BLUE GIANT MOMENTUM

BLUE GIANT MOMENTUM

『BLUE GIANT』『BLUE GIANT SUPREME』『BLUE GIANT EXPLORER』に続くシリーズ第4作。舞台はアメリカのニューヨーク。カルテットとして歩み始めた宮本大(ダイ)たちは、世界のジャズの中心地にたどり着く。仙台、東京、ヨーロッパ、アメリカ各地を旅し続けてきたダイの、新たな挑戦を描いたジャズストーリー。小学館「ビッグコミック」2023年第15号より連載。

正式名称
BLUE GIANT MOMENTUM
ふりがな
ぶるー じゃいあんと もめんたむ
作者
ジャンル
ヒューマンドラマ
 
ジャズ
レーベル
ビッグ コミックス(小学館)
巻数
既刊2巻
関連商品
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漫画家と原作者の二人三脚で生まれたシリーズ

本作の原作者(story)は、シリーズ連載開始前から石塚真一の担当編集者だったNUMBER 8。シリーズ2作目『BLUE GIANT SUPREME』の途中から、story director(脚本)としてクレジットされていたが、本作から改めて原作者となった。また、NUMBER 8は、劇場アニメ『BLUE GIANT』(2023年2月17日公開)の脚本を担当したほか、沢辺雪祈を主人公にしたスピンオフ小説『ピアノマン : BLUE GIANT雪祈の物語』(小説執筆名:南波永人)も執筆している。映画化の際、石塚の唯一の条件は、一番『BLUE GIANT』のことがわかっているNUMBER 8の起用だったという。漫画家と担当編集者(原作者)が、二人三脚で世に送り出したのが本シリーズである。

前作で結成したカルテットの成長を描く

前作『BLUE GIANT EXPLORER』で、単身アメリカに乗り込んだ宮本大(ダイ)は、いろいろな土地を回り、さまざまな人と出会う。そして、メキシコで出会ったピアニストのアントニオ・ソト、ヒューストン育ちのドラマーのゾッド、天才ベーシストのジョー・ハーディングとカルテットを結成する。アントニオの参加で「スピード感」がつき、ゾッドが来てさらに「勢い」を増したと感じたダイは、「勢いや推進力」という意味を持つ「Momentum」を入れ、バンド名を「Dai Miyamoto Momentum」と名付けた。本作では、ダイのライバルとなる超絶天才トランペッター、カーメロ・キャノンも登場。バンドメンバーやライバルたちがしのぎを削り、成長する姿が描かれる。

ニューヨークのジャズマンたちのリアル

ニューヨークに乗り込んだ「Dai Miyamoto Momentum」は、ジャズの中心地での勝負に心を燃やすが、目下の問題は、資金がいつまで続くかというリアルなものだった。ダイはリーダーとして、メンバーの面倒を見なければいけない。ダイの資金は3000ドルであり、物価高のニューヨークでは、いかにも心もとない。ダイは車を売り、なんとか安アパートを確保する。そして、劣悪な環境のライブ会場から、ニューヨークでの音楽活動をスタートさせた。それ以降、ダイはもちろん、メンバーたちもアルバイトをしながら少しずつ前進し、ビッグチャンスをつかもうとする。本作は魔窟・ニューヨークの最底辺から登りつめようとするジャズマンたちのリアルな姿を描く。

登場人物・キャラクター

宮本 大 (みやもと だい)

宮城県仙台市出身の青年。ポジティブで真っすぐな性格。ジャズに魅了され、テナーサックスを始める。世界一のジャズプレイヤーになるため、東京、ヨーロッパ、アメリカを渡り歩き、ジャズの中心地・ニューヨークにたどり着く。日々の練習で培われた、圧倒的な爆音と高い音圧を武器に、人々を魅了していく。3人のメンバーを仲間にし、「Dai Miyamoto Momentum」を結成。リーダーとして彼らを引っ張っていく。

アントニオ・ソト

「Dai Miyamoto Momentum」のピアニスト。21歳の青年。メキシコのハズクラブで宮本大(ダイ)と出会う。明るいラテン系で、初対面時は、ダイのプレイをシリアス過ぎると批評していた。7歳の頃からジャズバーに出入りし、多くのプレイヤーからピアノを学んだ。スピード感あふれる超絶テクニックの持ち主。

ゾッド

「Dai Miyamoto Momentum」のドラマー。ヒューストン育ちの大柄な黒人男性。ニューヨークの音大出身で、ジャズで生きていこうとしていたが、母親が倒れたために帰郷。以後、ポーカーで生計を立てていたが、宮本大、アントニオ・ソトとの出会いで「Dai Miyamoto Momentum」のメンバーになる。プロ活動歴があり、顔が広い。

ジョー・ハーディング

「Dai Miyamoto Momentum」のベーシスト。マイアミ出身で、ゾッドの紹介でメンバーになった。重度のアルコール依存症だが、宮本大に、「勝てない」と思わせるほどの天才。

カーメロ・キャノン

ジャズ業界全体が注目する、新進気鋭のトランペッター。クイーンズ出身の黒人男性で、宮本大(ダイ)の一つ年上。名門・ジュリアード音楽院を卒業している。ダイたちの演奏を聞いた後、自分のほうが強いと挑発してくる。通称は「C・C」。

クレジット

その他

NUMBER8

前作

BLUE GIANT (ぶるーじゃいあんと)

のちにシリーズ化される『BLUE GIANT』シリーズ第1作。中学生時代にジャズに出会った少年・宮本大が、さまざまな人との出会いを経て、ジャズプレイヤーとして、人として成長していく様子を描く。小学館「... 関連ページ:BLUE GIANT

BLUE GIANT SUPREME (ぶるーじゃいあんとしゅーぷりーむ)

前作『BLUE GIANT』から直接続くシリーズ第2作。単身ヨーロッパへと渡った宮本大のドイツ・ミュンヘンでの新たな挑戦を描く。小学館「ビッグコミック」2016年18号から2020年9号まで連載。 関連ページ:BLUE GIANT SUPREME

BLUE GIANT EXPLORER (ぶるーじゃいあんとえくすぷろーらー)

『BLUE GIANT』『BLUE GIANT SUPREME』に続くシリーズ第3作。ヨーロッパから一時帰国した宮本大は、テナーサックスだけを手に、ジャズの本場であるアメリカへと旅立つ。西海岸のシアト... 関連ページ:BLUE GIANT EXPLORER

書誌情報

BLUE GIANT MOMENTUM 2巻 小学館〈ビッグ コミックス〉

第1巻

(2024-02-29発行、 978-4098627509)

第2巻

(2024-06-28発行、 978-4098630134)

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