概要・あらすじ
生徒がたった2人のお山の分校は、近所の高齢者も机を並べ、出席をとり、共に学ぶ場となっていた。深刻な過疎化問題を抱えるお山の分校に赴任してきた女教師のとまどいや、高齢者の悩みを織り交ぜながら、日々明るく過ごす分校の日常をつづる。
登場人物・キャラクター
タロちゃん
『2組のお友達。』の主人公。お山の分校に通う、本物の小学生。2年生で級長。渡辺くんと大の仲良し。小学校入学前に、母親と村に引っ越してきた。甥っ子が役場に勤めている菊池くんの情報によると、タロちゃんは渡辺くんと遠い親戚で、お山のふもとの本校校長とも姻戚。父親はトーキョーに住んでおり、月に1度、お山のふもとの町までタロちゃんに会いにくる。 跳び箱が苦手。
佐藤 ハナ (さとう はな)
『2組のお友達。』の登場人物。お山の分校に通う、本物の小学生。1年生。渡辺くんの親戚の隣家の子。2年生になったとき、自分にも子分となる1年生が欲しいとだだをこね、タロちゃん以外の生徒が持ち回りで1年生役をやることになった。かけっこや跳び箱は得意だが、逆上がりが苦手。家の都合で転校することになってしまう。
大石 久子 (おおいし ひさこ)
『2組のお友達。』の登場人物。お山の分校に赴任した新任の先生。黒板消しが仕掛けられていると知って教室に入り、頭上に黒板消しが乗ったまま、自己紹介を始めた。大石家のヨメ歴2年、結婚1年で夫がエチオピアにサルの研究で赴任。その後、姑と折り合いが悪く、婚家から逃亡した。8歳のとき、クラスで一番最初に跳び箱8段を飛び、クイーン・オブ・跳び箱と呼ばれていた。
菊池くん (きくちくん)
『2組のお友達。』の登場人物。78歳。お山の分校に新米教師が来ると知り、初日出勤日に新任の先生といえば「黒板消し」が基本と主張、「黒板消し落とし」を企てる。人生で一度もしたことがないのが級長とスカートめくり。何とか一度はやりたいと思っている。
林さん (はやしさん)
『2組のお友達。』の登場人物。昭和元年生まれの71歳。明るい性格。井上さんと長谷川くんをくっつけようと、井上さんにアドバイスをよくしている。スガモのナウな高齢者は髪の色が紫だとタロちゃんに言われ、お山のふもとの美容院で紫色に染めたが、大石先生にきつく注意される。これ以降、眉を剃る、校内でタバコを吸うなど、荒れていく。
五十嵐くん (いがらしくん)
『2組のお友達。』の登場人物。76歳。黒板消し落としの犯人は菊池くんだと大石先生に告げ口した。耳の穴から毛がはえており、タロちゃんから恐れられている。
渡辺くん (わたなべくん)
『2組のお友達。』の登場人物。1900年(19世紀)生まれの97歳。物知り。お山の分校で長い間、級長を務めていたが、お山分校の乱の後、その座をタロちゃんに譲る。タロちゃんから尊敬されている。おでこに大きなほくろがあり、1999年7月に押す大王呼び鈴のボタンだと説明する。
阿部さん (あべさん)
『2組のお友達。』の登場人物。ここ1、2年、学校を休みがち。本物の小学生の分別のない物言いが苦手。82歳だが、50メートルを8秒台で走る。
井上さん (いのうえさん)
『2組のお友達。』の登場人物。子どもが4人、長男は早くに亡くしたものの、孫が8人。20年以上前に夫と死別。次男夫婦と同居中。長谷川くんから、長男の嫁に買う誕生日プレゼントの相談をこの数カ月間に約50回くらい受けていることを悩み中。長谷川くんに恋をしているがアタックできない内気な性格。大正生まれの74歳。
長谷川くん (はせがわくん)
『2組のお友達。』の登場人物。子どもが6人、孫が10人いる生徒。妻とは10年前に死別。長男夫婦と同居中。若く見えるが明治生まれ。自分に気があると知ってか知らずか、井上さんを図書室に呼び出すが、話題はいつも長男の嫁に買う誕生日プレゼントの相談。
ゲラダヒヒ
『2組のお友達。』に登場するオナガザル科のサル。大石先生の夫がエチオピアに赴任しているのは、ゲラダヒヒの研究のため。お山の分校でタロちゃん以外の生徒は、ゲラダヒヒを外国人の女性の名前だと思っていた。
場所
お山の分校 (おやまのぶんこう)
『2組のお友達。』の舞台。3つのトンネルをくぐって2つに分かれ道のあるおかしなトンネルをぬけたところにある分校。本校は、お山のふもとにある。本物の小学生はたった2人で、残りの生徒は全員高齢者。分校のある村は、最寄りのお店まで歩いて往復40分。バスは1時間半に1本。
イベント・出来事
お山分校の乱 (おやまぶんこうのらん)
『2組のお友達。』の事件。タロちゃんが入学してくることを知った、お山の分校の生徒たちが、次年度の級長就任を辞退した渡辺くんの替わりに、誰が級長になるかでもめた事件。長い人生で一度も級長になったことがなかった菊池くん派と、渡辺くんの遠い親戚で、お山のふもとの本校校長の姻戚でもあるタロちゃん推進派との間で勃発した。 人数の差で、5月には菊池くん派が優勢だったが、井上さん、林さんの寝返り、長谷川くんの日和見により、タロちゃん推進派が優勢となり、翌年春に収束した。
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