は、人にやり返して取り立てる事を信条にしている。堕姫同様、十二鬼月の一人で、左目に上弦、右目に陸の数字が刻まれている。堕姫の意識を借りて話す事ができ、また堕姫と一心同体のため、二人同時に頸を切り落とさない限り死なない。 醜く生まれた自分と比べて、非常に容姿端麗に生まれた堕姫をとても大切に思っているが、同時に自身と同じ汚い道を歩ませていいものかつねに悩んで来た。

集団・組織

鬼殺隊 (キサツタイ)

政府非公認の鬼を狩る組織。隊員は数百人にのぼるが、率いている人間については謎に包まれている。驚異の回復力を誇る鬼に対して、生身の体で立ち向かう彼らは、人を守る事に命を懸けている。隊員はみな揃いの隊服に身を包み、隊服には10段階の階級を刻む。また、隊服は特別な素材でできており、通気性はいいが燃えにくく濡れに強い。少しの攻撃では、裂けない丈夫さを持っている。 みな連絡用に鎹鴉を一羽ずつ連れ歩く。全国に山ほど存在する育手に見初められた剣士見習いは、藤襲山で行われる最終選別で生き残る事で、晴れて鬼殺隊に入隊する資格を得る。最終選別では、藤襲山で鬼殺隊が生け捕って閉じ込めた鬼を相手に7日間生きのびる事が合格条件である。鬼舞辻無惨を中心とした鬼達には、鬼狩りと呼ばれて嫌悪されている。

十二鬼月 (ジュウニキヅキ)

鬼舞辻無惨直属の配下で構成された鬼の組織。能力別に上弦と下弦に分かれており、それぞれ六人ずつ計12人で構成されている。上弦の鬼は非常に強く、数字は両目に刻まれているが、下弦の鬼は片目にしか数字が刻まれていない。無惨に与えられた血が非常に濃いため、どの鬼も戦闘能力が高い点が特徴であり、鬼殺隊柱とも互角に闘える腕を持つ。

(カクシ)

鬼殺隊の後方支援部隊のうちの一組織。鬼殺隊と鬼が闘ったあと、遺体処理などの後始末をするのが主な仕事である。構成員は、もっぱら剣技の才に恵まれなかった者達である。

場所

藤襲山 (フジカサネヤマ)

鬼殺隊に入隊を希望する者が、最終選別を受けるために訪れる場所。季節を問わず藤の花が咲き乱れる、非常に幻想的な山で、鬼殺隊の面々が選別試験のために生け捕りにした鬼が閉じ込められている。山の麓から中腹にかけて、鬼の嫌う藤の花が狂い咲いているため、生け捕りにされた鬼は山を下りる事ができない仕組みになっている。また、捕らわれた鬼達は人間を2~3人食らった程度の、共食い前の比較的弱いもの達が集められている。

陽光山 (ヨウコウザン)

太陽に一番近いとされる山。一年中陽が射しており、曇る事も雨が降る事もない。日輪刀を作るために欠かせない、猩々緋砂鉄と猩々緋鉱石がとれる。

東京府 (トウキョウフ)

夜間も明るく、背の高い建物の立ち並ぶ、非常に発展した都市。多くの鬼が人間に紛れて住まっている。

那田蜘蛛山 (ナタグモヤマ)

蜘蛛の糸をあやつる鬼の一族が棲む山。うっそうと木が茂っており、木々のあいだには蜘蛛の巣が張っている。那田蜘蛛山に棲む鬼は五人家族で、入って来た人間をあやつって殺し合わせるが、その本意は家族だけの静かな暮らしを守ろうというものだった。那田蜘蛛山に棲む蜘蛛は毒を持ち、嚙まれたら人間も蜘蛛に変化してしまう。

蝶屋敷 (チョウヤシキ)

胡蝶しのぶの実家。竈門炭治郎達が負傷した際、手当てなどの世話をしてくれる場所。鍛練場も併設されており、栗花落カナヲやアオイが修行に付き合ってくれる。

吉原遊郭 (ヨシワラユウカク)

男と女の見栄と欲、そして愛憎の渦巻く夜の町。吉原遊郭に住まう遊女達は貧しさや借金などで売られて来た者がほとんどである。遊郭にいる限り衣食住は保障され、遊女として出世すれば、裕福な家に身請けされる事もある。遊女の最高位である花魁は、美貌や教養、芸事すべてを身につけている完璧で特別な女性を指す。花魁には簡単に会う事はできないため、逢瀬を果たすために男達は競うように足繁く花街に通う。 花魁が客を迎えに行く花魁道中は、見物客も多く遊郭の一種の名物である。

切見世 (キリミセ)

吉原遊郭にある最下級の女郎屋。客がつかなくなったり、病気になった遊女が送られる場所で非常に質素なたたずまい。

その他キーワード

(オニ)

日が暮れると現れる、人を主食として喰う生き物。「人喰い鬼」とも呼ばれる。傷口に鬼の血を浴びた人間も鬼となり、人喰い鬼はこのようにして繁殖していく。飢餓状態の鬼は栄養を求めて、親でも兄弟でも殺して食べる。鬼の血が体内に入り込んだ人間は、鬼に変わる時にかなりの体力を消耗するため、重度の飢餓状態に陥りやすい。弱点は太陽光であり、日にあたると燃えて消滅してしまう。 人間の言葉をあやつる事ができ、身体の大きさを自由に変えられ、異常な身体能力と回復力で傷を負ってもすぐに傷口がふさがりケガをした痕跡すら残らなくなる。また生命力にあふれ、たとえ首がもげても動く事ができる鬼もいる。首から手を生やして闘う事も可能だが、胴体が死んでしまうと動きが鈍くなる。 太陽の光にあてるか、鬼殺隊の持つ特別な刀・日輪刀で頸を切り落とさない限り殺す事ができない。藤の花を嫌っており、近づく事すらできない。鬼の強さは、基本的に人間を喰った数に比例し、鬼は人間を喰えば喰うほど力が増し、肉体を変化させて怪しい術を使えるようになる。

日輪刀 (ニチリントウ)

鬼殺隊の持つ刀の総称。鬼の弱点である頸を切り落とせる唯一の刀で、特別な鋼で作られている。この刀で頸を斬られると、斬られた鬼は骨も残らず砕け散る。別名・色変わりの刀といわれ、持ち主によって刀身の色が変わる。色ごとに特性があり、得意とする呼吸の判別材料になる。原料である猩々緋砂鉄と猩々緋鉱石は、陽光山で採れて太陽の光を吸収する特徴を持つ。

花札の耳飾り (ハナフダノミミカザリ)

かつて鬼舞辻無惨に刃を向け窮地に陥れた者が身につけていた耳飾りで、花札のような模様で彩られている。竈門炭治郎の家系が代々受け継いでおり、現在は炭治郎が身につけている。それを見た無惨が激怒し、炭治郎の頸を狩ろうとするきっかけとなった。

稀血 (マレチ)

人間の持つ非常に珍しい血の呼称。稀血自体にもランクがあるが、鬼にとって、人間一人分の稀血は普通の人間を50人~100人喰ったのと同じくらいの栄養がある。そのため、稀血を持つ人間は非常に鬼に狙われやすい。

藤の花の家紋の家 (フジノハナノカモンノイエ)

鬼殺隊に命を救われた一族の住む家。藤の花の家紋のある家の家人は、鬼に狙われたところを鬼殺隊に助けられた過去を持ち、鬼殺隊の誰もに無償で尽くす事を約束してくれている。鬼殺隊員が訪れると、無償で食事や寝床の世話をしてくれる。隊員の去り際には、見送りと切り火をして、今後の任務の遂行と隊員達の無事を祈ってくれる。

鬼殺隊柱 (キサツタイバシラ)

鬼殺隊の中で、最も位の高い九人の剣士を指す。鬼殺隊を実質的に支えており、実力次第でメンバーが入れ替わる事もある。半年に一度、産屋敷輝哉のもとに集まり、柱合会議を執り行う。柱になるのに要する年月は早い者で2年、一般的には5年ほど。

継子 (ツグコ)

鬼殺隊柱が育てる弟子の呼称。相当才能があって優秀でなければ、まず選ばれる事はない。柱が自身の継子として鬼殺隊員をスカウトするほか、自ら志願して継子になる鬼殺隊員もいる。基本的に柱は自分と同じ呼吸を持つ者を継子に選ぶ傾向にあるが、呼吸は必ずしも一致していなくてもいい。

無限列車 (ムゲンレッシャ)

魘夢が用意した、東京府の街中を走る汽車。乗り込んだ鬼殺隊員が次々と消息を絶ったので、原因を探るために煉獄杏寿郎が乗り込み実地調査した。車掌が切符を切りに来るが、車掌に切符を切られると切符の持ち主は眠りに落ちてしまう。これは魘夢の遠隔術で、インクに自身の血を混ぜた切符に鋏痕がつく事で発動する仕組みである。 最終的に、魘夢は自身の肉体を捨て、無限列車と融合した。

足抜け (アシヌケ)

吉原遊郭で遊女が借金を返さずに花街から逃げ出す事を指す。多くの場合、遊女が惚れた男と駆け落ち同然に逃げる事になるが、失敗したらひどい仕打ちが待っている。

譜面 (フメン)

宇髄天元独自の戦闘計算式。分析に時間がかかるものの、敵の攻撃動作の律動を読み、音に変換する。それにより、癖や死角もわかる。唄に合いの手を入れるように、音の隙間を攻撃すれば敵に打撃を与える事ができる。

血気術 (ケッキジュツ)

異能の鬼が使う特殊な術の総称。十二鬼月をはじめ、能力の高い鬼はそれぞれの個性に見合った血気術を会得している。

全集中の呼吸 (ゼンシュウチュウノコキュウ)

鱗滝左近次の教える呼吸術の総称。体中の血の巡りと心臓の鼓動を速める事により、使いこなすと体温を上昇させて鬼のように強くなる事ができる。肺を大きくし、血の中にたくさんの空気を取り込む事が会得する近道である。なかなか習得できずに焦る竈門炭治郎に、死ぬほど鍛える以外に習得方法はないと真菰が告げるほど、厳しい鍛練が必要となる。 炭治郎が左近次に大岩を斬る課題を与えられてから、試行錯誤し、1年経つ頃にやっと習得できた難易度の高い技。基本の呼吸は炎、水、風、岩、雷であり、霞は風から派生した。蟲は花から派生し、花と蛇は水から、音は雷から派生した。それぞれの呼吸に色があり、自身がどの系統の呼吸が得意なのかの判断は、日輪刀を持った時の刀身の色の変化を参考にする。

隙の糸 (スキノイト)

竈門炭治郎の勝利を手引きする感覚の呼称。優れた嗅覚を持つ炭治郎ならではの必勝法で、誰かと闘っている時に、匂いに気づく事で見える糸が、炭治郎の刃から相手の隙につながっており、見えた瞬間にピンと張り詰める。糸が張ると、炭治郎の刃は強く糸に引かれて隙を斬り込む事ができる。

惑血 視覚夢幻の香 (ワクチ シカクムゲンノコウ)

珠世の使う血気術の一つ。幻想的な紋様の幻覚を付近一帯に起こし、視界をくらませる効果がある。珠世が、自身の腕を切り裂き己の血を使って使用する術である。

白日の魔香 (ハクジツノマコウ)

珠世の使う血気術の一つで、自白剤のようなもの。この香を嗅いだ鬼は、脳の機能が低下する事で、虚偽を述べたり秘密を守る事が不可能となってしまう。人間には毒となるので、吸い込まないように気をつけなければならない。

爆血 (バッケツ)

竈門禰豆子の使う血気術の一つ。あたり一帯に飛び散った自身の血を燃やす事で、敵に飛び火攻撃をする事ができる。禰豆子は人間だった頃に、火の仕事を担う家系に生まれた事から、炎を発生させる術を編み出した。応用により、人間の体内に入り込んだ鬼の毒を昇華させる事もできる。

強制昏倒催眠の囁き (キョウセイコントウサイミンノササヤキ)

魘夢の使う血気術の一つ。強制的に相手を眠りに就かせる事ができ、見る夢の内容まで決める事ができる。眠りに落ちた者達は、それが夢だと自覚し、夢の中の自分を殺して目覚める以外に現実に立ち戻る術がない。

藤花彫り (トウカボリ)

鬼殺隊員の持つ特殊技術の一つ。「階級を示せ」という言葉と共に、拳を握るなど筋肉を膨張させる行為をすると、自身の階級が印として体に浮き上がって来る。

ヒノカミ神楽 (ヒノカミカグラ)

はじまりの呼吸とされる、日の呼吸の使い手の使える技の呼称。選ばれた使い手には、生まれつき赤いあざが額に現れる。炭売りの家系である竈門炭治郎の家は代々日の呼吸の使い手として生活しており、炭治郎は最初に鱗滝左近次から教わった柔軟な行動を助ける水の呼吸と力強い日の呼吸を合わせて、より攻撃力の高い戦法を生み出していくようになった。

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