概要・あらすじ
ヤクザの浅葱圭治は、ある日、法律相談所の田貫将義のもとに、大きなスーツケースを運び込む。中に入っていたのは、女子学生の久未十和子だった。浅葱は田貫に、詳しいことは何も聞かずに、彼女を2日間守るよう依頼する。だが、田貫を見た十和子は、彼の目に死への渇望を感じ取り、「死にたがる奴は人間じゃない」と、あけすけに批判するのだった。
登場人物・キャラクター
久未 十和子 (くま とわこ)
ごく普通の女子学生。正義感が強く、法律に詳しい。本人はいたって真面目で、普通に学校に通って、平凡で幸せな生活を送りたいと考えている。しかし、父親がヤクザの名を騙って好き放題したため、命を狙われる羽目に陥った。伯父である浅葱圭治に、何度も命を救われている。
田貫 将義 (たぬき まさよし)
自殺志願者の青年。ネットで法律相談を請け負っている。2日で20万という報酬で、浅葱圭治から久未十和子の保護を依頼された。マゾ気質のため危険な仕事を好み、時にはわざと怪我を負うこともある。同じ男性である浅葱から迫られ、対価を得てキスをすることはあるが、田貫自身はゲイではない。
浅葱 圭治 (あさぎ けいじ)
ヤクザの青年。妹の子供で、姪にあたる久未十和子の身柄の保護を、片想い中の田貫将義に依頼する。女性には興味がないとうそぶきながらも、十和子の保護のためには労を惜しまない。王狐文から想いを寄せられ、邪魔者と見なされた周囲の人々が、命を狙われる羽目に陥っている。嫌煙者。
王 狐文 (わん ふーうぇん)
浅葱圭治を想っている青年。自身の父親から命じられ、久未十和子の命を狙っている。浅葱への執着を見せ、想いを寄せていると言いながらも、殴りつけるなどの暴行を加えることも厭わないサディスト。父親に対して強い恐怖心を持っており、面と向かうと歯向かうことができなくなる。田貫将義を嫌っている。