元気でパワフルな小学生四年生の女の子、浜野あさりのドタバタな日々を描いたギャグ漫画。「桜貝小の野獣」とあだ名される浜野あさりは、姉のタタミとケンカしたり、母のさんごに叱られたりしながらも、毎日楽しく過ごしている。1982年テレビアニメ化。第31回小学館漫画賞受賞。2人組による1コミックシリーズ最多発行巻数としてギネス認定されている。
作者の室山まゆみ(室山まゆみは作者姉妹の合同ペンネーム)の代表作。タイトルに記載されている「あさり」は、主人公の名前だ。あさりの家族である浜野家の名前の由来は、すべて海産物、海洋生物からきている。母の名は「さんご」、父の名は「いわし」。そして、姉のタタミは、「畳」ではなく「イシダタミ貝」または「たたみいわし」がもとになっている。他にも浜野家の親戚や一部キャラクターに海産物の名が用いられている。本作は1978年から2014年まで36年連載され、計100巻で完結。浜野家での騒動や学校を舞台にした一話完結がメインだが、時に数話にわたるエピソードや読者のお便りを元にした話も登場する。
長期連載&テレビアニメ放送で知られる国民的漫画。磯野家の長女で主婦のフグ田サザエを中心に描かれるホームコメディ漫画。東京の片隅に暮らす磯野家は、父の波平、母のフネ、長女のサザエ、長男のカツオ、次女のワカメの五人家族。おっちょこちょいだが明るいサザエは、お見合いで出会ったフグ田マスオと結婚。やがて息子のタラオが誕生する。
長谷川町子の代表作で、新聞の四コマ漫画が発祥の本作。磯野家だけでなく、サザエの従弟のノリスケ、マスオの同僚のアナゴなど、主要登場人物の多くが海産物の名前となっている。これは当時、作者が自宅近くの海岸を散歩していた際に、キャラクターや名前を思いついたことが理由。この『サザエさん』が誕生するまでやその後のエピソードなどは、自叙伝『サザエさんうちあけ話』で紹介されている。サザエはおだてに弱いお調子者だが、明るく面倒見の良い女性。いたずらっ子で年の離れた弟のカツオとはケンカもするが、基本的に家族思いである。また、婿入りではなく妻の実家に同居する男性を「マスオさん」と呼ぶのは、磯野家に同居するサザエの夫のマスオが由来だ。
海から来た少女、イカ娘が巻き起こすコメディ。海の底で暮らしていたイカ娘は、人間達が海を汚すことに激怒していた。やがて地上に現れ、人間を支配すると目論む。だがあまりにも世間知らずだったイカ娘は、拠点にしようとした海の家「れもん」を営む相沢姉妹に敗北。壊した壁の修理代のため、働かせられることになるのだった。2010年テレビアニメ化。
本作の主人公「イカ娘」は、海から来た謎の生命体である。その姿は、イカの形をした帽子を被っている可愛い女の子。しかし、髪の毛はイカの触手と同じように意志を持って動かすことができ、時にイカスミを吐くことも。しゃべると語尾に「ゲソ」が付く。名前の「イカ娘」は種族の名前であり、彼女の固有名でもある。物語当初は海の家「れもん」で壊した壁の修繕費用を稼ぎつつ、人類侵略を目論んでいた。しかし、地上に慣れ過ぎたせいで、触手がつった時は海で溺れるとパニックを起こしたことも。さらに人間の文化に触れ、テレビやゲームに夢中になってしまう。また、相沢姉妹を通じて知り合った人々と交流を深める内に、イカ娘は周囲の人々に愛着を抱くようになっていく。
市販の身近な食材やお菓子を使ったグルメ&コメディ漫画。子どもたちが自由な発想で考えだす新しいグルメ「リトルグルメ」。このリトルグルメに天才的な才能を発揮する少年料理人がいた。彼の名はなべやきコンブ。コンブの料理を口にした者は、その美味しさから思わず「OH!MYコンブ」と叫んでしまうのだった。1991年テレビアニメ化。
本作のタイトルにある「コンブ」は、主人公の名前である。また本作に登場するキャラは、何らかの食べ物に関する名前を冠している。天才少年料理人であるコンブが使う食材の多くは、市販のお菓子やインスタント食品だ。メニューの一例としては、チョコレート菓子をホットミルクで解いたものや、カップ麺を使って作る寿司など。子どもならではの自由な発想と組み合わせから作られる「リトルグルメ」は、食べた者が思わず「OH!MYコンブ」と叫んでしまうほどの美味であった。また正義感が強いコンブは、料理の腕で周囲の者の危機を救うことも多い。ちなみに読者からのアイデア募集も行われ、作中には市販されている実在の商品もあり、巻末にクレジットが記載されている。
人妻から金を奪おうとした男の逃避行を描くサスペンス漫画。主人公の北は、生きる気力もなく、自殺を考えていた。しかし、死ぬ前に北海道で蟹を食べてみたいと夢想する。そんな北が偶然出会った人妻の雪枝。北は彼女の後をつけて金品を奪おうとした。だが雪枝は北に体も金も差し出し、彼から犯行動機を訊くと北海道に蟹を食べに行こうと誘う。
本作のタイトルにある「蟹」は、主人公である北の犯行動機。見るからに高価な指輪を付けている美しい人妻の雪枝に複雑な感情を抱いた北は、彼女を襲って金を奪おうと計画する。しかし、抵抗するどころか北に体も金も与える雪枝に対し、北は「死ぬ前に北海道に蟹を食べに行きたい」という犯行動機を語ってしまう。雪枝に調子を狂わされてしまった北は、再び自殺を決意する。しかし、そんな北に雪枝は、一緒に蟹を食べに北海道へ行こうと誘いかけた。そして雪枝の用意した車で北海道へ向かうことに。恵まれているはずなのにそれを捨てようとする雪枝。訳のわからぬまま、北は彼女と共に旅をする。やがて北は雪枝に惹かれ、旅の終わりについて考えるようになっていく。