月刊プリンセスに掲載された『王家の紋章』。作者は細川智栄子あんど芙〜みん。掲載開始は、1976年10月。古代エジプトと現代を描く壮大な歴史ロマンは、年代を問わず、長く愛される少女漫画の金字塔であると言っても過言ではない。ちなみに、累計発行部数は、2016年の時点で4000部数を超えている。
幅広い年齢層に長く愛される『王家の紋章』。40年以上続く連載作品であり、ミュージカルにもなっている。魅力的な登場人物10人を選び、彼らの活躍を説明したい。
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月刊プリンセスに掲載された『王家の紋章』。作者は細川智栄子あんど芙〜みん。掲載開始は、1976年10月。古代エジプトと現代を描く壮大な歴史ロマンは、年代を問わず、長く愛される少女漫画の金字塔であると言っても過言ではない。ちなみに、累計発行部数は、2016年の時点で4000部数を超えている。
考古学を学ぶ心優しきアメリカ人の「キャロル・リード」。彼女はリード家の事業の一環として、古代エジプト王の墓を調査した際、誤って「メンフィス」の墓を暴いてしまう。愛する弟の墓を暴いた「キャロル」を許すことができない「メンフィス」の姉「アイシス」の呪術にかかり、古代エジプトへタイムスリップする。エジプトに迷い込んだ彼女が最初に行ったことは、彼女が働く場所となった砕石場で働く人々のため、水をろ過して身体に安全な飲み水を作ったことである。その英知に感謝した人々は、彼女をナイルの娘だと信じ、崇めていく。彼女の持つ21世紀の人間であり、考古学を学ぶ者であれば当然持っている知識を、未来をよむ力を持つナイルの娘だと信じる近隣諸国の王たちは、彼女を手に入れようと狙うが、その都度、「メンフィス」、彼の従者たち、また、現代へタイムスリップことによって、その困難に打ち勝っていく。彼女は、持ち前の勇気と正義感で、「メンフィス」とともに古代エジプトの時代を生きていくことになる。
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古代エジプトの王として君臨する若き王メンフィス。メンフィスは、エジプト王と王女の間に生まれた、生まれながらにして王位継承権を持つ王子として誕生している。幼い頃に母と父と亡くし、その後は、彼を溺愛する姉アイシスに愛されて大きくなる。彼がエジプトの王となる日、ナイルの湖畔に流れついたキャロル・リードを発見し、宮殿に連れて行こうとするが、キャロルに拒まれ激怒した彼は、か弱いキャロルを過酷な砕石場へ連れていき、働かせることとした。彼の従者であるウナスがキャロルの身辺を秘かに守るが、働く人々のために安全な飲み水をつくったことを聞き、彼女の持つ英知に興味を抱き、彼女を愛するようになり、彼女を妃とする。その様子を見た姉アイシス、また、「ナイルの娘」に興味を抱く近隣諸国の王たちから狙われるが、その都度メンフィスに助けられ、失敗に終わる。若き王メンフィスは、広大な土地、豊かな自然、財源を持つ、富めるエジプトの王として国を守りつつ、彼女を守り生きていくのである。
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強大なエジプトを狙うヒッタイトの王子「イズミル」は、エジプトの若き王「メンフィス」の妃となるため、エジプトに向かった妹の消息が分からなくなり、彼女の行方を探るため、旅商人の姿になり、エジプトに向かう。ヒッタイト人特有の長い髪をフードで隠し、宮殿近くまで近づくが、消息は分からず。旅の商人として宮殿に入り込んだ「イズミル」は、「キャロル」に近づき、彼女が妹の消息を知っているっことに気づく。「メンフィス」の妃となった「キャロル」を手に入れることで、エジプトも手に入ると考える冷静沈着な「イズミル」は、彼の従順な従者である「ルカ」をエジプトに派遣し、「キャロル」を守りつつ、人知れずヒッタイトに連れ帰るよう命令する。「キャロル」がタイムスリップする際、兄である「ライアン・リード」に銃で撃たれるが、再び、タイムスリップで古代に戻った「キャロル」に看病されたことをきっかけに、彼女を情熱的に、深く愛していくようになる。
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エジプトの王、王女の間に誕生した第一王女。その類まれな美貌から、下エジプトの女王と人々から称賛される「メンフィス」の姉「アイシス」は、幼いころに両親を亡くしたため、弟「メンフィス」を溺愛し、彼の王妃となる日を夢見て大きくなっていく。「キャロル」の兄が、弟の墓を暴いたことに怒り、「ライアン」と「キャロル」の父を殺害し、「キャロル」を古代エジプトに連れ帰る。だが、「メンフィス」が「キャロル」に興味を抱くようになり、不安に駆られ、彼女を現代へ戻すことを考えるが、王位を狙った神官が「アイシス」を呪い殺すために製作した石板が復元されてしまっていたため、現代へ戻すことができなくなっていた。「メンフィス」を諦めきれない「アイシス」は、邪魔な「キャロル」を殺害しようと何度も企てるが、その都度、失敗に終わる。「キャロル」殺害を条件に、エジプトを狙うバビロニア王「ラガシュ」の妃として、バビロニアに嫁いでいくことになる。
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「ラガシュ」は、バビロニア王国の王であり、「メンフィス」の姉「アイシス」を妃に迎えている。エジプトを訪問した際、下エジプトを治める「アイシス」に捕まるが、彼女の美しさに一目ぼれし、その場で求婚する。「アイシス」は、「ラガシュ」の言った「キャロル」が最高位の女性であり、仕える立場になるの言葉が忘れられず、憎き敵である「キャロル」を殺害することを条件に妃となったのである。強大な富めるエジプトを手に入れるためなら、どんな冷酷非道なことも厭わないほどの強靭な精神を持つ「ラガシュ」は、「キャロル」の持つ未来をよむ能力、豊かな知識を認めており、「アイシス」からの条件を受け入れているように見せかけるが、本気で殺害することは考えていない。「メンフィス」の妃となった「キャロル」を手に入れることで、同時にエジプトを手に入れることができることを理解している彼は、チャンスがあれば、「メンフィス」を亡き者にし、エジプトを手に入れようと目論むずる賢い一面を持っている。
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先代の皇太子を殺害して手に入れたアッシリア王国の王となった「アルゴン」は、「メンフィス」のような美少年、美青年を好むだけでなく、「アイシス」のような悩ましい女性も好む好色な男性である。諸国のうわさで聞くナイルの娘を手に入れようと画策する彼は、「キャロル」がアッシリアに居るようにふるまい、「メンフィス」をエジプトより呼び出すことに成功する。「メンフィス」に眠り薬を入れたお酒を飲まして泥酔させた上、両手、両足に手かせ足かせを付け、抵抗できなくさせてしまう。一騎打ちすると約束したのにも関わらず、その約束を反故にした「アルゴン」は、「メンフィス」をいたぶり、ケガを負わすが、その状態を知った「キャロル」がアッシリアの城を水攻めにして、混乱をまき起こす。従者に助けられた「メンフィス」は、「アルゴン」から「キャロル」を助けるため、「アルゴン」の右腕を切り落としてしまう。この残忍な性格の「アルゴン」には、心優しい弟「シャル」がいるが、弟をも戦略に使う持ち駒の一つと考えている。
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「キャロル」の一番上の兄「ライアン・リード」は、父であるリード家当主が「アイシス」に殺害された後、リードコンツェルンを継ぎ、社長となっている。金髪の「キャロル」とは容姿が異なり、肩まで伸ばした、まっすぐな黒いストレートの髪がトレードマークである。たった一人の妹である「キャロル」にはとことん甘く溺愛しているが、事業に関しては、冷静沈着で氷のライアンなる異名を持つ。敏腕、尚且つ、高い経営能力を存分に活かす青年実業家である彼は、「キャロル」がタイムスリップする際、「イズミル」の姿を発見し、その「イズミル」に向けて銃を打ち、重傷を負わした経験を持つが、その相手が古代に生きる若者であることは、理解していない。また、度々ナイル川で発見される「キャロル」を心配するが、それが、タイムスリップによる現象であるということも分かってはいない。彼のすぐ下の弟「ロディ」も、「キャロル」同様、行方不明となっており、今も、探索を続けている。
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旅の商人「ハサン」は、身長が高く、飄々とした風貌を持つ青年である。アッシリア王の宮殿に出入りする仲間「カレブ」とともに、金儲けをたくらみ、エジプトへとやって来た彼は、そこでナイルの娘と呼ばれる「キャロル」にひょんなことから出会いを果たす。「カレブ」に命じられるまま、彼女に近づき、エジプトから連れ出し、別の商人へと売れ渡してしまう。だが、彼女が危機に遭遇しているところを助けたこと、彼女の人々への心やしい性格を知った時から、「キャロル」に心酔し、「カレブ」と別れ、彼女に仕える道を選ぶこととなる。「ハサン」がヒーローとなったのは、「キャロル」がアルゴン王から、自身の実を守るためにジギタリスの毒を食べた時である。常時携帯している薬草の中から、ジギタリスの毒を解毒する作用を持つ薬草を彼女に飲ませ、彼女の命を救う。「ハサン」は、「キャロル」を黄金の姫さまと呼び、旅の商人である知識、経験を活かしつつ、その後も、陰に日向にと、彼女をサポートしていく。
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ヒッタイトの「イズミル」の命を受け、エジプトに潜入し、ナイルの娘と呼ばれる「キャロル」を守る従者となった間者「ルカ」。淡い色をしたソバージュの髪は、ヒッタイト人特有の髪質ではなく、どこか別の国で生まれたかもしれないと想像させている。「イズミル」とのやり取りは、主に鳩を使っての連絡となるが、「キャロル」、「メンフィス」、エジプトの従者たちには間者であることはまだ知られていない。ちなみに、「イズミル」の命は、「キャロル」の側を離れず保護すること、それから、エジプトから人知れず「キャロル」を連れ出し、ヒッタイトへ連れ戻ることとなっている。「ルカ」が敵と戦う際に使用する武器は、主に、短剣であり、その腕は、メンフィス、従者たちが認めるものである。「イズミル」からの命令を果たせないまま、「キャロル」に長く仕えているが、彼女が自分に向ける天真爛漫な笑顔を見るたび、彼女からの信頼を裏切ることになるのではないかと思い悩みつつ、「キャロル」の側を離れず、彼女をを守り続けている。
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ミノア王国の第一王子「アトラス」。「アトラス」は、将来、ミノア王国の王となる立場であったが、大きな身体に不思議な色の肌を持っていることから、母に疎まれ、王国の地下で誰にも会わない、一人きりで暮らす日々をおくっている。彼が母と会う時は、母がその地下に降りてきた時のみであり、彼が城内を自由に歩くこと、また、弟「ミノス」に近づくことは禁じられている。誤って地下に降りてきたナイルの娘を一目見て気に入り、彼女に求婚するが、その場で断れてしまう。だが、「キャロル」の返事を逆恨みした「アトラス」は、その後も執拗につけ回し、彼女だけでなく「メンフィス」までもつけ狙う作戦に出る。彼が唯一心を許すのは、意思疎通を図ることができるマカオーンと名付けられたイルカのみである。ちなみに、「キャロル」がミノア王国に出かけた理由は、「アトラス」の弟である第二王子「ミノス」の病気を治してもらおうと母が画策し、「キャロル」を招いたことによる。
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