日向武史の代表作。現代日本の九頭龍高校を舞台に、身長149センチと小柄な空が、廃部状態のバスケットボール部をその情熱で再建し、活躍する姿を描いた物語。「クズ高」の異名を持ち、不良生徒が支配する劣悪な学校環境の中で、空は百春・千秋兄弟や天性のバスケットボールの才能を持つ「トビ」こと健二と出会い、バスケットボール部を立て直していく。不良生徒との対立や部室閉鎖事件を経てチームが結束する課程で、空の熱意を軸に、それぞれの登場人物の過去と現在が交錯しながら、個々の登場人物、そしてチーム全体が段階的に成長していく。本作はバスケットボールをテーマにしたスポーツ漫画だが、主人公が小柄な点が特徴となっている。また、バスケットボールの技術描写のみならず、不良高校を舞台にした現実的な環境設定や、人間関係の複雑さが大きな魅力となっている。一方で、空のワンハンドシュートやボスハンド(両手打ち)などの技術描写も精緻で、独特なコマ割りを活用してバスケットボールの激しい動きを演出している。高校バスケットボール界を中心とした世界観が構築され、県大会やインターハイ(全国高等学校総合体育大会)といった実在の公式大会システムが物語の骨格を形成している。講談社「週刊少年マガジン」2004年第2・3合併号から連載。テレビアニメ第1期が2019年10月から放送された。