市川春子の初連載作品。舞台は遠い未来の地球。人類が消滅した後に誕生した、宝石の身体を持つ28人の生命体の物語。最年少かつ最も脆いフォスフォフィライト(フォス)は、博物誌編纂の任務を通じて世界の真実に近づいていく。また、月からやってくる「月人」との戦いや様々な出会いを経て、フォスは身体的にも精神的にも大きく変化していくことになる。本作は、戦う宝石たちを描いたSFファンタジーである。宝石の特性を生かした身体的特徴がユニークで、キャラクター造形と物語展開の両面で重要な意味を持つ。また、月から飛来する月人による攻撃、季節変化に応じた冬眠システム、破損した宝石を修復する「祈り」の能力を持つ金剛先生の存在など、独自の世界観が特徴である。講談社「月刊アフタヌーン」2012年12月号から2024年6月号まで連載。2013年、「このマンガがすごい!2014」オトコ編第10位にランクイン。2025年に第45回「日本SF大賞」、第56回「星雲賞」コミック部門を受賞した。テレビアニメ化され、2017年10月から12月まで放送された。