自分のため、相手のため、嘘を吐いてしまう登場人物たち。そんな彼or彼女たちが綴る、嘘から始まる恋の物語を特集。本当の自分を見せることはできるのか、その時に想いは変わらないのか? ドキドキの5作品を紹介。
偽りでもそこに愛は生まれる…かもしれない!?
出典:集英社
自分のため、相手のため、嘘を吐いてしまう登場人物たち。そんな彼or彼女たちが綴る、嘘から始まる恋の物語を特集。本当の自分を見せることはできるのか、その時に想いは変わらないのか? ドキドキの5作品を紹介。
出典:マンガペディア
主人公の女子高校生と、ドS男子との恋愛模様が描かれる、人気少女漫画作品。嘘から始まる純愛物語だ。主人公・篠原エリカは、「彼氏いない歴=年齢」の女子高校生。見栄っ張りのエリカは、友達の前では、彼氏がいるフリをしていた。しかし、友達に疑われ、超イケメンの同級生・佐田恭也に、彼氏のフリを頼む。優しそうに見えた恭也は、実は腹黒なドS男だった。2014年にテレビアニメ化。2016年に実写映画化された。
主人公・篠原エリカは、「1度も彼氏ができたことがない」ことを気にしている女子高校生。エリカの友達は、彼氏持ちばかりなのだ。しかも皆、体の関係もあるという。彼女たちに話を合わせるため、エリカは、彼氏がいないにも関わらず、「自分と彼氏はもっと過激な関係だ」という見栄を張っていた。しかし、その嘘が友達にバレそうになってしまう。慌てたエリカは、咄嗟に「同級生の佐田恭也と付き合っている」と言ってしまった。佐田恭也は、「王子様」と呼ばれているほどの超イケメンで、学校中の人気者。エリカは、恭也に「恋人のフリをしてほしい」と頼む。しかし、一見優しそうな恭也の本性は腹黒ドS。「恋人のフリをする代わりに、なんでも言うことを聞け」とエリカに要求した。そんな恭也だが、両親の問題で恋愛不信に陥っていた。エリカの彼氏を演じる内に、徐々に本気で彼女に惹かれていく。嘘が純愛へと変化していく過程が丁寧に描かれた作品だ。
出典:マンガペディア
誰からもよく思われるために見栄を張る女子高校生・宮沢雪野と、品行方正だが裏の顔を持つ男子高校生・有馬総一郎。2人の恋愛事情が描かれる少女漫画だ。浅葉秀明、芝姫つばさ、芝姫一馬をはじめ、同学年の友人たちも個性的で、成長の中で思い悩みながら切磋琢磨していく姿も丁寧に描かれている。1998年にテレビアニメ化された。
主人公・宮沢雪野は、聡明で優しい美少女。だがそれは、彼女の本来の姿ではなく、必死に作り上げていた「嘘」の姿だった。見栄っ張りで負けず嫌いの宮沢は、人からよく見られたいがため、自ら望んで「立派な優等生」を演じていたのだ。実は大雑把な性格で、家では「ジャージにメガネ」スタイルだが、それは家族しか知らない。宮沢は、高校の入学式で、入試で成績トップの生徒が務める「新入生代表」になる夢を抱いていた。しかし、有馬総一郎に、その座を奪われる。その上、あろうことか有馬に、雪野の本性を見抜かれてしまう。一方、品行方正な青年に思われた有馬も、裏の顔を持つ男だった。宮沢の本性をバラさない代わりに、委員やクラスの仕事を手伝わせたり、意地悪な顔を見せるようになったのだ。そんな裏の顔を持つ有馬に、宮沢は心惹かれていく。そして、彼氏彼女の関係になった2人は、互いのことを理解しあう中で、嘘と偽りで作り上げていた自分から解放されていく。そのドラマが心に沁みる作品だ。
出典:講談社
『かってに改蔵』や『さよなら絶望先生』で知られる久米田康治によるコメディ。主人公は、かつてギャグマンガ「きんたましまし」で有名になった漫画家・後藤可久士。しかし、10年前に娘・姫が産まれた時に、とある決意をする。それは娘に、自分が漫画家であることを隠し通すこと。そのため、毎朝スーツ姿で家を出て、途中でラフな姿に着がえてから仕事場に向かう。さらには、原稿を家から遠くの倉庫に保管しているのだった。
本作は、主人公・後藤可久士の娘である後藤姫が18歳になり、「父親が漫画家である」ことを知るシーンから始まる。その後の物語本編で描かれているのは、姫が10歳の頃の話である。後藤は、ひとり娘である姫を溺愛。姫のためならどんな努力も惜しまない父親であった。だが彼は、自分が漫画家であることを隠していた。下品な作風のせいで、娘が幼稚園や学校でいじめられてしまうのではないかと心配したからだ。本来の後藤は、全裸でなければ漫画が描けない体質。しかし、愛する娘のために、ラフな服装でなら漫画を描けるほどに進化(?)を遂げる。娘のために「嘘」の姿を見せ続ける後藤。そんな彼が娘のためを思った言動や、仕事に向かうときの姿に、多くの女性が恋心を抱く。
出典:小学館
ドSなホストと純情女子高校生の、嘘から始まる、ちょっと大人の恋愛漫画。学校では真面目で優しい男子高校生・上條獅子王。友人たちから「ダサい」と言われても、草野なずなはそんな彼に恋していた。しかし上條には裏の顔があった。彼は、有名ホストクラブで人気ナンバーワンの「レオ」だった。上條の裏の顔を知ってしまったなずなは、口止めと言われ、キスをされてしまう。強引でドSな上條に、なずなは戸惑うばかりだった。
ヒロイン・草野なずなは、とても純情な女子高校生。姉はキャバ嬢をしている。そんななずなが好きになったのは、飼育小屋のうさぎをかわいがるような、優しくて真面目な同級生の男子・上條獅子王だった。彼はやぼったいメガネをかけているが、それは、本来の姿を隠すための「嘘」の姿だった。上條は、繁華街で名の知れたホストクラブ「ALCAZAR」のナンバーワンホスト「レオ」。人気があり過ぎて指名が取れないと評判のホストなのだ。本来の上條の性格は、強引でドS。上條がホストをしていることを偶然知ってしまったなずなに、口止めと言いながらキスを迫る。上條にとって、口封じのために純情な女子高校生を手玉に取ることなど訳もないのだ。だがなずなは、どれだけ弄ばれても、自分が好きなのは「学校での優しい上條」だと彼に告げる。そんななずなに、上條は、「どちらも俺だ」と、さらに強気な態度で迫るのであった。
出典:集英社
記憶を失った少女と、転入生の男子の出会いから始まる、叙情的恋愛物語。交通事故に遭い、全ての記憶を失ってしまった主人公・青山月子。自分の名前さえも忘れてしまった彼女は、周囲の人から話を聞き、「青山月子」がとても愛されていたことを知る。そして、記憶を失う前の「青山月子」に少しでも近づこうとするが、上手くいかず空回り。そんなある日、月子のクラスに転校生・加賀美凌がやってくる。彼との出会いが月子を変えていくのだった。
主人公・青山月子は、交通事故の後遺症で記憶喪失である。そのせいか、表情が乏しく、自分では笑っているつもりでも、笑顔になっていない。だが、話にきくかつての「青山月子」は人気者で、困った人を助けてあげる子だったという。本人でありながら、彼女はかつての自分に憧れ、近づきたいと願っていた。今の自分が「嘘」の存在だと思っていたのだ。そんな月子の転機になったのは、彼女の過去を知らない転校生・加賀美凌との出会い。月子は、加賀美からかけられた言葉により救われ、記憶を失ったままでも幸せだと思えるようになっていく。過去を知らない加賀美にだけ、彼女は少しずつ「今の自分」を見せていく。ある時、弱気になった月子に、加賀美は「オレに言ってきたこと全部嘘かよ」と迫る。月子は「嘘なんてついていない、皆にも今の自分を好きになってもらいたい」と、加賀美に本心を伝える。かくして2人の心は、徐々に近づいていく。本当の自分とは何か、人を好きになる気持ちとは何かを、静かに問いかける作品だ。
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