『かくかくしかじか』のガイド・ニュース

東村アキコの代表作の一つ。1980年代後半の宮崎県を舞台に、少女漫画家を夢見る女子高校生の明子(のちの東村アキコ)と、絵画教室で出会った厳格な指導者、日高との師弟関係を描いた物語。過度な自信を持っていた明子は、「美術大学合格は容易」だと考えていたが、絵画教室で日高先生の厳しい指導を受け、技術不足を痛感する。当初は教室から逃げ出そうとした明子だったが、日高先生の指導に込められた愛情を理解し、美術大学合格を本気で目指し始める。そして、練習と失敗を重ねる過程で芸術に対する認識や人間関係への理解を深め、美術大学への挑戦と挫折、自己認識の変化を通じて成長していく。本作は、作者自身の実体験に基づく自伝的エッセイ漫画。師弟関係における厳格な指導と愛情、美術教育の現実的な側面が、ユーモアを交えて描かれている。現実の美術教育システムを基盤とし、美術大学の受験に要求される技術や師弟関係の上下構造が詳細に設定されている。集英社「ココハナ」創刊号である2012年1月号から2015年3月号まで連載。2015年に第8回「マンガ大賞2015」大賞、第19回「文化庁メディア芸術祭」マンガ部門大賞を受賞。実写映画（劇場）が2025年5月16日に公開された。