ちはやふる、百人一首への招待1404 Pt.

競技かるた、百人一首の世界で生きる高校生たちの青春を描いた人気少女漫画、「ちはやふる」。
百人一首は格闘技とも称されるほど過酷な競技ですが、本作ではその厳しさ、難しさ、面白さが非常に丁寧に描かれている。
しかし、競技である一方、ご存知の通り百人一首は歌の集まり。歌の内容を知らずとも遊ぶことはできるが、それはあまりにももったいない。

ここでは、百人一首に登場する代表的な歌を取り上げて解説をしていく。

作成日時:2016-04-09 11:59 執筆者:マンガペディア公式

歌の意味を知る

「秋の田のかりほの庵のとまをあらみ 我が衣手に露は濡れつつ」

訳「秋の田に、間に合わせに作った小屋はとまが荒いので、私の袖は露に濡れ続けています」
百人一首の第一首、天智天皇の歌。
この歌はそのまま詠めば農民が農作業の辛さを憂いている歌と解釈できるのだが、読んだのが時の天皇となれば、農民を思う為政者の歌として解釈することができるのだ。
百人一首の第一首として広く知られている歌である

「春過ぎて夏来にけらし白妙の 衣ほすてふ天の香久山」

訳「春が過ぎて夏が来たらしい。夏になると衣を干す香久山に、真っ白な着物が干してあることよ」
第二首、女性天皇である持統天皇の歌。
緑いっぱいの天の香久山に、夏の晴天のもと白い着物が干されている。短い歌の中にも見事に季節感やその情景を表現された句だ。ちなみに天の香久山は奈良県橿原市にある。

「花の色は移りにけりないたづらに 我が身世にふるながめせしまに」

訳「春の長雨が降って桜の花が虚しく散ってしまったように、私の容姿も物思いをしている間に衰えてしまったことです」
六歌仙、三十六歌仙のひとり、小野小町の歌。第九首。
絶世の美女としても知られる小野小町が、自身の美しい容姿と花が散る姿をかけて詠んだとされる歌。小町が詠むだけに、非常に悲哀が感じられる歌である。
ちなみに、小町はその広く知られた名のわりに素性はあまり分かっておらず、出生の地、没したとされる地は数多く考えられている。


百人一首には、素敵な歌がたくさんあるので、どんどん紹介していきたいと思う。

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