ヒーロー戦隊のリーダーと悪の秘密結社の女リーダーが恋に落ちるラブコメディ。原作は野田宏。相川不動(あいかわふどう)は世界平和を目指すヒーロー戦隊「ジェラート5(ファイブ)」のリーダーだ。真面目すぎて恋愛をしたこともなかった相川に、人生で初めての恋人ができた。しかし、そのお相手は、世界征服を企む秘密結社「ゲッコー」の戦闘員を率いるリーダー・禍原デス美(まがはらですみ)。決して相容れないそれぞれの組織に身を置く二人の交際は前途多難だ。
うららかな日差しの降り注ぐ穏やかな日、「クッキー、今朝焼いてみたんだ。口に合うかわからんが…」と最愛の彼女が恥ずかしそうに差し出してくれる。むずがゆくも初々しいお付き合いをしている相手の男は、ヒーロー戦隊「ジェラート5」のリーダー・不動。そして手作りクッキーを持参の彼女こそ、悪の秘密結社で戦闘員を率いるデス美。熊の生肉が大好物と噂され、地球外から来た殺戮マシーンとも綽名されるデス美だが、その実態はファンシーな小物やパンケーキが好きな博多出身の女子。男女交際への免疫もなく、手をつなぐのも恥ずかしくてなかなかできない純情さの持ち主なのだ。戦闘の合間にデートを楽しむ二人だが、二人の交際は絶対秘密。部下の前ではバトルをしつつ、少しずつ交際をステップアップしていく。
悪の怪人組織の幹部だった女が正義のヒーローの正体に一目惚れしたことから始まる百合コメディ。ハニィ・トラップは、異次元からやってきた悪の怪人組織・アンチノイドの女幹部だ。正義のヒーロー・ラピッドラビットを追いつめて正体を見たハニィは、そのキュートな美少女ぶりに一目惚れ。とどめを刺すことができずに見逃してしまい、悪の組織をクビになってしまう。行き倒れていたところをラピッドラビットこと、本城颯(はやて)に助けられ、同居生活をすることになる。
「元女幹部」こと、ハニィが属していた悪の怪人組織・アンチノイドは、地球の住人の記憶には残らないという特異な体質を利用して密かに人間世界を侵略し、手中におさめんとしていた。しかし、正体不明の正義のヒーロー・ラピッドラビットの出現によって状況は一変。アンチノイドとラピッドラビットは激闘を繰り広げていた。しかし、颯に一目惚れしてしまったハニィは、「敵とか味方とか関係なく私は困っている人がいるなら助けたい」という颯の言葉に心を動かされ、ラピッドラビットと組んで自分を捨てた組織に反撃することに。互いを殺そうとするほどの関係にあった二人が同居生活を始め、息の合ったコンビとなっていく。元は強面の女幹部なのに颯との同居生活にドキドキするハニィの姿も微笑ましい。
純情戦隊ヴァージニアスの悪との戦いと純情すぎて迷走する恋を描いた戦隊ラブコメ。純情戦隊ヴァージニアスは純潔であることで強大な力を手にする特殊な戦隊ヒーローだ。そのため、隊員は恋を知らない少年少女ばかりのはずだが、ヴァージニアスのレッドは33歳を迎えていた。そして、レッドに密かに想いを寄せるピンクも、恥ずかしさから10代と年齢詐称していたが実は28歳。隊員たちの力の源である純潔を失わせようと企む悪の軍団はピンクとレッドをくっつけようと画策する。
本作の主人公・レッドは、ヴァージニアスとして戦う時は物凄く強いし、どんな困難にも負けない、真のリーダーだ。しかし、力の源である「純潔」を33歳まで守り抜いてしまったが故に、恋愛は不得手。周囲から「レッドさんはモテないからこの戦隊に居続けているんじゃなくて戦いのために恋を捨てたんだ」と気遣われるたびに地味に傷ついている。一方、入隊したばかりのピンクは、奥手さから恋を遠ざけて生きてきてしまった28歳。そんな二人に目をつけた極悪連盟ヴィンラーンは、悪の組織らしからぬ恋のキューピッド的な活動に出る。しかし、こじらせ気味の33歳と28歳はなかなか手ごわく、超スローペースでムズキュンな関係を温め始めることになる。
壊滅された悪の組織の科学者だった少年・阿久野ジローが騒動をまきおこす学園コメディ。ごく普通の女子高生・渡恭子の家に、突如居候として従姉の阿久野エーコとその弟・阿久野ジローがやってくる。実はエーコとジローの実家は悪の組織キルゼムオール。組織が壊滅し一家離散となったため、渡家に世話になることになったのだ。ジローも恭子と同じ高校に通うことになるが、元悪の組織の構成員で科学者でもあるジローは思いもよらない騒ぎをまきおこす。
悪の組織というと、よく登場するのがマッドサイエンティストだ。主人公・ジローも、自在に変形・操作できる発明品のオートマントに身を包み、佇まいはまさにマッドサイエンティスト。組織が壊滅したことで、一般人として高校生活を送ることになるが、世間の常識を知らず、自由すぎるジローの振る舞いは、普通の生活を送りたい恭子にとっては頭痛の種。「元」とはいえ悪の組織の科学者として純粋培養されていたジローは、人でも物でも何でも改造したがるし、恭子のことも、その身体能力の高さに魅せられたことから、改造して、自分の手下にしようと目論んでいる始末だ。元悪の組織の構成員・ジローと、同居人かつクラスメイトとなってしまったことで、一般人・恭子の学園生活はハチャメチャなものとなる。
地球の平和を守る異星人のヒーロー・プロキオンが継父としても奮闘するヒーローコメディ。流星士郎(ながれせいしろう)ことプロキオンは、地球の平和を脅かすインベーダーから人間を守るため派遣された彗星人(ミーティアン)だ。地球への着任早々に、天川琴音(あまかわことね)と恋に落ち、電撃結婚するが、琴音の海外赴任が決定。琴音の連れ子・郁生(いくる)と二人暮らしをすることに。プロキオンは正体を隠しつつ、星士郎として何とか郁生に父として認めてもらおうとする。
彗星人であるプロキオンは、己の素性を周囲の地球人に明かすことはできない。そのため世を忍ぶ仮の姿として、サラリーマン・流星士郎というプロフィールを携えて地球にやってきた。ひとたび出動の要請があれば、本当の姿・プロキオンに変身し、地球を侵略するインベーダーと戦うが、それは結婚相手の琴音にももちろん秘密。しかし、プロキオンの姿は、テレビでも放送され地球を救うヒーローとして話題に。琴音の連れ子・郁生もご多分に漏れず、インベーダーを倒すプロキオンに夢中だ。しかし、地球の常識に不慣れなせいで、ゴミの分別一つできない継父・星士郎には軽蔑の眼差しを向けている。家では郁生から敵のように扱われているプロキオン。彼の父としての戦いは始まったばかりだった。