大流行のカードゲームを題材としたノスタルジックラブコメ漫画。舞台となるのは1990年代後半の日本。当時、世界では「マジック:ザ・ギャザリング」というカードゲームが大流行していた。神河市立ときわ木中学校に通う中学2年生の少年・神納(かのう)はじめも、「マジック:ザ・ギャザリング」にハマっている1人。彼は小学5年生の頃からの知り合いである優等生・沢渡彗美(さわたりえみ)が「マジック:ザ・ギャザリング」をプレイしていることを知り、ゲームを通して彼女と交流を深めていく。
小学生の頃から彗美に勝てず、テストの成績は万年2番手のはじめ。ある日、はじめは自宅から自転車で1時間かかる冨成町にある「マジック:ザ・ギャザリング」の専門店で、大人たち相手に生き生きとゲームをする彗美と遭遇。学校ではゲームになど興味を示さない優等生として振る舞っている彼女が、実は「マジック:ザ・ギャザリング」にドハマリしていることを知る。小学生の頃から何かと衝突してきた2人だったが、発覚した共通の趣味をきっかけに、その関係は形を変えていくことになる。1990年代の「マジック:ザ・ギャザリング」の流行を知っている人間には堪らない世界で繰り広げられる、少年少女のゲームを通して育まれる恋の行方から目が離せない。
魔人と呼ばれる特殊能力を持つ者たちの戦いを描いた異能力バトル漫画。物語の舞台となるのは、異能力を持つ人間「魔人」が存在する世界。そんな魔人たちが行き着く私立希望崎学園は、通称「戦闘破壊学園ダンゲロス」と呼ばれており、学園内では対立する2つのグループ「番長グループ」と「生徒会」の抗争が激化していた。ウォーシミュレーションRPG『戦闘破壊学園ダンゲロス』のリプレイとして執筆された小説のコミカライズ作品。
「魔人」とは、人智を超えた超能力を授かった存在。元々は普通の人間であった彼らは何かをきっかけに超能力に目覚め、途端に差別の対象となる。超人的な身体能力と怪しい異能力を持つ魔人に、一般人は恐怖心を抱くからだ。現に魔人には犯罪者思考の持ち主が多く、魔人による殺人・誘拐・強盗・レイプ事件は後を絶たない。そんなならず者たちが最終的に行き着く場所が私立希望崎学園と言われており、そこは国家権力すらうかつに手が出せない場所だった。そんな学園で、一般生徒を守り尊敬される「生徒会」と、暴力による支配を目論む集団「番長グループ」が戦争状態に突入。主人公の隠れ魔人である両性院男女(りょうせいいんおとめ)は、その戦いに巻き込まれていく。熾烈な異能力バトルの行方を見届けよう。
サッカーに打ち込む少年少女たちの成長を描いた青春サッカー漫画。舞台となるのは、サッカー王国と呼ばれる静岡県。主人公の桜田創始(さくらだそうし)は、少年サッカーチーム「浜西FC」に所属している小学6年生の男の子だ。彼は小学4年生の頃から、友人たちと何となくサッカーを楽しんできた。しかしある日、ソウシたちのサッカーチームに同い年の女の子・七瀬晶(ななせあきら)が入団。彼女との出逢いと交流をきっかけに、ソウシのサッカーに対する想いに変化が生まれる。
サッカー人口が多いからこそ、サッカーに真剣に打ち込む者とそうでない者の差がはっきりとしてくる。ソウシはサッカーは好きだが真剣に打ち込まない側のプレイヤーであり、彼の所属する浜西FCは中の下程度のチームだった。チームメイトたちも、親の教育方針のため通わされていたり、幼い頃からサッカーをしているため何となく続けていたりと、サッカーに対する意識は高くない。そんな彼らが変わるきっかけとなったのが、ナナセこと七瀬晶の入団だ。当初は女子ということでナナセを見くびっていたソウシたち。しかしナナセは男子たちに負けないサッカー技術を持っており、彼女の存在がソウシたちのサッカーに対する姿勢を変えていく。少年たちの姿を通して、何かに一生懸命になることの大切さが学べる作品だ。
真面目な風紀委員の少年と問題児ギャルが織りなすショートラブコメ漫画。大真面目で物事を柔らかく考えることができない風紀委員の少年・桜大門統悟(さくらだいもんとうご)。彼の日課は、校門の前に立って登校する生徒たちの服装をチェックすること。そしてその中でも特に目立っている、明るい色の髪の毛とミニスカート姿の問題児・小日向微笑(こひなたぽえむ)を注意することだった。カタブツな桜大門とギャルの小日向。全てが正反対の2人だったが、ある出来事をきっかけにその距離が縮まることになる。
毎日服装を注意してくる桜大門を煙たく思っていた小日向。ある日、小日向は数学の補習で桜大門と一緒になる。真面目で勉強もできる優等生キャラだと思われていた桜大門。しかし実は彼には学力というものが欠けており、どんなに真面目に勉強してもそれが身につかないというポンコツだった。特に数学が壊滅的にひどいらしく、桜大門は補習に苦戦する。そんな桜大門を見かねた小日向は、彼に数学を教えることになった。一見不真面目な問題児だが、本当は親切で優しい少女である小日向。彼女の意外な一面を知った桜大門は小日向に対する認識を改め好意的に接するようになり、小日向もまた桜大門という人間に歩み寄り理解を深めていく。徐々に打ち解けていく2人の微笑ましい様子を楽しもう。
主人公の少年が競技ダンスに打ち込む青春部活漫画。主人公の土屋雅春(つちやまさはる)は、鹿鳴館高校に入学したばかりの少年だ。彼は部活紹介で競技ダンス部の華麗なパフォーマンスに魅せられ、競技ダンス部に体験入部。そこで同じく競技ダンスに惹かれてやってきた少女・亘理英里(わたりえり)と出逢い、彼女とカップルを組んで競技ダンスの世界に飛び込むことになる。雅春と英里は様々なダンサーと出逢い、数々の経験を重ねてダンサーとしても人間としても成長していく。
きらびやかな衣装に身を包み、背すじを伸ばして舞台上で踊る先輩たちの姿に心を動かされた雅春は、興味本位で競技ダンス部を覗いてみることにした。そこでヒロインの英里と出逢い、彼女と共に競技ダンス部に入部することになる。本作の魅力は、大人しい性格で人々の注目を集めるタイプではない少年と少女が競技ダンスという未知の世界に踏み込み、自身の殻を破って自信を育んでいくストーリーと、躍動感に溢れ迫力満点のダンス描写にある。また、主人公たちが完全な競技ダンス初心者であるため、2人に説明する形で競技ダンスの基本ルールや用語がわかりやすく解説されているところもポイント。読者は雅春と英里を通して、楽しく競技ダンスに対する理解を深めていくことができるだろう。