魔界都市ハンター

魔界都市ハンター

魔物が闊歩し、怪奇現象が蔓延する魔界都市<新宿>で、神と呼ばれる謎の老人を巡り、主人公の十六夜京也をはじめとする様々な勢力がバトルを繰り広げる。SF伝奇小説作家・菊地秀行の代表作・『魔界都市<新宿>』の後日談を語る超能力バトル漫画。

正式名称
魔界都市ハンター
ふりがな
まかいとしはんたー
漫画
原作
ジャンル
怪談・伝奇
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概要・あらすじ

魔震の後、外界から隔絶された魔界都市<新宿>念法という不思議な技を使う十六夜京也は、と呼ばれる老人を巡るSATFと闇教団の戦いに巻き込まれるのだった。を追ううち、十六夜京也魔界都市<新宿>の秘密に迫っていくことになる。

登場人物・キャラクター

十六夜 京也 (いざよい きょうや)

高校生の少年ながら念法の達人。阿修羅と呼ばれる木刀一本で怪物や妖魔を倒すばかりか、思念の力だけでビルを瓦礫とし、戦車すら打ち破ってのける。魔道士レヴィ・ラーを倒して世界を救った英雄。SATFや闇教団といった武闘派組織の他、魔界都市<新宿>の一般人にもその名が知られている。 かつて通り魔に両親を殺されたが、犯人は麻薬中毒で無罪放免に。麻薬を作る者を根絶やしにすべく念法を学び、その強さを手に入れた。壮絶な過去にもかかわらず、普段の立ち振る舞いは飄々としたもの。だが、強敵と戦う時には精悍な表情を見せる。困った者や一度関わった者を見捨てられない人情味溢れる人物。その一方で魔界都市<新宿>の住人らしく損得勘定に敏感なところがあり、当初は神を巡る争いから距離を置こうとしていた。 年に似合わず世慣れたところがあり、弱者を無償で助ける一方、自分の力を利用しようとする者には法外な報酬をふっかけて真意を探るような腹芸もこなす。彼なりに魔界都市<新宿>を愛しており、住人を巻き込むような戦いや理不尽な殺人には激怒をもって応える。

片桐 さやか (かたぎり さやか)

魔界都市<新宿>で祖母と暮らす女子高生で、十六夜京也を慕っている。祖母が動けなくなったため、十六夜京也から生活の援助を受けていた。楚々とした美少女だが、一本芯の通った勝ち気なところがあり、虐待されている者がいればその身を投げ出して庇う心の強さを持つ。魔界都市<新宿>の住人に袋叩きにされていた神を助けたことから、神争奪戦に巻き込まれることに。 実は酒乱で、酔うと手が付けられなくなる。父譲りのマーシャルアーツを使うが、バケモノ揃いの魔界都市<新宿>だけに、役に立ったことは少ない。

(かみ)

一見みすぼらしい禿頭の老人だが、高次元の存在として太古の昔より人類の進化に干渉してきた。地面の上に海とそこに棲まう怪生物を作り出したり、人間を生きたままダイヤモンドにしたり、魔界都市<新宿>全域に-210度の寒波を起こしたり、十六夜京也を太古の世界へ送り込んだりと、奇跡としか思えない超常現象をいとも簡単に起こす。 また、いざ戦いとなれば、SATFの超能力や闇教団の妖術はおろか、十六夜京也の念法すら寄せ付けぬパワーを発揮。記憶を失い、自らが何を成すべきかも分からない状態で、無軌道に奇跡を起こして回る様から狂った神とも呼ばれる。その凄まじい力ゆえに様々な組織から狙われるが、なぜか追跡者に様々な試練を用意する。

ドクター・メフィスト

長髪の青年。女性とも見まごう美貌の持ち主で、十六夜京也に想いを寄せている。医術や魔術など人智を越えた技を駆使し、魔界都市<新宿>にはびこる奇怪な病や怪我を癒して人々を助ける医師で、人々の尊敬を一身に集める人物。手術をすることもあれば、錬金術を駆使して不思議な薬を合成することもあるなど、その活動は通常の医師の枠には収まらない。 魔界都市<新宿>にメフィスト病院を構え、その医術で人々を助ける一方、捕らえたヤクザを解体して手術に必要な器官を確保するなど、一般的な倫理観を超えた境地にいる。病んだ患者を助けることを自らの使命としており、患者に害をなす者にはレーザー砲を仕込んだ指輪や魔術、生命を持つ針金細工、相手の精神を操る魔眼(デビルアイ)などの秘術で立ち向かう。

ドクター・モヒカン

髪をモヒカン刈りにし、サングラスを掛けた巨漢の青年。粗野な荒くれ者のようだが、実はドクター・メフィストと同じ魔界医師である。魔震後の魔界都市<新宿>で、死者さえも生き返らせた伝説の心霊医師・ドクトル・ファウストの弟子で、ドクター・メフィストとは兄弟弟子の関係。 彼と同様に医術や魔術を駆使した不可思議な治療を行い、メス一本で死者を甦らせる。また、自らの心臓をくりぬき、エクトプラズムで作ったかわりの心臓を移植するような離れ業を行うことも。かつてはあらゆる病を憎む生真面目な青年だったが、ドクトル・ファウストから禁じられていた死者復活の実験を行い破門。 その後、様々な経験を積み「宇宙は巨大なものの意志通りに動いている」と達観した人生観を持つようになった。普段は飄々としたコミカルな人物だが、投げたメスはレーザーの光速を凌ぐ速度で飛び、針で頭部のツボを突くことで身体から炎を発するなど、その戦闘能力は底知れない。

円谷一佐 (つぶらやいっさ)

壮年の自衛官で、本名は円谷大作。STAFの7人の超戦士(スーパーソルジャー)の一人で、現場指揮官を務める。神を逮捕すべく魔界都市<新宿>へと送り込まれた。他の超戦士たちと同様に超能力を持っており、エクトプラズムで敵の弱点となる武器を作り出すことが可能。 吸血鬼には木の杭、悪霊には不動明王の利剣、戦車にはミサイルなど様々な状況に対応できるが、作り出した武器は自分自身の身体と技で操らなければならない。SATFの指揮官にふさわしく、優れた精神力と強靱な肉体を持つ。他のSATFメンバーが一般人である十六夜京也を神争奪戦に引き込もうとしたのに対し、「自分の任務は一般人を守ることである」として助力を乞わなかった人格者。

司教 (しきょう)

闇教団のリーダーを務める老人男性で、6人の神父と1人の尼僧を従える。黒魔術や妖術の使い手で、自分の血から闇の妖怪を生み出したり、何もない空間から刃を呼び出したりといった奇怪な技を操る人物。また、杖から放たれる妖気だけでドクター・メフィストの病院を壊滅させるなど、凄まじい力を持つ。 神を手に入れて世界を破壊し、その後に闇教団による選ばれし者のみの世界を作ろうと神父達を率いて暗躍。超戦士たちとの戦いにおいては、魔道士の誇りとして魔術以外の武器を禁じるなど、その精神は単なる悪には留まらない。

狩賀博士 (かりがはかせ)

防衛庁科学局局長を務める中年男性で、STAFに指令を下せる数少ない人物の一人。あらゆる論理を越えて真実を導き出す超推理(メタすいり)という能力を操る。七三分けに眼鏡、痩身と一見冴えない風貌だが、ひとたび能力が発動すれば、あらゆるものをはじき返すエネルギー風を自在に操るばかりか、光速で照射されるレーザー兵器すら回避するといった実力を発揮。 闇司教などの実力者と互角に渡り合う。日本の国益と安全のため神の確保を望み、その為であれば闇教団と一時的に手を組むことさえ厭わない、現実的な人物。

集団・組織

STAF (すぺしゃるたすくあたっくふぉーす)

『魔界都市ハンター』に登場する組織。狩賀博士をリーダーに、7人の超戦士によって構成される。敵の弱点を作る円谷一佐、空間を斬る次元刀を使う有川三佐、触れたものを1000km先へテレポートできる中野三佐、影を撃つ光線を放つ本多三佐、遺伝子レベルで他人に変身できる上村三佐、敵を溶かす血の雨・魔血雨を降らせる高山三佐、病人を癒すルルドの息を持つ大林三佐といったメンバーで構成される。 神を追って魔界都市<新宿>へ向かったが、人々を襲う大きな危機に際しては自衛官としての権限を使って介入することも。

闇教団 (だーくきょうだん)

『魔界都市ハンター』に登場する組織。魔界都市<新宿>に暗躍する魔術師集団。構成員はキリスト教の司祭、神父、尼僧の扮装をし、教団本部には悪魔崇拝の印である逆十字を掲げる。神の力で現世を破壊し、その後に選ばれた者だけの世界を作ろうと考えた。干し首を操る神父(ファーザー)・ロダン、死海を生み出す神父・クロウ、肋骨状に展開して相手を突き刺す骨の剣を使う神父・リド、身体の中から無数の邪妖精を放つ神父・コロサス、2つの頭を持つ神父・ギルマン、影を操る神父・マンチス、相手の血を吸って僕とする吸血鬼の尼僧(シスター)・ブライドがメンバーで、STAFの超戦士たちと死闘を展開。 危険な魔界都市<新宿>に複数の拠点を構えるなど、隠然たる勢力を持つ。

場所

魔界都市<新宿> (まかいとししんじゅく)

『魔界都市ハンター』に登場する架空の都市。東京都新宿区がモデルになっている。元々は日本の他の地域と同様に平和な都市だったが、魔震により、奇怪な超常現象が頻発するようになった。夜になると空き地に悪霊がわきだし、廃墟には人間を喰い殺す大蛇が徘徊し、公園には聞く者に自殺を強いる謎の声が響くなど危険極まりない場所だが、人間も数多く住んでいる。 住人同士の暴力沙汰も日常茶飯事で、学生の喧嘩に米軍払い下げの武装ヘリが持ち出されるなど、その凶暴性は区外とは別物。なお、住人は他の地域よりも知能や身体能力が高くなるなど、マイナスの影響ばかりを及ぼす場所ではない。

その他キーワード

念法 (ねんぽう)

『魔界都市ハンター』に登場する武術。高めた思念エネルギー(念)を攻撃手段として用いる技で、実体を持たず通常攻撃の効かない悪霊を浄化し、成仏させられる。また、自らの周囲を思念エネルギーの泡で包み、電撃をはじき返すなどして身を守ることも可能。強力な反面、使い手の体調や心理状態に影響されやすく、疲労していたりすると本来の力を発揮できない。 なお、思念エネルギーは有限であり、一度使うと休息が必要となる。十六夜流念法とも呼ばれるが、『魔界都市ハンター』作中には他の流派は登場しない。

魔震 (ましん)

『魔界都市ハンター』に登場する用語。198X年9月13日金曜日午前3時頃に発生した巨大地震で、新宿区にのみ影響を及ぼし、その周囲を切り取るかのような亀裂を残すなど、自然の地震とは思えない様相を呈したことから魔震やデビルクエイクと呼ばれる。区内に存在した研究所から遺伝子操作で作られた怪生物が多数脱走。 また、亀裂から吹き出す妖気により、悪霊出現をはじめとする超常現象が起こるようになった。これにより、新宿区は魔界都市<新宿>と呼ばれるようになり、他の地域から隔離されることに。

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