概要・あらすじ
ヒロイン神崎直は、ライアーゲームに無理矢理参加させられてしまう。一回戦は1対1でそれぞれLGT事務局から提供された1億円を奪い合うゲームだったが、バカ正直な直は、相手を簡単に信用して、すぐに1億円を奪い取られ、稀代の詐欺師秋山深一に助けを求める。秋山は心理戦を駆使して2億円を奪取することに成功するが、負債を作ってしまった二人はさらに過酷な二回戦に自動的に参加させられる。
ゲームに勝っても負けても負債を解消できれば離脱できるが、負債を残したまま勝ち進むこともできる。勝負とマネーゲームが同時進行する巧妙なゲームシステムの中で直は全プレイヤーの救済を目指し、秋山は最終勝者となってLGT事務局を打倒し、ゲームの真意を探ろうとする。
しかし二人の前には、冷酷で秋山に匹敵する心理戦の達人横谷が立ちふさがる。
登場人物・キャラクター
秋山 深一 (あきやま しんいち)
母親を自殺に追い込んだ巨大マルチ商法を壊滅させた天才詐欺師。元服役囚。神崎直に依頼されてライアーゲームに参加することになる。極めて理知的で勝ち負けと収支を切り分けて考えることができる。二回戦では同盟戦術を駆使して一人勝ちし、同盟参加者全員に賞金を分配し、三回戦に駒を進める。 三回戦では敗退しながらも同じチームのメンバーをゲームから抜けさせることに成功。敗者復活戦を勝ち抜いて四回戦出場権を得る。本選では敗退するが、横谷も敗退させ、しかも収益を得る。一度はゲームから離脱するが、敗者復活戦に代理参戦。決勝戦では「倭」チームに所属。最初は直を足手まといだと感じていたが徐々に直のバカ正直さがライアーゲームでは武器となることを知る。 LGT事務局を打倒し、ゲームの目的を知ることがライアーゲームに参加するモチベーションとなっている。名前のモチーフは騎手の秋山真一郎と思われる。
神崎 直 (かんざき なお)
バカ正直で、LIAR GAME開始早々、元担任教師の藤沢和雄に1億円をだまし取られ、天才詐欺師の秋山深一を頼る。お人好しで、誠実で、行動力があり、利他主義を原動力としている。この特質が、一番の嘘つき王を決めるライアーゲームでは大きな力となって作用する。 また「カンザキは裏切らない」という信頼感が徐々に浸透していく。ライアーゲームが、嘘つきの王様を決めるゲームではなく、信頼と協力によって犠牲ゼロで勝ち進むゲームだと考えるようになる。最終的に決勝戦に進むが横谷と同じ「魏」チームに入って秋山と戦うハメになった。
横谷 憲彦 (よこや のりひこ)
三回戦の密輸ゲームで神埼直、秋山深一と敗者復活組の「南の国」の対戦相手である「北の国」のリーダーとして登場。大企業グループ総帥の息子で、父親から人を支配することを叩き込まれている。ゲームでも巧妙にアメとムチを使って他の参加者を支配する。四回戦では、最終勝者を目前にして秋山の奇手に敗退。 ライアーゲームの秘密に肉薄し、敗者復活戦のゲームが「入札ポーカー」であることを見抜き、一気に人心を掌握する。決勝戦では「魏」チームに所属。秋山と直の分断に成功する。直の愚直な善人ぶりと対極的な冷酷な利己主義者で3人目の主人公と言えるほどの存在感をもつ悪役である。 名前のモチーフは騎手の横山典弘と思われる。
フクナガ ユウジ
2回戦で神崎直たちと同盟を結ぶ。ルームメイトミヤハラヒトミの名前で代理出場。女装のニューハーフだが、男姿でタカダミチコを騙してドロップアウト用の1億円を詐取した。空手五段。秋山深一の同盟戦術を逆手に取り、21億円独り占めを企むが、秋山の知謀に敗退し、敗者復活戦に挑む。 三回戦では秋山の作戦通り、勝負に負けて、マネーゲームに勝つが、四回戦で横谷を倒すため、秋山と直と共に敗者復活戦に参加。四回戦敗北後、敗者復活戦に進むが、自ら犠牲となって、直の意志に共鳴するカネコを決勝戦に送り込む。名前のモチーフは騎手の福永祐一と思われる。
藤沢 和雄 (ふじさわ かずお)
神崎直の中学2年の時の担任。LIAR GAME開始早々、直から1億円をだまし取る。修学旅行の担当をしていた時にキックバックを受け取っていたことがバレで懲戒免職になっている。名前のモチーフは調教師の藤沢和雄と思われる。
谷村 光男 (たにむら みつお)
弁護士として神崎直の相談に乗るが、実はLIAR GAME事務局の人間。
マツバラ フミオ
鉄工所経営。1回戦で得た2000万円を借金返済に充てたため2回戦出場を余儀なくされた。2回戦では神崎直たちの同盟に参加し、ドロップアウトに成功。名前のモチーフは元騎手で調教師の松永幹夫と思われる。
ミウラ タカヨシ
2回戦に登場。パンクファッションだが気は優しいフリーター。第1回戦で200万円を獲得。気軽に2回戦に参加してしまった。敗者復活戦に参加。リストラゲームで最下位となるが、神崎直によって救済される。名前のモチーフは騎手の三浦皇成と思われる。
菊澤 隆浩 (きくざわ たかひろ)
敗者復活戦に参加。自動車工。三回戦に進む。密輸ゲームで、「北の国」の密輸を阻止する方法を思いつき、「南の国」を短期間支配するが、横谷とグルだったことが暴かれる。名前のモチーフは元騎手で調教師の菊沢隆徳と思われる。
レロニラ
二回戦、敗者復活戦、三回戦のディーラー。秋山深一の恩師であり、心理学の権威。
ネアルコ
三回戦のディーラー。名前のモチーフは競走馬で大種牡馬のネアルコと思われる。
アカギ コウタ
三回戦「北の国」のメンバー。秋山深一の立案した作戦に協力して横谷を裏切るが、バレて「囚人のジレンマ」を応用した「自白ゲーム」を強いられるが、自分を助けてくれた神埼直と秋山を信頼し、四回戦に進む。四回戦では予選第2会場で横谷から一億円を詐取。五回戦には進まず、直に2億を渡し、離脱する。 名前のモチーフは元騎手で調教助手の赤木孝太郎と思われる。
シバヤマ ユウスケ
三回戦「北の国」のメンバー。秋山深一の立案した作戦に協力して横谷を裏切るが、バレて「囚人のジレンマ」を応用した「自白ゲーム」強いられるが、最終的にゲームからの離脱に成功する。名前のモチーフは騎手の柴山雄一と思われる。
ソラリオ
敗者復活戦のディーラー。名前のモチーフは競走馬で種牡馬のソラリオと思われる。
ニシダ ユウイチ
敗者復活戦で神崎直たちの東軍に対する西軍の先鋒としてフクナガと24連装ロシアンルーレットで対決し、引き分ける。名前のモチーフは騎手の西田雄一郎と思われる。
キクチ ショウ
元ボクサー。敗者復活戦で神崎直たちの東軍に対する西軍の中堅として17ポーカーで秋山深一と対決し、持ち前の動体視力を駆使して善戦するが敗北。名前のモチーフは騎手の菊地昇吾と思われる。
コサカダ タダコ
元会社経営者。敗者復活戦で神崎直たちの東軍に対する西軍の大将として、回らないルーレットで直と勝負し、敗退するが直に救済される。名前のモチーフは騎手の小坂忠士と思われる。
フォルリ
四回戦予選第2会場の「パンデミックゲーム」を仕切るメインディーラー。名前のモチーフは名競走馬で種牡馬のフォルリと思われる。
オオツカ エイイチ
四回戦予選第2会場の出場者。横谷に買収されているが同時に四回戦本選ではハリモトグループにも協力する。四回戦敗北後、敗者復活戦に進む。決勝戦では「魏」チームに所属。名前のモチーフは元騎手の大塚栄三郎と思われる。
サエキ キヨシ
四回戦予選第2会場の出場者。四回戦本選に進む。四回戦敗北後、敗者復活戦に進む。そこでも敗退するが、秋山深一と神崎直の計画が成功し、負債ゼロで離脱する。名前のモチーフは元騎手の佐伯清久と思われる。
ヤスカワ ヤスヒコ
四回戦予選第2会場の出場者。強欲なエゴイスト。四回戦敗北後、敗者復活戦に進む。そこでも敗退するが、秋山深一と神崎直の計画が成功し、負債ゼロで離脱する。名前のモチーフは元騎手の安田康彦と思われる。
イケザワ テッペイ
四回戦予選第2会場の出場者。横谷に買収され横谷チームに加入。本選に進出。横谷の命令に忠実に従う。秋山深一の策略で、勝者となるも賞金ゼロでの勝ち上がりとなってしまう。決勝では「蜀」チーム所属。名前のモチーフは元騎手の池田鉄平と思われる。
シマ タカヒロ
四回戦予選第2会場の出場者。秋山真一に協力するが、横谷に買収され寝返る。秋山を敗退させるが、横谷も敗退したため一円にもならず。四回戦敗北後、敗者復活戦に進む。決勝では「呉」チーム所属。
アルサブ
四回戦本選「イス取りゲーム」のメインディーラー。四回戦では予選落ち及び本選脱落者も賑やかしのガヤとして本選会場に残る。名前のモチーフは競走馬で種牡馬のアルサブ。
ハリモト タカシ
四回戦予選第1会場から勝ち上がった参加者。予選第1会場ではフクナガたち6人を敗退させた。カルト宗教団体「泰平天国」教祖で一万歳の称号を持つ。忠実な信者を抱え、秋山深一、横谷のグループに対抗する。四回戦敗北後、敗者復活戦に進む。2位となるが、神崎直の誠実さに打たれ、宗教家としての良心を取り戻し、グループが稼いだ大金を秋山がサカイの代理として継承した負債を穴埋めするために提供して、ゲームから離脱する。 名前のモチーフは元騎手で調教師の張田京と思われる。
キムラ ケイ
四回戦予選第1会場から勝ち上がった参加者。ハリモトグループのメンバーで、千歳の称号を持つカルト宗教団体「泰平天国」の信者。野心家で、自分を自殺から救ってくれたハリモトをコントロールし、教団を大きく成長させた。四回戦敗北後、敗者復活戦に進む。勝ち抜けの権利を得るがハリモトグループは離脱。 名前のモチーフは騎手の木村健と思われる。
ミカモト ミカ
四回戦予選第1会場から勝ち上がった参加者。ハリモトグループのメンバー。カルト宗教団体「泰平天国」信者で八百歳の称号を持つ。四回戦敗北後、敗者復活戦に進む。最終順位3位で勝ち抜けの権利を得るがハリモトグループはゲームから離脱。名前のモチーフは騎手の御神本訓史と思われる。
アベ ユキヨ
四回戦予選第1会場から勝ち上がった参加者。ハリモトグループのメンバーで五百歳の称号を持つカルト宗教団体「泰平天国」の信者。家庭内暴力のトラウマに苦しんでいる。四回戦敗北後、敗者復活戦に進む。神崎直の心に打たれ、ハリモトに異議を唱える。勝ち抜けの権利を得るが最終的にハリモトが回心し、ハリモトグループはゲームから離脱。 名前のモチーフは騎手の安部幸夫と思われる。
シモハラダ オサム
四回戦予選第1会場から勝ち上がった参加者。本選第1ピリオドで脱落し、ガヤ落ちするが秋山に協力。四回戦敗北後、敗者復活戦に進む。そこでも敗退するが、秋山深一と神崎直の計画が成功し、負債ゼロで離脱する。名前のモチーフは騎手の下原理と思われる。
サカイ マコト
四回戦予選第1会場から勝ち上がった参加者。ハリモトグループの一員だったが横谷チームに寝返る。その後、敗者復活戦に参加するが、秋山を代理として立て、無傷で離脱する。名前のモチーフは騎手の酒井学と思われる。
ラブレー
敗者復活戦のディーラー。実は横谷の父親。第1回ライアーゲームでは非情で狡猾にゲームを進め、連戦連勝。実生活でも事業で大成功を収めた。名前のモチーフは競走馬で大種牡馬のラブレーと思われる。
アーチア
LGT事務局の最高責任者。本名タッド・ミヤギ。日系三世のアメリカ人。元社会派の映画監督。神崎直の父親であることが最後に判明する。第1回ライアーゲームに関わったばかりに、危険にさらされ、日本に亡命。小説『LIAR GAME』の真意を知るために第2回ライアーゲームを開催する。 末期癌に冒され死期が迫っていることを自覚している。
カネコ ミズキ
敗者復活戦参加者。フクナガが犠牲となって。2億円を持って決勝に駒を進める。チーム分けの人間オークションでは、フクナガから聞いた直の「全員を救う」という考えに共鳴し、実質的に損をしない2億円以上を所持しているサクマ、ナガオカを道連れに敗退し、離脱する。名前のモチーフは騎手の金子光希と思われる。
カシキ ユウヤ
決勝戦参加者。代理出場していたハリモトが離脱したため、決勝からの参加となってしまった。ミュージシャン。人気バンド、マルヴェリーズの元ボーカル。バンド解散後、暴力事件を二度起こしたがライブハウスでは現在も人気を集めている。決勝戦では「倭」チームに所属。
サクマ カンイチ
ハリモトグループが代理をやめたため2億円1千万円を受け取って決勝参加。カネコの道連れにされて脱落。名前のモチーフは騎手の佐久間寛志と思われる。
タカシマ カツシ
ハリモトグループが代理をやめたため2億円1千万円を受け取って決勝参加。カネコの道連れにされて脱落。名前のモチーフは騎手の高嶋活士と思われる。
vivy
未完の小説『LIAR GAME』の著者。某国の反体制のカリスマ。重病で死んだことになっているが、権力者に殺されたとアーチアは推測している。
フェイ・ファン
香港系アメリカ人の映画プロデューサー。小説『LIAR GAME』で描かれたゲームを実際に行って、隠し撮りし、ドキュメンタリー映画にする企画をミヤギに持ち込むが東南アジアで事故死してしまう。
栗藤 (くりふじ)
LGT事務局の女性スタッフ。横谷担当。名前のモチーフは名競走馬で繁殖牝馬のクリフジと思われる。
ディーラー
『LIAR GAME』に登場するLGT事務局のメンバー。模様付き仮面のディーラーは第1回ライアーゲーム出場者。幹部クラスで、それぞれのゲームを統括するが、サブディーラーとしてメインディーラーを補佐することも、ギャラリーとしてゲームを見守ることもある。模様なしの白仮面は、警備、雑務を担当する。
集団・組織
LGT事務局 (えるじーてぃーじむきょく)
『LIAR GAME』に登場する組織「LIAR GAME TOURNAMENT 事務局」の略称。最高責任者アーチアことタッド・ミヤギが、ライアーゲームを警戒する未知の権力者または組織から口止め料として押しつけられた50億円相当のシンガポールドルを資金として設立。模様の入った仮面をかぶるメインディーラー、白仮面の補助的なディーラー、その他のスタッフから構成されている。