嶋木あこの代表作。現代日本を舞台に、家柄と実力が交錯する歌舞伎界で繰り広げられる恋愛模様を描いた物語。父親の会社倒産により経済的に困窮した歌舞伎好きの女子高校生、千葉あやめは、学生生活のかたわらアルバイトを掛け持ちしながら一人暮らしを続けていた。そんな中、あやめは歌舞伎界の名門に生まれながらもやる気のない河村恭之助と知り合う。恭之助は、歌舞伎に詳しく自分を正しく評価してくれたあやめに思いを寄せるようになるが、彼女は小学生時代から一弥に好意を寄せており、一弥もまた、あやめに好かれたいという思いから歌舞伎の修行に励んでいた。しかし、一弥は門閥外の身分であるため、よい役を恭之助に取られることが多く、やがて轟屋の娘、優奈と結婚し、澤山家の婿養子になることで立場を向上させようと目論むようになる。本作は、伝統芸能である歌舞伎を本格的に扱った少女漫画。歌舞伎の専門用語や舞台での演技、稽古の様子が緻密に描かれ、伝統芸能の世界観が物語に大きな影響を与えている。現実に即した歌舞伎界の門閥制度や師弟関係、舞台での序列システムが明確に構築されており、名門の家系に生まれることの利点と重圧、門閥外から実力で這い上がることの困難さ、師匠との関係性が弟子の将来を左右する仕組みなど、伝統芸能の継承システムが詳細に描かれている。小学館「Cheese!」2009年11月号から2015年11月号まで連載。2012年に第57回「小学館漫画賞」少女向け部門を受賞。テレビドラマが2013年7月から放送された。