兄弟姉妹キャラが活躍するマンガ7選159 Pt.

兄弟姉妹の絆はそれだけでドラマだ。他の関係性には代えがたい強いパワーがあり、物語に奥行きや感動を持たせる。バトル、恋愛、夢、日常、など物語の舞台の中で兄弟姉妹の絆が光るマンガ作品を紹介する。

物質を分解して再構成し、別の物質に変える錬金術。禁忌である「人体錬成」に二人でのぞみ、兄「エドワード」は右手と左足を失い義肢の身体に、弟「アルフォンス」は全身を失い魂だけの存在になった。元の身体に戻る方法を探すうちに、たくさんの命を犠牲にして「賢者の石」をつくる計画が現れる。人間とは何か、を問う壮大なダークファンタジーでありながら、揺るがない兄弟の絆が織りなす迫力あるバトルと知力戦が見ものである。

女子大生「湊」、その義理の弟「透」、「湊」が変装した姿「みな」のおかしな三角関係の物語。「透」は「みな」が自分の姉だとは気づかないまま恋をして付き合う。一方「湊」はそんな騙し行為を続けるうちに「透」を好きなことに気づく。こじれた姉弟関係がどう修復されるのかハラハラし、大学生らしい初々しいそれぞれの恋愛にもどかしくなり、いい意味で落ち着いて読めないドキドキストーリー。兄妹で三角関係というちょっと変わったドキドキなラブコメマンガ。

かの有名画家「フィンセント・ファン・ゴッホ」とその弟「テオドルス・ファン・ゴッホ」のパリ時代の物語。画商として兄の作品を世に知らしめんと奔走する弟と、才能が稼ぎにつながらないながらも笑顔でおおらかに生きる兄とが対照的。新進気鋭の画商らしく斜に構えた「テオ」だが、兄の才能をひたすらに信じてのことである。売れない兄は弟に頼っていたが、その包容力で救われていたのは弟のほうだったのかもしれない……。実在の兄弟に想いを馳せながら読みたい作品。

幼い頃、ともに宇宙飛行士を志した兄弟「六太」と「日々人」。立ち回りが器用で仲間思いの弟「日々人」は一足先に宇宙飛行士の夢を叶え月面で活躍する。そしてやや後ろ向きな性格だがアイデアに富む兄「六太」は一度はサラリーマンとなるが、弟に遅れ宇宙飛行士の夢を叶える。念願だった宇宙飛行士の現場は、決して綺麗ごとでは済まない苦難も待ち受けていたが、対照的な兄弟が共に支え合い、乗り越え、さらなる信頼を築いていく姿には胸が打たれる。

抱腹絶倒間違いなしのギャグマンガ。女顔のナルシストで常に全力でふざける兄「巧美」と、マジメだがヘタレでブラコン、全力でからまわりする弟「恒」を中心に、彼らの所属する「美国探偵事務所」の面々も加わり奇想天外な事件が次々起こる。兄は弟を盾にして日々新しいギャグを生み出し、弟は兄のために命がけのツッコミ役を担う。まれに飛び出す兄弟愛もネタに変える、ジェットコースターのような兄弟ギャグに笑いが止まらない。

将棋の天才「零」は孤独な中学生で、「川本」の家のあたたかい人々に救われ続けている。最初に出会い、常に母のように優しく導いてくれる「あかり」は三姉妹の長女でしっかり者。次女「ひなた」は思春期らしいもどかしい悩みを抱えつつ、彼女なりに「零」の力になろうとする。三女「モモ」は何から何までかわいい天真爛漫なちびっこ。背伸びしすぎて行き詰まる「零」は三姉妹に救われ、それまで失っていた人間らしさを取り戻してゆく。「零」を起点にした三人の優しさにじんわりと心が洗われる。

海辺の街に住む三姉妹は、父の死をきっかけに異母姉妹である高校生の「すず」と出会う。しっかり者だが生真面目すぎる長女「幸」、酒癖も男運も悪い肉食系の次女「佳乃」、芸術肌で自由人の三女「千佳」の毎日は、「すず」がきたことで少しずつ変化する。それぞれが恋愛や将来に葛藤を抱きながらも、自分を支え、決断する力を与えてくれるのはやっぱり姉妹たち。何気ない日常、日常を大きく変える出来事の中での互いの親愛が心地よい作品。