近未来の田舎町を舞台に、妻に先立たれた老人と派遣されてきたメイドロボットの日常を描くハートフルコメディ。テクノロジーが発達した近未来、海辺の寂れた町に住む吉岡は、長年連れ添った妻に先立たれた。息子に一緒に住もうと誘われるが断り、静かな独居生活を送っていたところ、1人の少女が訪ねてくる。ホワイトブリムとフリルの付いたエプロン姿の少女は、息子の依頼で派遣されたメイドロボットだった。最初は1人で生活できると断る吉岡だが、彼女の願いを聞き入れ、1週間だけ一緒に生活することを了承する。
ポン子はメイドロボットだ。長い髪をポニーテールにし、メイド服を着用している。見た目は10代半ばくらいだろうか。背はあまり高くなく、目が大きくてかわいらしい容姿をしている。住み込みで家事全般をこなすのがメイドロボットの仕事だが、ポン子は30年前に製造されたロボットなので、あちこちにガタがきている。時折動きはぎこちないし、お辞儀をすると首が取れる。実は吉岡の家が最後の職場となるため、その後はスクラップ工場で500円玉にされてしまうのだ。家政婦としてはベテランではあるらしいが、特技はマイナスイオンの噴射という相当地味なもの。何しろ「ポンコツ」なので、身の回りの家事を楽にしてくれるより、騒動を起こすほうが多い。しかし、家事の手助けだけがポン子の仕事ではない。ご主人様である吉岡の側にいて、笑顔をくれる。それだけでポン子には価値があるのだ。機械なので心はないはずだが、ポン子の言葉には30年という積み重ねた年月を感じさせる時がある。
元戦闘用アンドロイドのメイドと、中学生のご主人様の日常を描いたバトルラブコメディ。地球を侵略する異星人「セイント」と、人類を陰から操ってきた組織「管理者」は、極秘裏に激しい戦いを繰り広げていた。中立組織「ヴェスパー」に所属する戦闘用アンドロイド・まほろは戦いに従事してきたが、寿命が僅かになったことで引退が許される。まほろの望みは、両親を早くに亡くした少年、美里優(すぐる)のもとでメイドとして働くことだった。2001年10月、2002年9月にテレビアニメ化。
メイドとして優のもとにやってきたまほろは、戦闘用アンドロイドで、最強の戦士と呼ばれている。かわいらしい容姿をしており、長い髪は大きなリボンでまとめられている。見た目は戦士らしくないが、外敵と激しい戦いを繰り広げてきた功績があればこそのメイド赴任である。優の側でも戦闘用としての能力を発揮しており、銃弾は手で受け止められるし、大人の男性に殴られてもビクともしない。見た目は女性らしい柔らかさがあるが、合鉄のボディの持ち主なのだ。戦闘用だから家事はできないのではと思いきや、メイドとしても超優秀。料理も片付けも完璧にこなし、まさに非の打ち所がない。高性能AIを持っているため、会話する姿は人間と何ら変わりはない。感情が豊かなので、ついロボットであることを忘れてしまう。かわいくて有能なまほろが家にいたらと想像せずにはいられない。
フィギュアマニアな主人公とメイドロボットの日常を描いたドタバタラブコメディ。様々な用途の人型ロボットが実用化されている世界。主人公・村瀬貴也はフィギュアをこよなく愛するフィギュアマニアだ。理想の着せ替えロボットを探すため、カスタムメイドロボ専門店を訪れていた。だが店内で一目惚れしたロボットは、生活サポート用。店主に愛玩用をすすめられるが、貴也はそのメイドロボを購入した。自宅で起動したところ、彼女は裸同然の格好に驚き、貴也との意見のくいちがいから家を飛び出してしまうのだった。2007年にOVA化。
子どもの頃、一度はお人形遊びに興じたことがあるのではないだろうか。人形の着せ替えをしたり、髪型を変えたり、設定を作って遊んでみたり。貴也の趣味には色々な欲望や願望が混じっているものの、その延長線上にあるようだ。大のフィギュア好きの貴也だが、実際に手に入れたゆいは生活サポート用で、所謂メイドロボットだ。しかし貴也の望む用途は愛玩である。貴也は理想の容姿を持つゆいを溺愛しており、事あるごとに着せ替えようとするし、アルバイト代をゆいへお小遣いとして与えている。メイドとして働かせるよりは、理想の人形として、自分の趣味に付き合ってほしいと考えている。ゆいはそのことを不満に感じており、人形扱いはしてほしくないと言う。アンドロイドは大まかに言えば動く人形であるが、ゆいを機械らしいと言う人はいないだろう。人間のようによく怒り、悩み、笑う。「人間」らしいゆいと、「人形」のように扱いたい貴也との攻防に注目だ。
メイドロボットが一般家庭に普及した世界を舞台に中学3年生の主人公と子どもの頃から一緒に暮らしているメイドロボットの二人暮らしを描くハートフルコメディ。家電としてメイドロボが当たり前に使用され、世の中には感情移入し、機械以上の愛情を抱く人間も存在していた。颯太(そうた)はメイドロボットのつくしと二人暮らし。思春期真っただ中の颯太は、必要以上に世話を焼きたがる美少女メイドロボット、つくしの扱いに困っていた。ラッキースケベの結果気まずくなった颯太は、つくしに家から出ていけと強い口調で言ってしまう。
つくしはとにかく尽くすタイプのメイドロボットである。尽くすからつくしなのか、名前の由来は謎だが、おはようからおやすみまでのお世話は基本中の基本。家事以外にも、好きな女の子と話をするための特訓や、入浴も一緒に行うという過保護っぷりである。容姿は10代後半から20代くらいで、凹凸のある肉感的な体つきだ。色々なものに興味がある思春期真っただ中の颯太には刺激が強いだろう。しかし、性的な意味でメイドロボットを使用するということに躊躇してしまうくらい、颯太にとってつくしは大切な存在なのだ。とはいえ、常にべったりしつこいくらいお世話を焼かれれば、少し距離を置きたくなるものだ。つくしの颯太への愛は止まることを知らず、いささか暴走気味ではあるが、素直になれない颯太を見守る姿は、母のようでもあるし姉のようでもある。うっとうしいけれどいなくなると寂しい。颯太とつくしは、互いを想い支えあう家族なのだ。
元悪の組織の天才科学者である青年と、ごく普通の女子高生の同居生活を描く青春コメディ。渡(わたり)恭子が目覚めると、身体の自由を奪われていて、そこにはガスマスクのようなものをした怪しい男がいた。改造手術をされかけるが、間一髪で従姉のエーコに助けられる。恭子を襲った謎の男は、稼業が悪の組織という阿久野(あくの)ジロー。実家が正義の味方に壊滅させられたことにより、姉のエーコと共に渡家に居候することになったという。事あるごとに改造手術をすすめてくる常識はずれのジローに、恭子は手を焼くのだった。
ジローは天才科学者である。改造が大好きで、弱点の強化のために恭子を改造しようとする、マッドなところもある。基本的には常識に疎くはた迷惑なトラブルメーカーなのだが、たまに恭子の助けになるものを作ることもある。それがキョーコ乙型だ。外見は恭子そっくりなのだが、区別のために胸は乙型のほうが少々大きい。メイド服を着用し、モデルの恭子とは違い、眼鏡はかけていない。性格は礼儀正しく、生まれたばかりなので純粋で、家事の負担軽減という意味では恭子の助けになっている。製作者であるジローに特別な感情を抱いており、近くにいると胸のモーターが高鳴る様子は「人間」ならば恋ではないだろうとか思うところだ。機械的には不具合なのだが、乙型にとっては一番優先したい、何よりも大切なもの。モデルとなった恭子とはまた異なる魅力を持つキョーコ乙型、その穏やかで純朴な姿に癒される。