概要・あらすじ
登場人物・キャラクター
エスター・メイフィールド
ロンドンの下町で花売りをしていた少女で、人間と吸血鬼のあいだに生まれた半吸血鬼(ダンピール)。年齢は16歳。赤髪ロングヘアで、下町育ちのために下町訛り(コックニー)がある。母親と双子の兄、アルジャーノンの三人で暮らしていたが、半年前に母親は他界。兄も1か月前に貴族の養子となり、孤独な身の上となった。そんな中、花売りをしていた際に吸血鬼ハンターの家系であるヴァレンタイン伯爵家当主、レオン・J・ウィンターソンに話しかけられると、なし崩し的に彼の妻とされる。ダンピールのため、人間と吸血鬼を見分ける力を幼い頃から有していた。だが母親からは、吸血鬼のことを「幽霊」だと教えられ、近寄らないようにと言われてきたため、レオンによって知らされるまで能力の真実はおろか、自分がダンピールであることすら知らずに育った。レオンからは妻として溺愛されているが、当初はダンピールの能力が目当ての、仮初めの夫婦とカンちがいしていた。また、色事への生来の鈍感さもあって、誤解が解けたあともレオンからの愛情に気づかずにいることが多い。そのため、拗(す)ねたレオンの意地悪に晒(さら)されることも多く、内心でこっそりとレオンを「黒伯爵」と呼んだりしている。一方で、幼い頃に母親から金色の髪の王子様が現れると言われて育ったため、レオンを王子様のように見てしまうこともあり、共に過ごしていく中で、表には出さないもののレオンに対する思いを募らせていく。教養不足から社交の場に出る際は男装をすることもあり、その時は「エルマー」と名乗っている。
レオン・J・ウィンターソン
吸血鬼ハンターの家系であるヴァレンタイン伯爵家の当主を務める青年。ロンドンの下町で花売りをしていたエスター・メイフィールドに話しかけ、自らの妻に指名した。社交界では「白薔薇」と称えられる美丈夫で、数多くの浮き名を流してきた。ふだんは淡々と仕事をこなす冷酷な性格で、周囲からは素っ気ない人物と思われていた。しかし、エスターを妻としてからは毎日のように笑顔を振りまき、時には大きな声を上げて笑うなど快活な一面を見せ、人が変わったと周囲からは囁(ささや)かれている。エスターが人間と吸血鬼のあいだに生まれた半吸血鬼(ダンピール)だと知っている。彼女を妻にしたことに反対する、後見人にして叔父のリチャードに対しては、吸血鬼を探知する能力を持っている彼女を家業に役立てるためだと説明しているが、本当はエスターを溺愛している。しかし、日頃から愛情を伝えているにもかかわらず、恋愛に疎い彼女に思いが通じないことから、拗ねて意地悪することが頻繁にあり、その時は彼女に内心で「黒伯爵」と呼ばれている。一方でレオン・J・ウィンターソン自身は、笑顔を絶やさないエスターのことを名前に引っかけて「星」に例えることがしばしばある。
書誌情報
黒伯爵は星を愛でる 全12巻 白泉社〈花とゆめコミックス〉
第1巻
(2014-08-20発行、 978-4592213918)
第12巻
(2018-05-18発行、 978-4592216360)