ちはやふる、百人一首への招待4111 Pt.

競技かるた、百人一首の世界で生きる高校生たちの青春を描いた人気少女漫画、「ちはやふる」。
百人一首は格闘技とも称されるほど過酷な競技ですが、本作ではその厳しさ、難しさ、面白さが非常に丁寧に描かれている。
しかし、競技である一方、ご存知の通り百人一首は歌の集まり。歌の内容を知らずとも遊ぶことはできるが、それはあまりにももったいない。

ここでは、百人一首に登場する代表的な歌を取り上げて解説をしていく。

作成日時:2016-05-10 14:00 執筆者:マンガペディア公式

歌の意味を知る

「あらざらむこの世のほかの思ひ出に 今一たびの逢ふこともがな」

訳「私はまもなく死んでこの世を去りますが、その思い出にもう一度あなたに会いたいです」
第五十六首、小式部内侍の母である和泉式部の歌。
恋多き女性として知られる和泉式部の、辞世の句にあたる歌として有名だ。
この歌の一、二句目、「あらざらむこの世のほかの」は当時、非歌語とみなされていた極めて非凡な表現で、「応永抄」という注釈書でも絶賛されている。
現代でも和泉式部を歌詠みの名手とするのはこのあたりに理由があると言える。

「大江山生野の道の遠ければ まだふみも見ず天の橋立」

訳「丹後までは大江山を越え生野を通っていく道が遠いので、まだあの天橋立の地を踏んだこともありませんし、母からの手紙も見ていません」
第六十首、和泉式部の娘である小式部内侍の歌。
当時、小式部内侍の歌が上手いのは、母の和泉式部に代作をしてもらっているという噂があった。そこで藤原定頼がからかって、母に代作を頼んだ手紙の返答は来ましたか? と尋ねたところ、即興で詠んでみせたのがこの歌であると言われている。
「生野・行く」、「文・踏み」といった掛詞、丹後の枕詞である天橋立という技法をしっかりと用いつつ、定頼に対して当意即妙の歌を詠むことができたというのは小式部内侍の力を知ることができる有名な話として、今日まで語り継がれている。

「いにしへの奈良の都の八重ざくら 今日九重に匂ひぬるかな」

訳「かつて栄えた奈良の都の八重桜が、今日は九重の宮中で美しく咲き誇っています」
第六十一首、伊勢大輔の歌。
「今日」と「京」を掛け、「九重」と「八重」で数字遊びを見せている。
奈良から届く八重桜は開花が遅く、京都で見る桜よりも後で見ることになる。
伊勢大輔は、そこに京都の長い繁栄を祈ったのか、数字遊びを巧みに使った見事な歌に仕上がっている。


百人一首には、素敵な歌がたくさんあるので、どんどん紹介していきたいと思う。

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