1日外出録ハンチョウ

1日外出録ハンチョウ

福本伸行の漫画『賭博破戒録カイジ』の登場人物である大槻を主人公とした、『中間管理録トネガワ』に続く「カイジ」シリーズのスピンオフ作品第2弾。借金帳消しのため、地下王国で強制労働に従事している男、大槻が、1日外出券を利用して休日を楽しむ様子を描いた1話完結形式のギャグ作品。講談社「ヤングマガジン」2017年4・5合併号から隔週連載。

正式名称
1日外出録ハンチョウ
ふりがな
いちにちがいしゅつろくはんちょう
原作者
萩原 天晴
漫画
漫画
ジャンル
ギャグ・コメディ
レーベル
ヤンマガKCスペシャル(講談社)
巻数
既刊19巻
関連商品
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あらすじ

第1巻

大槻はいつものように1日外出券を購入し、優雅に「外出」する。わざわざスーツを買って着飾り、そしてあえて平凡な立ち食い蕎麦屋に入った大槻は、まるで店内に君臨するが如く、昼間からビールを楽しむのだった。(第1話「玉座」)

 大槻は沼川と共に「外出」をした。なんとなく雰囲気で、夏祭りをやっている会場に辿り着いた二人は、まったく知らない地元の人々と酒を酌み交わして、和やかな時を過ごした。(第2話「道連」)

 大槻は学生時代に行きつけだった中華料理屋にやって来た。当時、カニチャーハンをいつも頼んでいたこの店で、大槻は今回、別の料理を注文する。だが、大槻の事を覚えていた店主から「ミニカニチャーハン」をサービスされ、大槻は感動するのだった。(第3話「捻込」)  

日比谷で解放された大槻だったが、今回は担当の黒服が大槻の事をよく思っていない宮本であった。だが、なんとなく二人連れ立つような形で美食巡りをしているうちに、宮本は大槻と意気投合してしまうのだった。(第4話「飲芋」) 

今回は、地下で行っている物販の仕入れのために、沼川と共に「外出」した大槻。柿ピーを山ほど仕入れて来た大槻は、地下王国で独自に柿ピー食べ放題のサービスを始めた。(第5話「柿放」)

 たまたま大槻と同じ日に外出をした、大槻も名前を知らない若者がいた。なんとなく行く店がかぶり、そして注文するメニューもかぶり、妙なシンパシーを感じ始める大槻であった。(第6話「前世」) 

C班班長の小田切が「映画館」を始めて、大槻のチンチロリンの客を奪うようになった。そこで大槻は小田切と同じ日に「外出」をし、商談を持ち掛ける事にする。(第7話「熱風」)

第2巻

大槻は「外出」には慣れていないC班班長の小田切を、行きつけの小料理屋「みゆき」に連れて行く。宴はたけなわとなったが、その途上で小田切は映画の話を始め、二人で映画を観る事になった。(第8話「名作」)

 例によって沼川を連れて「外出」した大槻だが、風邪を引いてしまう。そこでデイリーマンションを借りてじっくり静養を取り、翌日のボードゲーム会までに無事に風邪を治す事ができたのだった。(第9話「一休」)

 石和という側近を連れて「外出」した大槻は、今回は京都まで足を伸ばす。「幕末好き」という共通の趣味を持つ二人は、幕末史跡巡りをして楽しく過ごす。(第10話「蛤門」)

 大槻は石和、沼川と「外出」し、海に向かう。三人はシャツのまま海に飛び込むなど、童心に帰って心行くまで楽しんだ。(第11話「少年」)  

大槻は、今度は山に向かい、キャンプをして自分でカレーを作って楽しむ。そして実家の味を再現してみようと、ヨーグルトに手を出したところで失敗、うっかりと入れ過ぎてしまう。(第12話「隠味」) 

木村という壮年男性が、年季明けで地下王国を出る事になった。それに同行した大槻は、何十年も地下で暮らしていた事で、世間の事情に疎くなっている木村に、適当な法螺話を吹き込んで楽しむ。(第13話「爺狩」)

 ある日、大槻は「肉が食べたい」という邪神のような心に取り憑かれた。大槻は自分の欲望に忠実に、食べ放題の店に入って思う存分肉を食べ始める。(第14話「邪神」) 

まったく知らない町にノープランで「外出」する事にした大槻であるが、鍛え抜かれた勘だけで、おいしい店を見つける事に成功する。だがうっかりコンタクトレンズを落した状態で歩き回った事で、交通事故に遭ってしまう。(第15話「刮目」)

 第3巻

交通事故に遭って軽い打撲傷を負った大槻は、地下王国の暮らしで疲れがたまっている沼川と石和を連れて健康ランドに向う。(第16話「極楽」) 

何が食べたいか、いまいち決まらない大槻が脳内で一人会議を開く。結果、ミッシュマッシュという、どこの国の料理かも覚えていないものに挑戦してみる事にする。(第17話「首脳」) 

地下王国の食事で出た秋刀魚があまりおいしくなかったので、大槻は石和、沼川と三人で最高の秋刀魚を食べに、高級な日本料理屋に入る。(第18話「秋魚」) 

宮本とすっかりなかよくなった大槻は、名古屋を散策していた。そこで出会うさまざまな事象に対し、大槻は「名古屋の事はどうもよくわからなかったから考えるのはよそう」という結論に達する。(第19話 「混沌」)

 地下王国に、会長の気まぐれでミキサーが置かれる事になった。そこで大槻らはミキサー向きの食材を仕入れて来て荒稼ぎする。(第20話「賜物」) 

大槻は石和、沼川と三人で、かつて地下王国から解放された木村の家に遊びに行った。狭いながらもくつろげる雰囲気の中で、四人はまるで学生の青春のようなひとときを過ごす。(第21話「六帖」) 

木村の家で一泊した翌日、四人は町へと繰り出した。そこで、木村が行きつけの大判焼きの店の女性に恋をしていると聞き、大槻はそれを応援するのだった。(第22話「明日」) 

地下王国においても年に一度だけ、比較的寛いだ環境で過ごす事が許される大みそか。黒服の一人が趣味で打っている年越し蕎麦も振る舞われ、地下王国のみんなは大いに満足するのだった。(第23話「年越」)

登場人物・キャラクター

大槻 (おおつき)

地下王国での作業班・E班の班長を担当する男。『賭博破戒録カイジ』では、「地下チンチロ編」の主要人物。柔和な笑顔が特徴だが、人心掌握術に長けた狡猾な人物。債務者同士で給料を賭けたチンチロリンで大勝を繰り返している。高額な1日外出券を何度も購入し、数か月に一度のペースで外出を楽しんでいる。何度も外出しているためか、昼寝や食事などもあせることなく、マイペースに過ごす。 外出中は「食事などでハズレを引かないこと」を重視している。ときに機転をきかせて、ふつうの飲食店で意外な楽しみ方を見出すこともあり、監視中の黒服たちを驚かせている。また、地下ではチンチロリンだけでなく、つまみや酒などの物販でも荒稼ぎしており、商品の仕入れのために外出することも。

沼川 (ぬまかわ)

地下王国で強制労働に従事している男。大槻の側近。チンチロリンでは大槻に協力し、荒稼ぎしている。第3話「道連」では、一人で行なった1日外出がうまく楽しめなかったため、大槻といっしょに外出して師事を仰ぐ。また、第5話「柿放」では、大槻とともに商品の仕入れのために外出した。『賭博破戒録カイジ』でも登場した人物。

宮本 (みやもと)

帝愛グループの社員の男。いわゆる「黒服」の一人。大槻がチンチロリンで大勝していることに疑いの目を向けている。第4話「飲芋」では、外出中の大槻を至近距離から監視し始めるが、同行しているうちに大槻に乗せられ、仕事中でありながらハメを外して豪遊してしまう。

小田切 (おだぎり)

地下王国での作業班・C班の班長を担当する男。第5話「柿放」で登場。大槻と同じく、地下王国で労働している債務者向けに物販を始めた。そのため、大槻から商売敵として危険視され始める。『賭博破戒録カイジ』でも登場した人物。

若者 (わかもの)

地下王国で強制労働に従事している男。名前不詳。第6話「前世」で登場し、大槻と同じ場所に解放される。見た目は素朴な青年であり、酒も博打もせずにコツコツと貯めたペリカで1日外出券を購入した様子。大槻とは面識がなく、とくに興味も持たなかった。しかし、その後は行く先々で偶然大槻と同じ店に入り、同じメニューを注文しながら行動したため、大槻との間に奇妙な一体感が生じることになる。

場所

地下王国 (ちかおうこく)

核シェルターなどを備えた地下施設。帝愛グループ幹部のために建設が進められている。多額の債務を背負い、かつ返済不可能とみなされたものたちが、強制労働をさせられている。一度送り込まれると、借金の額に応じた期間は外出不可能となり、債務者たちからは恐れられている。

その他キーワード

1日外出券 (いちにちがいしゅつけん)

地下王国内で販売している勤労推奨オプション。購入すると、一枚につき1日の間外出が認められる。使用すると、睡眠薬で眠らされた状態で都内の公園に解放される。その際、制限時間が表示される腕時計型タイマーの着用を義務付けられ、「黒服」による監視が付く。

クレジット

ベース

賭博黙示録カイジ (とばくもくしろくかいじ)

福本伸行の代表作で、のちにシリーズ化される「カイジ」シリーズ1作目。カイジこと伊藤開司は、友人の保証人になったことで多額の借金を抱え、返済のために様々なギャンブルに挑んで行く。講談社「ヤングマガジン」... 関連ページ:賭博黙示録カイジ

関連

賭博破戒録カイジ (とばくはかいろくかいじ)

『カイジシリーズ』2作目。カイジこと伊藤開司は、スターサイドホテルの勝負で兵藤に敗れ、さらに借金を1,000万円に増やすことになり、再びギャンブルの世界へ身を落として行く。福本伸行の代表作。講談社「ヤ... 関連ページ:賭博破戒録カイジ

書誌情報

1日外出録ハンチョウ 19巻 講談社〈ヤンマガKCスペシャル〉

第1巻

(2017-06-06発行、 978-4063829730)

第2巻

(2017-09-06発行、 978-4065102268)

第3巻

(2018-03-06発行、 978-4065111000)

第4巻

(2018-08-06発行、 978-4065124710)

第5巻

(2019-01-04発行、 978-4065141809)

第6巻

(2019-07-05発行、 978-4065163597)

第7巻

(2019-11-06発行、 978-4065177259)

第8巻

(2020-04-06発行、 978-4065191897)

第9巻

(2020-09-04発行、 978-4065204535)

第10巻

(2021-01-06発行、 978-4065220115)

第11巻

(2021-05-06発行、 978-4065233375)

第12巻

(2021-09-06発行、 978-4065247518)

第13巻

(2022-03-04発行、 978-4065267875)

第14巻

(2022-10-06発行、 978-4065290767)

第15巻

(2023-03-06発行、 978-4065310472)

第16巻

(2023-07-06発行、 978-4065323434)

第17巻

(2023-11-06発行、 978-4065336243)

第18巻

(2024-04-05発行、 978-4065352458)

第19巻

(2024-09-05発行、 978-4065368596)

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