ABARA

ABARA

荒廃した未来世界で、人を襲う異形の生物・白奇居子(シロガウナ)と人類の死闘を描いたSF。「ウルトラジャンプ」2005年6月号から2006年4月号にかけて連載された作品。コミックスは上下巻からなり、下巻には「ウルトラジャンプ」2005年1月号と2月号に掲載された、本編『アバラ』と似た世界観を持つ短編作品『DIGIMOTAL』が、雑誌掲載時のままのカラーピンナップ付きで収録されている。

正式名称
ABARA
ふりがな
あばら
作者
ジャンル
その他SF・ファンタジー
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概要・あらすじ

恒差廟と呼ばれる大きな建造物がわずかに残っている未来世界。それらはあまりに古くから在ったため、人々はもはや作られたものと捉えておらず地形の一部だと認識していた。人口は減り、街は寂れて人の気配はなく、そんな時代に人が「白奇居子」と呼ばれる異形の怪物に変化し、周囲の人を殺戮、捕食し始める。白奇居子はヒトの目では捉えられない速さで人を襲い、事件の解決・治安維持を司る刑兵部省の部隊では歯が立たない。

刑兵部省の上位組織で、対「白奇居子」の秘密兵器・黒奇居子を有する検眼寮に属するタドホミは1人の青年を訪ねて協力を要請する。その青年は「主油養殖」で「伊東電次」と名を変えて勤務する、黒奇居子化できる力を備えた駆動電次だった。

その直後、駆動は社名入りのエプロン姿で、白奇居子の死骸のかたわらに変身の名残を残した状態で横たわっているところを発見される。刑兵部省の捜査官・先島は、上司からこの事件の犯人は駆動として処理し関わらないように強要されたが、独自に白奇居子の事件を調べ始める。やがて先島ら刑兵部省の職員たちは古代の企業である「第四紀連」の社典異相の書にたどり着く。

そこには第四紀連の実在した時代に「がうな」と呼ばれる人の目には見えない正体不明の化けものが現れていたこと、それは人を喰って大きくなり、最終的に恒差廟を食べることが記されていた。

登場人物・キャラクター

駆動 電次 (くどう でんじ)

「主油養殖」で半年前から働いている、若い男性。年齢不詳、住所不定で養殖場では「伊東電次」と名乗っていた。家を訪ねて来るものもおらず、孤独ながら平穏な日々を過ごしていたある日、特殊な兵器を有する検眼寮に所属するタドホミに、白奇居子に対応するための協力を要請される。実は黒奇居子に変身することが可能で、白奇居子に対抗できる力を有している。

タドホミ

「主油養殖」で働く駆動電次のもとを訪ねて来た若い女性。謎の多い武装組織・刑兵部省より上位の組織・検眼寮の最高責任者である人物の娘である。白奇居子に対応するため、黒奇居子に変身できる電次に協力を要請する。

先島 (さきじま)

警察のような治安維持を目的とした組織・刑兵部省に属する、目つきの鋭い男性。自身の仕事に誇りを持っており、上司から事件の捜査を中断するよう求められた際にそれに従わず、独自の捜査を続けた。また、親しい上司の遺体を目前で検眼寮の職員に手荒く扱われたことで、上部組織の検眼寮に所属する男の腕をもぎ取るほど、仲間想いの熱い心の持ち主。

検眼寮の指導者の男 (けげんりょうのしどうしゃのおとこ)

黒ずくめの服装をした長身の男性。目が小さく、表情の乏しい顔をしている。同じ検眼寮の職員である検眼使のタドホミとは、奇居子(がうな)の扱いをめぐる意見の相違から対立関係にある。職務に対しての姿勢は非情で、黒奇居子に変身できる存在の那由多と、彼女と同調することのできる彼女の姉・阿由多を道具のように扱う。

那由多 (なゆた)

黒奇居子に変身する若い女性で、身一つで武装した人間数十人以上を容易く殺傷できる戦闘力を持つ。検眼寮に所属し、検眼寮の指導者の男の命令下にある。姉の阿由多と精神的及び肉体的に同調しており、姉を介して発せられる「検眼寮の指導者の男」の指示に強制的に従わされている。頸椎を破壊することで強引に黒奇居子化を解く機械を埋め込まれており、姉の指示が通らない時は「検眼寮の指導者の男」の独断で機能停止に追い込まれる。 同じく黒奇居子に変身する駆動電次と、少女の頃にともに検眼寮で過ごしていたことがある。

阿由多 (あゆた)

車椅子の若い女性。駆動電次や妹の那由多、タドホミとはかつて少女期に検眼寮でともに過ごしていたことがある。妹と精神的及び肉体的に同調しており、検眼寮の中で通信機のような役割を担わされている。妹が身体に受けた傷をそのまま受けるほどに同調しており、精神的肉体的な負担は彼女を蝕んでいる。

心希 (しげ)

駆動電次が働いている「主油養殖」を経営する人物の娘。肩まで届く位の長さの黒髪をした、若い女性。電次を気にかけており、彼が大量殺人犯だとの報道を聞いた後でも、負傷した電次を匿い、会話を交わしている。

第四紀連の骸骨社員 (だいよんきれんのがいこつしゃいん)

骸骨の頭部を持ち、身体つきは成人男性そのもの。トレンチコートを着込んだ生物で、男性口調で話す。現在は3人しか残っていない、約600年前に滅んだ企業「第四紀連」の社員。他の社員と3人で、人類の滅亡阻止のために身を賭して活動している。

第四紀連の鳥骨社員 (だいよんきれんのとりほねしゃいん)

鳥の化石のような見た目の、鳩くらいの大きさの生物。普通に人と会話を交わすことができる。現在は3人しか残っていない、約600年前に滅んだ企業「第四紀連」の社員。他の社員と3人で、人類の滅亡阻止のために身を賭して白奇居子の人に対する攻撃を阻止するための活動をしている。

第四紀連の筒形社員 (だいよんきれんのつつがたしゃいん)

手のひらサイズの筒にひょろ長い手足の付いた生物。普通に人と会話を交わすことができる。現在は3人しか残っていない、約600年前に滅んだ企業「第四紀連」の社員。他の社員と3人で、人類の滅亡阻止のために身を賭して白奇居子と戦っている。

集団・組織

検眼寮 (けげんりょう)

業務内容は非公開になっている組織。かつて駆動電次が所属していた。今はタドホミと那由多と阿由多が所属している。検眼寮の建物には入口は存在しておらず、関係者以外の立ち入りを固く禁じており、他者が踏みこんだ際はその相手に対し即殺権を行使できる。建物内には頭から足までを覆う黒ずくめの姿をした研究や後方支援に携わる者や、武装した集団がいる。

刑兵部省 (けいひょうぶしょう)

現代の警察のような組織。銃火器などの兵装をまとった部隊と、先島のような事件の捜査に携わる集団がある。拠点は簡素で備品なども少なく、検眼寮の職員であるタドホミを尋問した部屋に隣接した室内にはファックスのような機械が1つと椅子と机しか備わっていない。

場所

恒差廟 (ごうさびょう)

600年以上も前に建造された建物。3万人は収容できるほど大きい。かつては何百基も存在していた。白奇居子が人を喰らって成長すると、この建物すら食べてしまうと異相の書に記されている。

主油養殖 (あぶらのようしょく)

食品加工製造業の会社。賄いの食事はスープと固形食一掴み程度と質素。大きな油を張った槽が社内にある。事業規模は小規模で、従業員は「伊東電次」と名乗って働いていた駆動電次を含めて数人だけ。

その他キーワード

白奇居子 (しろがうな)

鎧のように骨が体表を覆う、白くごつごつした生物。ビルを凌ぐほどの長さの大蛇のような形状にまで成長する個体もある。一般人が白奇居子化して人を襲う事例は連鎖する場合があり、白奇居子が育つとそれらに恒差廟が食われて消失してしまう。約600年前に記された異相の書に記された呼称では「がうな」とされる存在にあたる。

黒奇居子 (くろがうな)

背骨を軸に左右にアバラが伸び出て身体を覆う黒い骸骨のような姿に変身して、白奇居子と互角に戦うことのできる存在。約600年前に記された異相の書では「がうな」と呼ばれる白奇居子を模して造られた。駆動電次と那由多が黒奇居子に変身できる。

異相の書 (いそうのしょ)

古代に実在した企業「第四紀連」の社典。「黒い服がなぜ魔除けになると信じられているか」などの記載内容とともに、当時よく現れていた「がうな」という、人の目に映らない正体不明の生物について書かれている。がうなは人を食べて大きくなり、最終的に恒差廟を食べると異相の書には記されていた。初めに人を食べる白い「がうな」が現れ、それと対等に戦うためにその生き物を模して黒い「がうな」が作られたとされ、最終的に「がうな」を倒したのは「がうな」の模造品であったとも記されている。

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