喧嘩するほど仲が良い!? 犬猿の仲から始まる恋愛漫画５選0 Pt.

身長がコンプレックスのリサと大谷はいつも喧嘩ばかりしている犬猿の仲だが、趣味は似ているし掛け合いも息ぴったり。周囲から見るとお似合いのふたりだ。いがみ合いつつも気の合う友人として付き合っていく中で、リサは徐々に大谷に惹かれていく。しかし、それは同時に自分の身長に対するコンプレックスと向き合うことでもある。大谷の好みは身長の低い可愛らしい女の子で、長身でお笑いキャラのリサは大谷に告白しても受け入れてもらえない。それでもリサの気持ちは止まらず、健気なアタックによってふたりの恋は進展していく。リサの一生懸命さや大谷のさりげない優しさにときめきつつ、大阪ならではのスピード感のあるギャグに笑ってしまう作品だ。

高級旅館に生まれ、地位や財産目当ての人ばかりを見てきた壱成は、何でもお金で解決しようとする意地悪な性格の持ち主。ホームレス生活を送る早苗を見かけても、以前注意されたことを根に持って絡みに行く。しかし、壱成とは対照的に正義感の強い早苗は、お金に困っていようとも自分の信念は曲げず、毅然とした態度で壱成を一蹴する。その後ホームレスに襲われそうになったところを壱成に助けられ、早梅は壱成の住む豪邸で居候生活を送ることに。暇つぶしのために早苗を家に入れた壱成であったが、早梅の媚びない強さを見るうちに徐々に惹かれていくのだった。気が強く喧嘩腰になってしまいがちなふたりが、お互いに心からぶつかって恋をする姿が魅力的に描かれている。

本作の犬猿の仲のふたりは、主人公である小学生の紗南と、問題児の秋人。クラスの問題を解決するために秋人の周辺を探っていた紗南は、秋人の複雑な家庭環境について知る。放っておけずに秋人の家庭環境を改善しようと尽力する紗南に、秋人は徐々に恋心を抱くようになっていく。そして紗南がマネージャーに失恋したときやクラスでいじめに遭ったときには秋人が支え、ふたりの距離は徐々に縮まっていくのだった。小学生の微笑ましい恋愛物語であると同時に、捨て子であった紗南や父子家庭で家族とすれ違っていた秋人を始めとした家庭環境のトラブル、いじめ問題、精神疾患など、様々な社会問題を描いている作品でもある。

本作は、半妖の犬夜叉と、犬夜叉とかつて恋仲であった戦国時代の優秀な巫女の桔梗、そして若くして亡くなった桔梗の生まれ変わりであるかごめの3人の恋愛模様が描かれている。しっかり者で明るく凛としたかごめは、戦国時代にタイムスリップして妖怪が出てくる争いに何度も巻き込まれるという恐ろしい状況にも物怖じせず、半妖で乱暴な犬夜叉に対しても「おすわり」のひと言で従わせる強い性格だ。犬夜叉とかごめは反発し合うことも多いが、「四魂の玉」のかけらを探す冒険をする中で、お互いに徐々に惹かれ合うようになっていく。犬猿の仲であったふたりの恋が微笑ましく描かれている一方で、犬夜叉を封印して自殺した桔梗の存在が2人の恋と物語に緊張感を与えているのが特徴的だ。

成海と宏嵩は、お互いにヲタクであることを知っている気が置けない間柄だ。思ったことをそのまま伝える彼らの激しいやり取りは、傍から見ると一見ケンカしているようにも見えるほど。だが、それはヲタク同士のリラックスした会話なのだ。一緒に食事に出かけてもお互いにゲームをしていたり、ネットスラングを交えながら話したりと、普通のカップルには理解できなさそうな行動も、２人にとっては自分を飾らずに見せられる居心地の良さや安心感があってのもの。宏嵩に突然告白された成海は、恋愛感情をほぼ感じずに彼との交際をスタートさせ、その中で少しずつ宏嵩を想う気持ちを強めていく。いかにもラブストーリーらしい、ロマンチックなシチュエーションは抑えめだが、ヲタクの先輩たちに見守られながら不器用なふたりの恋が進展する様子が魅力的に描かれている。