概要・あらすじ
テレビ局のディレクター暮海猛夫の婚約中の恋人広瀬未來は、謎の男ふたりに犯され、そのショックで自殺してしまう。死んだ恋人の残した写真には、副総理・小倉武夫が歌手・草川マキを麻薬漬けにしている姿が写っていた。真相を知った暮海は、小倉の属する巨大な組織から命を狙われる。度重なる殺し屋の追跡を振り切り、暮海は復讐の計画を立て、日本からアメリカへ行く。
復讐のために人を殺していく瞬間を、ハリウッドで映画にするためだった。巨大組織の命令により、暮海の命を狙って、DIAが執拗に追いかけてくるのだった。
登場人物・キャラクター
暮海 猛夫 (くれみ たけお)
国際テレビ放送のディレクター。恋人で婚約中の広瀬未來が暴行され自殺したことから、その背後には小倉武夫と巨大な組織があることに気付く。巨大な組織に狙われるが、復讐の決意をした暮海は、数々の女性の力を借りて、アメリカに渡るのだった。自分の復讐殺人を映画にするためにハリウッドの大物プロデューサー、A・ギラムに会うも殺されてしまう。 A・ギラムの最期の言葉から、ハリウッドからラスベガスへと向かうのだった。行く先々で会う女たちが、暮海に惚れて自分の命を投げ出しかばい、何度も生き延びてきている。
広瀬 未來 (ひろせ みき)
草川マキの追いかけ取材をしていた最中、副総理の小倉武夫が歌手の草川マキを麻薬漬けにしている姿を撮影したため、謎のふたり組に暴行を受ける。そのショックで、マンションから飛び降り自殺。写真は鏡の裏側に2枚隠していた。
小倉 武夫 (おぐら たけお)
第二次中田内閣の副総理兼国務大臣行管庁長官。その後、三村内閣では通産大臣となる。日本を影から操っている。暮海の復讐の最終標的。
根呂 玄介 (ねろ げんすけ)
日本最大の兵器産業である羽島重機工業グループ総帥であり、影の組織を操っている。その組織の末端は芸能界や暴力団にも及んでいる。暮海の復讐の最終標的。
草川 マキ (くさかわ まき)
人気歌手。スカウトされ、その後、小倉武夫に麻薬漬けにされ、操り人形となる。暮海のいる病院へ入院し、命を狙うが失敗。暮海を助けるため、追いかけてきた殺し屋と闘い、ナイフで刺される。暮海に、小倉武夫を葬れるのは暮海かもしれないと思い助けた。 暮海には、自分の姉を訪ねろと言って絶命。
アンクル・トド
影の実力者。あるゆる階層、職種、人種を問わず、強い影響力を持つ。特に映画関係者には強い。暮海は、ウーマンリブのデモを止めるという条件をクリアしたため、A・ギラムへのシルクハットの紋章入り招待状を渡す。その後、DIAにより殺される。
A・ギラム
ハリウッドの大物映画プロデューサー。アンクル・トドの招待状を持つ暮海に復讐殺人の決定的瞬間を映画に撮影しないかと言われる。その過去を聞くうちに、自分の息子のようにさえ思うようになった。暮海をかばって銃弾で死亡。
ザ・フー (ざふー)
指名手配で追われている暮海はA・ギラムとの食事の場所へ向かうため、ザ・フーのメンバーとともに行くことによって沢山のファンも動くため、煙幕代わりにする。実在のバンド、「ザ・フー」をモデルとしている。
サイキック
カウボーイハットにサングラス姿の冷酷な殺人者。DIAの指令を請け、執拗に暮海を追いかける。蹂躙して殺すことに快楽を覚える異常者。暮海に左目をつぶされ、義眼となる。暮海との一騎打ちを行う。
スタンパーズ
サイキックと組んで暮海を追うDIAの殺し屋。股間に隠した銃で暮海を狙うも、A・ギラムに阻止され、殺される。
トニー・オルフ
「そわそわ虫」と呼ばれる男娼。グリフィスパーク天文台下の斜面で暮海と出会い、ロスアンジェルスへの脱出方法を教える。逃げる暮海をかばって射殺される。
ドゥリィー
「ホットタブのドゥリィー」と呼ばれる。暮海がハリウッド中の非常線を突破して逃げる手伝いをする。
ブラック・ローズ
黒い肌にいくつもの白いバラの刺青を入れた女。体操のオリンピック選手で、メダリストだったが、DIAの殺し屋にされていた。
ガストン・ブリューワー
ラスベガスのテーラーだが、シシリアン・マフィァで、「ローズタトゥのガストン」と呼ばれていた。娘のアマンダが惚れた暮海を助けるために、敵を巻き込んで自爆し死亡。
アマンダ・ブリューワー
ガストンの孫娘。
ドロシィ
ラスベガスにあるシーザース・パレスホテルのポーカーのディーラー。「スネイク・ドロシィ」と呼ばれる。ポーカーも絵画も超一流の腕。A・ギラムの実の娘。突入したサイキックに撃たれる。
集団・組織
DIA
『I・餓男 アイウエオボーイ』の組織。アメリカ国防総省に作られた『DEFENCE INTELLIGENCE AGENCY』の略称。アメリカ国防情報局がモデル。国防総省本庁の建物が五角形をしていることからペンタゴンと呼ばれている。、また、建てられているポトマック湖畔は濃霧が多いため、「フォギィ・ボトム」(霧の底)とも呼ばれる。
クレジット
- 原作