HEAVY METAL甲子園

HEAVY METAL甲子園

甲子園を目指す野球部のエースが、死んだ父親の2億円という借金を返済するために、受け継いだヘビメタカフェ再建に向けて奔走する姿を描いた熱血コメディ。みやすのんきの描く可愛い&セクシーな女の子とお色気シーンも魅力。「週刊少年サンデー」1990年46号から1991年34号まで連載された。

正式名称
HEAVY METAL甲子園
ふりがな
へびめたこうしえん
作者
ジャンル
バンド
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概要・あらすじ

甲子園を目指す野球部のエース滝口アキオは、ピッチャーとしてチームを引っ張り、県大会決勝まで勝ち進む。しかし、かつて自分と母を捨てた父の滝口幸之助が病死したため、2億円という借金を背負ってしまう。残されたのは「ヘビィメタルカフェ」というライブハウスと、親父の後妻というアキオと同世代の可愛い女の子中園まゆみだけ。

まゆみに無理やり超合金ヘビメタスーツを着用させられ、ヘビメタ男となったアキオは野球部を辞め、ヘビィメタルカフェ2代目店長として借金返済のために動き出す。ひょんなことからライバル店である「バニーズハウス」と店の存続を賭けたバンド勝負をすることになったアキオは、かつてヘビィメタルカフェで活動していた伝説のヘビメタバンド「カレラ」を再結成させるため、まゆみとともにカレラの元メンバーを探すことになる。

登場人物・キャラクター

滝口 アキオ (たきぐち あきお)

去年創設された高校、ユニヴァーサル学園の1年生。甲子園を目指し、野球部のエースとして活躍する。県大会の決勝まで進むものの、病死した父親の滝口幸之助から借金まみれの「ヘビィメタルカフェ」というライブハウスを無理やり継がされる。二代目店長として借金返済のために中園まゆみと奮闘する。まゆみは父親の後妻にあたるが、歳が同じこともあり、惹かれている。

滝口 幸之助 (たきぐち こうのすけ)

滝口アキオの父親。髪を逆立て、顔にメイクを施したハードロック好きなオッサン。「ヘビィメタルカフェ」というライブハウスを経営しており、店の改装費や組合を運営するために使った2億円の借金を息子に残し、病死する。

滝口アキオの母 (たきぐちあきおのはは)

滝口幸之助の妻で、滝口アキオの母親。アキオにとっては美人で優しい自慢の母親だったが、幸之助に捨てられ、のちに他界した。

中園 まゆみ (なかぞの まゆみ)

滝口幸之助の新しい妻で、「ヘビィメタルカフェ」の副店長を務める女性。16歳。セクシーなボンデージファッションで、金髪のショートカット。ヘビィメタルカフェ再建のため、無理やり店を継がされた滝口アキオをサポートする。

ゲンさん

ヘビィメタルカフェのマスター。ベストに蝶タイという正装だが、ドレッドヘアを後ろで結び、ゴリラっぽい顔の大柄な男性。ヘビィメタルカフェの再建を願う1人。

常松 (つねまつ)

ユニヴァーサル学園の野球部で滝口アキオとバッテリーを組む青年。ポジションは捕手。太い眉にもみあげという高校生には見えない老けた容姿で、体も大きい。「鬼のツネ松」と恐れられる総番だったが、アキオからキャッチャーとして見込まれる。アキオの投げる球の力強さに納得し、番長連合を解散して野球部に入部した。野球部を去ったアキオを恨み、のちにアキオの前に立ちふさがる。

ドン萩原 (どんはぎわら)

「日本音楽界の帝王」と呼ばれる中年の男性。サングラスに太い眉の恰幅のいい人物で、頭は禿げあがり、後頭部の髪を伸ばしている。常に厳しい目でロックに接し、日本の音楽界に君臨することから「ロックン仙人」とも呼ばれる。滝口幸之助とは大の親友だった。

洋二 (ようじ)

伝説のヘビメタバンド「カレラ」のドラマーの男性。かつてヘビィメタルカフェでライブ演奏をしていた。バンド解散後はさまざまな職を転々とし、現在は焼き鳥屋「鳥将(とりしょう)」の焼き鳥職人として働いている。

しのぶ

洋二の恋人の女性。幼児向けテレビ番組のお姉さんをしていた時に洋二と出会った。交際していたが、しのぶをSMクラブに売り渡してトンズラした洋二のことを恨んでいる。のちに和解して一緒に暮らし、洋二とはラブラブの関係。

吉住 マサオ (よしずみ まさお)

伝説のヘビメタバンド「カレラ」のベーシストの男性。かつてヘビィメタルカフェでライブ演奏をしていた。強烈に弦を叩くチョッパープレイで観客を魅了し、「ブラックホール亜空間チョッパー」と呼ばれたその技は、あまりにも指の動きが速いため、指と弦の間が真空になって雷光を轟かせたという。バンド解散後は、5人の子供と妻を養うため、ユニヴァーサル学園の野球部監督を務める。

ビビリー・シーン (びびりーしーん)

世界的に有名なベーシストの男性。3年前、デブリー・ローズ・バンドの一員として来日公演をした。その際、吉住マサオのプレイを見て「私は負けた」と一言残し、スキヤキをヤケ食いして街に消えていったという伝説がある。現在は「Mr.ピッグ」というバンドのメンバーで、世界一のベーシストとして日本武道館でのライブを終えたばかり。 富も名声も手に入れたが、3年前の屈辱が忘れられず、マサオにベース勝負を挑む。実在するミュージシャンのビリー・シーンがモデルと思われる。

ケイスケ

伝説のヘビメタバンド「カレラ」のボーカリストの男性。かつてヘビィメタルカフェでライブ演奏をしていた。カレラの解散後は、ビッグスターになると言って東京へ行ったきり。カレラ再結成のため、滝口アキオと中園まゆみが所属事務所を訪ねると、バカ殿のようなメイクで「涙の屋形船音頭」を歌う演歌歌手「五島圭介」となっていた。

エリ

「レッドファイアー」というバンドでボーカルを担当する女の子。滝口アキオが東京のライブハウスで観た。可愛い女学生ながらパンチのあるボーカルが魅力。活発で、ライブ中にヤジを飛ばした観客に飛び蹴りを食らわすほど。そんなことから周辺のライブハウスはすべて出入り禁止になっている。自分を振った男がリーダーを務める暴走族を一夜で壊滅させたとか、校則が気に食わないからと学校に爆弾を仕掛けて爆発させた、などという噂があり、「クラッシャー・エリ」という異名を持つ。 気に入ったアキオを誘惑するが、中園まゆみに邪魔され、まゆみに強い対抗心を持つ。

小沢 秀樹 (おざわ ひでき)

伝説のヘビメタバンド「カレラ」のメンバーでキーボード担当の男性。かつてヘビィメタルカフェでライブ演奏をしていた。現在28歳。クラシック界での将来を嘱望された若手ピアニストでもあった。酒もタバコもやらない男だったが、カレラの解散後、麻薬不法所持で捕まり、尾山刑務所に服役。脱走して、ヘビィメタルカフェに現れる。

捨伊部 梅次 (すていぶ ばいじ)

伝説のヘビメタバンド「カレラ」のギタリストの男性。かつてヘビィメタルカフェでライブ演奏をしていた。2年前、理事長とイエローパンサーがヘビィメタルカフェ潰しの黒幕である証拠をつかんだため追われることとなり、逃亡中にマンションのベランダから電柱に飛び降りたことで感電爆死した。外見は実在するミュージシャンのスティーブ・ヴァイがモデルと思われる。

理事長 (りじちょう)

滝口アキオが通っていたユニヴァーサル学園の理事長。チリチリの髪を逆立てた強欲そうな中年男性。ユニヴァーサル興業も経営しており、周辺地域の地上げを行っている。地上げへの反対運動の先頭に立っていたヘビィメタルカフェが邪魔なため、イエローパンサーを利用して潰した。警察を動かして悪事を塗りつぶせるほどの権力を持っている。

集団・組織

デスガイム

ヘビィメタルカフェのライバル店、バニーズハウスに所属する人気ロックバンド。メンバーは、フォルテシモのヒデト、ドリル丈(じょう)、ボルネオの辰(たつ)の3人。ここに新ボーカリストとしてエリが加入した。

イエローパンサー

モヒカンヘアや過激なファッションのロックバンド。デビューアルバム「地獄からの接吻」はオリコントップとなり、東京ドームでのライブも控えているという、飛ぶ鳥を落とす勢いの人気。2年前、伝説のヘビメタバンド「カレラ」には敵わないと感じ、理事長の目論むヘビィメタルカフェ潰しに協力した過去を持つ。

その他キーワード

超合金ヘビメタスーツ (ちょうごうきんへびめたすーつ)

中園まゆみが滝口アキオに無理やり着せた衣装。ビョウの付いた肩パッド、プロテクター、リストバンド、恐竜の顔を模したロングブーツ、「ヘビィメタルカフェ」を意味すると思われる「HMC」の文字が入ったベルト、というヘビメタコスチューム。股間に鍵穴があり、そこにまゆみがイヤリングにしているイヤリングキーを差し込まないと脱ぐことができない。 このコスチュームの鍵穴以外の部分がイヤリングキーに触れると、コスチュームに高圧電流が流れる仕組みになっており、アキオがイヤリングキーを強引に奪えないようになっている。

東京ドーム養成ギプス (とうきょうどーむようせいぎぷす)

ギタリストを養成するためのギプス。滝口幸之助がまだ幼い滝口アキオに着せていた。『巨人の星』に登場した「大リーグボール養成ギプス」と同じように上半身に着用し、胸部分、型、肘、手首にスプリングがついている。幸之助が渋谷の東急ハンズに出向いて開発したという。ギターを弾くための役には立たなかったが、上半身の筋肉は鍛えられ、結果的に野球選手としては「東京ドーム養成ギプス」の名の通りの効果があった。

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