命を懸けろ!熱い「決闘」を描いた漫画オススメ5選!50 Pt.

実は現代日本において決闘は「決闘罪ニ関スル件」とされ、法律で禁止されている。この法律は明治22年に公布されており、現在も有効だ。このような法律があったということは、逆にいえば古来日本で決闘に深い意味があったことが分かる。今回は熱い決闘がなされる作品を選定した。ぜひその目撃者となってほしい。

作成日時:2020-08-30 10:00 執筆者:マンガペディア公式

命を懸けろ!熱い「決闘」を描いた漫画オススメ5選!

出典:小学館


『保安官エヴァンスの嘘 ~DEAD OR LOVE~』

『保安官エヴァンスの嘘 ~DEAD OR LOVE~』

出典:小学館

架空の西部開拓時代を舞台に腕利きの保安官が「モテたい」をモチベーションに奮闘する西部劇ギャグ漫画。あらゆる犯罪者が恐れる保安官エルモア・エヴァンス。幼い頃からその銃の腕前を開花させてきたエヴァンスであったが、その動機は父であるカート・エヴァンスのように「モテたい」がためであった。そして現在、言動には隙がなく、カッコつけていても保安官としての実力が伴っているがゆえ、人々からの信望が厚いエヴァンス。そんな彼がモテるために尽力する日々を描いたコメディ作品である。

冒頭から、口説きたい一心で追っていた女性がお尋ね者であったために、失恋するエヴァンス。第1話ではそれも含めて計2回フラれているのが可笑しい。保安官であり、腕前も一流の彼であるが、心の中はモテたい一心。彼の回想の中でしばしば登場する父親のカートも、モテるための名言のようでいてなかなかゲスな発言をするのが可笑しく、エヴァンスの回想をつい楽しみにしてしまう読者も大勢いるだろう。「保安官はモテる」という、自らも実証できていない説に拠って、保安官をしているエヴァンス。彼の性格はともかく、基本的な外面は「カッコつけ」をしているため、それが奏功して周囲から信頼されている。そうして信頼を集めるエヴァンスであるが、ゲスな本音とのギャップがあって面白い。そんな彼を中心に、銃撃戦を含むドタバタが繰り広げられる、今非常に勢いのある西部劇コメディである。


『決闘裁判』

『決闘裁判』

出典:講談社

かつてのヨーロッパで実際にも行われていた制度「決闘裁判」に抗う少年の旅を描いた中世ファンタジー漫画。17世紀初頭のヨーロッパにおいて、原告と被告の決闘により、有罪か否かが決まる「決闘裁判」が実際に行われていた。そんな時代に、姉エルザと暮らしていた主人公の少年ニコ・マイルズ。ある日、決闘裁判を嫌う姉が決闘裁判で常勝の無頼漢・ギュンターに殺害される。その罪を認めないギュンターにニコは決闘裁判を持ち掛けるのであった。

「神は正しい方の人間を勝利に導く」とされ、理不尽な裁判でありながら、人々を魅了し、やがて廃れるも根絶されぬまま長く残った「決闘裁判」という制度。それをモチーフとしたのが本作だ。ニコとギュンターの決闘を目撃した巡回裁判員の少女アリア・ルーインズと謎の狼・ヴォルフとの出会いが、ニコの未来を変えることとなる。亡き姉の形見のスカーフをまとい、ヴォルフの助言によってギュンターに勝利したニコ。姉の「真実が真実として証明される世界」を見るため、アリアらの「救国の代闘士」を探す旅に同行することとなる。旅を続ける中、ニコは数々の決闘裁判を通し、さまざまな人生模様を目にしていく。暗く厳しい世界観ではあるが、その中でニコという存在に一条の光を見出しうる作品である。


『PEACE MAKER』

『PEACE MAKER』

出典:集英社

アメリカ西部開拓時代をモチーフとし、決闘の世界に身を置く主人公らの活躍と壮大な旅を描くガンアクション漫画。銃での決闘(デュエル)の勝敗で大金が動く世界。そんな世界のある街から物語は始まる。凄腕のデュエリスト(決闘者)であるグレッグ・リバーは、不気味な男・ハンス・ジャイルズに狙われたある少女の身元をかけて決闘を行う。結果、グレッグは敗北するも、そこに現れたみすぼらしい風体の男が決闘でハンスを屠る。彼こそ本編の主人公・ホープ・エマーソンであった。

伝説の銃士である、ホープの父・ピース・エマーソンの引退後の荒廃した世界。その荒廃は、前述のハンスもその一員である「深紅の処刑人(クリムゾンのエクゼキューター)」の暗躍によるものであった。大富豪・フィリップ・クリムゾンの私設軍隊である「深紅の処刑人」の脅威に人々が怯える中、ピースの血をひいたホープが現れる。天才的な銃の腕でハンスに勝利し、少女を救ったホープ。彼に救い出された少女はホープに「あなたはクリムゾン一味を倒す運命」と告げる。少女は「ニコラ・クリムゾン」。フィリップの孫娘であった。こうして、ホープとニコラらの旅は始まる。『スプリガン』、『ARMS』などの名作を生み出してきた実力派である作者の渾身の傑作ガンアクション漫画であり、新境地となった作品である。


『男の星座』

『男の星座』

出典:amazon

伝説的巨匠である原作者・梶原一騎の自身の半生を描いた自伝漫画。梶原一騎の作品上の姿である主人公・梶一太(かじいった)の漫画原作者デビュー直前までの、青年時代を熱く描く。物語は今日でも語り継がれる伝説の一戦であるプロレスラー「力道山」と柔道家「木村政彦」の決闘から始まる。その場面に居合わせた梶は、敗れた木村の後輩である空手家「大山倍達(おおやまますたつ)」がその場で力道山へ挑戦を申し出る姿に心を奪われる。その後、ペンネームを梶原一騎とし、少年向けの格闘小説を書き始めるのだった。

『あしたのジョー』や『巨人の星』、『タイガーマスク』など、漫画史上に残る劇画の原作を数多く手掛けてきた梶原の青年時代を描いた本作。本作の作者・原田もまた『プロレススーパースター列伝 』で梶原とコンビを組んだ実力派だ。格闘技界やプロレス界を中心とした、実録を交えた作品を多く描いてきた原作者の波乱に満ちた日々が克明に描写される。原作者の死去により、未完のまま終了した本作であるが、昭和の格闘技界・漫画業界の第一級の史料ともなりえるだろう。近年話題となったノンフィクション「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」でも取り上げられる木村と力道山の世紀の決闘から始まる本作。実は同書のコミカライズ作『KIMURA』で作者は約30年ぶりに筆をとっている。


『正義 -JUSTICE- ワイアット・アープ物語』

『正義 -JUSTICE- ワイアット・アープ物語』

出典:KADOKAWA

アメリカ西部開拓時代に活躍した、実在のガンマンの半生を描いた本格西部劇漫画。冒頭、1881年の「OKコラルの決闘」、俗にいう「OK牧場の決闘」が始まろうとする場面から幕開けとなる本作。そこからさかのぼって、1873年、主人公ワイアット・アープが兄弟と共に馬車を護衛している場面から、彼の半生を描いている。護衛対象は、娘に会うために護衛を依頼した老夫婦。ワイアット、ヴァージル、モーガンのアープ兄弟はその護衛のため、荒野に馬車を走らせていた。

幾度も映画の題材となった伝説の保安官「ワイアット・アープ」。西部劇を代表するガンマンだ。フロンティアを求めた人々により、19世紀から20世紀初頭まで続いたこの西部開拓時代。その時代に活躍したワイアットの謎の多い半生を、原作者は見事な手腕により独自の解釈で描いている。また作者の優れたデッサン力と、物語解釈に目をみはる本作であるが、ただ一点、非常に惜しい点がある。最も大きな見せ場であるはずの「OKコラルの決闘」が冒頭と最後に登場するのみなのだ。作品掲載していた媒体が終了したためか、物語を描き切れておらず、優れた作品ながら、そこのみが非常に惜しい作品である。とはいえ、有名な「OKコラルの決闘」ではなく、ワイアットの半生に焦点をあてた稀有な作品であることは間違いない。


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