鬼灯の冷徹 シロの足跡

鬼灯の冷徹 シロの足跡

江口夏実の『鬼灯の冷徹』のスピンオフ作品。地獄に住む白犬、シロの日常や活躍、仲間達との交流などを4コマ形式でコミカルに描く。講談社「なかよし」2016年1月号から連載の作品。

正式名称
鬼灯の冷徹 シロの足跡
ふりがな
ほおずきのれいてつ しろのあしあと
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
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あらすじ

第1巻

あの世の刑務所「地獄」では、亡者に罰を与える「獄卒」と呼ばれる者達が、それぞれに与えられた部署で働いている。その獄卒の獣である「獄卒獣」の中に、「シロ」という名の真っ白な犬がいた。一見愛らしいが、正義感にあふれた勇ましいシロは、今日も鋭く光る牙で悪い亡者達に嚙みつき、罰を与える仕事をしていた。そんなシロはある日、賽の河原に住む子供霊達を癒すための息抜きイベントに参加する事となった。仲間の柿助、ルリオと共に、それぞれの特技を活かしながら子供達と遊ぶシロであったが、「賽の河原レジスタンス」を名乗る木村碼紫愛達が、お地蔵さまやシロ達に反抗する。やんちゃな子供達に手を焼きながらも、シロ達は何とか彼らとなかよくなる事に成功。こうしてシロは、時にトラブルに遭遇しながらも、個性的な地獄の仲間達と共に、楽しくまったりした日常を過ごしていた。

第2巻

ピーチ・マキミキによるアイドルユニット「みきまき」のライブチケットを手に入れたシロは、柿助とルリオを誘い、3匹でライブに行く事になった。みきまきのファンであるシロは、会場前で前夜から待機し、ファン向けの特別企画も用意されているライブを楽しみにしていた。一方、ライブのリハーサルを終えたマキとミキは、準備とリハーサルでくたくたになっていた。かつては売れないアイドルとして苦い思いをしていた二人は、暗い過去を思い出しつつもステージに向かう。ライブ終了後、シロ達は特別企画「楽屋ご招待」に当選し、マキとミキの楽屋に遊びに行く事になった。シロ達は人知れず苦労しているマキ達を見て、アイドルの大変さを知る。特別企画終了後、みきまきはシロ達にライブ後半のステージでいっしょに歌おうと提案。シロ達は緊張しながらも、ステージで派手なパフォーマンスを披露するのだった。

第3巻

柿助、ルリオと共に地獄を歩き回っていたシロは、酒に溺れて悪事を犯した者が送られる「叫喚地獄」を訪れる。この叫喚地獄には生前から酒好きな亡者達が、酔っぱらいながらあちこちをうろついている。シロ達は、そんなやっかいな亡者達を管理する仕事をしている大蛇のヤマタノオロチに遭遇する。生前から酒好きでもあるヤマタノオロチは、こっそり持ち込んだ八つのお酒が、亡者によって盗まれた事に困っていた。ヤマタノオロチの苦労を知ったシロ達は、彼の酒を亡者から取り戻すために協力する事になった。その中でシロ達は、ヤマタノオロチが生前に体験した過去を聞き、酒に興味を持つと同時にその恐ろしさを知る。過去を話し終えたヤマタノオロチは、酒が原因で命を落とした事を反省し、更正して亡者達の手本になろうと改めて決意。しかし彼の前には、盗まれたはずの酒が、亡者達の手によっていくつも並べられていた。

登場人物・キャラクター

シロ

地獄に住む獄卒獣の白犬。地獄の刑場で悪い亡者に嚙みつき、罰を与える仕事をしている。首元には紅白のしめ縄を巻いており、真っ白な体毛とふわふわの毛並みを持つ。「親犬も白かった」という情報以外は謎が多く品種不明の犬だが、言葉を話し、霊力を持つ神獣でもある。つねに好奇心旺盛で人懐っこく勇ましい性格で、歌を歌うのが得意。また、落ち着きがなく食いしん坊で、お調子者な一面がある。元は主人である桃太郎のお供をしていたが、地獄に鬼退治に向かった際にあっさり鬼灯に敗北。しかし、過去の栄光に執着していた桃太郎を改心させ、自分達を雇ってくれた鬼灯には感謝している。鬼灯に懐いており、非番の日でも彼の外出や用事について行く事がある。鬼灯を尊敬していると同時に、閻魔大王以上に厳しく恐ろしい存在だと認識している。同じく桃太郎の家来(桃太郎ブラザース)である柿助、ルリオとは、鬼灯が紹介した職場「等活地獄(不喜処)」で共に働く同僚でよき友人でもあり、いつもいっしょに行動している。ピーチ・マキとミキのユニット「みきまき」のファンで、みきまきの曲や童謡を中心に、非常に幅広い歌を歌える。好物は肉と骨で、散歩が大好き。

鬼灯 (ほおずき)

地獄で働く鬼神の男性。閻魔大王の二代目第一補佐官をしており、多くの獄卒達の仕事を管理している。基本的に敬語で話し、誰に対しても慇懃無礼な態度を取る。仕事を有能にこなし、トラブルを処理する能力も高く、地獄の業務の大半を手配している。補佐官でありながら、実質閻魔大王を超える地獄のトップのような立場にあり、地獄の住人達からは尊敬されると同時に恐れられている。シロ達の主人である桃太郎を更正させ、行き場をなくした彼らに仕事を斡旋した。このため、シロ達からも畏怖と同時に尊敬や感謝を抱かれ、懐かれている。非常に頭がよく、強靭な肉体と精神を持つが、非常に厳しく、ドSな性格。上下関係を気にせず、目上の者に対して媚びる事がなく、さりげなく毒舌な発言をする事も多い。直属の上司である閻魔大王も無下に扱う事があり、仕事をサボっている彼を容赦なく金棒で殴ったりする。漢方から雑学まで幅広い知識を持つ博学。動物好きで、現在は「金魚草」の飼育を趣味としている。ライバルの白澤とは犬猿の仲で、会うたびにいがみ合い、互いに嫌がらせをしている。実は、生前は人間の子で、生贄にされた恨みから呼び寄せられた鬼火と混ざり、鬼神と化した。

お地蔵さま (おじぞうさま)

地獄の賽の河原で働いている地蔵。いつも笑顔でやさしい性格をしている。賽の河原に住む子供霊達を見守りながら、閻魔大王の要請に応じて、子供霊を転生させる仕事をしている。時おりシロ達を呼び、子供霊を癒すために息抜きイベントを開催している。激しい光を放つ事ができる。

木村 碼紫愛 (きむら めしあ)

地獄の賽の河原にいるガキ大将の少年。7歳の時に食べ過ぎが原因で死亡した。賽の河原に住む子供達を率いて反乱グループ「賽の河原レジスタンス」のリーダーを務めており、「救世主(メシア)」を名乗っている。時おり反乱を起こしては、お地蔵さまに自分達を転生させるように要求している。シロの事は「ジャスティス」と呼んでいる。

火車 (かしゃ)

地獄に住む実年齢不明のメスの化け猫。元は死体を食う化け猫であったが、現在は悪事を働いた亡者をあの世に連れて行く「お迎え課」で働いている。体が大きく怖い見た目だが、本質は猫であるため、仕事中でも眠たくなったら寝るなど、かなり気ままな生活を送っている。シロとは仲が悪く、よくケンカしている。

源 義経 (みなもとの よしつね)

平安時代を生きた武将の青年。現世で自害したあと、僧正坊の紹介で、あの世の警察機関「烏天狗警察」の職員をしている。整った容姿の美青年で、その美貌から雑誌の表紙や烏天狗警察のポスターを飾る事が多い。しかし細身で小柄な体型を気にしており、筋肉質な体型にあこがれを抱き、ボディビルダーへの転職を目指して日々体を鍛えている。

武蔵坊 弁慶 (むさしぼう べんけい)

平安時代を生きた破戒僧の男性。現世で源義経に仕えていたが、命を落とす。死後は義経と共に、あの世の警察機関「烏天狗警察」で働いており、寮舎の寮長を務めている。現在でも変わらず義経を慕っている。肉料理を作るのが得意。

ピーチ・マキ

末広がりな黒髪ショートカット、二本角の女性タレント。ショップ店員からグラドルに転身後、清純派アイドルとして売り出すも元飼い猫の小判にゴシップネタにされて小悪魔キャラになる。「キャラメル桃ジャム120%」をリリースしてCDデビューを果たし、クイズ番組で天然系・おバカ系として定着するも、鬼灯と結びつきが強くなったために金魚草のイメージガールを務めることになり、さらに金魚草大使を決めるコーナーで選定中のハプニングから大使に抜擢されるなど、キャラが常に迷走している。 このときからカマ彦がスタイリストとしてつくようになった。現在は野干でアイドル歌手のマキと「鬼卒道士チャイニーズエンジェル」で共演したことがきっかけで組んだユニット「まきみき」で一躍人気者へ、イベントやテレビ・ドラマ出演で幅広く活動している。

ミキ

地獄に住む女性。ピーチ・マキと同じ芸能事務所に所属している。かつては売れないアイドル歌手だったが、マキとのユニット「みきまき」でデビューして以来、知名度が上がって人気アイドルとなる。ふだんはおとなしくしっかりした性格だが、アイドルとしてハイテンションなキャラクターを演じている。しかし、まじめな性格とは正反対のキャラクターを演じる事に心底疲れ、時にストレスで暴走する事がある。少女のような姿で、語尾に「ニャーン」を付けて話すが、正体は狐。

サタン

堕天使の男性。西欧の地獄「EU地獄」の王。日本をはじめとするほかの地域の地獄を見下し、支配しようとしている。かつては「ルシファー」という名の天使であったが、堕天してEU地獄を支配するようになり、右腕のベルゼブブを中心に、さまざまな悪魔を従えている。ルシファー時代は美形の青年の姿をしていたが、堕天後は筋肉質な体型になった。非常に傲慢な性格で、メイドが大好き。

レディ・リリス

西洋の悪魔の女性。ベルゼブブの妻。男性を誘惑するのが本分だが、金遣いや男遊びが荒い。しかし世渡りがうまく、男性をてのひらで転がすのも得意なため、夫のベルゼブブとの仲は良好。白澤とは気が合うところがあり、実は愛人関係。日本文化を好み、よく日本の地獄にも遊びに来ている。

ベルゼブブ

西洋の悪魔の男性。サタンの右腕として働いている。レディ・リリスの夫。プライドとエリート意識が非常に高い性格で、似たような役職に就いている鬼灯とは、よく張り合っている。

スケープ

ベルゼブブの部下。レディ・リリスの世話係として働く白ヤギ。元は悪魔への生贄として捧げられたヤギだったが、ベルゼブブに拾われて以来、彼の付き人をしている。主人であるベルゼブブとリリスには振り回されているが、優雅な暮らしをさせてくれる彼らには感謝している。仕事の合間には、友人の黒ヤギさんと文通を楽しんでいる。

春一 (はるいち)

地獄に住む雪鬼の青年。八寒地獄の一つである極寒の地「摩訶鉢特摩地獄」で、獄卒として働いている。「摩訶鉢特摩のブリザード」の異名を持つ。寒さに強く、頑丈な体を持つが、非常に自由奔放な性格で、率直で失礼な言動が多い。趣味は魚釣り。

牛頭 (ごず)

地獄の門番をしている雌牛。パートナーの馬頭と共に、逃げ出そうとする亡者を捕らえ、怪力で潰している。馬頭とは長年のコンビで、仕事以外でも恋愛トークを楽しむほどの仲。好きな異性のタイプはミノタウルス。

馬頭 (めず)

地獄の門番をしている雌馬。パートナーの馬頭と共に、逃げ出そうとする亡者をすばやく捕らえるほどの俊足を持つ。馬頭とは長年のコンビで、仕事以外でも美容トークや旅行を楽しむほどの仲。好きな異性のタイプはペガサス。

ヤマタノオロチ

八つの頭を持つ巨大なヘビ。生前は生贄を欲する怪物として、人々から恐れられていた。大の酒好きである事を利用されて、スサノオに退治されてしまった過去から、酒の楽しさだけでなく恐ろしさを誰よりも知っている。現在は地獄の「叫喚地獄」にて亡者達を管理しながら、禁酒を目指している。しかし酒好きの亡者が多いため、仕事には苦労している。一見凶悪な見た目だが瞳はつぶらで、おだやかな口調で話す。広い背中には鳥の巣が作られたり、苔が生えたりしている。

イザナミ

日本神話の女神。かつて黄泉の世界を統治していた女王でもある。一人称は「わらわ」。鬼灯の前に閻魔庁第一補佐官を務め、地獄の基盤を作り上げていた。イザナギに約束を破られて憤慨し、私怨で呪いをかけたり、余計な地獄や読みづらい地名を作った過去を持つ。現在は地獄の大焼処にある御殿で、隠居生活を送っている。

鳳凰 (ほうおう)

鳳凰と共に白澤の薬局によく来ている霊獣。ふだんは派手な鳥の姿をしているが、施設の割引を利用する目的や、「子供の姿の方が世間からの対応が甘くなる」という理由で、白澤の作った薬を使って子供の姿になっている。実はかなりの高齢で、腰痛持ちなど病弱な面がある。テレビ番組「鳳凰の具体的占い」に出演している。

麒麟 (きりん)

鳳凰と共に白澤の薬局によく来ている霊獣。ふだんは角の生えた獣の姿をしているが、いかめしい老人の姿に変身する事がある。神に近い霊獣らしく厳格に振る舞っているが、白澤や鳳凰と共に深酒をする事がある。特にビールが好物だが、健康を気にして控えている。白澤の女癖の悪さには心底呆れている。

(つづら)

地獄の都市王第一補佐官をしている雀。おとぎ話『舌切り雀』の主人公、チュン子の叔父。仕事はミスなく細やかにこなすが、体の小ささから周囲に見下されないよう、つねに威勢を張っている。このため、つい口が悪くなりがち。好物は米粒。舌を切られて死んだ姪のチュン子の事は、ほかの親戚と共に甘やかしている。

葉鶏頭 (はげいとう)

地獄の閻魔庁・記録課清書班主任を務める鬼の男性。高い記憶力と速読力を持ち、記録課の仕事に活かしている。しかし仕事量が多く、徹夜続きのため、仕事中毒気味。このため一見とっつきにくい印象だが、有能さから部下には慕われている。時おり鬼灯の部下として、閻魔大王の裁判補佐官を務める事がある。兄のカマ彦の影響でおしゃれは得意だが、カラオケは苦手。またカマ彦のほかにも、顔がよく似た三人の姉妹を持つ。

金太郎 (きんたろう)

おとぎ話『金太郎』の主人公の青年。たくましい体で、昔は足柄山に住む少年だったが、現在は地獄の刑場「衆合地獄」で用心棒をしている。力持ちでやさしい性格で、理想の男性として周囲に慕われている。大きな荷物を持った老人など、困った人に遭遇する事が多く、よく人助けをしている。

一寸法師 (いっすんぼうし)

おとぎ話『一寸法師』の主人公の青年。生前に姫と結婚するために噓をでっちあげた罪から、地獄で罰を受ける予定であったが、情状酌量で免除となった。現在は地獄の刑場「大叫喚地獄(受苦無有数量処)」で、雑用係として働いている。小さかった体がふつうの大きさになった事で特徴がなくなり、「過去の人」扱いされるようになった事を気にしている。似たような境遇を持つ桃太郎や芥子とは、意気投合している。

瓜子姫 (うりこひめ)

おとぎ話『一寸法師』の主人公の女性。瓜から生まれ、現在は地獄の刑場「焦熱地獄」の獄卒をしている。職場にはかつて自分を殺した天邪鬼「天探女」が勤務しているため、複雑な気持ちで過ごしている。天邪鬼に殺された雉「鳴女」とルリオを重ねており、ルリオに対して親近感を抱く。

アヌビス

黒いジャッカルの頭を持つ男神。エジプトで亡者を裁く役割を持つ。オシリス王の補佐役として死者の魂を迎え、その心臓を計って裁きを下す仕事をしている。客人のガイドも務めているため、愛想がよく明るい性格で、シロとはすぐに意気投合して友人となる。同じエジプト神であるインプトを妻に持つが、女性をよくナンパし、相手をクレオパトラにたとえながら褒める癖がある。ミイラ作りが得意である事から、他国のミイラには強い興味を持っている。

場所

地獄 (じごく)

あの世の刑務所。主に悪事を働いた亡者達を取り締まっている。かつては「黄泉」と呼ばれ、亡者があふれて混乱状態に陥っていたが、閻魔大王の改革によって体制が整えられ、地獄と天国に分けられた。鬼や妖怪を中心に、さまざまな亡者達が住んでいる。地獄に落ちた亡者達は獄卒によってこらしめられている。「八大地獄」と「八寒地獄」の二つに大きく分かれ、さらに272の細かい部署がある。

不喜処 (ふきしょ)

地獄の刑場の一つ。生前に殺生をした亡者が送られる「等活地獄」の一角。鬼灯の斡旋により、シロ、柿助、ルリオの職場となっている。シロ達をはじめとする多くの獄卒獣が働いており、動物を虐待した亡者は彼らに嚙みつかれる形で罰を受けている。金剛の嘴で亡者を襲う「針口虫」と呼ばれる虫がうろついているが、柿助が食べてしまう事がある。

その他キーワード

獄卒 (ごくそつ)

地獄に送られた亡者達に、それぞれの刑場で罰を与える者の総称。大半は鬼や子鬼だが、シロをはじめとする動物の姿をした獄卒は、「獄卒獣」とも呼ばれる。また、元は現世に住む人間であった者や、おとぎ話の登場人物だった者もいる。あの世では安定した職業である事から、あこがれを抱く者が多い。

クレジット

監修

ベース

鬼灯の冷徹 (ほおずきのれいてつ)

日本地獄を会社運営に見立て、閻魔大王第一補佐官を務める鬼灯が、勤務中に上役や部下である獄卒、世界各国の地獄の悪魔や神話の登場人物たちと交流する日常を描く、江口夏実の代表作。講談社「モーニング」2010... 関連ページ:鬼灯の冷徹

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