SAKAMOTO DAYS

SAKAMOTO DAYS

坂本太郎は町の商店を営むふくよかな体型で、穏やかな性格の持ち主。しかしその正体は、すべての悪党が恐怖すると同時に尊敬の念を抱く、元・伝説の殺し屋だった。愛する妻との約束で5年前に殺し屋を引退した坂本だったが、懸賞金を狙ってさまざまな刺客が坂本に襲い掛かる。家族のために殺し屋と戦う、バトルとコメディが交錯するアクション活劇。集英社「週刊少年ジャンプ」2020年51号から掲載の作品。「全国書店員が選んだおすすめコミック2022」で第6位を獲得。

正式名称
SAKAMOTO DAYS
ふりがな
さかもと でいず
作者
ジャンル
殺し屋
レーベル
ジャンプコミックス(集英社)
巻数
既刊16巻
関連商品
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あらすじ

元・伝説の殺し屋

かつて坂本太郎という伝説の殺し屋がいた。すべての悪党から恐れられ、すべての殺し屋があこがれる最強の殺し屋だったが、ふつうの女性と恋に落ちて結婚。愛する娘も生まれ、妻との約束で5年前に殺し屋を引退していた。今ではすっかり太った冴えないオジサンとなり、東京のはずれで坂本商店という小さな店を営んでいる。ある日、坂本商店へ坂本の殺し屋時代の元部下であるシンが訪ねてくる。シンは人の心を読むことができるエスパーの殺し屋で、組織を抜けた坂本を殺す命令を受けていた。昔の面影がまったくないふくよかな体型の坂本に銃を向けるシンだったが、坂本の動きは昔のままでまったく歯が立たなかった。その後、坂本の家族から暖かく迎えられたシンは、坂本が愛する家族を守るために殺し屋を引退したことを知る。坂本の殺害に失敗したシンは、組織で危うい立場となって抹殺されそうになるが、坂本がその場に姿を現して組織を壊滅させるのだった。こうして坂本に命を救われたシンは、坂本商店で働くことになる。

遊園地バトル

坂本太郎シンは、敵組織に両親を殺されて追われていた元マフィアの中国人少女・陸少糖を助け、それをきっかけに陸も坂本商店で働くことになる。ある日、坂本の殺し屋時代の同期である南雲が店に現れ、殺し屋協会が坂本に10億円の懸賞金を懸けたことを伝える。その後、懸賞金目当てに坂本の命を狙う殺し屋が襲ってくるようになり、坂本とシン、陸は坂本葵坂本花にバレないよう、殺し屋を迎え撃つ日々を送ることになる。そんな中、坂本一家は遊園地へ遊びに行くことになるが、園内でも坂本と殺し屋たちとの戦いが続く。毒を扱う殺し屋のタツに苦戦しながらも、坂本とシンのコンビプレイでタツを撃退。だが、さらにすご腕の殺し屋コンビのボイル帯黒が襲ってくる。シンは、酒に酔って酔拳を披露する陸の助けもあって帯黒を打ち倒し、坂本もボイルを打ち倒したものの、坂本に懸賞金が懸けられたことは妻の葵に知られてしまう。坂本は自分にかけられた懸賞金を取り消させるため、タツやボイルたちを雇った殺し屋会社「どんでん会(株)」へシンと共に向かう。しかしそこには南雲がおり、どんでん会のボスをはじめ、上層部は全員すでに殺害されていた。どんでん会のメンバーを殺したのは×(スラー)と呼ばれる謎の「殺し屋殺し」で、南雲はその男を調査していた。どんでん会は壊滅したものの、坂本に懸けられた懸賞金を取り下げられることはなかった。

サバゲー大会

相変わらず坂本商店には懸賞金目当ての刺客がやって来るが、坂本太郎シンの相手ではなかった。だが、連日の戦闘で店は壊滅的に破壊されてしまう。そんな中、優勝賞金が100万円のサバゲー大会が地元の商店街で開催される。坂本とシンは店の修繕費にあてるため、サバゲー大会の出場を決める。そこへ坂本を狙っている殺し屋・眞霜平助が、ひょんなことから坂本たちのチームに加わる。坂本の正体が眞霜にバレないようにゲームを進めるシンたちだったが、陸少糖の言動で眞霜に坂本の正体が知られてしまう。すご腕のスナイパーである眞霜は、エアガンから本物の銃に持ち替え、その銃口を坂本に向けるが、坂本はそんな眞霜を無力化しつつ、サバゲー大会での優勝を決めるのだった。

LABOでの戦い

ある日、坂本商店で店番をしていた陸少糖が拉致される。陸をさらったのは、政府非公認の科学組織「地下科学研究施設(LABO)」。それはシンの所属していた組織で、陸のことをシンと間違えてさらったのだった。坂本太郎とシンは、陸を取り戻すため、LABOの隠された尾久旅科学博物館へと向かう。一方、LABOの地下に幽閉された陸は、同じく捕まっていたLABOの所長・朝倉と出会う。LABOは、6日前に突然現れた殺し屋・鹿島が率いる謎の殺し屋集団によって乗っ取られていた。LABOのB1に進んだ坂本とシンは、B1を取り仕切る幹部・マッド堀口を激戦の末、撃退する。

登場人物・キャラクター

坂本 太郎 (さかもと たろう)

すべての悪党から恐れられ、すべての殺し屋があこがれる元・最強の殺し屋の男性。殺し屋時代は、オールバックの白髪を後ろでまとめ、丸眼鏡をかけてコートを愛用していた。商店で働いていた女性と恋に落ちて結婚、娘も授かり、妻との約束で5年前に殺し屋を引退した。大食漢で、昔の面影はまったくなく非常に太っているが、暗殺術などの殺し屋スキルはいまだに健在。カロリーを消費すると、1日だけ昔のスリムな体形に戻るがすぐにふくよかな体型に戻ってしまう。東京のはずれで個人商店「坂本商店」を営んでいる。無口で無愛想ながら、妻・坂本葵と娘・坂本花のことを何よりも大事にしている。妻と決めた家訓を守るため、殺生を禁じている。

坂本 葵 (さかもと あおい)

坂本太郎の妻。商店で働いている時に坂本と恋に落ち、結婚して娘の坂本葵を授かった。どんな人間にも大切に思っている人がいると、坂本を説得して殺し屋を辞めさせた。すご腕の元・殺し屋である坂本も、彼女にはまったく頭が上がらない。

坂本 花 (さかもと はな)

坂本太郎と坂本葵の娘。もうすぐ小学校に入学する幼稚園児。生まれたばかりの坂本花を坂本が抱いた際、その笑顔が花が咲いたように輝いて見えたことから、「花」と名づけられた。

シン

坂本太郎の元部下で、かつていっしょに仕事をしていた殺し屋の青年。幼い頃から政府非公認の科学組織「地下科学研究施設(LABO)」で育った。そこで実験薬を水と間違えて飲んだことで、人の思考を読めるエスパーの能力を身につけた。人の心を読めることで、やがて周囲の人から疎まれるようになった過去を持つ。組織から命を狙われた際に坂本に助けられ、坂本商店に雇われる。

ナカセ巡査 (なかせじゅんさ)

憩来坂(いこらいざか)警察署に所属する警官の女性。正義感が非常に強く、本部に勤務するエリートだったが、かつて住んでいた憩来坂の勤務を希望して転属してきた。憩来坂に住んでいた頃におまわりさんに助けられたことがあり、自分も人の役に立ちたいと考えるようになった。任務中に暴走族に拉致されるが、坂本太郎とシンによって救出された。

陸 少糖 (るー・しゃおたん)

元中国マフィアの少女。両親は中国マフィア「弾商会」に所属する殺し屋のソンヒとバチョウに殺され、陸少糖自身も追われていた。たまたま出会った坂本太郎とシンに助けられ、その後、坂本商店で店員として働くことになる。ふだんは太極拳を使って戦う。酒癖が悪く、酔うと笑い上戸、泣き上戸、怒り上戸になり、酔拳を繰り出す。オバケが苦手。

ソンヒ

中国マフィア「弾商会」に所属する殺し屋の男性。バチョウとの双子で、コンビで任務にあたっている。黒髪のロングヘアで左目以外を隠している。殺戮に快楽を覚えるタイプで、法外な値段と引き換えに狙った相手を確実に殺害する。殺した相手の首を持ち帰り、部屋でスケッチするのを趣味としている。殺しには品性が大事という考えを持ち、よくバチョウの殺し方は品がないと指摘している。武器はチャクラム。

バチョウ

中国マフィア「弾商会」に所属する殺し屋の男性。ソンヒとの双子で、コンビで任務にあたっている。スキンヘッドで頭に大きな傷がある。ソンヒと同じく殺戮に快楽を覚えるタイプで、法外な値段と引き換えに狙った相手を確実に殺害する。殺した相手の首を持ち帰り、部屋でスケッチするのを趣味としており、絵はソンヒよりうまい。武器は青龍刀。

南雲 (なぐも)

日本殺し屋連盟(殺連)直属の特務部隊であるORDERの一員である殺し屋の男性。坂本太郎と同期で、年齢は27歳。ひょひょうとした態度の明るいイケメンながら、つねに平気で嘘をつく。

タツ

殺し屋会社「どんでん会(株)」から依頼され、坂本太郎の命を狙う殺し屋の男性。耳にピアスを付け、逆立てた銀髪で、首や上半身に大きな縫い跡の傷がある。毒を塗った投げナイフを使った戦いを得意とする。

ボイル

殺し屋会社「どんでん会(株)」に雇われて坂本太郎の命を狙う殺し屋の男性。帯黒とコンビを組み、2年前の抗争ではたった二人で100人以上を殺害したとされる。坂本とは、お互いが10代の頃に殺し屋養成所(JCC)に在籍していた頃からの知り合い。ボイルは坂本を一方的にライバル視しているが、坂本からはまったく相手にされていない。グローブにセットしたダイナマイトを爆発させ、その爆風で得た推進力を利用した「ロケットダイナマイトパンチ(RDP)」と、壁にぶつかって跳ね回る「スーパーボール爆弾(SBB)」を駆使して戦う。ハードボイルドにこだわるタイプ。

帯黒 (おびぐろ)

殺し屋会社「どんでん会(株)」に雇われて坂本太郎の命を狙う殺し屋の女性。ボイルとコンビを組み、2年前の抗争ではたった二人で100人以上を殺害したとされる。殺し屋養成所(JCC)ではボイルの後輩で、その頃からボイルにあこがれていた。「皇殺流空手 奥義 香登落し(おうさつりゅうからて おうぎ かかとおとし)」を駆使して戦う武闘派。強い相手と戦うことに悦びを感じるタイプで、善戦した陸少糖のことを気に入っている。

(ひょう)

日本殺し屋連盟(殺連)直属の特務部隊、ORDERの一員である殺し屋の男性。短気な性格で、いかつい体型をしている。耳に多数のピアスをつけ、ドレッドヘアにしている。

神々廻 (ししば)

日本殺し屋連盟(殺連)直属の特務部隊、ORDERの一員である殺し屋の男性。顎に大きな傷があり、ロングヘアにしている。つねに冷静沈着ながら、残忍な性格をしている。リゾットにタマネギが入っていたというだけで料理長をナイフで串刺しにしたことがある。

大佛 (おさらぎ)

日本殺し屋連盟(殺連)直属の特務部隊、ORDERの一員である殺し屋の女性。物静かな性格で、黒いレースのドレスを着ている。×の調査のため、神々廻と共に「地下科学研究施設(LABO)」に潜入する。

× (すらー)

殺し屋を殺害しまくっている謎の殺し屋。現場にバツ印を残すことから、ORDERのメンバーからは「×」と呼ばれている。ここ数か月で、日本殺し屋連盟(殺連)にかかわりの深い30社の組織に所属する、100人以上の殺し屋を惨殺している。なお、×による殺し屋殺しが始まった時期と、坂本太郎に10億円の懸賞金が懸けられた時期は一致している。

眞霜 平助 (ましも へいすけ)

坂本太郎を殺すために坂本商店を訪ねてきた殺し屋の青年。「ピースケ」という名前のオウムを相棒にしている。狙撃の才能があるが、それ以外はからっきしのため、殺し屋仲間からは見下されている。現在は殺し屋会社もクビになったためにフリーで、坂本を殺して名を上げようとしている。弾をバウンドさせて相手に軌道を読ませない、3連跳弾を駆使して狙撃する。

勢羽 (せば)

政府非公認の科学組織「地下科学研究施設(LABO)」を乗っ取った殺し屋集団の一員の男性。シンを拉致する命令を受けて、仲間と共に坂本商店を襲撃し、間違えて陸少糖をさらっていった。光学迷彩と思われる技術を駆使して、その姿を消して戦う。

鹿島 (かしま)

政府非公認の科学組織「地下科学研究施設(LABO)」を乗っ取った殺し屋集団のリーダーを務める男性。黒いスーツを着用して、頭にトナカイのマスクをかぶっている。口に大きな縫い目の傷があり、さらに口の上にはおおきな×のマークがある。革新的な殺しの道具を求めて、LABOを襲撃して占拠する。

朝倉 (あさくら)

政府非公認の科学組織「地下科学研究施設(LABO)」の所長を務める男性。6日前に鹿島たちによってLABOが占拠された際、命令に従わなかったために地下に監禁されている。10年以上前、旧友の安藤という人物から、まだ幼いシンを無理やり預けられ、LABOで研究しながら面倒を見ていた。研究していた薬をシンが水と間違えて飲んだことで、シンに人の心を読む能力を付与してしまい、そのことに今でも責任を感じている。

マッド堀口 (まっどほりぐち)

政府非公認の科学組織「地下科学研究施設(LABO)」を乗っ取った殺し屋集団の幹部を務める男性。B1~B5まであるフロアのうち、B1を取り仕切っている。科学を駆使して戦うマッドサイエンティスト。シンの首に刺した針から流す電流で脳の信号を狂わせ、シンのしゃべる言葉をすべて逆になるようにした。さらに坂本太郎には、敵と味方を逆に認識させる電気信号を送って攪乱する。それらの信号は、腕のスイッチで自在にオンオフの切り替えができる。また、マッド堀口自身に薬物を投与することでパワーアップできる。

集団・組織

日本殺し屋連盟 (にほんころしやれんめい)

プロの殺し屋を統制している組織。所属する殺し屋は400人弱で、殺し屋ライセンスを発行し、殺しの仕事を仲介している。通称は「殺連」。

ORDER (おーだー)

日本殺し屋連盟(殺連)直属の特務部隊。殺し屋界の最高峰として、すご腕中のすご腕がそろっている。殺連が選定した危険性の高い殺し屋の抹殺を任務としている。殺し屋界の秩序を保つ存在として、「殺連の番犬」とも呼ばれる。殺し屋たちのあいだでは都市伝説となっており、本当に存在することを知っている殺し屋は数少ない。現在のメンバーは、南雲、豹、神々廻、大佛をはじめとする8名で構成されている。かつては坂本太郎もORDERの一員だった。

書誌情報

SAKAMOTO DAYS 16巻 集英社〈ジャンプコミックス〉

第1巻

(2021-04-02発行、 978-4088826578)

第2巻

(2021-06-04発行、 978-4088826851)

第3巻

(2021-09-03発行、 978-4088827636)

第4巻

(2021-11-04発行、 978-4088828190)

第5巻

(2022-01-04発行、 978-4088828794)

第6巻

(2022-03-04発行、 978-4088830728)

第7巻

(2022-06-03発行、 978-4088831473)

第8巻

(2022-08-04発行、 978-4088831916)

第9巻

(2022-11-04発行、 978-4088832920)

第10巻

(2023-02-03発行、 978-4088834290)

第11巻

(2023-04-04発行、 978-4088834498)

第12巻

(2023-06-02発行、 978-4088835556)

第13巻

(2023-09-04発行、 978-4088836331)

第14巻

(2023-11-02発行、 978-4088836928)

第15巻

(2024-01-04発行、 978-4088837932)

第16巻

(2024-04-04発行、 978-4088838786)

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