女子アスリートが活躍するマンガ10選!73 Pt.

リアルでも高い注目を集めている女性アスリートの数々。その可憐な姿が描かれているオススメの漫画を10本ピックアップしていきたい!

元サッカーの名選手だった少年「櫻井玄哲」が、女子ラクロス部のキャプテン「豊口深空」と出会い、やがてラクロス部の男子マネージャーとなって部を強くしていく様を描いた学園青春スポーツ漫画。前述の「深空」は天真爛漫で、不器用だが何事にも前向きな女子生徒。中学生の頃体験したラクロスに感動し、高校進学後ラクロス部を設立した。ラクロスは上手ではないが情熱は人一倍であり、部員たちからも慕われている。河原で練習をしていたところで遭遇した「櫻井」との出会いを機に、徐々に成長していく姿が力強く描かている。本作内でも当初やる気がなかった「櫻井」が、彼女の熱心さにつられてラクロスに打ち込むようになっていくわけだが、少年誌に連載されていたとあって部活に日々打ち込む学生読者達の心にも強く響いたことだろう。試合においては不器用で考えることが苦手なものの、直感で動くために相手にパスコースを読ませない位置取りを武器にアタッカーとして活躍する姿は、特に必見だ。

勉強だけが取り柄だった少年がテニスに出会い、一流のテニスプレーヤーとして成長していく過程を描いたスポーツマンガ。スポーツマンガとしては珍しく、主人公の「丸尾栄一郎」はフィジカル面での優れた才能はなく、天性の動体視力と頭脳を活かしたデータ分析で相手に勝つという独自のテニス理論が展開されるところが最大の特徴の作品である。そんな本作のヒロインは、「栄一郎」と同じくプロを目指す女子高校生プレイヤー「高崎奈津」。同学年ではアイドル的存在で、細かいことは気にしない性格な彼女が、天性の素質と弛まぬ努力でトップを目指す姿は要必見である。また、「栄一郎」と徐々に接近していく関係も恋愛的観点から楽しめる作品となっているので、スポーツと恋愛の両面から彼女を応援してほしい。

主人公のサッカー選手「逢沢駆」が、不慮の事故をきっかけに将来を嘱望されながらも交通事故で死亡した兄「傑」の心臓と魂を受け継ぎ、全国高校サッカー選手権の頂点をめざすことに。その後五輪代表やJリーグでもプレーし、世界に通用する選手へと成長していく姿を描いたスポーツマンガだ。ただ、本作の主人公は「駆」だけでない。彼と並行して、幼馴染「美島奈々」が女子日本代表なでしこジャパンの一員としてプレーする姿も描かれている。「奈々」は「駆」と「傑」の幼馴染で、名前の「なな」からあだ名は「セブン」。アメリカから帰国し鎌倉学館に転入。サッカー部のマネージャーとなる。アメリカでは「リトル・ウィッチィ」(小さな魔女)の異名をとったほど、自らも優秀なプレイヤーであり、卓越したサッカー理論の持ち主でもある。また、宇宙人のマスクをした謎のプレイヤーに扮し、「駆」とともに夜の公園で練習を続ける優しさを持った少女だ。高校1年でなでしこジャパンに選出されるが、日本とアメリカの二重国籍でありどちらの代表を選択するか迷う心の変化も注目ポイントの一つだろう。

大人の野心、権力欲に翻弄されながらも、それに野球で立ち向かい、甲子園出場を目指す主人公「樹多村光」たちの姿が描かれている。また、そんな「光」と並行し、主人公と夭折した姉が相思相愛だったことが邪魔して自分の気持ちに素直になれないヒロイン「月島青葉」の大事なキーパーソンだ。「青葉」も野球好きで野球部に在籍。公式戦には出場できないが、高校入学後も練習試合で登板したり、バッティング投手として貢献している。野球の才能が高く、彼女の投球フォームを「光」が学んだほど。女子野球日本代表の1次選考を通過している。子供のころ、大好きだった姉「若葉」が「光」一筋だったことに焼き餅を焼いていたのと、「光」を好きになったら「若葉」に悪いという気持ちが邪魔をして、自分の心に素直になれないが、そんなもつれた気持ちが徐々にほどけていくラブストーリーも、本作の大きな魅力の一つだろう。

「県立西浦高校」の新設硬式野球部に集まった10人の一年生選手たち。気弱でオドオドした投手「三橋廉」、冷静だが短気な捕手「阿部隆也」を中心に、一丸となって甲子園優勝を目指す姿を描いた青春野球物語。本作は、「第10回手塚治虫文化賞」の「新生賞」、「第31回講談社漫画賞一般部門受賞」、文化庁メディア芸術祭10周年記念企画である「日本のメディア芸術100選」マンガ部門にも選ばれた、高い評価を集めている作品だ。作中で活躍する女性アスリートといえば、何と言っても「県立西浦高校」の女性監督「百枝まりあ」。硬式野球では珍しい女性監督のため舐められやすいが、オレンジを素手で握りつぶす握力、打球や投球の技術、そして何よりも、硬軟おり交ぜた高い統制力・指導力・説得力を持ち、監督としての技量は並みの男性監督をはるかに超えたものである。普段のアルバイトで貯めたお金を部費の少ない野球部につぎ込むなど、非常に献身的な面も魅力的な彼女と野球部員達の奮闘は要チェックだ!

ある少女の想いを受け継いだサッカー選手の「安藤ソラ」と、高校、プロ、海外移籍などを通して出会う人々との間に紡がれる、さまざまな人間模様を描いた1話完結の短編作品集『1／11　じゅういちぶんのいち』。本作で紹介したい女性アスリートというのが、前述の“ある少女”こと「若宮四季」。「四季」は中学生にして女子サッカーの日本代表に選出され、周囲から「天才」と脚光を浴びるスーパーサッカーボーラー。本人は無表情で口数も少なく感情表現が苦手だが、サッカーをしている間だけは楽しそうに笑っていることが特徴的。幼いころから「ソラ」のサッカー仲間で、彼に憧れてサッカーを始めた彼女は最初ヘタクソだったが、努力を積み重ねて着実にその才能を開花させる。サッカーは一人でやるのではなく、11人でプレイするものだと説く彼女の有志と、そんな彼女が遠く離れて暮らすようになった「ソラ」のもとに再び姿を現した理由に、多くの読者が涙を流したに違いない。

甲子園の夢に敗れた主人公「波多野憲二」は、その小柄な体格と並外れた動体視力を活かすことのできる競艇選手となることをを決意し、その養成機関である「本栖教習所」に進むことを決意する。親の反対と、厳しい倍率を乗り越え入所することになった「憲二」を待っていたのは、厳しい規律に縛られた1年間の訓練の日々。研修所で数多くの同期生たちと出会い、互いに切磋琢磨しながら競艇選手としての実力をつけ、見事プロデビューを果たす青年の姿を描いたスポーツマンガだ。前述の「憲二」に加え、作中でスポットを当てられることの多いのが「青島優子」だ。「憲二」とは同期生で、プロとしてデビューして以降も互いを意識しあっている。そんな彼女が競艇選手になった理由は、父親が病気で倒れており、家の借金を返すためと、一家5人の生活を支えるお金を稼ぐため。褐色の肌とショートカットのヘアスタイルが印象的な女の子で、小柄で体重が軽いという利点を活かしてめざましい成長を遂げ、女子選手のトップクラスを目指す姿は、思わず応援したくなるものとなっている。

プロ野球選手の父を持つ主人公「本田吾郎」がその類まれなる才能といかなる困難にも負けないバイタリティを武器に、並み居る強豪たちと野球で戦っていく半生を描いた長編野球マンガ作品。野球一筋の熱血漢で、野球に夢中になり過ぎるあまり自己中心的に振る舞うこともあるが、その野球に対する情熱は多くの人間の心を動かすプレイヤー「吾郎」を支えているのが、何を隠そう本作のヒロインであり女性アスリートでもある「清水薫」だ。一度は遠く離れてしまった時期はあるものの小学生のころから野球にひたむきに打ち込む「吾郎」に惹かれ、自身はソフトボールに打ち込みつつ「吾郎」のことも献身的に支えている優しい幼馴染。彼女の助力なくして、「吾郎」の躍進はなかったことだろう。

身長149cmの「車谷空」は「九頭龍高校」に入学。母親との約束を果たすためにバスケット部に入部したが、バスケット部は真面目に活動しておらず、不良がたむろする場所になってしまっていた。それでも、バスケットをしようとする車谷空の姿勢に「花園百春」・「千秋」たちは影響され、少しずつ元の情熱を取り戻していく。バスケマンガ史上、最も低身長な青年とバスケット部に関わる人間の成長を描くスポーツドラマだ。高校の男子バスケが舞台であるものの、マネージャー兼監督として献身する「七尾奈緒」や「九頭龍高校」女子バスケ部所属の「薮内円」など本作には女性キャラも多数登場。そのどれもがヒロインと言っていいほどの味のある活躍をしているので、「空」たちの奮闘に加えて彼女たちの活躍にも注目してみてほしい。