Silver

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バレーボールに青春をかけてきた女子高生と、その夢を断たれた時に出会ったロボットの少年との純愛を描く近未来の物語。相手がロボットであることに戸惑いながらも、徐々に惹かれていく主人公の姿や、少しずつ感情が芽生えるロボットの様子が繊細に描かれている。コミックスは2巻まで発売されており、未完の作品となっている。

正式名称
Silver
ふりがな
しるばー
作者
ジャンル
アンドロイド・人造人間
関連商品
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概要・あらすじ

遠野青葉は、バレーボールの名門である栄進学園で、1年生ながら将来を嘱望されていた。しかし県大会の決勝戦で膝を負傷し、選手生命を絶たれてしまう。そんななか、不思議な雰囲気を持つクラスメイトの山田銀と親しくなるが、実は銀は感情に乏しいロボットだった。その事実を知った青葉に、銀を作った山田正彦、研究員の大橋真美は、極秘裏に青葉の膝の手術をする代わりに、銀の人口知能を発達させるために友達になってほしいと提案する。

銀と純粋に交流を深めたい心と、銀がロボットであることへの戸惑い、またバレーを続けたいという思いが複雑に絡み合いながらも、青葉は徐々に銀に惹かれていく。

登場人物・キャラクター

遠野 青葉 (とおの あおば)

栄進学園1年生の女子。バレーボールに情熱を注ぎ、小柄ながら優れた反射神経と敏捷さを持ち併せた優秀な選手。しかし、県大会の決勝戦で右膝を負傷し、以前のようにバレーボールができなくなってしまう。そんななか、学校の球技大会を機に山田銀と親しくなり、バレーボールの練習を一緒に行ううちに、銀がロボットであることを知る。 それからは人間ではない銀に戸惑いながらも、銀の優しい言葉や純粋さに徐々に惹かれていく。

山田 銀 (やまだ ぎん)

栄進学園1年生の男子。遠野青葉のクラスメイト。難しい言葉に対しての反応が鈍い、会話がかみ合わない、人の感情が理解できない、などの理由で周囲から避けられている。バレーボール部の県大会の決勝戦で活躍する青葉を見て衝撃を受け、学校の球技大会を機に青葉と親しくなる。その正体は山田正彦が開発したロボットで、14歳の設定で製作されている。 ロボットである自分に戸惑う青葉と、懸命にコミュニケーションを取ろうとするうちに、少しずつ感情が芽生えるようになる。

山田 正彦 (やまだ まさひこ)

「ロボティクス界の巨人」と評される男性科学者。過去にノーベル賞を受賞したこともある人物。自らの研究所である山田正彦科学研究所で山田銀を開発し、銀をより人間に近づけようと研究を重ねている。銀と仲良くなった遠野青葉に対して、右膝の手術をして再びバレーボールができるようにする代わりに、銀の人工知能を発達させるために友達になってほしいと打診する。 少々変わり者で、現在は蚊を模した蚊ロボの研究を行っている。

大橋 真美 (おおはし まみ)

山田正彦科学研究所の研究員の女性。栄進学園の教師であり遠野青葉や山田銀の担任でもある。銀の人工知能の成長を学校内で観察しており、山田正彦とともに、青葉の膝の手術をする代わりに銀の友達になってほしい打診する。一方で、ロボットはただの入れ物としか考えておらず、ロボットに感情を持たせることに対しては懐疑的。

(まい)

栄進学園1年生で、遠野青葉のクラスメイトの女子。青葉と仲が良く、これまでバレーボール一筋に生きてきた青葉に恋の指南をするなど、何かと世話を焼いている。一方で、コミュニケーションがうまく取れない山田銀に対してはいら立ちを隠せず、銀と仲良くなっていく青葉を心配する。

由依 (ゆい)

栄進学園1年生で、遠野青葉のクラスメイトの女子。舞と同じく青葉と仲良しで、青葉に少女漫画を勧めたりして、恋に目覚めてほしいと願っている。山田銀に対しては距離を置いており、青葉が銀のことで心が揺れているのを気に掛けている。

まりん

遠野青葉が所有している魚型のペットロボット。青葉が帰宅した際には尾びれ部分を振って出迎える。旧式で古いプログラムしか入っていないが、会話もできる。青葉がバレーボールの話しかしないため、まりんが覚えている言葉も、ほとんどがバレーボールに関するもの。

お父さん (おとうさん)

遠野青葉の父親。定食屋を経営している。青葉の成績が悪いと声を荒げて叱責するなど、厳しい一面を持つ。昔から機械が嫌いで、青葉の成績が悪かった時には罰として、まりんを捨てようとしたこともある。青葉の家にハート、ダイヤが訪ねてきた時には、じんましんが出たほど。

お母さん (おかあさん)

遠野青葉の母親。お父さんと一緒に定食屋を切り盛りしている。明るくサバサバした性格で、定食屋の客と冗談を交わしながら仕事を楽しんでいる。青葉が山田銀とデートすると知った時には、自分の持っている洋服やアクセサリーなどを、次々と取り出して青葉に持たせるなど、女の子として成長する娘を感慨深く見守る。

遠野 葉月 (とおの はづき)

遠野青葉の弟。自宅の定食屋が忙しくなると店を手伝うこともある、気のいい少年。店を回すために機械の導入を希望したり、まりんが旧式で言葉を覚えないことを青葉に諭し、まりんのメモリーを消去しようとするなど、機械には多少詳しい。

ハート

山田正彦科学研究所で助手として機能しているロボット。MYタイプⅢと呼ばれる型の1機。山田銀が緊急停止した際に修理を行ったり、銀の人工知能の不安定さを案じて監視役を申し出たりと、山田正彦の研究を忠実にサポートする役割を担っている。

ダイヤ

山田正彦科学研究所で助手として機能しているロボットで。MYタイプⅢと呼ばれる型の1機。山田銀が緊急停止して修理を行っている際、ハートと一緒に遠野青葉を呼びに行くなど、山田正彦の研究サポートを行っている。

場所

山田正彦科学研究所 (やまだまさひこかがくけんきゅうじょ)

山田正彦がロボット研究を行っている研究所。山田銀はここで誕生した。山田博士自らが開発した銀の人工知能や、ロボットとしての機能を研究し、銀を人間の少年に近づける方法を探っている。遠野青葉の膝に高度な人工関節と腱を入れることで、バレーボールへの復活が見込めるようになるなど、高い技術力を有している。

栄進学園 (えいしんがくえん)

遠野青葉、山田銀たちが通っている高校。授業や提出物にはPCなどを導入し、システムのデジタル化が進んでいる。バレーボール部は名門と称される強豪で、実力主義であるため、3年生を差し置いて能力の高い1年生の青葉をスタメン入りさせた。

その他キーワード

ターボボタン

山田銀の身体能力を著しくアップさせるためのボタン。銀の右耳の後ろに付いており、「ON」の文字が書かれている。これを押してパワーを増強させると、早い段階で電池切れを起こしてしまう。球技大会で銀がこのターボボタンを押してしまったため、銀がロボットであることを、遠野青葉に知られてしまった。

MYタイプⅢ (えむわいたいぷすりー)

ハート、ダイヤの型名。山田正彦科学研究所では、彼らのほかにも同様の型のロボットが助手として働いている。かなりの高機能で、1体1億円はするとされている高額なロボット。

蚊ロボ (かろぼ)

山田正彦が研究を行っている蚊型のロボット。山田博士自らが講演を行うなど、蚊ロボの研究に熱を入れている。山田正彦科学研究所でも所かまわず飛んでおり、遠野青葉にたびたび潰されるなどの憂き目に遭っている。ロボットであるが、刺した相手にかゆみを感じさせるシステムを備えている。

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