「同じ道を歩めば同じ運命を背負う! 兄弟ならば 違う道を歩むがいい!」…北斗神拳伝承候補四兄弟の長兄にして、世紀末覇者“拳王”ことラオウ。主人公である末弟ケンシロウの最大の敵として立ちはだかる仇役でありながら、異常なカリスマ性で読者を惹き付ける名キャラクターです。非情に徹しつつも時折見せる人間らしさや兄弟への情愛が彼の魅力のひとつかもしれません。次兄トキとの戦いで放った「この血は涙! この一撃はおまえの悲しき宿命への兄の恨みの一撃とおもえ!!」という言葉は、彼なりの弟への愛情をよく表した一言と言えるでしょう。
「兄とは常に弟の先を行ってなければならない それが兄としての務め」…そんな気負いを持ちつつも、「宇宙飛行士になる」という夢においては弟に出遅れてしまった主人公・南波六太が奮闘する『宇宙兄弟』は、兄弟の絆の強さを教えてくれる物語。円滑な兄弟関係に必要なのは、気負いより、素直なリスペクトの気持ちなのかもしれません。
「兄貴ってのがどうして一番最初に生まれてくるか知ってるか? 後から生まれてくる弟や妹を守るためだ!!」…『BLEACH』の主人公・黒崎一護は3人兄妹の長男。少し年の離れた可愛い妹ふたりには、表面上ぶっきらぼうな態度を取っています。しかしふたりを護りたいという気持ちにかけては誰にも負けません。弱い者を傷つける敵を許さない一護の原点は、この熱い兄妹愛、家族愛なのかも。
「お前とオレは唯一無二の兄弟だ お前の越えるべき壁としてオレは――お前と共に在り続けるさ たとえ憎まれようともな…それが兄貴ってもんだ」…主人公・うずまきナルトのライバル・うちはサスケは、兄イタチによって一族を滅ぼされた過去を持ち、イタチへの復讐だけを考えて強くなってきた少年でした。そんなサスケが、まだ悲劇の起こる前の少年時代にイタチからかけられた言葉が上記のもの。イタチのサスケに対する兄弟愛が確かにそこにはありました。