SCRAP三太夫

SCRAP三太夫

スクラップで作られた落ちこぼれロボットが、ドジを踏みながらも警官として悪と戦う姿をコミカルに描いたギャグ漫画。ゆでたまごの代表作である『キン肉マン』のキャラクターも登場する。コミックスには連載前の読み切り版も収録されている。「週刊少年ジャンプ」の1989年24号から40号で連載された。

正式名称
SCRAP三太夫
ふりがな
すくらっぷさんだゆう
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
関連商品
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あらすじ

第1巻

西暦20XX年、凶悪化する一方の犯罪に抵抗するため、政府は人間より強力な肉体を持つロボットを警官に採用し、ロボット警官ばかりの組織を作る。ロボット警備隊基地、通称「ロック」の東京我楽多(がらくた)シティ支部では、発生した犯罪に対して基地内のロボットを出動させていたが、犯罪件数の多さにロボットの数が足りなくなってしまう。東京我楽多(がらくた)シティ支部隊長の瑳川鉄郎は、新しく搬入されるロボットを受け取るために工場へ急行するが、工場ではロボットの材料が尽きており、ロック用のロボットが作れずにいた。瑳川は仕方なく近くにあった粗大ゴミを材料にし、さらに工場員が見つけたバケツを頭部にしてロボットの三太夫を完成させた。しかし元が粗大ゴミだったため、既存のロボットより性能が極端に劣り、性格や行動が変なロボットとなってしまう。それでも瑳川は三太夫をロックに持ち帰ると、新たな動物強奪の犯罪が発生。仲間のロボット警官といっしょに三太夫も出動するが、三太夫のミスで犯人に見つかり、捕まってしまう。閉じ込められた部屋で、犯人に痛めつけられた三太夫の前に、三太夫の頭部に使われているバケツから姿サンタローの幽霊が現れ、バケツの秘密を語るのだった。

第2巻

ロボット警官として活動していた三太夫は、失敗続きのためにロボット警官を管理するロボット清掃局からスクラップにされる事が決定する。しかし、三太夫は無事にロボット技能試験に合格して平穏な日々を取り戻す。ある夜、頭部のバケツに憑依する師匠の姿サンタローがうなされている事に気づいた三太夫は、サンタローから生前のライバルだったショーベン・タラシの事を聞き、サンタローから「自分の代わりにタラシと決着をつけろ」と言われる。三太夫がサンタローの柔道を受け継いでいる事を知ったタラシは、「自分のすべてを受け継いだロボットが三太夫に勝てば、自分がサンタローに勝ったと同じ」と考えてショーベン・チビリを作成。タラシは、三太夫とサンタローに日本武道館での試合を申し込み、三太夫が逃げ出さないようにリリーを人質として連れ去る。

登場人物・キャラクター

三太夫 (さんだゆう)

男性型のロボット。ロボット警官で組織されたロボット警備隊基地、通称「ロック」の東京我楽多(がらくた)シティ支部に勤めている。階級は巡査。アレンからは「先輩」、リリーからは「三ちゃん」と呼ばれている。ロボット不足が続きいて材料がなかったため、瑳川鉄郎が粗大ゴミを材料にして作り、頭部にはバケツが使われている。 情報をインプットするには、紙に書いて食べる必要があり、ほかのロボットより性能が低く、行動もめちゃくちゃで失敗をする事が多い。そのため粗大ゴミ(スクラップ)から作られた事を揶揄して「SCRAP三太夫」と呼ぶ仲間もいる。失敗をしてもめげない前向きなタイプで、困っている人やロボットはほっておけない人情味あふれる性格。頭部に使われているバケツは、明治時代に最強の柔道家と称された姿サンタローが、自身のすべてをつぎ込んだミラクル・バケツ。 三太夫は、バケツを体の一部にしている事でサンタローの柔道を知らずに受け継いでいる。三太夫の正義の心に火がつくと、バケツからサンタローの柔道着(ボロ・ジャケット)が飛び出し、これを着る事でサンタローと同じ技が使えるようになる。

姿 サンタロー (すがた さんたろー)

明治時代から現代までの柔道史の中で、史上最強と称される柔道家の男性。弟子がおらず、自分の技術を継承する人物がいなかったため、自分のすべてを愛用のミラクル・バケツにこめて亡くなる。享年70歳。死後180年経って、バケツが三太夫の頭部に使われた事で復活を果たす。三太夫の師匠となって、三太夫が世のため人のために働いて、大衆のヒーローとなれるように指導する。

瑳川 鉄郎 (さがわ てつろう)

ロボット達の隊長を務める男性。ロボット警官で組織されたロボット警備隊基地、通称「ロック」の東京我楽多(がらくた)シティ支部に勤めている。基地内では唯一の人間。増加する犯罪に対処するために、搬入予定のロボットを受け取りに工場へ行くが、材料不足によりロボットができていない事が判明。仕方がなく、近くにあった粗大ゴミでロボットを作り、三太夫を生み出した。 三太夫の度重なる失敗によって、三太夫といつも喧嘩する毎日だが、三太夫の人情味あふれる精神こそ一番大切だと認めている。

ヘーシンク

男性型のロボット。ロボット警官で組織されたロボット警備隊基地、通称「ロック」の東京我楽多(がらくた)シティ支部に勤めている。射撃ロボットで、背中に2挺の銃を備えている。スピード、パワー、知能すべてにおいて完璧なロボットに与えられる、A級ライセンスの持ち主。

リリー

女性型のロボット。ロボット警官で組織されたロボット警備隊基地、通称「ロック」の東京我楽多(がらくた)シティ支部に勤めている。看護専用ロボットで、優しい性格をしている。ロボットにはない人情味あふれる三太夫に好意を寄せている。スピード、パワー、知能すべてにおいて完璧なロボットに与えられる、A級ライセンスの持ち主。胸部カバーを外すと水を出す事ができる。

アレン

情報収集専用ロボット。ロボット警官で組織されたロボット警備隊基地、通称「ロック」の東京我楽多(がらくた)シティ支部に勤めている。頭脳は優秀ながら力は非常に弱い。そこそこ優秀なロボットを意味する、B級ライセンスの持ち主。あとからロックにやって来た三太夫の事を、なぜか「先輩」と呼んでいる。

留棲架 (るすか)

カバに似た外見のロボット。ロボット警官で組織されたロボット警備隊基地、通称「ロック」の東京我楽多(がらくた)シティ支部に勤めている。大柄な体格を生かして、暴徒鎮圧専用ロボットとして活動している。任務に必要な能力だけを持っているロボットを意味する、C級ライセンスの持ち主。三太夫同様に失敗する事が多く、ロボット警官を管理するロボット清掃局からスクラップにされる事が決定している。

スイ・ハーン (すいはーん)

動物を一瞬で消す幻想マジックで有名なロボット。頭部が炊飯釜となっている。裏では動物園から動物を何頭も盗み出し、嫌がる動物に力ずくで色を塗り、珍獣としてマジックショーに出演させている。元は一般的な家庭で炊飯釜としてご飯を炊く日々だったが、二匹の犬と猫にご飯を何度も食べつくされ、役立たずとして捨てられた過去がある。そのため動物に対して強い恨みを持つ。

ナベローン

前科99犯の凶悪なロボット。上半身が鍋になっている。ロボット警官で組織されたロボット警備隊基地、通称ROK(ロック)の見学会に紛れ込み、ロックが三太夫とアレンだけになったタイミングで襲いかかる。事前の調査をしっかりと行い、三太夫が力を発揮するために必要となる姿サンタローの柔道着を奪うなど頭がいい。

ジョロリーン

上半身がじょうろのロボット。刑務所から脱獄し、逃亡の途中で人間の女性を人質に取る。じょうろの口からなんでも溶かす塩酸を出す能力がある。

マイケル・ロボ (まいけるろぼ)

男性型のロボット。ロボット警官で組織されたロボット警備隊基地、通称「ロック」のニューヨーク支部に勤めている。日本より何倍もの凶悪犯罪が多発するニューヨークで活躍する手腕を買われ、瑳川鉄郎の要請で来日した。スピード、パワー、知能すべてが完璧なロボットを意味する、A級ライセンスの持ち主。不審物発見器やウソ発見機が内蔵されている。 「犯罪人は罪の軽い重いによらず、すべて抹殺すべし」をモットーとしていたが、三太夫と接しているうちに考えを改める。

鉄槌 管司 (てっつい くだし)

ロボット警官を管理するロボット清掃局で局長を務める男性。三太夫と留棲架、アイアン軍団など問題あるロボットを、欠陥ロボットとしてスクラップにする決定を下している。スクラップ予定のロボット達に秘めた能力があるかどうかを判定するため、ロボット技能試験を行う。

ショーベン・タラシ (しょーべんたらし)

生前、姿サンタローの事をライバル視していた男性。ロシア(ソ連)の国技であるサンボの達人。打倒サンタローを目標に山籠りし、サンタローの必殺技である二本背負いを破る技を身につけて来日するものの、すでにサンタローは死亡していた。サンタローとの勝負をあきらめきれず、死後180年経ってサンタローが復活した西暦20XX年にショーベン・タラシも幽霊として復活する。 サンタローの柔道のすべてが三太夫に受け継がれている事を知ると、自分のすべてを受け継いだショーベン・チビリを作り、勝負の決着をつけようとする。

ショーベン・チビリ (しょーべんちびり)

ショーベン・タラシが、姿サンタローの柔道を受け継いだ三太夫を倒すために作ったロボット。戦車の砲台や地雷、ミサイルなど大量の兵器から作られたため好戦的な性格で、頭部はタラシのすべてがつぎ込まれた西洋便器でできている。タラシ同様にサンタローの必殺技である二本背負いに対して絶対の自信を持っており、試合でも三太夫に二本背負いを使うように挑発する。

ボクサマン

15年前に瑳川鉄郎が逮捕したロボット。瑳川に復讐するために15年間模範囚として過ごし、出所後に瑳川を襲う。頭部には1920年代に活躍したヘビー級ボクサーのチャック・デンプシーが愛用したボクシンググローブがおさめられており、グローブを着用すると、デンプシーのボクシング技術が使えるようになる。瑳川を救おうとする三太夫と、ボクシング対柔道の異種格闘技戦を行う。

バトルマン

男性型のロボット。ロボット警官で組織されたロボット警備隊基地、通称「ロック」の港シティ支部に勤めている。20世紀後半に活躍した超人レスラー達にまつわる品々を展示している超人博物館で発生した盗難事件で、三太夫と知り合う。普段はまともに基地にすら姿を見せず無気力だが、超人博物館の盗難事件では並々ならぬやる気を見せる。 20世紀後半に活躍した超人の一人であるウォーズマンである事が判明すると、盗難事件にかける強い思いを三太夫に明かす。

缶ヘッド (かんへっど)

人間が捨てた空きカンが突然変異して生まれたロボット。全身に大量の空きカンを付け、空きカンからは銃撃する事ができる。20世紀後半に活躍した超人レスラー達にまつわる品々を展示している超人博物館に侵入して、キン肉星大王であるキン肉マンの宇宙超人格闘技チャンピオンベルトを盗んだ。盗んだベルトを換金しようとして骨董屋に現れたところを、先回りしていたバトルマンや三太夫によって捕獲されそうになる。

集団・組織

アイアン軍団 (あいあんぐんだん)

ロボ・ザ・トースター、羅修彎(ラシュワン)、ヤ・カーンのロボット集団。ロボット警官を管理するロボット清掃局が開催したロボット技能試験で、三太夫と留棲架が出会った。3体ともスピード、パワー、知能すべてが完璧なロボットを意味する、A級ライセンスの持ち主だった。しかし、あまりに狂暴だったために欠陥ロボットと認定される。 試験中に不注意でケガをした仲間を見捨てたり、自分のミスで紛失したパーツの代わりを仲間の羅修彎から奪うなど、平気で非道な事を行う。

関連

キン肉マン (きんにくまん)

おちこぼれの正義超人キン肉マンことキン肉スグルが、地球侵略を企む怪獣や悪魔超人たちと戦ううちに、仲間との友情やヒーローとしての使命に目覚め、成長していくさまを描く。連載当初は1話完結形式のギャグ漫画だ... 関連ページ:キン肉マン

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