昨今では様々なコンテンツを原作としたアニメが豊富にある。特にライトノベル原作のアニメは非常に多くでてきており、注目されている。しかし一般小説も数多くアニメ化された作品がある。原作の雰囲気を忠実に再現し、さらにはアニメ化という映像の利点も生かした素晴らしい作品が多く存在するのだ。今回は一般小説を原作とした作品を10作品紹介する。
一般小説を原作とした有名なアニメを10作品まとめて紹介する。
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昨今では様々なコンテンツを原作としたアニメが豊富にある。特にライトノベル原作のアニメは非常に多くでてきており、注目されている。しかし一般小説も数多くアニメ化された作品がある。原作の雰囲気を忠実に再現し、さらにはアニメ化という映像の利点も生かした素晴らしい作品が多く存在するのだ。今回は一般小説を原作とした作品を10作品紹介する。
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「綾辻行人」による小説が原作の作品。原作は続編として『Another エピソードS』が刊行されている。ホラー、ミステリー、サスペンスを融合させたような雰囲気が特徴であり、完成度が非常に高い人気作品である。主人公の「榊原恒一」は父の仕事の都合と病気の療養のため、「夜見山北中学校」に転入した。しかしそのクラス、3年3組の雰囲気は何かが変わっていた。皆どこかよそよそしく、何かに脅えていたのだ。そんな中、不思議な雰囲気を纏う「見崎鳴」に惹かれる「榊原恒一」。彼女を取り巻く周囲の対応に違和感を抱いていた最中、クラスメイトが悲惨な死を遂げた。そこから発覚した3年3組に取り巻く「厄災」、その正体を突き止めるべく、「榊原恒一」と「見崎鳴」は動き出したのである。アニメ化に当たり、本作は原作と異なる設定をいくつも取り入れている。とある登場人物が原作の小説では亡くなるが、アニメでは生きたままなど、主軸はそのままに少しずつ変えているのである。そのため、原作とはまた異なった作品という見方もでき、新鮮さを与えてくれる作品として仕上がった。原作の持つ独特の薄暗い雰囲気もそのままであり、アニメならではのトリックの描き方も好評だった。アニメだからこそ描き出すことができた演出の数々に注目してほしい一作である。
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「貴志祐介」によるサイエンス・ファンタジー小説が原作の作品。原作は第29回日本SF大賞を受賞している。アニメ版のキャッチコピーは「偽りの神に抗え。」。舞台は1000年後の日本である。「呪力」という超能力を備えた人類、平和に過ごしていた「渡辺早季」らは1000年前に文明が滅んでから、至る現在までの禁断の歴史を知ってしまう。禁断の知識を知った罰として「呪力」を凍結されてしまう「渡辺早季」ら5人であったが、そこからそれまでの日常は変わっていってしまった。これまでの日常が偽りであったかのように崩壊した少年少女の迎える結末は、希望のあるものなのだろうか。物語は「渡辺早季」らが12歳、14歳、26歳のときの3つに分けられて展開されていく。非常に独特な世界観を備えており、どこか不気味な要素も含んでいる。原作に忠実な作りになっており、その雰囲気はアニメにおいても再現されている。精巧に作りこまれた設定と世界観に心を掴まれるのは時間の問題であり、一度その魅力に気付けば没頭してしまう。そしてキャッチコピーの意味に気付いたとき、本作の全体像を見たような錯覚に陥るであろう。小説を先に読むか、アニメを先に見るか、どちらを先に見ても十分に楽しめる作品である。
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「米澤穂信」が手がける『〈古典部〉シリーズ』のアニメ化作品。アニメでは『〈古典部〉シリーズ』の『氷菓』『愚者のエンドロール』『クドリャフカの順番』『遠回りする雛』のエピソードが放送された。高校生の「折木奉太郎」は姉の頼みから「古典部」へ入部する。そこで出会った「千反田える」に、ひとつの謎解きをしてほしいと頼まれる。そこから発展する「古典部」の活動と、省エネ男子「折木奉太郎」とその仲間の謎解き高校生活が展開されていく。省エネをモットーとした「折木奉太郎」が、好奇心の塊、「千反田える」に振り回されてしまいながらも少ずつ成長していく様子が伺える内容である。本格ミステリーを原作としているためアニメもその要素が惜しみなく詰め込まれており、原作ファンには堪らない作品となった。アニメだからこそ成し得たトリックの再現方法などが人気の秘訣と言える。高校生ならではのエピソードも交えながら進んでいく、謎解きの展開からは目が離せない。そしてアニメで再現された「千反田える」の人気は凄まじく、「京都アニメーション」の中でもトップを争う人気キャラクターとして君臨している。一度アニメを見ると、もうそのイメージが頭から離れなくなってしまうこと必須の作品といえるだろう。
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「森見登美彦」原作小説をアニメ化にした作品。狸を主人公にした一風替わった作品で、現在アニメは第2期まで放送された。京都の下鴨神社周辺を主な舞台としており、登場人物が動き回る背景は京都の街並みが描かれている。狸と天狗が人に化け、人間界に交じり合っている社会における「下鴨四兄弟」と天狗たち、そして他の狸たちの波乱万丈な日常を映し出した作品だ。「下鴨四兄弟」は下鴨神社、糺の森に暮らしており、主人公の「下鴨矢三郎」は退屈を嫌い、日々楽しいことを探して生活をしている。モットーは「面白く生きる」。師匠の「赤玉先生」のお世話をしたり振り回されたり、「弁天」に現を抜かしていたりと、常に忙しそうである。また、彼の周りには常に日常とかけ離れた問題が蔓延っており、それがコミカルに描かれているため面白さが随所に散りばめられている。「下鴨家」と「夷川家」の対立問題や、「弁天」と「二代目」の喧嘩などが「下鴨矢三郎」に降りかかる問題である。しかし本人はどこか楽しそうに振り回されており、ときには自分が問題を引っ掻き回したりもする。狸と天狗の関わりだけでなく、狸同士の恋模様も描かれており、様々な要素を持って楽しめる作品となっている。可愛らしい狸たちの少し変わった騒がしい日常を見届けてほしい。
表現の自由を侵害する法、「メディア良化法」が制定された時代、その対抗のために図書館は立ち上がった。過激な武力行使も厭わない「メディア良化委員会」と、表現の自由を守るために戦う「関東図書隊」。「関東図書隊」に所属している「笠原郁」をはじめ、「堂上篤」「小牧幹久」が所属する「図書特殊部隊」が自由のために本を守る戦いを繰り広げる物語である。本作は「有川浩」による小説が原作の作品であり、その人気から実写映画化も成された。原作は全6巻に渡り『図書館戦争』の世界を繰り広げたが、アニメでは全12話構成で、物語の大枠のみを映し出した形となった。本作は非常に細かな設定が多くあり、「関東図書隊」率いる「図書館」と、「メディア良化法」を制定した「メディア良化委員会」との抗争が常に繰り広げられている。合間に挟まれる小さなエピソードの裏にも全てこの2つの争いが隠れており、どこまでも作品に没頭させてくれるような仕掛けとなっているのだ。だからこそ、アニメ化ではまだまだ伝えきれていない原作の魅力が残っている。より本作の魅力を堪能したいという人は劇場版『図書館戦争 革命のつばさ』を見れば、再び「堂上篤」「笠原郁」の2人のやりとり、「図書館特殊部隊」の面々、熱い死闘に再び会える。抗争、友情、恋愛など多岐にわたる熱量が秘められた一作。
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小説家「三浦しをん」による小説のアニメ化作品。2012年に本屋大賞を受賞し、2013年には映画化もされた。アニメは2016年になって放送され、辞書出版社の協力を得てオープニングには実在の辞書11冊が各話ごとに登場した。出版社に勤める編集部員「馬締光也」は、新たに刊行する辞書の編集メンバーとして辞書編集部に引き抜かれる。小さな部署に所属するメンバーたちと協力して辞書を作り上げていき、辞書の世界にのめり込んでいく様子が描かれている。「馬締光也」は目立たない性格をしているが、言葉を紡ぐことへの熱意と辞書を作ることにかける思いが強く、長い歳月をかけて完成に向けて作業に向かっている。言葉のひとつひとつを非常に大事に扱っている本作は、見ているこちらも言葉の大切さに気付かされる。穏やかに進んでいく物語は心地よく、言葉の持つ美しさに出会わせてくれる。言葉を表わす演出は拘られており、原作の美しさをそのまま映し出したような仕上がりは息を飲んでしまう。情熱を孕みながらもどこか心を落ち着かせてくれる作品である。
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「森見登美彦」の小説をアニメ化した作品。「湯浅政明」が初の小説作品の監督を務めた。「森見登美彦」独特の言い回しや世界観をそのまま映し出すために、通常のアニメよりも文字数が多く、「脚本家と声優泣かせ」と呼ばれた作品。とある話では1話丸々登場人物が1人だけという異例の回があり話題になった。京都大学3回生の男子学生が、自ら選んだサークルによって大学生活がいかに変貌したかを描いたストーリーである。その世界観には並行世界の要素が用いられており、主人公の「私」は各話異なるサークルに所属するという構成となっている。所属サークルは映画サークルやソフトボールサークルなど多岐に渡り、「私」はそれぞれの世界線でキャンパスライフを謳歌していた。最後には並行世界の存在に気付いてしまうが、それまでは薔薇色のキャンパスライフを夢見て、悪友の「小津」と不毛な大学生活を営んでいる。アニメは全11話で構成されており、10パターンの並行世界の話が展開された。各話に登場するサブキャラも「私」のキャンパスライフに刺激を与えており、本作をよりコミカルに彩っていた。登場人物の個性が小説版よりも引き出されている一作である。
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「奥田英朗」による連作短編小説集のアニメ化作品。小説は第131回直木賞受賞作であり、2005年にはスペシャルドラマとしてドラマ化もされた。アニメは2009年に「ノイタミナ」で放送され、高い評価を得た。小説1作目の『イン・ザ・プール』や同シリーズ3作目『町長選挙』に収録されているエピソードを含んでおり、2作目の『空中ブランコ』からは全エピソードがアニメ化。アニメ化に際して主人公の精神科医「伊良部一郎」の姿は3パターン描かれ、シーンごとに姿の使い分けがされている。それを含めた本作の演出は非常に目を引くものであり、主要な患者以外のキャラクターとのタッチの差など、視覚的に楽しめる作品である。原作からして一風変わった印象を受ける本作であるが、アニメ化では特徴的な視覚効果を取り入れ、さらに個性の強い作品へと進化した。「伊良部一郎」はかなり変わった性格をしており、患者が注射されているのを見ることに興奮を覚える。無茶苦茶なやり方で患者たちの心の病を対処してくが、案外その方法は間違っていないのである。好き嫌いの好みがはっきり分かれる作品であるが、ハマる人はハマる、そんな作品である。
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「柳広司」の短編スパイ小説が原作の作品。原作のシリーズは「D機関シリーズ」と呼ばれている。昭和12年の日本、そこには「結城中佐」の発案で設立したスパイ養成学校「D機関」が存在していた。互いの素性を明かすことなく、互いの素顔を知らぬまま厳しい訓練を得て、優秀なスパイを生み出すための機関である。およそ精神と肉体の極限を要求される訓練を乗り越えた8人のスパイが世界各国に忍び込み、秘密裏に暗躍する。1話完結で進められる8人の暗躍の様子が臨場感を持ってアニメ化したのである。「全てを欺き、生き残れ、そして殺すな」自決と殺人を最悪の選択肢として掲げ、東京、ロンドン、上海などで展開される彼らのギリギリの活動は、思わず目が釘付けになる。個々の特性を生かしたスパイ活動は、「D機関」にて訓練された賜物であろう。様々な人間の思惑が交差する舞台は、大人も楽しめるものとなっている。そして丁寧に作り上げられた本作が、どこまでも原作の素晴らしさを引き立てているのである。視聴者までもを欺こうとする本作は、必見の価値あり。
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「森博嗣」によるミステリー小説が原作の作品。作者のデビュー作であり、『S&Mシリーズ』の第一巻である。シリーズ名の「S&M」は主要登場人物「犀川創平」と「西之園萌絵」のイニシャルを指している。大学助教授の「犀川創平」と生徒の「西之園萌絵」は研究室の旅行で妃真加島に赴いた。そこには「真賀田四季」という、現存する最高の天才が住んでいる。彼女は天才として有名であるが、過去に犯した犯罪者としても有名である。「犀川創平」は「真賀田四季」に会えるのを楽しみに「真賀田研究所」へ足を運ぶが、そこで目にしたのは「真賀田四季」の変死体であった。完璧に監視され、さらには密室という条件化で発生した殺人事件の真相を暴こうと、「犀川創平」と「西之園萌絵」は推理を進めていくが、そこには驚くべき真実が隠されていた。「真賀田四季」が残した「すべてがFになる」とはどういう意味なのか。淡々としながらも物語の山場に向けて徐々に面白さを増していく作品であるが、アニメ化においても臨場感が溢れており、楽しめる作品となっていた。高度な謎が、話数が進むに連れて明かされていく楽しさと緊張感を十分に楽しめる。ミステリー好きには堪らない作品であろう。
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